「女だらけの戦艦大和」・新しい仲間!?2

 岩井少尉は拾った子猫を手拭いに包むと、松本兵曹長とともに下宿へと歩き出した――

 

下宿の玄関を開けて「岩井少尉ただ今帰りました」と声を上げると奥からここの女性主人が走り出てきた。そして岩井少尉を見て「お帰りなさい、岩井さん!」と言って頭を下げた。少尉は「お久しぶりです、おばさん」と言って懐かしげな顔になった。女主人――内川――は顔を上げて

「おや、今日はお連れさまがご一緒ですか?」

というと松本兵曹長にも頭を下げた。兵曹長も礼を返し微笑んだ。岩井少尉は松本兵曹長を見て微笑んでから

「はい。私の大事な友人の松本兵曹長です。お見知りおきを」

と紹介し、兵曹長は「松本リキ海軍兵曹長であります。岩井少尉にお世話になっておるものであります。今日は私まで押し掛けまして失礼いたします。どうぞお見知りおき願います!」とあいさつ。

内川は「まあそうでしたか!こちらこそよろしゅうお願いします…岩井さん、お風呂沸いてますけえどうぞ。松本さんもどうぞ御遠慮のう」と言ってくれた。そして岩井少尉が大事そうに持っているものを覗き込んで

「ありゃ?こまい猫じゃねえ…どがいしたんです、この猫。――まあごめんなさい、お二人ともさあ、あがって上がって」

と居間に通しながら尋ねた。岩井少尉は大事に手拭いに包んだ猫の息を確かめるように顔を寄せてから

「この先の大きな樹ぃにしばられとってがです。かわいそうじゃけえ連れてきました。明日、艦に連れて行こう思うとります」

と言った。内川は手を伸ばして子猫を岩井少尉から受け取ると

「ちいと弱っとりますねえ…ほうじゃ、うちは昔猫をたくさん飼っとったことがあるけえこの子をひと晩任してくれんね?うちが明日の朝までにこの子を元気にしますけえね」

と言った。岩井少尉の顔が明るくなると

「それは心強い!内川さん、ご面倒ですがよろしゅう願います」

と言い、その晩仔猫は内川の手厚い看護を受けることとなった。これは内川の心遣いでもあって、二人をゆっくり休ませてやりたいという親心にも似た思いである。

そして岩井少尉と松本兵曹長は二人一緒に風呂に入った。脱衣場で岩井少尉は恥ずかしげに後ろを向いて服を脱いで松本兵曹長は(岩井少尉はええなあ、こういう恥じらいがあってこそのおなごじゃ。うちも見習わんとなあ)と思っている。久しぶりに味わう娑婆の風呂、二人はしっかり体を洗ってから湯船につかった。岩井少尉は手拭いを頭に乗せて「ああ…気持ちええのう。のう、松本さん。やっぱし風呂は(おか)に限るね」と言って笑った。松本兵曹長も「ほうですなあ、こげえにゆっくり、しかも真水の風呂にゆっくり入れるなんか夢ですよ。有り難いことであります」と言って湯を片手ですくってその肩に掛けた。岩井少尉も「ほんまじゃ。有り難いことじゃねえ」と唸った。

二人は風呂から出た二人は浴衣を着てから内川に礼を言って二階の少尉の部屋に上がった。きちんと片づけられた少尉の部屋は彼女の性格をそのまま表しているようだ。押入れから布団を二組出して延べおえると二人はどちらからともなくその上に座りこんだ。心地よい疲れが全身を支配している。

「お疲れでしょう、少尉」と松本兵曹長が言うと岩井少尉は首を横に振り「疲れてなんぞ居らんで。だって今日は松本さんと一緒で楽しいて、疲れとる暇もありゃあせん」と言って微笑んだ。松本兵曹長の体に岩井少尉に対する愛しさがぐうっと湧きあがってきて抑え込めなくなってきた。

「岩井少尉」と兵曹長は小さく叫ぶと岩井少尉のその身体を抱きしめ布団の上に倒していた。どさ、と布団の上に倒された岩井少尉は軽くその瞼閉じて兵曹長の浴衣の背に両手を回してきた。兵曹長は「少尉…ええですか?」と尋ねた。その片手はすでに、少尉の浴衣のひもに掛けられている。

岩井少尉はうん、と小さく言ってからそっとまぶたを開けると「…少尉、はやめて?こないだみとうに<しん>言うて呼んで欲しい」と囁いた。松本兵曹長はうなずいて「ほんならそう呼ばせてもらいます。ほいでうちの事も<リキ>言うて呼んでつかあさい」というと、少尉の浴衣のひもを解き、前をそっと開いた。

そして恥じらいいっぱいの岩井少尉の乳房をつかんだ。ああ、と少尉がかすかに声を上げると松本兵曹長はもうたまらなくなった。乳房をつかむ手に力を込めて激しく揉んだ。そしてその先端の桃の花のように色着いた部分に唇を当てるとねぶりまわした。痛いくらいに噛んだかもしれない、しかし岩井少尉は快感に身をゆだねて「ええわ…ええわあリキ」とうわごとのようにうめいた。

松本兵曹長は我を忘れて少尉を攻め立てた。いよいよ少尉の肝心どころに手を伸ばし、そこをこねまくる。少尉は息も荒く喘ぎながら「…リキ、いけん。そげえなところ…いけんで…うちは、どうにかなってしまいそうじゃ」と小さく叫ぶ。

兵曹長はとうとう少尉の奥へ指を進ませながら「どうなってもええじゃないですか、思い切り乱れたらええですよ」と言ってぐうっと突き入れた。

「アアッ!」と少尉が叫んで兵曹長にしがみつく。兵曹長はまだ少尉の奥へと進撃中、二人の体はしっとりと汗に包まれ始めている。兵曹長は「こうしたらどがいな?気持ちええぞ」というと少尉の奥へ入れていた指を激しく出し入れした。

「いけん、いけんリキ!うちは…」と岩井少尉は長い髪を乱して喘いだ。兵曹長は岩井少尉の片膝を借りて自分を刺激しつつ快感を得る。兵曹長の息も荒い。二人の絶頂が近くなってきた。兵曹長は興奮でさらに紅く色着いた少尉の乳首に唇を寄せると音を立てて吸った。ああん、と少尉がうめくと同時に少尉の中の兵曹長の指が締め付けられる。

あっ、と思ったその時少尉の手が兵曹長の胸に当てられた。そして少尉の指が兵曹長の乳首を摘まみ、兵曹長も「ああ、ええ!ええよ…しん!」と低く叫んだ。少尉の指が兵曹長の乳首をもみつぶし、兵曹長が少尉の乳首を噛んだその瞬間に二人は果てた。

二人は息を荒げたまましばらくの間あおむけに布団の上に大の字になっていた。一体どのくらいの時間が立ったのかわからない。そとはあくまで静かである。

松本兵曹長の太くたくましい腕に、岩井少尉は頭を乗せている。

「リキ…腕、痛うないね?」

そっと尋ねた少尉に兵曹長は優しく微笑んで「痛うなんぞありませんよ…遠慮のうこうしとってつかあさい」というと少尉に接吻した。すると少尉は兵曹長の胸にすがって「嬉しい。うちはほんまにリキが大好きじゃ」と言って今度は少尉から接吻。

そしてまた…二人はもう一度堅く抱き合って――

 

翌朝二人は早くから目を覚ましていた。帰艦の時刻を過ぎてはならない、すっかり軍装に身を包み布団も畳んで準備万端である。岩井少尉は昨晩の二度の激しい行為を思い出して恥ずかしげに顔を伏せていた。その初々しさが兵曹長にはたまらない。少尉はとうに乙女ではないはずなのに、どうしてこうも乙女らしい所作をするのだろう、しかも自然に。

松本兵曹長は思わず少尉を抱きしめた。とふすまの向こうから内川の「岩井少尉さん、もうお目覚めでしょうか?」と声がかかり兵曹長は抱きしめる腕をあわてて解いた。

はい、と少尉は返事をしてふすまを開けると内川が手拭いに包んだ子猫を持って嬉しそうに微笑んで立っていた。そして少尉に手拭いをそっと渡してから「うちは昨夜この子と一緒に寝ました。むかし飼うとった猫を思い出して楽しかったですよ」と言うと手拭いをそっと開いた。

「まあ、可愛い!松本さん見て」

少尉が歓声を上げた。兵曹長が覗き込むと少尉の手の中で開かれた手拭いの中であの仔猫が少尉を見上げて、ニャーと鳴いた。昨日見つけた時の弱弱しさがすっかり消えて仔猫本来の可愛らしさがにじんでいる。内川は「うちがもうちいと若かったらまたネコも飼いたい思うんじゃがもう自分の事で手いっぱいじゃけえね」と笑い、仔猫に「少尉さんがたに可愛がられて幸せになりんさい」と話しかけた。

少尉は内川を見つめ「またここに来るときは連れてきますけえね」と言って頭を下げた。兵曹長も倣う。内川が「楽しみにしてますけえね」と言って笑った。

 

二人は上陸場を目指し、途中艦の仲間たちと合流しながら桟橋に集まりそしてランチに乗り込んだ。岩井少尉の軍装の内側にはしっかり仔猫が隠されて。その子猫と胸を合わせている岩井少尉は心臓の鼓動が否応なしに高まるのを覚えていた。その隣に立つ松本兵曹長とて同じ思いである。

(連れてきたんはええが…果たして飼うてもええ言う許可が下りるじゃろうか)

二人の不安を乗せて、ランチは『大和』へ向けて海上をひた走る。

 

『大和』に帰艦した乗組員たちはそれぞれの居住区に戻る。間もなく朝食時間である。

岩井少尉と松本兵曹長は副長室に行ってそのドアを叩こうとしたその時ドアが内から開いて、繁木航海長が出てきた。

繁木航海長は「ああびっくりしたあ!なんだなんだ、岩井少尉と松本兵曹長じゃないか、一体どうしたね?副長にご用か?」と言って部屋の中の副長を見返った。副長はすぐにドアのそばまできて

「珍しいね、二人が私を訪ねてくれるなんて…なにか話がありそうだね、さあ入りなさい」

と部屋に招じ入れた。航海長も興味しんしんで部屋の中に取って返す。副長は皆にソファに座るよう勧め、自分もソファに腰を沈めた。

岩井少尉と松本兵曹長はしばしの間ためらっていたがやがて

「呉の町で仔猫を拾ってきました。どうかお願いです、飼わせて下さい」

と懇願した。副長と航海長は呆気に取られていたが、岩井少尉がふところから大事そうに小さな三毛猫を取り出して見せると争うようにそれを手に取って「かわいい、可愛い」と大騒ぎをする。そして

「これは雄か雌か?どちらでもいいがノミがついていたりしてはいけない。医務科の畑大尉に診てもらいなさい」

と副長が言うと繁木航海長は「副長、これがオスならラッキーですよ。オスの三毛は希少種ですから。それに船にはたいへん縁起がいいって聞きました」と言って嬉しそうに笑う。副長は

「それならなおのことだ、早く畑大尉のところに行きなさい」

とせかし、松本兵曹長は「ほいでは副長、この猫を飼ってええんですか」というと副長は

「こんなに小さな可愛いものを投げ出すなんてできないでしょう。その代わりあなたたちの責任においてきちんと飼いなさい」

とあっけなく許可した。

喜び勇んで岩井・松本の両名は仔猫を抱えて畑軍医大尉の元へと急ぐ――

        (次回に続きます)

 

                ・・・・・・・・・・・・・・・

 

岩井少尉と松本兵曹長。久しぶりに二人<仲良く>できた呉の晩でした。そして子猫も元気になって『大和』での飼育を許されたようでなにより。

あとは畑大尉の診察を受けるばかりですね。さあどんなことになりますか、次回ご期待下さいませ!

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matsuyamaさんへ

matsuyamaさんこんばんは!
おほめにあずかり光栄です!!
小説まがいのものを書くのが子供のころから大好きでした。小さい頃は書いたものを父親に呼んでもらって感想を言ってもらって「ここはいいね!」とか「ここはこうした方がわかりやすい」とアドバイスをもらったことがよくありました。
小学生の時、学校の創立記念誌に小説?を書いたことがありますがあれは今思い出すと赤面モノです(・・;)…。以後中学高校…と勉強ちっともしないで文章ばかり書いていました。
文才があるとおっしゃっていただけると、さあもっと頑張ろうと励みになります^^。ありがとうございます!!

見張り員さん小説の書き方うまいもんですね。以前書いていたことがあるんですか。
いつも読んでいて思うんですが、読者の気持ちを惹きつけるような表現やスポットがふんだんに織り込まれてますよね。
ついつい引き込まれてしまいます。読者心理を突いているんでしょうね。自分にはこういう文章はとても書けないですね。
やっぱり文才のある人っていいですね。

柴犬ケイさんへ

柴犬ケイさんこんにちは!
三毛ちゃん元気になり、しかも副長から飼育の許可が出ました。さあとは畑軍医の診察を受けるばかりです。果たして雄かメスか。気になるところですね^^。

何とオスの三毛ちゃんッてそんなに高価なのですか!!びっくり!
そこらへん歩きまわって探しても野良三毛のオスなんてきっと皆無でしょうね(-_-;)。さもしいことを考えちゃいけませんねw。

東京も本日はすっきりしないお天気です(が洗濯物をたくさん干してしまいました(-_-;))。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんにちは!
またまた始まってしまいました…(^_^;)、こういう場面を描くのって結構恥ずかしいんですが腹をくくって?書いております!
こういうめくるめく経験のない私ですから想像の翼を広げて~~❤、人々の心情については「自分がこの場にいたらどう思うか、どう行動するか」を念頭に書いております。
そして三毛ちゃん、はたして性別はいかに…!
次回をお楽しみに^^。
――引っ張るなあ私w。

見張り員さん    こんにちは♪

いつもありがとうございます♪
岩井少尉の下宿先の内川さんが猫を飼われていた経験があり
三毛猫の仔猫ちゃんも元気になってよかったですね。
大和に戻った岩井少尉と松本兵曹長は猫のことで野村副長に
お願いをしに行かれて繁木航海長もいて野村副長と2人は猫
が可愛くて飼えてよかったですね。
拾った三毛猫がオスだといいですね。
昔から船乗りは三毛猫のオスが守ってくれると言われていますね。
今でも三毛猫のオスは高いお金で千万円単位でネットで取引
されていました。
こちらは今日は朝から曇りです。

素晴らしい描写に久々に血が逆流した思いです。それに、その合間に見え隠れする周りの人たちの優しさや気働き。皆まで言わずとも分かってくれる人間関係って本当に素敵なことだと思いました。
しかし、見張り員さん、閨房の様子もそして人々の心模様の表現もとても上手ですね。参った。参ったです。
猫、オスであれば良いですね。きっと女だらけの大和に緑一点の男子登場かも(笑)
プロフィール

見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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