2017-09

日々雑感・忘れないでください・・・ - 2013.06.08 Sat

靖国神社には、男性の英霊だけではなく女性の御祭神も多く祀られています。

その数五万七千余柱にのぼります、日赤の従軍看護婦さんや陸海軍の軍属として内外地で働いた女性たち、そして沖縄の女学生たちも。

沖縄の女学生というと一番に頭に浮かぶのはやはり「ひめゆり」の乙女たちでしょうか。彼女たち「ひめゆり学徒隊」は沖縄師範学校女子部の生徒と沖縄県立第一高等女学校の生徒たちを指します。師範学校生徒は百二十名、第一高女の生徒は二百名沖縄陸軍病院に配属されました。

しかしここで覚えていただきたいのは沖縄戦に看護婦として活躍したのは彼女たちだけではないということです。

他に

県立第二高等女学校・六十五名 白梅学徒隊 配属部隊・第二十四師団第一野戦病院

県立第三高等女学校・十名 名護蘭学徒隊 配属部隊・沖縄陸軍病院分院

県立首里高等女学校・八十三名 瑞泉学徒隊 配属部隊・第六十二師団野戦病院

私立積徳高等女学校・二十五名 積徳学徒隊 配属部隊・第二十四師団第二野戦病院

私立昭和高等女学校・四十名 梯梧学徒隊 配属部隊・第六十二師団野戦病院

の総勢二百二十三名を忘れてはなりません。

しかし現実は彼女たちは沖縄でもほとんど忘れられた存在のようになっているようです。なぜかというと、「ひめゆり学徒隊」の生徒たちは沖縄でも女子のエリートだったことも関係しているのではないかという話を聞いたことがあります。

エリートであろうがそうでなかろうが、国にささげた彼女たちの思いは変わるものではありません。そのようなことが本当に一因で忘れられた存在になったとしたら、後世の我々は大きな過ちをしていることになります。

 

県立第二高等女学校の戦没生徒を祀る「白梅の塔」は今では立派なものが立っていますがその昔は手作りの質素なものだったそうです。石積みのそれは納骨堂になっていて、鍵のない小さな鉄の扉をあけると女学生たちの遺骨がそのまま入っていたといいます。その場所は、多くの女学生たちが自決した場所でもあります。

生還した「白梅学徒」たちが、戦後戦没した友人たちの遺骨を拾って石を積み、そこに納骨したのだそうです。亡くなった少女たちの親・親族は娘の死を信じることなく「あの子はやんばるにいる、元気でいる」とか「泳ぎが上手だったから泳いで逃げて今は波照間か石垣あたりで生きて元気でいるはず」と言って遺骨を引き取ろうとしなかったようです。そんなことがあり、生還した同級生たちは石積みの納骨堂を作った。

鍵のない蓋だけにしたのはいつか親や祖父母たちが「これはきっとあの子の骨」と触ってあげられるようにしたのだそうです。

 

そのような質素な納骨堂から始まった「白梅の塔」に参拝をする人は、はたしてどのくらいいるのでしょうか?

もしも、もしもみなさんが沖縄にいらっしゃることがあったら「白梅の塔」にぜひ詣でていただきたいのです。

沖縄でもあまり知られることない彼女たちがあまりにも哀れです。今の高校生と同じ年頃の女の子たち、昨日まで学校でお裁縫を習っていた少女たちが、今日は野戦病院で戦傷を受けた兵士の腸を必死で腹に押し込んでいる・・・裁縫をしていた同じ指で。

女の子らしい幸せもおしゃれも何も知らないまま、砲弾の炸裂音におびえながら来る日も来る日も凄惨な状況に身を置いてそして死んでいった彼女たちをどうか、思ってあげてください。

 

「白梅学徒隊」で戦没された女学生の遺書をご紹介して今日は終わります。

陸軍軍属 大嶺美枝

白梅部隊 沖縄県立第二高等女学校四年 昭和二〇年六月九日沖縄県高嶺村にて戦死

沖縄県島尻郡小禄村出身 一七歳

 

お母様!

いよいよ私達女性も、学徒看護隊として出動出来ますことを、心から喜んで居ります。

お母様も喜んでください。――お母様は女の子を手離して、御心配なさる事でございませうけど、決して御心配はなさいますな。――

散る時には、立派な桜花となって散って行きます。その時は、家の子は、「偉かった」とほめて下さいね。――

お母様!空襲時はよく御用心下さいね。そして善ちゃんと弘ちゃんを良く守って下さいませ。決して私の御心配はなさいません様にしてください。

(中略)

お母様!今まで口ごたへばかりして来てすみませんでした。

これからは、きつと立派な一人前の看護婦になって、お国の為に働きます。

お母様!御身体を無理なさらぬ様に、又善ちゃん弘ちゃんを怒らずに、朗らかに暮らして下さい。

大島兵曹、信一兄さんによろしくおつしゃつて下さいませ。

かしこ

                                             美枝

最後に一家の御健康をお祈りいたします。



色々と調べていてわかったことがありますので補記として。
今年四月七日この白梅の塔から慰霊のための地蔵二体他が盗まれているのを元同級生の女性(84)が発見し通報されたそうです。
犯人が捕まったか否かは不明ですが…どうしてこういうことをする人がいるのでしょうか?神経疑います!



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● COMMENT ●

ローガン渡久地さんへ

ローガン渡久地さんこんばんは!
コメントをありがとうございます。
お元気でしたか、安心しました^^。

沖縄戦イコールひめゆり、という図式が出来上がっているので他の学徒隊(女子の看護隊や男子の勤皇隊)などはあまり知られていないのが現状ですね。
知らなかったのはローガンさんのせいではなく、歴史教育に穴があき過ぎだからだと思います。
また沖縄にいらしたらぜひ白梅の塔にも参拝してくださいね、きっと戦没の女の子たちも喜ぶでしょう。

沖縄戦がいかに熾烈だったかは今も遺骨が出てくることでわかります。
しかし沖縄の現状として、遺骨の眠る壕の入り口当たりが「ごみ捨て場」になっているという悲しい現実もあるのだそうです。
そこに今も眠るひとは浮かばれないでしょうね、学生を中心とした組織が集骨をしていますがなかなかすべてを、というのもできないようです。

白梅学徒の遺書には本当に泣かされます。この大嶺さんにはごきょうだいがあり、彼女が戦死した時夢枕に立ったそうですから、肉親の絆というものは幽明を異にしてもつながっているんだと感動したことでした。

戦争はいけません。
しかし国は守らねばなりません。
彼女たちがその身を以て守った沖縄そして日本、そして子供たちを二度と戦火にさらさないためになにができるか・・・

やはり大人も子供ももう一度歴史に、真の歴史に向き合うことでしょうね。

知らない事は罪

見張り員さん、ご無沙汰しております。

この記事で書かれていること、何一つ知りませんでした。
沖縄に行った折、ひめゆりの塔へは詣でましたが・・・

普通に考えれば彼女たちだけではなかったはずと思い至るのでしょうが、自分の能天気さが恥かしくなります。
そして次回沖縄に行く際には、必ず白梅の塔へも参ります。

沖縄はこのように祭られていない場所に、今でも戦争で亡くなった方の遺骨や遺品が出てくると聞いています。
沖縄戦がどんなに壮烈なものであったかと、無い知識と想像力で思い描いても酷いことだったと分かります。

白梅学徒隊の17歳の少女の遺書、涙なくしては読めませんね。
鹿児島知覧の特攻記念館で読んだ、少年達の遺書を思い出しました。
今思い出しても、鼻の奥が熱くなります。

憲法改正論議がなされていますが、戦争の悲惨さを子供達だけでなく、大人にも今一度学ばせるべきではないかしら。
特に永田町あたりの方々に・・・

すっとこさんへ

すっとこさんこんばんは!
靖国神社のご祭神というと「男性の英霊」だけのような気がしますよね、でも驚くべき数の女性のご祭神がいらっしゃるんですよね。私も知ってびっくりでした。

沖縄戦に関してはひめゆりが一番有名ですがそのほかにこれだけの女学校の生徒がその身を戦場に投じ、そして散華しました。ひめゆり以外あまり知られていませんね・・最も沖縄の人でさえ忘れている、という指摘があるくらいですから・・・でももっと、それこそ学校教育の方面で取り上げてあげてほしいものです。
忘れられつつある彼女たちがあまりに気の毒です。

信州の無言館はある種の迫力のある場所だと聞いています。いつかここも訪れたいです。
沖縄の女の子たちも、学徒出陣で戦地に行ったひともどんな思いで戦いそして死んでいったのか、その心を思う時今の日本の繁栄をありがたく思います。彼ら彼女らの命の上にただ胡坐をかくだけではならないと思います。

ぜひ御帰国の際には靖国へお参りなさってください^^。
私も来月はお参りに行きます!

NoTitle

この見張り員様の記事を読むまで
靖国神社に女性が祀られているとは
全く想像だにしなかったことでした。

ひめゆりの塔、のことだけはよく取り上げられる
ので知っていましたが 他にもこんなにたくさん
の若いお嬢さんが・・・。
言葉を失います。

取り上げるならひめゆり部隊だけでなく他の学校の
生徒さんのことも語り継がないといけないですね。

信州の無言館へ行ったことがあります。
画学生の遺品、書きかけの作品、戦地からの手紙
などが展示されていて言葉を失いました。

戦争はいけない。

靖国神社に祀られている学徒看護生のニ百二十三柱。
いつか本帰国になったら靖国へお参りしよう、と
本日この記事を読んで心に誓いました。
教えてくださって「ありがとうございました!」


オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
戦争というもの、掘れば掘るほどいろいろなものが出てきます。今回のお話の大嶺さんもたまたま観たDVD(英霊にこたえる会発行)で知り、そのあと勉強会の冊子を見て白梅の塔の成り立ちを知ったのでした。
白梅の塔の存在はむかしから知ってはいましたがここまで険しい道のりがあったとは思いもよりませんでした。観光地となって日本全国、いや、世界中から注目されるひめゆりの塔とは全く別の、ひそやかな思いがそこには息ついているのです。
私もいつか沖縄に言ったら戦跡めぐりをしたいと思います。そこから今の沖縄、そして未来の沖縄と日本が見えてくるかもしれません。

しかし…娘の死を信じようとしない親の気持ち、今自分が親になって痛いほどわかります。その言葉が胸に錐のごとくささります。親にとっては護国の英霊となるより生きていてほしかった、それが本音ですね。

蒸し暑い一日でしたね、オスカーさんも御身大切になさってね^^!

こんにちは。いつも貴重なお話をありがとうございます。時の流れに埋もれたままのたくさんの人たちの息づかいがきこえるような文章、いろんな文献を調べていて本当にすごいなと思います。私も本当は物語ではなく史実に基づいた記録などを読めばよいのでしょうが、それだと私にはあまりの重さに耐えきれない気がして、いつも核心から遠ざかった、小説がメインになってしまいます。
沖縄は二十歳の時に一度行きました。全くノーテンキな遊びの旅でした。今だったらもっと違う視点でたくさん学べる気がします。日本だけど基地があり当たり前のように米兵がいて、dangerの看板が至るところにあり、高齢の方から「内地の人はすぐわかる」と言われたことなどを思い出します。あの熱い空気とか…。
娘さんがどこかで生きていると信じたい気持ち…せつなく辛いですね。
今日はむし暑いです。お身体に気をつけて下さいね。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんにちは!
沖縄県民の彼ら彼女らの遺書を拝読するたびに、執念のような国土防衛の思いを感じずにいられません。わが身を捨てても国土は守る、というたいへんな気概に満ち満ちています。
他にも男子学生(鉄血勤皇隊)のご遺書を呼んだことがありますがこれも本当に・・・泣けます。そのうちご紹介させていただきましょう。

滅私奉公という言葉を見せつけられた感があります。
彼女たちに「こういうことなんですよ、滅私奉公って。あなた、できるかしら」と言われたような気になります。
私もどっちか言ったら口先ばっかの組ですから一朝事があったら…きっと慌てふためいておたおたすることでしょう。肝を据えて生きたいです。

そうなんです、慰霊塔のお地蔵様他を盗んだアホがいるそうなんですよ。最近の人は「畏れ」を知りませんね。神域でもずかずか入り込んだり、ましてやお供えしたものを盗るなんて・・・きっと最悪の末路が待っていますよそんなやつ!!ね!

緒方順さんへ

緒方順さんこんにちは。

私も靖国神社には国民一度は参ってほしいと思います。遠方の方ならその県の護国神社でもいい、英霊に感謝の念をささげてほしいのです。

戦後の日本の歴史教育のひどさは言うまでもないですね、私などが習った歴史はいわゆる「自虐史観」「占領軍史観」で本当の国史ではなかったと思います。しかし受け手の側ももっと勉強すべきで、それこそ「遊就館」などを活用して本当の日本近・現代史を勉強してほしいです。
これからの日本を背負う若い人たち、真の日本人たれ、と願ってやみません。

私もいつの日か沖縄に詣でたいです。陸海軍将兵はもとより、当時の沖縄県知事や県民が国土防衛のために必死に守ったその地を。
彼らの御霊は今も沖縄を護っていると思います。

ご英霊の遺書を拝見するたびにいつも思うのですが、彼ら、そして沖縄の彼女らはどうしてこうも毅然とした遺書が書けるのか。日本という国が一丸となって戦に挑んでいたとしても一点の疑いも私心もないとは。ジタバタすることなく最後まで尽くし切るという思いにただただ恐懼するばかりです。ご奉公、そのひと言でしょう。
今の日本は偉そうなことばかり言う口先人間が多くなりました。そんなのに限っていよいよの場面では見苦しくジタバタするに決まっています。命まで取られるわけがないのに情けない。弱い犬ほどよく吠えるということでしょう。

そんなお地蔵さんを盗んだたわけ者がいるのですか!! 大罰をかぶればいい。何を考えているのやら。分からん。

歴史の重さ

靖国神社は日本人なら誰もが一度は心をこめて参拝して然るべきお社です。靖国神社の由来も、何時からどのような方々が祀られているのか、訊いてもすらすらと答えられるひとは少ないと思います。

戦後日本の学校教育がそもそも、そういった【歴史】をきちんと教えないで来てしまって今に至っているので、今こういう嘆かわしい事態に陥っているわけです。

沖縄で唯一の本土決戦があったことも、当時の沖縄の人々がどのような体験をしたのかも、本州の人は沖縄の人以上に知らないでしょうね。

緒方も沖縄に行きたいと思っています。日本を守る為に身を挺してくださった方々に、お礼を言いたいので。


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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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