「女だらけの戦艦大和」・二航戦の人々<蒼龍>6

「女だらけの蒼龍」の乗組員の「上陸」が始まった――

 

なかよし五人組の大野・相場・松本・二宮・櫻井の水兵長連中もやっと念願の上陸日を迎えた。もうその前の晩からそわそわしている主計科の二宮水兵長は、班長から

「二宮、貴様なにをそんなにそわそわしている!しっかりせんとケガするぞ。しゃんとしろ」

と怒鳴られしかも一発げんこつを頂戴した。「イタタ・・・」と頭を抱えつつも顔をあげれば嬉しそうな二宮水兵長であった。

 

そして今日いよいよ待ちに待ったる上陸日。上陸札を衛兵の持つ箱に入れて、皆順番にランチに乗り込む。大野水兵長他もランチに乗りこんで上陸、衛兵所を過ぎたところで待ち合わせ。大勢の兵隊嬢がいて混雑した衛兵所前から少し離れたところで五人は会い、「さあ行くぞ」と歩きはじめる。

「ねえ?」

と歩きはじめて間もなく松本水兵長が皆に話しかける。

「なに、どうした?」

と相場水兵長が振り向けば松本水長は「腹減ったわぁ。先にどこかで飯食わない?わたし腹減った」と言っておなかをさすった。二宮水兵長が苦笑して

「なんだよ、松本は朝飯食わなかったのかね?」

というと松本水長は少しふくれて

「食ったよ。でも今日は食卓当番があったからかき込み飯でさ・・・当番のジャクがしかも、今日に限って手際が悪くってさあ、もうちょっとで班長のゴキ(ご機嫌のこと)を損ねて大ごとになるところでさ。だから余計腹減った。ねえ、どこでもいいからさ、早く飯食おうよう」

と言った。整った綺麗な顔が空腹に耐えかねて歪んだ。

二宮水兵長がしょうがねえなあ、と苦笑して「じゃあ、いつもの店でいいか?いいなら行くぞ」と言って総員が同意、一同は行きつけの店に向かって歩き出した。

店はすでに他の艦の兵隊嬢たちでいっぱいだったがなんとか入り込めて席を確保できた。そしてうどんだの定食だのを食いまくり、やがて膨らみきった腹を撫でながら一同は

「ああ、食った食った~」

と少しばかり行儀は悪いがそんなふうに言って満足感を現した。周囲を見ればだいぶ店の中は空いてきたようで店の女の子がテーブルを片づけているのが見える。大野水長はその子を手招いて

「忙しいところすまないが・・・お茶をくれないかな?」

といい女の子は笑顔で「はい、ただいまお持ちします」と言って厨房へと小走りに行き、大きなやかんを持って来て新しい湯呑になみなみとお茶を注ぎいれるとそれをお盆に載せて運んできた。

「お待ちどうさま、お茶をどうぞ」

大野水長は「おお、ありがとう~~」とうれしげに言ってお盆ごと受け取りテーブルに乗せた。そして熱いお茶をすすりながら「で?これからどうする」と皆に尋ねる。まだ昼前のこの時間では「遊び」に行くのも早い。

すると松本水長が「そうだねえ、『記念艦・三笠』を見に行こうよ。海軍の大先輩の艦をもう一度しっかり見ておこうよ」といい二宮、大野、櫻井、相場もみな賛成した。そしてやっと腰を上げ五人は「三笠」を見学に行く。

 

「三笠」見学後、一行はまた甘味処に入ってしゃべる。普段なかなか五人一緒に逢うこともないのでこういう時がいいチャンスである。あれこれといろんな話をしゃべり飛ばした。

気がつけば外には夕暮れが迫ってきている。二宮水兵長が

「おーい、そろそろ行かないか。例の場所」

と言ってニヤッと笑った。すると櫻井水兵長と松本水兵長が「私達今日はいいや」という。二宮水兵長は「ええ?どうしてさ」というと二人は顔を見合わせてから「・・・あれだから今回は遊べない」と言った。相場水兵長が「なーんだ、アレかあ。残念だねえ。じゃあどうするの?」と聞くと二人は

「集会所に泊るよ、あそこなら風呂にも入れるし。今夜はゆっくり寝ますよ」

と言って笑った。普段艦にいるときは月のものでも眠くて仕方がないということはないのだが上陸、しかも久々の内地でのと来ると気持ちも緩むのか、今回は妙に眠たい。ちょうど遊べる日でもないからここはゆっくり眠りたいのだ。

「そうか。じゃあ次の上陸の時、ね」

そう言って櫻井と松本とはそこで別れた。残った二宮たちは「じゃあ、行きますかー!」というとまず銭湯へ行ってからそのあといよいよ、男性の待つ見世へと走って行った。

 

遊郭の入り口にはもう沢山の海軍嬢たちがたむろしている。

「うわあ~、みんな考えることは同じとみたぞ」

と相場水兵長が唸ったが二宮水兵長が大野水長をつついて「急がんとあぶれちゃうよ。早く行こう」といい、二人は走りだす。「あ、ずるい。待ってよう」と相場がそのあとを追う。

皆のなじみの見世は混んではいたがあぶれることなく三人は座敷に上がった。今日は腹いっぱいなので酒も食事も断って「遊び」を優先する。仲居が「じゃあこちらさんはこの部屋に、こちらさんはあちらへ」と相場、大野をそれぞれ部屋に案内し

「こちらさんはこの部屋で」

と二宮水兵長を廊下の突き当たりの部屋に通した。なまめかしい蒲団が敷かれていて二宮水兵長はごくりと生唾を飲み込んだ。

(ああ、久しぶりの男・・・今宵は一体どんな人が)

心浮き立たせつつ二宮は水兵服を脱ぎ、部屋の隅の洋服掛けに水兵服とズボンをきちんと掛けた。そして布団の上に置いてあった寝間着を来て布団の上に座って「その時」を待つ。

ややして部屋の戸をそっと叩く音がし「はい」と答えると戸が開き「お待たせしました~」と男性が入ってきた。(おお、なかなかいい顔の男じゃないか)二宮水兵は嬉しくなった。男性は二宮の前に正座して両手をついて頭を下げた。そして

「今夜お務めさせていただきます、ケンチャンです。どうぞよろしくお願いしまーす」

と言って顔をあげて笑った。いい男だがちょっと「軽く」ないかなあ?と思った二宮水兵ではあるがまあ、軽かろうが重かろうがすることにはたいした違いはなかろうと思い「うん、よろしくね」と言って笑ってやった。すると男性は布団の上に上がってきて二宮水兵長を抱きしめた。そして口づけた。

二宮水兵長は枯れかけていた欲望がふつふつとわきあがってくるのを感じていた、それを男性も感じたのかいきなり水兵長を布団の上に押し倒すと彼女の寝間着のひもを勢いよく解き、その身体をあらわにした。そしてケンチャンは二宮の身体を撫でまわす・・・その何かねっとりとした感じが二宮には(うわ・・・なんか気持ち悪い)と思うがいや待てよこれが新鮮というものかも、と思い直し行為に没頭する。

一度目の行為が終わった。ケンチャンとやらは見た目の優男ぶりからは想像つかないほどたくましい行為をしてくれて二宮は大満足である。これなら次回も彼を指名しようと思った。

さあ、いよいよ二回戦にと思ったその時、ケンチャンが「兵隊さん、ちょっと待っててね」と起き上がって部屋の隅の暗がりで何かしている。裸のままでぼうっとして天井を見上げていた二宮だったが次の瞬間「うわああ」と叫んでいた。

 

二宮の視界には、ピンクの水兵服を着て立っているケンチャンが・・・。

ケンチャンは布団の上に横座りになると二宮の手を取って「そんなにびっくりしてくれるなんて。僕に似合いますか?」といい、さらに自分の後ろから何かを出して二宮に握らせた。

ん?なんだこの棒みたいなのは?

それをよく見たら――

「こ、こ、これ鞭じゃないか!いったいこれで何をしようと!?」

二宮水兵長はたいへん驚いて素っ頓狂な声をあげていた。ケンチャンは色っぽい目つきで二宮を見つめて「それで僕を思いっきりひっぱたいてほしいの」というと裸の尻を二宮に見せつける。その背中にはピンク色の水兵服の襟が見えている。二宮水兵長が呆然としているとケンチャンは

「さあ、早くぅ」

とせっついて来る。そして「こうして叩いてほしいの、ほら!」というと鞭を持ったままの二宮水長の手を取って、その鞭で自分の尻を叩く。そして「ああ~~、いい~~!もっとしてぇ~」ともだえている。挙句には鞭の先の部分で自分のイチモツをぐるぐる巻きにして「・・・ここ、引っ張って?」と囁いたのだ。

言葉もなく呆然としたままの二宮水兵長の口がわなわなとふるえた、そしてその唇から絶叫が噴出した――

「へ、へ、変態だ―ッ!!」

 

二宮水兵長は、絶叫しながら自分の水兵服の上下をひっつかむとあられもない姿で部屋を飛び出した。廊下を走りながら絶叫する二宮水兵長、途中のいくつかの部屋の戸が開いて「な、なんだあ?」とびっくりした兵隊嬢が顔を出す。いくつめかの部屋の前を叫びながら走っていた時「ニノ、どうした?」と声がかかった。半分泣きながら二宮水兵長が見ればそこには大野水長が。

「ああ、大野ちゃん・・・聞いてよう」

二宮水兵長は自分の相方になった男の痴態を話して聞かせた、すると大野は腹を抱えて笑い「そりゃあ災難だったねえ。・・・面白い、俺が代わるよ。貴様はこっちでやれよ」と言って二宮のいた部屋に向かっていった。

「はあ・・・物好きな」

二宮水兵長はそう言って大きく息を吐いた。その後ろから今まで大野の相方だった男性が彼女の肩をそっと抱いた。そして・・・二人の姿は部屋の中に消え、お定まりのことが始まったのだった。が先ほどの衝撃が強すぎてあまり楽しめなかった二宮である。

で、大野水長はというとケンチャンの望み通り、彼を<虐めて>大いに楽しんだという。

 

翌日その話を聞いた相場水兵長そして集会所でゆっくり眠った松本・櫻井の三人は「まさか・・・うわあ気持ち悪い!お願いだからその話もうやめて~」と耳をふさいでしまった。しかし大野水兵長は

「いやあ、けっこう楽しかったよ?でもあんなにひっぱたいて大丈夫だったのかなあ?なんだか心配だよ」

と言って一人笑っていた。

二宮水兵長は一人膝を抱えて「・・・いい男なんだけど・・・どんな趣味があっても驚かないつもりなんだけど・・・なんでピンク色の水兵服を着なきゃいけないんだよ・・・しかも下はもろ出しで・・・ちょっと俺には無理・・・」とブツブツ言ってはため息をついていた。

久々の内地、久々の男性との戯れがこんな形になるとは思いもよらなかった二宮水兵長であった――

 (次回に続きます)

            ・・・・・・・・・・・・・・

久々の内地でのお楽しみがこんな形に。

残念と言うべきかいい経験したなあと言うべきか。それは一人一人の趣味とか嗜好の問題ですからね^^。でも叩かれて嬉しがるってのは、痛くないのかしらと心配になりますね。

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Comments 2

見張り員">
見張り員  
まろゆーろさんへ

まろゆーろさんおはようございます。
朝早くからのお越しに感謝!でございます^^。

いやいやまだまだお若いですぞにいさま!どうぞこんな文章でよろしければ妄想にふけって明日への鋭気を養っていただければ!!

性というものは奥深いものですよね。おっしゃる通り社会通念から大きく逸脱したり犯罪行為でなければ仕方のない部分がありますね。「変態!」とののしらないで~といいたくなる時もあるかもですね^^。

ケンチャン。
昔「○○屋ケンチャン」というAVがあったような!?
何故でしょう、ケンチャンという名前にはそっち方面を彷彿とさせる何かがあるのでしょうか。
ダッチボーイ。その存在を知った時は衝撃でした。
女の難局を救う「難局一号」なのでしょうか・・・う~~ん・・・(-_-;)

2013/10/20 (Sun) 09:55 | EDIT | 見張り員さん">REPLY |   
まろゆーろ  
No title

今朝も早くから堪能させてもらいました。
「ふむ。満足ぢゃ」であります。
見張り員さんのはいやらしくないんだけど想像力をかきたたせてくれるパワーがありますね。やはり裁量と技量かな。若ければ朝から妄想に耽って大ごとになるくらい上手です。これからもたまに……ね!!

ニノさんは大変でしたね。でも性の喜びって人さまざまですもんね。
少女が好きだから頑張って小学校の先生になる人もいると言うし、若い男の子が好きだから高校教師になる人もいると言うし。人や社会に迷惑や不快な思いをさせないのであれば仕方のないことです。捨てることの出来ない生来の荷物ですもん。
でもケンチャンって名前、あの筋には多いんですよね。もしかしてダッチボーイまでご存知の見張り員さんでしょうか。恐るべし!!

2013/10/20 (Sun) 08:10 | EDIT | REPLY |   

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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
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(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)