2017-09

日々雑感 一年たちましたね。 - 2015.07.31 Fri

今どこにいますか?

今誰とお酒を酌み交わしていますか?

 

お父さん、あれから一年がたちますね。あなたが亡くなってからもう一年です。早いものですね。

あの日、知らせを受けて快速電車に揺られる私のゆく手に大きな、それは大きな積乱雲が立ち上がっていました。しかもそのてっぺんには傘雲が小さくかかっていましたっけね。

あの小さな傘雲の下に、お父さんあなたは居たんでしょうか?

 

誰のおとずれも待たず、どうして一人でさっさと行ってしまったんだろうと私は最初、あなたを恨めしく思いましたよ。でもね、時間がたって落ち着いて考えると「その瞬間」を見られたくなかったのかな、と思ったりしました。お父さんあなたらしい最期だったと思います。最期までかっこつけたかったのかしら?

そういえばお父さん、あなたはいつも自分のことを「偉大な人」って言って笑ってましたね。

お父さんがお骨になったとき、顔の、頬から眼窩の部分がしっかり残っているのを見たとき、私の頭の中にお父さんの笑いながら言う声が響いてきましたよ、「偉大な人はここを残すんですよ」って、言って顔を指さしながら言う声が。

結構おちゃめなお父さんだったと思っています。

 

お父さんあなたという人を思い出すとき、今では愉快な思いでした浮かばなくなりました。生きてるときは腹立たしいことばっか言っては怒っていたのにね。

覚えてるかしら、今から20数年前九十九里浜に海水浴に行った時のこと!

あの時お父さんはビーチサンダルを海の家に置いてきちゃって、お昼に食事をしに海の家に戻る時砂が灼けて熱くて、飛び跳ねながら走って、それでもたまらなくって来ていたシャツを砂の上に投げてその上を歩いてたっけね。

「あち、あち、あち~~!」

て叫びながら。

あの時のことは今でも笑いとともに思い出します。全くなんでサンダルを履かないで砂浜に来ちゃったかねえ?朝早く行ったから、涼しかったし砂もまだ冷たかったから何気に浜へ行っちゃったんでしょうけど、ありゃあ大失敗だったね。

 

それからお父さんの一大痛恨事。

それは幼少期、日本が敗戦になったとき。

お父さんのお父さん、つまり私の御祖父さんが出雲大社の神官として北京にいたことがあったんですよね。お父さんは北京で生まれたと聞いてます。

敗戦の年、6歳だったお父さん。家族で日本に引き揚げるときお父さんはリュックの中にカルパスというサラミソーセージみたいのを大事に入れていたんだってね。ちょとだけリュックから頭を出していたそれを、引上げ船に乗る時中国兵にすっと引き抜かれてしまったと、今でもがっかりしながら話す顔が忘れられません。

食べたかったんだろうに、「子供のものを取るなんてとんでもないやつだ!」とそのあと必ず怒ってましたね。でも、命あって家族そろって内地に帰れたのだからいいと思わなきゃね。

 

 

今でも実家に帰る時駅の改札にお父さん、あなたの姿を探します。時刻表の貼り付けられた柱の向こうにあなたは居て、いつものように笑いながら「お帰り、混んでなかった?」と言ってくれるんじゃないかって思います。

駅のショッピングセンターの中の人ごみに、書店で新刊本を探す人の後姿に、バス停でバスを待つ人の列の中に、お父さんの姿を見ては思わず目を凝らし、そして次の瞬間には別の人だと気が付いて肩を落とす。そんな日々の重なりのこの一年間でした。

泣くことも出来ず、ゆえに体調がおかしくなっても休むことさえ許されない一年でしたが何とか乗り越えましたよ私。

昔私が勤め先の人間関係に悩んで、会社を休みがちなときお父さんが言ってくれた「がんばりましょう」という言葉を心の中で反芻して、ここまで来ました。

 

この先も私、頑張りますよ。

と言っても私のことだから時には「もうダメ、嫌だ」と投げ出すときもあるかもしれないけど、でもきっと頑張って生きるでしょう。

 

そして

「命がつながった」

とその誕生を喜んだ、あなたの二人の孫娘も元気で毎日過ごしておりますよ。どうぞ見守ってやってください。二人も「もう一年たっちゃったんだね…今でもおじいちゃんがいなくなったって信じられない」と言っています。

二人の孫たちにもたくさんの思い出を残してくれてありがとう。

 

思い出はあふれてそれと同時に涙もあふれてどうしようもないけど、しばらくあふれるがままにしておきます。

気の済むまで。

 

もうちょっと元気で長生きしてくれたらもっと話したいことや意見を聞きたいこともあったんですが。それだけが残念。昨今騒然としてる安保法制について意見を戦わせてみたかったな。

きっと天国で小田実さんや開高健さんたちと話しているんでしょうね。お酒飲みながら。

 

時々は下の世界であくせくしているあなたの妻や娘を見てやってくださいね、そして護ってやってくださいな。

 

私は折に触れて、お父さんあなたを思い出しておりますよ。そして思います、あなたの娘でよかったな、と。

そして声に出しては言えなかったけど「ありがとう」と今言いましょう。

私が生まれてからこのかたへの感謝です、ありがとう。きちんと面と向かって言えなかったのが本当に残念で悔しいけど、私の性格上ちょっと無理でした。

だから今ここで。

 

ありがとうお父さん。あなたの娘で幸せでした。


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● COMMENT ●

森須もりんさんへ

森須もりんさんこんばんは
この7月で二年となります。父が亡くなってからこちらあっという間に月日が経ちました。あの日のことを時々鮮明に思い出します、父が入院中のことも…後悔することもたくさんあります。

母は父のお酒をたくさん飲むことやあまり家庭を顧みなかったことなど当時は大変怒っていましたが亡くなってみれば「そんなことで起こっていた時が花だった」と言います。

そして歴史は繰り返す、ではないですが私も父と同じようなしぐさをしているときがあってはっとするときがあります。やはり血は争えないというかー親子なんだなって思いますね。

こんにちは

なんだかジーンときます。

私の父は私が20代の時に亡くなりました。
私は父とは生前は、あまり仲良くはなかった。
母に厳しい父が許せませんでした。

いつも私が母を守っていました。というか子供心に
そんな気持ちでした。

最近、私は工作をする事に夢中です。
しかもその工作は無駄なもの。人に失笑されるようなもの。
そのとき、気が付いてハッとしました。
父親と同じことをしている自分に。

確執のあった父なのですが、似ているのだなあと
思うとなんだか胸がジーンとします。

ウダモさんへ

うだもさんこんばんは。
続けてのコメントをありがとうございます!

生きている間はなんだかんだと結構悪口言っていましたよw、また悪口のネタがたくさんあったので(;´Д`)。
ウダモさんのお母様はご健在ですが別に暮らされているから、良くない思い出は良い方に昇華されたんですね。

どんな人でも親は親。最期の送りの時は「ありがとう」としか言えません…

本当にあの頃が花でしたw、悪口言えた時が。
そしておっしゃるようにそれだけ若かったんですね。
幸せだったのだ、と今になってわかりました。

素敵なコメントをありがとうございました^^。

こんばんはb

読んでいて、母と重なりましたよ。
まだ生きてますけどね。
一緒にくらしていた時には、嫌悪しかなかった私ですけど、今は良い思い出しかないです。

きっと、母を送り出す時ありがとう!という言葉しか言えないな、と。

お互いに親の悪口を言っていた時が懐かしいですね。
見張り員さんも私も、親の悪口を言えるほど若かったのかもしれないですねw
そして、幸せだったのかもしれないと思いました。

トリテンさんへ

トリテンさんこんばんは!
トリテンさんは、私とは比較にならない哀しみを抱えておいでですね…私の場合は年の順ですが、大事なご子息を先に送らねばならなかったトリテンさんのお心うちを思うとき、胸がふさがります…「涙の一年」、言葉がありません。

それでも、こちらに残った私たちは毎日をしっかり生きねばなりませんものね。
御子息様のご冥福を心よりお祈りするものでございます。


そして終戦から70年。日本人が総力戦を始めて戦い、そして初めて負けたあの戦争のことをこの機会にもう一度深く考えたいと思っています。
私の父方の伯父も戦争に行き、ソ連に抑留された経験がありました。帰ってこれただけ幸せだと言っていたようなことを聞きました。確かにそうだと思いますが、生還したからこそ追う心の傷もあったと思います。
そうした人たちの想いをも、次代に語り継いでいきたいと思う昨今です。

ひどい暑さですがどうぞ御身大切になさってくださいね^^。

鍵コメさんへ

鍵コメさんこんばんは
お久しぶりです。

ありがとうございます、思いのたけを書き出してみました。
私は父にとって決していい娘ではなかったと思うのですが、夢に時折出てくる父は昔のようにいつも笑っています。
父に思いが伝わっていると思っていいですね^^。

一年が過ぎ、改めて「いなくなったんだな」と思う毎日です^^。

猛暑の折からくれぐれもご自愛くださいませね。

いつも温かいコメントをありがとうございます。
私も「戦争と平和」について、心に沁みる記事を拝見し、感心しております。
昨年の同じ頃、見張り員さんはお父さまを、そして私は息子をあの世に送ってしまいました。

毎日思い出さない日はなく、涙の一年でしたが、私たちが元気に生きてこそ、亡くなった人の霊も安心するというものです。
どうぞ、改めてご冥福をお祈りします。

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まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは
もっと話がしたかったなあといまさら思います。
本当に何をいまさら、なんですが…そんなものなのでしょうか。

父は私にとって忘れることのできない人です。愉快でありいい加減であり、―-いろんな要素のあった人ですから余計かもしれなませんね。
これからも私は生きている限りいろんなことを繰り返し思い出しては笑うのでしょう。

あたたかきお言葉をありがとうございます、いつもお心にかけてくださって本当にうれしくまた、ありがたく思っております。父も喜んでおりましょう。
まろ兄様にもたくさんの良きことがありますように。

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは
きっと父はこの文章を見たら「そんなこと書かないでよ~。はずかしいなあ」と笑うでしょうね。こうして思い出して書いて笑ったり泣いたりしてると傍らに父がいて覗き込んでいるような感じさえします。
出版社で編集者として長年働いた父、どんな感想を言ってくれるでしょうか。聞きたいものだと思いました。

あたたかきお言葉をありがとうございました。
暑さきびしき折からくれぐれもご自愛くださいませね^^。

鍵コメさんへ

鍵コメさんこんばんは
本当に一念って早いなあと実感しています。
呆然としているうちに過ぎてしまったという感じです。いつまでもあると思うな…なくしてみて初めてその通りだと思うこの心、情けなくなりますがそんなものかもしれませんね、案外。

親子でもいろいろありますよね、亡くなってみて初めて感謝できたり許せたりするんでしょうね…

魂魄になろうともお父上の存在は、見張り員さんにとっては終生の支えであり愛そのものであると思います。こんな素敵な娘さんから偲ばれているお父上はお幸せな方であると。
人間にとって寂しいことは死ぬ時と、死んでしまって忘れられてしまうことだそうです。お父上を季節の移ろいとともに思う見張り員さんは間違いなく親孝行ですよ。
親の歴史を、親が元気な時に聴かせてくれた話とともに思い出す。ちょっと切ないですが素敵なことだと思います。

お父上が守りきって下さるような日々を、安寧な日々を送って下さいね。
一年祭、改めて亡きお父上のご冥福を衷心よりお祈りいたします。

こんにちは。
誰かに語ること、聞いてもらうこと、読んでもらうことで身体はなくなっても人は永遠に生きていけるのだと思っています。父上さまの人生の何ページかを読ませて下さりありがとうございました。ずっとしあわせな父上さまの娘さんでいて下さね。

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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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