2017-10

日々雑感・沖縄、大和、私。 - 2013.06.23 Sun

六月二十三日であります。

今日は「沖縄慰霊の日」ですね。牛島司令官と長勇参謀長の自決を以て事実上沖縄の日本軍の戦いが終了した、とされる日です。

私の今は亡き大叔父もかつて戦争中、沖縄に赴任していたことがあったそうです。大叔父は軍医少尉として招集され沖縄にアメリカが上陸する前までいたと聞きます。ですからいわゆる「十十空襲(昭和十九年十月十日の那覇への空襲)」は経験したかもしれません。なんでもそのために子供の中には恐怖のあまり排尿が出来なくなり、尿をカテーテルで排出したという話を聞いたことがありました。

大叔父は敵の上陸前に転戦しましたが、あのまま沖縄にいたら「俺のあの中にいたんだな」と<平和の礎>が出来た時言ったそうです。その一言にどんな思いが込められていたのでしょうか・・・

 

<平和の礎>には、『大和』で戦死なさった伊藤整一中将のお名前と、中将の御子息で沖縄海域で特攻戦死なさった叡氏のお名前が刻まれているそうです。

他の第二艦隊の将兵の名前はないのでしょうか、そして沖縄周辺の海底に今なお眠る「回天」の英霊のお名前はあるのでしょうか。彼らも含めて「沖縄戦」の戦没者です。

 

今朝のNHKTVに「白梅学徒隊」の中山さんが出てらっしゃいました。「白梅学徒隊」のことを知ってほしいという思いから絵本を出されたそうです。沖縄県の小・中学校に配布して知って貰おうという試みだそうです。

ぜひ、その思いを沖縄だけでなく日本全体に広めていただきたいと思います。

 

さて、私は「戦艦大和」という映画を見ながらこれを書いています。

「戦艦大和」?ああ、「男たちの大和」かそれとも「聯合艦隊」?と思われるでしょう。私が見ているのは昭和二十八年六月封切りの「戦艦大和」です。当然のようにモノクロで、大掛かりな特撮、CGのようなものはありませんが終戦からたったの八年でこれだけの映画を製作した人々の熱意には驚きます。この原作は吉田満氏の「戦艦大和ノ最期」で、指導に元・『大和』副長の能村次郎氏があたっています。
DSCN0857.jpg

能村副長の役に藤田進氏。吉村少尉(吉田少尉がモデル)は舟橋元氏、機銃群指揮官少尉に高島忠夫さんなど当時の実力派俳優や若手俳優が出演なさっています。

全体の雰囲気はさすが、戦後八年の作という感じで「ああ、当時の海軍はこういう雰囲気だったんじゃないかな?」という感じがします。そして『大和』出撃の決まった時からその前夜までを丁寧に描いています。

少尉候補生たちが艦長から退艦を命じられるシーンでは、それに抗する候補生に副長が懇ろに諭して退艦を飲ませるのですが「行きたい、行かせてほしい」という候補生の気持ちも何かわかる気がしますし、副長の「おまえたちは他で働き場所がある」という気持ちももっとわかります。

いろいろな気持ちが交錯したのがあの『大和』ではあっただろうし、ほかの参加艦艇でもあったでしょう。行くものはあとに残るものに国の行く末を託し、残るものは断腸の思いで見送った・・・。戦争の残酷さはたんに戦闘だけにあるのではないというのをいまさらですが思い知らされます。

前夜の壮行会の様子も良いですね、吉村少尉が酒の飲めない少年兵にキャラメルを与えるシーンなど、ジンと来ます。それから候補生と病人、高齢の補充兵が退艦の場面。その前に甲板士官が老兵をいじめる(『敬礼がなってない!!』と怒る)のですがその老兵が退艦になって、いじめた甲板士官に別れを言うシーンには涙が出ました。甲板士官は老兵がいても戦力にはならないし戦死の場合家族を悲しませるだけだからと進言して彼らを艦から降ろしたのでした。

 

少年兵は居住区で字引を用いて故郷の弟に手紙を書いています。吉村少尉が「字を忘れたのか?」というと少年兵は「はい、戦争が終わったらうんと勉強します」と答えて書き続けます。

 

戦争が終わったら――。

 

さていよいよ沖縄めざす「大和」以下一〇隻の輪形陣に、勇ましく軍艦行進曲が鳴ります。

がここから先は当然のように地獄絵図の始まりです。敵潜水艦に触接を受け始めるあたりからまるで本物のような緊迫感が支配します。途中に一八歳の若妻と結婚したばかりの軍医の話が挟まります。彼は最後の上陸の時緊急手術で妻と会えずに今生の別れとなります(モデルは石塚一貫軍医中佐だと思います)。吉村少尉は暗然とした面持ちでそれを聞いています。他にも許婚を残してきた同期にも遭いますが、彼は何も言えません。

そして配置で部下の兵曹と握り飯を食いつつ雑談する吉村少尉ですが、兵曹の妻は妊娠中であり、出撃前に呼び寄せたものの一日違いで会えずじまい・・・。吉村少尉はそれを優しく慰めます。どっと涙が出る場面です。

 

そしていよいよ戦闘なのですがこれが怖い!「男たちの大和・YAMATO」も相当怖かったのですがこの「戦艦大和」ではなんと言ったらいいのか、そう、<モノクロの怖さ>があるのです。カラーで見る即物的な怖さとは違って、モノクロでの映画は「想像力」をいやがおうにも盛り上げさせます。

負傷した兵から流れる血とか、何か妙な重みのようなものがあってぞっとします。ある意味、カラー映画よりも変なリアリティーがあります。さすがも私も一番最初にこれを観たときはとても恐ろしい思いをしまして、しばらく二回目を見るのに躊躇しました。

ともあれ戦闘が始まってからの艦橋の様子はさすがに細かい描写で「ほう、こんなふうに号令かけたり確認するんだ」とか、ラッパ(配置につけ、などの号令ラッパ)が鳴ったりして本物の迫力満点です。

と喜んではいけません。艦内外は大ごとになっています。死屍累々です。

たまに敵の飛行機が撃墜されると喝さいしたくなります。ですがその間にも『大和』は傾斜を増してゆきます。すさまじい爆撃と魚雷攻撃。

伝令の少年兵は、あまりの攻撃のすさまじさにすくんで動けない。それでも分隊士の吉村少尉は「俺を殴れ」と殴らして「その勢いで行け!」と行かせる。

 

随伴の駆逐艦が吹っ飛び『大和』は舵をやられもう全く救いがない状態になり、見ている方も苦しくなります。副長の傾斜復元不能の報告を受け有賀艦長は総員を退艦させる決定をし、伊藤長官は幹部と別れをします。

艦長は副長に後を託し艦に残り最期を遂げ、他の将兵たちも海に投げ出されます。その将兵を狙う敵機の機銃掃射。

軍艦旗を抱くようにして疲労からか、眠るように死んでゆく少年兵。「海ゆかば」が流れます。

吉村少尉もその生死ははっきりしないところがこの時代の映画の衝撃的なところです。最近の映画のように抒情的な描写などなく、そこに「死」があってこちらを見つめているという感じです。

もっともこの映画が昭和二八年という終戦時から至近の製作だということを思えば至極当然な帰結かもしれませんね。なんだかとても深く考えさせられる映画だと思います。

この「戦艦大和」当時一四歳の私の父親も観たと言っていました。その映画をDVDという形で娘が見ている不思議・・・。

 

父親が手術を終えて退院してきたら「戦艦大和」を見せてやりたいとふっと思いました。

しかし今度は母の様子があまり思わしいようではないという所見が出て悩みは尽きません。母はC型肝炎による肝硬変が進んでいるようで・・・私が自由に動けないので何かあったらと思うとまんじりともできません。

嗚呼・・・私が二人いたらなあ。でも仕方がない、腹をくくって行こうじゃないか、と「大和」を見て思うのでした・・・。

 

「沖縄戦」から『大和』、そして自分の話へと飛んでしまいましたが―― DSCN0853_20130623150203.jpg DSCN0854.jpg

昨日こういうものを通販で買いました。「セーラーカラーのシャツ」、写真を取ったんですがちいと見にくいですね、小さなカラーがついています。今朝はこれを着て都議選の投票に行ってきました。

七月の参院選挙の前哨戦とされる都議選ですが、投票率が低いようですね。みんな選挙へGO!義務をはたさないと権利も行使できませんぞ。


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● COMMENT ●

すっとこさんへ

すっとこさんこんばんは!
言ってみれば我々は物ごころついたとき初めて見た画像はモノクロでしたよね。しかしカラーに慣れて幾星霜・・すっかりモノクロの凄みを忘れていましたよね。
それを「戦艦大和」は思い出させてくれました。

私のつたない表現でしたが、実際に観ますとその「すごさ」に圧倒されます。そして乗員の「後顧の憂い」もあって何をかいわんや・・・。
いつか機会があったらぜひ観てください、お勧めです。

本当に親のことはいろいろ気にかかります。特に私は一人っ子なので実の両親が、となると本当に途方にくれます。
そうですね、今は公的サービスが充実していますから利用したいものです。
>最後に大事なのは情愛
どちらの親にも、それを注ぎたいです・・・。

No title

見張り員さん。
モノクロ映画の方が怖い。わたしもそれ同感です。
血の赤がカラーではなく黒だからこそ赤以上にこちらの眼に心に迫ってきますね。

そのモノクロ映画「戦艦大和」、素晴らしい描写&迫力でまるで本当に映画を
観賞しているような気になりました!胸が何度も詰まりました。

お父上のこと母上のこと、ご心配ですね。実両親と義両親と。
自分もそういう時期がありました。
今は公的サービスもホームもいろいろありますからできるだけ利用なさって下さいね。
そして最後に大事なのは情愛でしょうか。

ウダモさんへ

ウダモさんこんばんは!
いやいや、私のつたない表現力では万分の一も書けません…(-_-;)。
でも本当に終戦から8年後ということでリアリテイーが半端じゃないです。そしてモノクロですからちょっとした記録映画のような気さえしてきました。
「男たちの大和」もいい映画でしたがこの「戦艦大和」は色がない分観る者の心にストレートに入ってくる映画だと思います。
ぜひお子さま方とご一緒に観てください!!

母に関しても心配ごとが出来てしまい…やれやれですがそういう年頃になったと達観するしかないですね。みんなが通り行く道ですからね^^。

お互い自分の健康に気を付けながら踏ん張って行きましょう!!

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
一年のうち何回かは記事にしたいという日がありますね。6月23日もその一つです。
なんだか年々沖縄も広島も長崎も・・・そのほかも扱いが小さくなってゆくようで気になりますね。そういうことにこだわるほうがおかしいのでしょうか、そんなはずないと思うのですが・・・。

モノクロ映画の良さを改めて見直した「戦艦大和」でした。出演者の顔もまさに「こんな感じだったのかもなあ」と思わせる面々ばかりでしたから。特に第一艦橋でのシーンは圧巻でした。
ぜひ機会があったら観ていただきたいです^^。

親のことや子供のこと、そして自分自身のことであれこれ思い悩む年代ですね(-_-;)。
でもこれも「順送り」なのでしょう。頑張らねば!

こんにちは!

素晴らしい描写で、映画を見ていなくとも臨場感が伝わってきました。さすが、見張り員さん!
読んでいて、何度も胸がつまる思いがしました。
歴史として認識するには生々しすぎるぐらいですよね。
日本人なら、しっかりと伝えていかないといけませんね。
私も子供達と一緒に見てみたいと思いました。
終戦からたったの8年で作られたというこの作品、昨今のものとは違うと直感しました。必ず見てみたいと思います!

お母さん、心配ですね。
身体はひとつ。おっしゃる通り、腹くくってやるしかない!
踏ん張ってくださいb
私も踏ん張ります!^^!

こんばんは。きっと見張り員さまは沖縄忌の話を書いておられるはず…と思っていましたが、読みにくるのが遅れてしまいました(-_-;) 母上さまのことも気になりますね。私たちの世代って本当にあれもこれも考えなくてはいけない、しがらみだらけの気になってしまいますが、いつの時代も親子の情や仲間への想いはかわらないですね。映像は年々技術が進み、素晴らしい面もありますが、技巧に走りすぎなところや規制などもあって、モノクロの方がより真実味を感じる場合がありますね。あと役者の意気込みというか気概、時代の空気を肌で感じた人たちの演技はまた違うような気がします。
都議選や文化遺産登録などのニュースもあって、新聞記事がちょっと小さい気がしたのは…気のせい? いつでもあの時代を生きた人たちへの想いを忘れない…見張り員さま、これからもたくさん書いて下さいね。

matsuyama さんへ

matsuyama さんこんばんは!
昭和28年の「戦艦大和」は本当に迫真です。
まだ国民の脳裏にあの戦争の記憶が生々しい時ですから…父がこれを若い時見た時「泣いてる人がいたよ」と言っていましたっけ。
やはり『大和』は日本人のDNAに受け継がれてゆくものなのだと思いますね。

父は7月2日に手術です、、まあ椎間板の手術だから大ごとではないですが痴呆のほうがちょっと・・という感じになっています。母もこの先どうなるかわかりませんし、心休まるときはなさそうですがでも、親孝行をしておきたいと思います^^。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは!
両陛下も静かにお祈りをなさる今日沖縄慰霊の日。
私はまだ沖縄は未踏でありますが死ぬまでには一度と言わず二度三度行ってきたいところであります。広島と長崎は行きましたが、まさに日本人ならば絶対行っておきたい、あるいは心にとどめておきたい場所ですね。

モノクロ、難しいんですねやはり(-_-;)・・・
想像を働かせるという点において即物的なカラーよりいいですね。水墨画のあの静けさを思う時かつての日本人の想像力とか豊かな感性を素晴らしいと思います。

母の具合・・・母は父を見送ってからでないと逝くわけにいかないと言っています。私もあとせめて5年や6年は生きていてほしいと思います。
娘として何ができるかを考えると・・・今の生活が呪わしいときもありますが、流れに任せるしかありませんね。
いつもにいさまには力強い応援をいただきありがとうございます。

No title

「戦艦大和」迫真せまりますね。
これほどの衝撃の映像が再現出来るということは、やはり終戦間もない記憶も生々しい頃だったからなのでしょうね。
迫力ある戦闘シーンばかりではなく、対人間の心の動きを繊細に描いてるんですね。
親子三代に亘って鑑賞されたんですか。大和への敬慕は長きに渡って受け継がれていくんですね。

お父様手術をされたようですが、ご健在ですか。お母様もまたご心配のご様子。見張り員さんもご心配の種が尽きないようですが、今が踏ん張りどころです。親孝行したいときに親はなし、といいますから、後悔しない親孝行をどうぞなさってくださいね。

No title

今日は沖縄慰霊の日ですね。両陛下はこの日も終日御所で慎んでいらっしゃるらしいです。
私も沖縄に行くたびにひめゆりの塔や摩文仁に行っています。言いようのない雰囲気に気持ちがシャンとする思いがします。日本人ならば沖縄と広島、長崎には一度は足を運ぶべきだと思います。

見張り員さんの審美眼は素晴らしい。CMもカラーよりもモノクロの方が難しんです。仰せのように想像に任せるのですから。雪舟の水墨画の素晴らしさこそ実は絵画の美の原点ではないかと思う私です。

お母さま、大丈夫でしょうか。
子供の役割りはつらいですね。ご自分が壊れないように流れに任せることも大切かと。此処からしっかりと応援していますよ。


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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