「女だらけの戦艦大和」・白無垢の航海長3<解決編>

参列者たちが帰った後もしばらく旅館の玄関に立っていた新夫婦、やがてお互いを見交わすとほほ笑みあった――

 

女将が見送りから帰ってきて、「ではお二人様にはお風呂を」と言って航海長をまず一室に案内してそこで花嫁衣装を脱がせてくれた。高島田に結いあげた長い髪をほどいて航海長は少しほっとした。その航海長をほほ笑んで見た女将は「どうぞごゆっくりなさいませ」と湯殿に案内してくれた。

手桶に湯を汲んで、航海長はゆっくり体と髪を洗った。それからゆったりと湯船に身を沈め目を閉じた。(今日から・・・私はあの人の・・・妻)

喜びと同時に、ちょっとした不安も頭をもたげてきた・・・。

 

「ええっ!」

『大和』の士官連中は日野原軍医長の言葉にたいへんな衝撃を受けていた。日野原軍医長はこう言ったのだ、

「ああしまった。私は航海長にあれを教えてやらにゃあいけなかったのに」

野村副長が「あれってなんでしょう、軍医長?」と小首を傾げて聞いたのへ軍医長は

「あれと言ったらあれですよ副長。初夜の迎え方。航海長まっさらの処女(をとめ)ですからねえ。今夜あれこれ悩んだりしないよう教えてやらなきゃあと思っていたのに。時間がなかった!しまったことをした」

と唸ったのだ。それで一同「ええっ!」と衝撃を受ける羽目になったというわけである。

黒多砲術長が呆然として

「か、片山・・・あいつが処女だったとは・・・」

とつぶやき、浜口機関長も「軍医長そりゃあありえんでしょう」と不審がるし梨賀艦長さえ「けっこう遊んでる感じがしたから・・・と思ったんだが。人を見かけで判断してはなりませんね」と反省気味。軍医長は

「ここにいるみんなはもうそれを卒業してるから初夜もくそもなかろうけど。まあ普通我々は男の一人や二人の経験はあるものだと世間は思ってるからなあ。が・・・航海長はなあ・・・。旦那さんがうまいことやってくれることを祈るばかりだね」

と言って旅館の方向をちら、と見た。軍医長が副長を見返って

「ねえ、副長だって初めての時はしっかり覚えてるでしょう。航海長とそんな話はしませんでしたか?まあ、あの人もうぶなところがあるから恥ずかしくって聞けなかったかな、ハハハ!」

と何気に笑ったが副長の笑みはどこかぎこちない。そのぎこちなさのまま副長は『大和』に帰り、一同はそのまま副長の部屋になだれ込み、もらった折詰を食べながら<航海長の初夜>やら自分の初めてについてあれこれ語りだした。

それを聞きながら副長は(そんなのどうだっていいじゃない・・・航海長だって何とかうまくやるでしょうよ)と思っていたが山口通信長の

「副長、まだ副長の初めてを聞いてないよ!みんな告白したんだから教えろー!」

という叫びに心臓が跳ねあがって鎖骨にあたったくらいびっくりした。気がつけば艦長以下皆興味しんしんでこちらを見つめているではないか。副長は瞳を不自然に宙に泳がせて「そ・・・そんなこと聞いたって何にもならんでしょう?いいじゃないですかそんなこと、私の話なんか詰まりませんよ」と拒否しようとしたが梨賀艦長が瞳を潤ませ、両手を祈るように組んでの

「ツッチー、隠し事は無しにして?」

という懇願に負けた。副長は皆の前で「わ・・・わたしの、は・・・初めては・・・」と話し始めた。皆がうんうん、と続きを促す。副長は頬を真っ赤に染めて

「酒を飲まされて人事不省になったところでされたから・・・覚えてないっ!」

とやけくそのように叫んだ。梨賀艦長が「ええっ!」と絶句した。他の皆もびっくりして見つめる。副長が恥を忍んで話すには・・・

 

私がそうなったのは、兵学校を出て二年め。最初に乗った巡洋艦が遠洋航海から帰って来た時横須賀に帰港した時のこと。当時の仲間がそういう見世に上がると言って私もつきあわされました。私は当時、それほど酒は強くないしそういうところで遊ぶ気もなかったから適当なところで切り上げるつもりだった。なのに仲間の河野と村山が私によってたかって注ぎこむように酒を飲まして・・・。

気が付いたら私は男性が横に眠る布団の中に寝ていました。まったく、その肝心どころの記憶がないんです・・・だから私の初めては知らない間に済んでたんです・・・そんなことってありますかあ?ひどいでしょう?女にとって大事な、初めての時が記憶も残らないなんて。もうあんまりです・・・

 

日野原軍医長はそれを聞いてうーむと唸った。他の連中は皆、しんと静まってしまった。日野原軍医長は「副長、あなたはその眼ざめた時のことを今も覚えてますか?」と尋ねた。副長は「覚えてますとも・・・」と答え、軍医長はあれこれ尋ねた。恥ずかしいことばかりなのであまりはっきり書けないが。

聞き終えた軍医長は

「そのお話から判断するに、おそらく副長はその時<奪われて>はいませんね。以前検診で診察した時もその感じがなかったですからねえ、覚えてますでしょう?前にトレーラーでした婦人科検診の時のこと」

といった。あの時は副長が<痛がって>途中で軍医長は診察をやめたのだった。

副長の顔がふうっと明るくなり

「じゃあ、私は艦長が初めての――」

と思い切り口走ってしまい、皆の視線が一斉に梨賀艦長に向く羽目に。皆の興味は必然的に艦長と副長の<関係>に移って行ったのだった――

 

さて。

風呂に入って一日の疲れをゆっくり落とした航海長は髪を丹念に拭き身体をよく拭いて用意された浴衣を着た。(悟朗さんはもうお風呂に入られたのだろうか)そう思いながら湯殿を出た航海長は、先に女将に「お風呂を出られましたらこの先の離れにいらして下さい、そこが今夜のお部屋になります」と言われていたので離れにあるいて行った。庭へ出る引き戸を開け、飛び石伝いに離れに向かった。離れの玄関の戸をそっと開け、下駄を脱いで上がった。短い廊下の先にふすまがあってそれをそっと開けると座卓のある部屋があり、航海長は何となくほっとして部屋に入った。部屋にはまたふすまがあったが押入れか何かだろうと航海長はぼんやり思った。

航海長が座布団の上にちょこんと座って庭を見つめていると玄関の扉が開いた音がし、やがて夫の繁木悟朗が入ってきた。

航海長はあわてて座布団から降り、別の一枚の座布団を夫の方へ差し出した。すると夫は航海長の手をつかんだ。ハッとして夫の顔を見つめる航海長に、優しく微笑んだ繁木少佐はそっと航海長を立たせて背後のふすまをそっと開いた。航海長の目に移ったのは次の間に敷かれた二組の布団であった。(押入れじゃなかったんだ)

航海長は手をひかれるままに布団の敷かれた部屋に入り、繁木少佐がふすまをそっと閉めた。二人は布団の上に座った。航海長はハッとしてその場に三つ指ついて

「繁木さん・・・ふつつかな私ではございますがどうぞ末永くよろしくお願いいたします」

と初夜のあいさつをした。繁木少佐は満足そうな笑顔でうなずいて「こちらこそ、よろしく!」と言って二人はほほ笑んだ。そして次の瞬間、繁木少佐は航海長を抱きしめていた。しばらくそうしていたがやがてそのまま航海長を抱いたままそっと布団に倒れ込んだ。航海長の心臓は痛いくらいに高鳴っている。(どうしよう、こんなときどうしたらいいんだろう。誰も教えてくれなかった・・・どうしたらいいんだろう)航海長は心底困ってしまった。これこそが彼女が感じていた不安なのだが。

と、夫の手が浴衣のひもを解き始めた。そして浴衣の前が開かれた。

航海長の白い肌があらわになって、航海長は羞恥に全身を染めた。体が小さく震える。少佐は航海長の長い髪を撫でながら

「この日をずっと、待っていました。やっと、本当の夫婦になれますね」

といってそっと口づけをしてから――航海長の震える乳首に、唇を押しあてた。航海長の心臓はもう張り裂けんばかりにドキドキと高鳴っている。思わず片手で敷布をぎゅうっ、とつかんだ。羞恥が全身を染めた。繁木少佐の片手が、航海長の身体をそっと撫で始めた。

(恥ずかしい、恥ずかしい・・・どうしたらいいんだろう私)

航海長はまぶたを固く閉じたままで思った。少佐の唇は反対側の乳首を吸い始めた。航海長は「はあ・・」と小さな声をあげそれを合図のように繁木少佐はそっと航海長の両足を開かせた。

「・・いや・・・恥ずかしい」

航海長は眼を開けて夫を見つめた。少佐は優しく航海長を抱きしめて「大丈夫ですよ、史子さん。私に任せて」と囁いた、航海長は正直これから何が起きるのか怖くてたまらなかったがもうこうなったら夫に任せようと心に決めた。航海長はその瞼を閉じた。

繁木少佐が、航海長の足の間に入った―ーと思ったその直後。航海長は「うう!」と悲鳴に似た声を上げた。痛い、痛いどうしようと航海長は混乱し始めた。航海長の狭い部分に夫が入ってき始めた。しかし航海長はこれが初めて、恐怖と羞恥と痛みに大混乱をきたした。

夫は優しく「大丈夫、力を抜いて」とか「そんなに緊張しないで?」と声をかけて航海長の中へと突き進んでいる。航海長は布団の上を知らず、逃げ回る。どのくらい時間がたったか航海長にはまったくわからなかったが裂かれるような痛みに必死に耐えその身体がしっとり汗ばみだしたころ、ようやく繁木少佐は航海長の胎内にすっかり入っていた。

裂かれるような痛みが半減し、夫が自分の中にいて動き始めたことをわかり始めた航海長は(ああ、これが妻になるということなんだ。こんなに痛いことよくみんなできるなあ。でも、夫婦になったらこれをいつもしなきゃいけないんだわ・・・慣れるのだろうか。でも慣れないと繁木少佐に悪いし。ああ、夫婦になるって大変なんだなあ)と思いつつまだ唇を噛んでいる。

やがて中佐は航海長の乳房を激しくつかみその先の紅梅のように色着いた部分を吸い、激しく腰を航海長にうちつけて――終わった。航海長は夫の体重が自分にずしっとかかってきたのに驚いた。しばらくして夫は航海長から優しく自分を引き抜いた、そのさい航海長は軽い苦痛の表情を浮かべた。航海長の身体の下には乙女のつぼみを開いた証の紅い花びらがいくひらか散っていた。

夫はそれを目にして、航海長をそっと抱きしめると

「史子さんは・・・初めてだったんですね。ごめんね乱暴にしてしまって。痛かったでしょう・・・本当にごめんね」

と謝った。航海長の胸に夫への愛しさがぐうっと湧きあがってきて航海長も夫を抱きしめると

「平気、平気です。私嬉しい・・・これで私は本当にあなたの妻になれたんですね。嬉しいんです・・・繁木さんこんな私ですがどうかずっと、ずっと」

とそこから先は言葉にならない。繁木少佐も航海長を力いっぱい抱きしめ、「私もこれであなたの夫になれました。私もうれしい」といい・・・もう一度航海長の奥へと入って行ったのだった。

 

そんなころ――航海長の友人たち、そして両親までもが「フミも海軍士官ならもうとっくに男を知ってるだろうから、今頃思い切り楽しんでるだろうねえ」と思っていたのだった。誰も航海長がその初めてを夫にささげたとは思ってもいなかったとは・・・トホホな話ではあった。

 

航海長は、新しい人生の航海ををよき伴侶とともに走り始めた――

 

           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どうして結婚式の後にはこういうセックスがらみの話で盛り上がるのでしょうか。ほんとにみんなスケベなんだから!

そして―ー片山もとい繁木航海長、誰にもアレを教えてもらえませんでしたが何とかなったようです。本当の夫婦になれましたね、新夫婦に幸多かれ!

今回のお話のイメージソング「アン・ドゥ・トロワ」キャンディーズ。


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ウダモさんへ

ウダモさんこんばんは!

ありがとうございます!
今回はちょっとリキ入れて書いたものでそうおっしゃってくださるととてもうれしいです!!

航海長の破瓜のシーンはいやらしくならないよう、そして現代っぽくならないよう気をつけて書きました。官能小説だったら何でもありなのでしょうがW、この話はそうではないのであれこれ悩みつつ・・・(^^ゞ。

私にとって、「女だらけの~」に出てくるキャラすべてが大事なもので時には生けるがごとし、という感じでもあります。これからも彼女たちをどうぞよろしくお願いいたします!

出産、そうですね航海長お母さんにしてあげないといけないですね!いずれ・・・ウフフ♡

こんにちは!

なんでだろう…今までで一番最速で読み終えてしまった←
それほど一気に読んでしまいましたwww
途中、副長さまのお話でいい具合に読者を静めてくれるあたり、見張り員さんの力量に完敗ざんすw
それにしても副長……っwwww
読みながら『それは無いわあ~wwむごすぎるぅ~(でも笑える←)』とか思っておりました。
でも、本当は…あ、ネタバレなのでやめときますw

破瓜の情景、見事に書き上げましたね!
なんとも初々しくてイヤラシさの一欠けらもございません。
むしろ、色々な期待を込めて読んでいた私のほうがすごくry(自重しますw)

これはやっぱり書き手の『品』がでるなぁと、つくづく感じました。
濡れ場って、状況や時代背景、人物像やその習慣、習性、性格などなど色々と想像しながら書かなくてはならないので、作家さんの洞察力が最も出やすいシーンでもありますよね。
やっぱりキャラクターを愛している証拠ですb
見張り員さんのこの物語に対する情熱は、資料だけで書き上げる作家とは違ったものを感じます。
これからも情緒豊かな物語を描き続けて下さいね!

次は出産シーンでよろs←おい。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんおはようございます。
航海長の初体験・・・女の目線で書いてみましたがわくわくしていただけてよかった^^。そう、私の体験が元に――と思ってください。
ふむ…男性も初めての時ってわからなくて焦るものなんですか・・・ではどちらも初めての時はあいこですねw。初めてってやはり美しい。

副長の大事な初体験。本物の初体験はちょっと先になりそうです。きっと飲まされてつぶれた相手にそういうことをしてはいけないという判断が働いたのでしょう、まさに粋な男性でした。
そして艦長とのこれからにもご注目です^^。

こんばんは。
男の立場でワクワクするような描写でありました。ほほう、女性はその時にそのように感じ、受け入れるのかと。見張り員さんの体験が存分に表れているものと推察しておりますが……。
でも男だって初めての時は何が何だか、どれがどれで、何処が何処なのか、此処が何処なのか分からずに焦るものです。何ごとも初めてというのは実は美しい行為なのかもしれませんね。

副長の初体験。相手の優しさ(??)で守られたのですね。艦長と万々歳のこれからではないですか。昔は今のような狂った獣が少なくて、粋な男が多かったのかもしれないですね。
プロフィール

見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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