「女だらけの戦艦大和」・阿鼻叫喚の慰労会2

『大和』『武蔵』『矢矧』他駆逐艦数隻の「トレーラー外洋訓練」参加艦艇は単縦陣でトレーラー・水島へ向けて帰途についている――

 

今回の訓練は、いや今回もというべきだろうが激しいものであった。標的を浮かべてそれに射撃、砲撃しトレーラー基地の航空隊から零戦五〇機・九九艦爆三五機・九七艦攻二八機が参加、仮想敵となって『大和』他に襲いかかる。艦長は声を張り上げて「よく見張れ、敵機の方向をよく見極めろ」と叫び、松岡分隊長は「熱くなれよ、尻の穴を締めろ!」と怒鳴り、麻生分隊士はあちこち走り回って見張り員を督戦する。

日差しのきつい中での外洋訓練は実戦さながらに行われ、オトメチャンは一時も双眼鏡から目を離すことなくいたので今回「眼が焼ける」自体に陥ったのだが。

ともあれ今は無事に訓練を終え、どの艦の兵も訓練の講評が出るのを待っている。『武蔵』では猪田艦長が加東副長に「今回はまさに実戦そのものだったね。皆疲れているだろう、主計長に今夜の夜食に汁粉でも出してやるようあとで言ってほしい」といい・・・周囲をさっと見回すと加東副長を抱きしめて「副長もお疲れだったね。・・・あとで、ね」と囁いたのだった。加東副長は恥ずかしげにうなずいた。

そして『矢矧』の艦橋では古村司令が原艦長相手に紅茶で乾杯中。

古村司令は「これだけのことができればもうアメリカに乗り込んでもいいんじゃないかね?ガハハ!」と笑い、原艦長も「海軍工廠のすべてを急がして『大和』級戦艦をたくさん作って一気に行ったらさぞやびっくりするでしょう。ワハハ!」と大笑い。

古村司令は「ワシントンに沼はあるかねえ?あったらまたそこでゴリラごっこしようじゃないか、ねえ原さん」と言って紅茶を飲む。それを視野に入れていた艦橋配置の士官は小声で「ゴリラごっこ?ごっこじゃなくってまんまじゃないの」と言って含み笑いをしている。

 

そんな中、『大和』の梨賀艦長は「疲れた乗組員の為に、何かしてあげたい」と考えていた。

 

その晩、今だ水島に向けて航海中の『大和』は、「帰港するまでは準戦闘配置を取る」ということで配置員はまだ緊張感を持っている。防空指揮所では見張兵曹のあとを、谷垣兵曹が代行中。本来谷垣兵曹は伝令だが「たまにはいいなあ、双眼鏡見るんも」などと軽口を叩いている。それを、双眼鏡から目を話さずに小泉兵曹が聞きつけて「そがいに簡単なもんじゃないって。・・まあ、ええ機会じゃけえ、ちいと見張りの勉強したらええですよ」と言って笑う。

その場の皆が声を立てて笑ったが麻生分隊士だけは遠い目をして黙っている。それをちらと見た石場兵曹は(麻生少尉、オトメチャンのことを思うとるな。うちも心配じゃなあ・・後でちいと見舞いに行ってみようかいな)と思っている。

 

やがて当直員以外は就寝の時間になった。各艦は発光信号を出しつつ、単縦陣形を崩さず水島へ向かう。艦橋ではこの時間、艦長に代わって航海長が指揮を執る。

「両舷全速―、進路百八十度ヨウソロー」

航海長の声が艦橋に響き、伝声管から操舵員長の「百八十度ヨウソロ―」の返事が響いて来る。艦橋配置の見張り員たちのひそやかな息づかいしか他に聞こえるものがないほどの静寂が支配している。

 

さて。

梨賀艦長は艦長室に野村副長を呼びつけていた。「野村まいりました」と副長が艦長室のドアをノックすると梨賀艦長はまたも、副長の手を引っ張って部屋に引き込む。そしてあわただしく接吻をしようとしたが副長に押しとどめられた。

「艦長、先に講評の文言を考えましょう。水島に着く前に総員に発表するのでしょう?」

副長はそう言って艦長をデスクの前に導いた。艦長は苦笑して、「じゃあ先にそっちを考えよう。それで、終わったらちょっと一緒に行ってほしいところがあるんだが」と言った。副長は「わかりました。で、どこに行くんです?」と言ったが艦長は答えない・・・

 

三十分ほどかけて艦長は講評の文を考え、用紙にまとめた。副長に「どうかね、こんなで」と差し出し、副長はそれを丹念に読んで「いいですよ、これなら皆喜びますし艦隊司令も納得します」と艦長に戻した。

「で、艦長」と副長は言った。「何処に行くんです?」

すると艦長は椅子から立ち上がると「ちょっと検分したいところがあってね。ちょっと来てくれるかな」と言った。副長が艦長を見上げると、艦長は「さあ」と副長を促した。

 

艦長と副長は、足音を忍ばせつつ歩く。兵員や士官の居住区、部屋からは健康そうな寝息が聞こえてくる。副長は「皆疲れていますね・・・訓練を懸命にやりましたからね」と小声で言いつつ「それで何処に行くんです?」と艦長に尋ねる。が、艦長はまだ黙ったまま。

副長は(やれやれ、いったい何を検分するんだろう)と思いつつも歩く。

やがて艦長はある部屋のドアの前で立ち止まった。副長はそのドアを見て「か、艦長、ここは!?」と上ずった声を上げた。艦長はふっと笑いを見せると副長の片手をグイッと握り、部屋のドアを開けた。

そこは――医務科診察室隣接の「婦人科診察室」であった。

艦長は、副長を部屋に投げ込むようにすると鍵をがちっと閉めた。副長はあわてた、「艦長、一体ここで何を検分するんです!」少し声が高くなった。

と艦長はにやり笑って副長を抱きしめると、その耳元に「ツッチー、声が大きいよ。みんなが起きちゃう。みんな疲れてるんだから起こしたら可哀そうでしょう?」と囁き、副長を診察用の台に寝かせた。

「艦長、いったい何を」

と抗う副長に艦長は「ツッチーの身体を検分するんだよ。決まってるじゃない」というなり艦長は荒っぽく副長の軍装をはぎ取り始めた。副長は「いやです・・やめてください」と抵抗しながら小さく叫んだ。が艦長は「いやなのか?私にこうされるのが嫌なのか?じゃあこないだ私に言ったことは全部ウソだったのかね」と問い詰めた。

副長は、「いえ・・・そうじゃないんです・・・艦長のことは大好きですが、このようなところで・・・」とその先を言い淀んだ。艦長は「安心したよ。今夜はちょっと変わった場所でしたかっただけ。・・さあツッチー、こうしてご覧」というと副長の足を広げさせ・・・「さあ、検分を始めようか」というとそっと副長の秘部に触れ始めた――。

 

そしてそれとほぼ同時刻、医務科の病室に近づく人影が一つ。その人影は病室の中に身を滑り込ませると、いくつか並んだ寝台を眺めた。寝台はほとんど空いていたが一つだけ一番奥に誰かが眠っている。人影はそれに向かってそっと歩き始めた。

寝台に眠っているのはオトメチャン、その顔の目の部分には包帯を巻いている。オトメチャンは誰かの足音で目を覚ました。(また眼薬の時間かな)と思った。黒川軍医大尉は「三時間おきに眼薬を入れに来るからね、起こしてしまうのが気の毒だが、これも早く良くなるためだからね」と言ってくれた。

オトメチャンは「黒川大尉、時間でありますか?」とそっと言った。が、答えがない。オトメチャンが不審に思った時、掛けていた毛布がそっとはがされた。

「・・どなたでしょうか?うちは航海科の見張トメ兵曹ですが」

とオトメチャンは申告した。と、

「オトメチャン、俺のオトメチャンじゃね?」

と聞き慣れた声。(分隊士じゃ!)とオトメチャンは嬉しくなった。そして、「分隊士?ほんまに分隊士ですか」と言った。すると「ほうじゃ、オトメチャンの分隊士じゃ」という声とともにオトメチャンの病衣の前が開かれ、胸の先に覚えのある感覚が走った。

「やっぱり分隊士じゃ」

とオトメチャンは嬉しげに言った。「うちは今、眼ぇが見えませんが分隊士は声と」とそこでいったん言葉を切ったオトメチャンに分隊士は「声と?」と言った。オトメチャンはちょっと恥ずかしげに顔を横向けてから、

「・・・恥ずかしゅうて言えません」

といい、麻生分隊士は「オトメチャン!」と小さく叫ぶとその胸に顔をうずめたのだった。

それを息を荒げつつ聞いている人影が、もう一つオトメチャンのベッドの下に。それこそ石場兵曹であった。石場兵曹は麻生少尉が来るちょっと前にこの場に滑り込んだのだが麻生少尉の足音であわてて寝台の下にもぐりこんだのだった。

(はよう済まして行かんかのう、麻生分隊士。うちもオトメチャンに触ってから寝たいのに)

石場兵曹は寝台の下で、寝台がきしむ音を聞きつつ悶々としている。

 

その同じころ、隣接する「婦人科診察室」では艦長が副長を攻め立てている。副長は裸にされ、恥ずかしい姿勢を艦長の前にさらしている。「艦長・・・もう、だめです」ともだえる副長へ

「ツッチー、もう駄目なの?早すぎるねえ。もうちょっと待っててよ。・・・それからね、ツッチー。今回頑張った皆に私は褒美として『慰労会』をしようかと思うんだけどどうかなあ?」

と言った。副長はその身をよじりつつ、

「『慰労会』ですか・・・いいと思います・・・ああっ!」

と叫んだ。艦長の手が副長の秘部と胸の先を同時に攻めた。「いいかな?じゃあ、明日のうちに各科長と話をつけよう」

「はい・・」

副長が答えると同時に艦長はその身を副長に重ねた。

 

麻生分隊士がもう夢中でオトメチャンの身体をいじっているその時、「見張兵曹、薬の時間だよ」と黒川大尉の声がして麻生分隊士は死ぬほど驚いた。あわててオトメチャンの前を掻き合わせ、寝台の下に潜り込む。

と!

「うわああああ!!」

とものすごい分隊士の大声が響き、オトメチャンのそばに来ていた黒川大尉は持っていた薬を投げださんばかりに驚いた。オトメチャンも寝台の上で飛び上がった。

分隊士は寝台の下で石場兵曹と鉢合わせしたのだった。石場兵曹自身もまさか、分隊士が潜り込んでこようと思わないからこっちも腰を抜かしている。

黒川大尉はやっと驚きを収めて、

「ああびっくりした・・・なんだ誰かと思えば麻生少尉じゃないか。それにもう一人そこにいるのは誰だ?あのねえ、オトメチャンが気になるのはわかるがお見舞いはこんな深夜にしないでほしいなあ。患者は安静第一!さあわかったら帰った帰った」

と麻生分隊士と、寝台の下で腰を抜かしたままの石場兵曹を引き出すと病室から叩きだしたのだった。

 

そんな騒ぎも知らぬまま、「婦人科診察室」ではイケナイことが続いている。

 

艦橋では、見張り員が「右前方三〇度、3マイルにラシガエ島」と報告。航海長は(もうすぐ帰れるな。この分なら明日の深夜までには帰れそうだ)と思う。

 

『大和』他が順調にトレーラー水島を目指している時――

『大和』艦内で艦長が副長を抱いている時――

『大和』艦内廊下を麻生と石場が逃げて行っている時――

誰も知らない「危機」が『大和』の外舷にくっついていたのだった――

  (次回に続きます)

 

            ・・・・・・・・・・・・・・・・

 

また始まってしまった(^_^;)

まあ気のすむまでさせてやって下さい。艦長も麻生分隊士も、訓練のあとの解放感に浸るにはちょっと早いのですが、まあいいか・・・。

さて、訓練艦隊はトレーラー水島に帰ります。『慰労会』、どうなるのでしょう。そして「危機」とはいったい何が??

御期待下さい。

双眼鏡です、よろしくね!(画像お借りしました)
双眼鏡


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すっとこさんへ

すっとこさんこんばんは!
濡れ場…なんて淫靡で美しい言葉なんでしょうか・・ああ~♡

そうなんですよ、「アレ」がくっついてきたんです・・・怖いですよ~~。

ベッドの下での鉢合わせ、想像するとやはり愉快ですねww。ここだけアニメとか実写化したらいいかも、なんて思いましたw。

さあ危機が来ました!覚悟を決めてお読みください~~!

No title

ええっ?

濡れ場の後は 「危機が外舷にくっついていた」
とは・・・・。

ベッドの下での思わぬ鉢合わせ、関係者ご一統様
の驚かれまいことか! 笑いました。

でも、そうこうしてる間にも“危機”が・・・。
「くっついていた」のは一体なんでしょうかドキドキ!!

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは!
また始まっちゃいました^^。一体この艦はどうなっちゃってるのでしょうか・・・てまあいいかww。
普段と違うところでの○○○・・・は気分が変わってもえちゃいますね^^。

艦長、そこって禁断の場所じゃない!?ですよね(-_-;)。そこでするか!って感じですが愛さえあれば。

ウフフ・・・おほめにあずかり光栄です^^、テクニシャン・・ウホホ~イ!!

さあ、危機とは。どんなことが起きるのでしょう、お楽しみに♡

No title

おぉ!!! あちこちでくんずほぐれつの艶めかしい光景が。
いつもと違う余所でするって良いですよね。それも人が来そうで来ないようなドキドキ感。新鮮で刺激的で若い時には燃えてしまいそうな奥の手のひとつです(笑)
それにしても艦長もやるなぁ。ガマン出来ない気持ちもよく分かるしでいつまでも愛し合えることを願っております。見張り員さん、上手!! テクニシャンですよ。

さて危機迫るとはまた不穏な。秘め事の次は荒事でしょうか。楽しみです。
プロフィール

見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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