2017-10

日々雑感・桜は静かに見るべかりけり・・・ - 2014.03.30 Sun

ことのほか寒かった平成二六年の冬も、関東周辺ではそろそろ終焉なのだろうか。

待ちにまった桜が咲き始めて心嬉しい日々である。出来るなら花をめでに行きたいものだが仕事がある身であるからそうもゆかぬ、今年は六日に九段へ桜を拝みに行くつもりである。その日まで散らないで待っていてほしいと切に思う。

そういえばその頃には九段周辺だけでなく各地の桜の名所で花見がにぎやかに行われることだろう。すでに行われている場所もあると聞き及ぶ。どうかマナーを守って良い思い出にしてほしいと願うばかり。

私自身はそれほど酒も飲めないし、大騒ぎする花見は好きではない。

以前建て替えをする前の家では、棟続きの叔父の家の前に大きな桜の木が植わっていて春になるたび素晴らしい花をたくさんつけて、私はこどもたちと自家用トラックの荷台に、『花見弁当』を作ってあがり桜を見ながら楽しく食べたことを懐かしく思いだす。

その桜の樹は、叔父の家の解体および駐車場にするために切られてしまった。が、その枝が駐車場の隅に植えられてそれがずいぶん大きくなって今年も花をつけた。

その一部を手折ってきてコップに差し、『大和』他の人形の前に供えた。

 

内地の桜です。

今年も立派な花をつけましたよ。

 

呼べど答えぬ英霊たちにそっと口の中で呟きささげる二枝の桜はまだつぼみ。しかし間もなく開き始めるだろう。その日が楽しみである。

 

私がいわゆる花見が好きでない、気が進まない理由の一つが以前読んだ本に書かれていた光景が嫌でも脳裏をよぎるからで、それはかの『菊水作戦』で出撃し奇跡の生還を遂げた『雪風』他の駆逐艦の艦上の話。

戦死者が一人もいない艦は「初霜」くらいなもので他の残存駆逐艦は数名以上の犠牲者を出している。その中の一つの艦の甲板に戦死者が並べられている。

艦は内地に戻ってきたが敗戦の痛手をこうむり皆押し黙っている。艦には救助された『大和』他の将兵たちも乗っている。

佐世保に入港する艦、その将兵の目に爛漫の花を咲かせた桜が見えてきた。折からの春風に吹かれてその花びらが艦にまで舞ってくる。優しい桜色の花びらは優しく傷ついた将兵たちの肩に舞い降りたのだろう。ある将兵の目に、甲板に寝かされている戦死者の顔や体にその桜の花びらが舞い降りるのが見えた。

血に染んだ物言わぬ将兵の体を飾る桜の花弁。

その将兵はあふれる涙を抑えられなかったという。

 

また別の艦上。

同じく佐世保に入港する駆逐艦上から満開の桜を見た兵が「櫻が、櫻なんかが咲いてやがる。俺たちが血みどろの戦いをして戦友をたくさん死なせたのに!」と叫んで甲板上を走り回ったという。

その兵隊の心内はいかばかりだったのだろうか。簡単に推し測ることはできないが、決死の覚悟で出撃し、戦友たちの無残な死を目の当たりにしてきた彼にとって、生きて帰った内地では桜が何事もなかったかのように咲いて人々も(当然ながら)彼らのむごい戦いなど知る由もなく生活を送っている。その落差がどうにもたまらなかったのではないか。

その時、桜という花は彼らにとっては<自分たちの凄惨な戦い>と<それを知らない者たち>の埋めようもない溝の間にまたがる存在だったのかもしれない。

 

そんな話を読んだためか私は、大騒ぎの花見はしない。出来ない。

桜を見ると必ず、その話を思い出す。「櫻なんかが」と叫んだ兵は戦後、櫻をどう見たのだろうか。そして――桜の花びらをまとって永遠の眠りについていた将兵は今、この<平和>な日本の桜をどう見ているのだろうか。

 

              ・・・・・・・・・・・・・・・

家の裏に植わっているかつての桜の名残の一枝です。

「私の神棚」と呼んでいる『大和』『武蔵』『回天』他の人形が飾ってある所に置いてみました。私なりの御供養です。

DSCN1360.jpg
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● COMMENT ●

いなばさんへ

いなばさんこんばんは!
「桜なんかが咲いて!」の叫びは、実際の声となって私の耳の奥深くで響きました。きっといなばさんもおっしゃるようにあの無謀極まりない作戦をさせた海軍上層部への怒りだったのかもしれませんね。

花見は素敵な習慣だと思っていますが昨今あまりに下品(あえて言わせてもらうとこうなりますが)な行為も多いように見受けられます。
それでも一時期よりはましなのでしょうか・・・いずれにしても大勢の集まる場でして良いことと良くないことをわきまえる人間を生産せねばいけませんね。

静かに降る雪と散る桜。
見つめているだけであっという間に時間がたってしまいますね。決して時間の無駄ではないですよ^^。

こんばんは。「櫻なんかが咲いて‥」と叫んだ兵隊さん。なんともやりきれない、思いだったんでしょう。無謀な作戦を立案した上層部への抗議の叫びのようにも感じます。
花見会場も、タバコと同じように、法律でしなければいけなくなるのでしょうかね…。
子や孫などに場をわきまえることを教えるのも、大切なことだと思います。 ゆっくりと静かに降る雪と静かに散る櫻‥眺めている内に時間を忘れます。時間の無駄と言われても。

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
それだけお忙しかったのでしょう・・・満開の桜、オスカーさんのお疲れをきっといやしてくれることでしょう^^。
桜に寄せる日本人の思いは到底外国の人にはわかり得ないと思いますね、それにしても桜に自らの精神性を見出した先人の感性って素晴らしいなあと思うのです。そのDNAを引くわれわれも負けてはおれませんね、いろんな芸術などをこれからも放ち、日本の良さを世界に発信して行かないと!!

いよいよ四月ですね、こちらこそよろしくお願いいたします^^!
オスカーさんもご無理なさいませんようにお過ごしくださいね❤

明智半平太さんへ

明智半平太さんこんばんは!
どうしようもない馬鹿騒ぎはごめんですが(-_-;)、桜は日本人にとって本当に特別なんだなあとこの時期いつも思います。
何か桜を見ないと春が来た気がしないんですよね。
お仕事の合間に眺める桜はよい心の癒しになってくれていることでしょう!
施設のお年寄りがた、今年もきれいな桜が咲いて大喜びでいらっしゃることでしょう。そして…心のうちに戦争で亡くなった誰か懐かしい人の面影を見つめていらっしゃるかも知れませんね。

matsuyamaさんへ

matsuyamaさんこんばんは!
桜とは不思議な花でもありますね。
愛しくてたまらない存在でもあり、苦しくつらい思い出の中にさいて見るのさえ嫌になってしまうような存在でもあり・・・それでも日本人は桜に魅力を感じてしまうのでしょうね。いやだといいながらも心のどこかで気にしているような気さえします。

震災後に開花した桜。
被災され、大事な家族友人を無くされた人々の心の中にあの年の桜はどう映ったのでしょうね・・・鎮魂の桜だったのでしょうか。
あれから三年、鎮魂と慰霊の思いを含んで盛り上がる被災三県の花見が楽しく思い出に満ちたものになりますよう祈るばかりです。

れい姉さんへ

れい姉さんこんばんは!
京都には花見のよい場所がたくさんあってうらやましい限りですよね。また、京都には桜がようにあいますし^^。

日本人にとって、なくてはならない花のような気がします。
そしてその花の持つ美しさは他国の人の心をもとらえて離さないのでしょう、それをもわれわれ日本人の誇りとしてゆきたいと思うのです。

こんにちは。マンション中庭の桜が知らないウチに満開になっていました~なんだか余裕のない生活をしていた気分になりました。
桜に対する日本人の想いって他国の人にはなかなか理解してもらえないような……ただただ咲く桜、その姿にひとりひとりの様々な想いが重なってたくさんの詩歌や絵画、芸術がうまれたのだと思います。
今日から4月、またよろしくお願いしますm(__)m お身体に気をつけて下さいね。

バカ騒ぎは感心しませんが、やはり日本人にとって桜は特別なんですよね。
僕も仕事の合間に外を眺めては咲き誇る桜に心を休めています。
僕の働いている施設のお年寄りも桜が大好きです。
きっと戦争で亡くなった方の犠牲の上にこうして長生きし桜を楽しむことができるのだと心の中で感じていることでしょう。

花を愛でる気持ちの一方で快く思ってない人もいるのでしょうね。
その人の心の痛手によって桜への思い入れが違ってきます。
3年前の3月、大震災で大きな痛手を受けた海寄りの地は、桜も一緒に被災しました。内陸の桜の名所は翌月に例年通り花を咲かせました。
でも桜を愛でる人々は数多くありません。ひっそりと観賞する姿が目に焼き付いています。当時は各自治体で花見の自粛が出されていたこともありました。

戦友の死を目の当たりにしていたら、桜を恨めしく思うかもしれません。犠牲者の遺体を目の当たりにした被災者の気持ちも同じだったかもしれませんね。ですが、まだ先のことになりますが、今年は花見も盛り上がってます。いつまでも悲劇に打ちひしがれてもおれませんね。

こんにちは(=゜ω゜)ノ

そういえば、花見をここ10年以上やってなかったなー、と思い出しましたw。
京都市内に住んでいた頃は、祇園の八坂神社側にある円山公園が花見のメッカで、
友人達とヨッパライのおっさんや学生達に混じってた事もありましたがww。

桜っていうのは、日本人にとって特別な花ですよね。
太平洋戦争で日本兵に縁が出来た国でも、彼らを偲んで桜を植樹してくれた国もあったと聞いております。
遠い国の人達が、桜を通して我が国の誇りを尊重してくれたって事を、我々も忘れてはなりませんねw。

柴犬ケイさんへ

柴犬ケイさんこんばんは!
今日は一日雨風の天気の東京でした(-_-;)・・・

どうも私は影響されやすいのかどうも花見をにぎやかに飲みながら楽しむ、ということができません。
まるで見てきたかのようにその光景が頭の中に浮かぶのです。とても申し訳なくて…はしゃぐ気になれません。
『大和』他の人形の前に備えた桜の枝のつぼみ、大分膨らんできました!

見張り員さん      こんにちは♪

いつもありがとうございます♪
花見はあまり気が進まないんですね。
以前読まれた本の光景が嫌でも思いだされて好きでないんですね。
戦死者が一人もいない艦は初霜くらいで 残存駆逐艦は数名以上
の犠牲者を出していて桜の花がびらが亡くなられて方の上に舞って
生きて帰られた方はたまらなかったでしょうね。
見張り員さんは駐車場から桜の花を手折って 大和他の人形の前に
供えられたんですね。
東京は昨日の天気は気温が22度で桜も見頃できれいでしたが
今日は東京も風雨のお天気でしょうね。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんにちは!
こうした話を聞くにつけ、桜という花の多面性を感じます。
「武士(もののふ)」のようでもあり手弱女のような部分もあり・・・しかし根底にあるものは日本民族の精神、潔さでありましょうか。

もう何年も前、上野公園だかの花見の様子が週刊誌のグラビアで出ていましたがその破廉恥さに声を失いました。これが日本人のすることかと。
英霊たちはそんな様子に泣いてらっしゃるのではないかと思いました。

>花は魂の写し

その通りだと思います。

生者と死者、どちらにも同じく降り注ぐ桜の花びら。まさに究極の幽玄の世界ですね。
悲しいまでの美しさ、そして癒えることのない悲しさをかきたてます。

すっとこさんへ

すっとこさんこんにちは!
今年も人々の思い出を作るべく、桜が咲きました。

たかだか69年の前、あのような凄惨な戦いがあり、咲き誇る桜に怒りをぶつけ、また、その花びらを死に装束として逝った人たちがいたということは忘れたくないですね。

長州の桜も見事な咲きぶりなことでしょう。
その桜を見つめるすっとこねえさまのお姿が目に浮かびます。

写真の桜もだいぶつぼみが膨らんできました、咲きましたらまた写真をアップしましょう^^。
今日の東京、今の時間(午後2時半)ものすごい風と雨です。

さまざまな人たちの身の上に咲き競い、花びら舞う桜。武士の精神のような桜の姿は感じ方によってはとても鋭くて冴え冴えとした姿にもなります。
僕も花見のだらしなさは大嫌いです。
この花が日本の姿、日本人のアイデンティティーそのものであると思うのならばあのような騒ぎは慎んでもらいたいと思います。桜の花の下にももしかしたら亡き人の一片でも眠っているかもしれないと思うと……。花は魂の写しであると思うのです。

亡骸と生きている者へあまねく降る桜花。生死を超越した究極の幽玄の世界かもしれませんね。

桜・・・
人によって味方愛で方はさまざまでしょう。
またそれにまつわる思い出も。

でも
今日の記事にあった
桜吹雪が優しく覆ったご遺体、「櫻なんか」と叫んで
走り回った兵隊さん・・・

このようなことがちょうど桜の時期にあったのですね。

心して桜を眺めたいと思います。
長州の桜は今が見ごろです。満開までにはあとひと息。

見張り員さんの英霊の桜も蕾がいっぱい。
きっとここ2~3日で咲いてくれるでしょうね!


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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