女だらけの戦艦大和・進撃の巨象

「――帝国陸軍の象・トラ部隊はインパールめざし進撃中である。

この間象とトラの大量補充と訓練をし、象虎部隊は南方に一個師団を転出させるまでになった。本来この象部隊は野砲部隊が象を使って野砲を運び、その途中で襲撃に出て来た虎を味方につけて以来、独立した部隊に昇格したというものである。」(女だらけの帝国陸軍ものしり辞典より)

 

 

・・・アタシタチあれにマモラレテいるとばっかり思ってイタンデス。

デモ。本当はそうじゃナカッタっということをアンナ形で思いシル事になったなんて・・・皮肉ネ・・・

 

ビルマ・アラカン山脈のとある場所。英国軍嬢たちがそこに駐留している。味方からの補給の予定も立たない英国嬢たちはまさに自給自足の生活を強いられている。そして自分たちの駐留場所に「敵」を防ぐための高い壁を作っている。その高さおよそ十メートル。どうしてこのようなものを作ったのか、というと。

 

帝国陸軍が、最強・最凶の象部隊を率いてこの地に進撃してきたのは皆周知の事実である。象たちを上手に操って、英国軍を混乱に陥れあるいは捕まえて捕虜になった英国嬢は数知れない。残った英軍嬢たちは山の奥の奥へと追い込まれていった。そして象部隊を食い止めるために象やトラが入れない高さの壁を構築し、その中で「平和」を味わっていたのだった。

壁は高さにして十メートル。インドゾウの体高はせいぜい数メートル。虎の跳躍力だって二、三メートルもあれが上出来だろう。ということで急ぎ設営された壁。そして象の体当たりにも耐えうるように何重にも木を重ねて作った厚さにして八〇センチの壁。

「コレナラ平気、平気ヨ!」と英国軍指揮官アイアン大佐は言って笑ったのだった。その自信に満ちた笑いに、ほかの英軍嬢たちも「ソウヨ、ヘイキヨ!」「象がナンダ!」と言って笑いあい、そして本国からの補給を心待ちにしている。

しかし補給は来ることがない、それもそのはずインド洋に入った瞬間英国の輸送船は日本海軍の潜水艦に撃沈されていたのだから。それを知らない英国嬢たちは毎日空を見上げたり、地平のかなたを見つめたりしながら待っているのだが。

 

そんなある日、それは来た。

ズンズンズン・・・という地響きとともに。見張りの英国嬢が双眼鏡を握りしめたまま

「敵襲、敵襲ヨーー!」

と叫んだ。アイアン大佐は「何!敵襲ダッテ?・・・デモここは厚い壁に守られてるから平気よ、みんな注意だけはシテ・・」と言ったがその言葉が終わらないうちに壁の上にそれはそれはでかい、でかすぎる象の頭がひょっこりと覗いたのだった。象の背丈は一五メートルはあるのではないか?もしかしたらもっとあるかも知れない。そんな象、見たことも聞いたこともない。

さらにその象の顔つきときたらなんと邪悪なのかしら。鋭い目つきで鼻を振り上げ、鬨の声をあげる象。それに一頭だけではない。何頭もの象の大きな頭が壁の向こうに集まっている。それを見た英国嬢たちは恐慌に陥った。

「ギャーーー!化け物象、クワレル!」「逃げろ、ニゲロ!」「バカッ、ここを死守シナイデどうするノ!」

などと混乱しまくった叫びが湧きあがった。右往左往する英国嬢にアイアン指揮官は声を張り上げて、

「平気だってイッテルデショッ!あの厚さの壁ヲ突き破れるゾウなんかイナイッテ!」

と怒鳴った、その時。厚い木の壁がメリメリッ!と音を立てると縦に裂け始めたではないか。たけり狂った象たちは壁に体当たりし英国軍嬢たち自慢の壁をぶち壊し始めたのだ。

象たちには、帝国陸軍嬢の中にいる元・職人嬢の手によって鎧が着せられ鼻の真ん中あたりの部分にはけがをしないよう鉄の板が当てられている。だから象たちは鼻で厚い壁を押そうが何をしようが痛くもない。その象たちが、帝国陸軍嬢たちとともに壁を壊していよいよ侵入しようとしていた。

「イヤダア!殺される~~」

一人の英国嬢が叫んだ瞬間、鉄壁同様の強さを誇っていた木の壁がすさまじい音とともに崩壊し、そこから象たちが次々に走り込んできた。トラたちもなだれ込んできた。

象も虎も眼の前にすれば先ほど壁越しに見たよりも大きく見える。見上げる首の後ろが痛いくらい。

巨象・・進撃の巨象の群れ。

そして象の上には帝国陸軍嬢たちが、携帯型噴進砲(女だらけの陸軍自慢の武器)や機関銃などを構え、あるいはぶっ放しながら乗っている。トラたちは、これも女だらけの陸軍自慢の武器・簡易型野砲を背中に乗せて来る。このトラたちも通常ならざる大きさである。

大混乱に陥る英国嬢たち、算を乱して逃げる彼女たちを象が追う、虎が追う。そして次々に・・・踏み殺され、噛み殺される・・・のではなく象の長い鼻で捲かれたり虎の大きな足の下に組み敷かれて身動きできなくなっている。

 

遂にほとんどの英国軍嬢が象の鼻で捲かれて捕虜用のかごに放りこまれてしまった。数名だけになってしまった英国嬢の一人アイアン大佐は銃を構えて抵抗の姿勢を見せる。その前に巨象と巨虎が居並び、象の上に乗った帝国陸軍象部隊の部隊長・三國連少将や嵐寛子中尉などが英国嬢をじっと見下ろしている。

三國部隊長がアイアン大佐を見つめたまま、「おとなしく投降しなさい。命は助ける」と言った。がアイアン大佐は日本語がわからないので「かかってこい!」と言われたと思い込み、銃を構えるなり

「キエエエエーーー!」

と奇声を発して三國部隊長の乗った象に捨て身の突撃。英国人にしておくにはもったいない突撃精神だった、とのちに嵐寛子中尉は語ったが。

うしろに残った英国嬢たちは、象と虎のが恐ろしくて動けない。その場を見守るだけ。

「パオ―――ン!」

と象の雄たけびが響いたと見るや、アイアン大佐は嵐寛子中尉の乗った象の鼻ではじかれ、そこから数メートルほど吹っ飛ばされていた。

ドサッ、と木の根元に落ちた大佐は気絶している。やっと部下の英国嬢たちが「大佐、アイアン大佐!生きてマスカ~~!」と叫ぶと走り寄り、その体を抱えた。そこに帝国陸軍の衛生兵嬢数名が走っていき、英国嬢をどかして大佐を手当てした。

「様子はどうか?」と問う三國部隊長に、軍曹の衛生兵は

「はっ、気絶をしているだけであります。命には別条ないであります!」

と言うとアイアン大佐を担架に乗せ後方に運びさる。そして三國部隊長は捕虜用のかごの中に入れられている兵隊や、虎の足の下でもがいている兵たちに

「この地は我々帝国陸軍が占領した。貴様たちは帝国陸軍の捕虜としてマンダレーの収容所まで行ってもらう。トラックが来ているからそれに乗れ。抵抗すれば象と虎の餌だ、いいな!」

と怒鳴り・・・日本語のわからない英国嬢たちはその声音の重さに(これはきっと良くない事の宣告ナンダワ・・・おとなしくシテたホウガいいみたい)と覚悟を決め、数頭の象と虎に囲まれつつ山を降り、そこで輸送隊のトラックで護送されていったのだった。

 

「それにしても」

と三國部隊長は言った。

「それにしても私が話を聞いていたのとはずいぶん象の大きさが違うが、当初の象とは別物なのかね?」

そう問われた嵐寛子中尉は鉄かぶとをちょっと持ち上げてから、「いいえ、まったく同じものであります。象も虎もまったく同じなのでありますが、餌がよかったのかいつの間にかこれ程に大きくなってしまったものであります。しかし部隊長殿、大きいことはいいことだと山本直子連隊長殿もおっしゃっておいでです。ですからこれでいいのであります!」と答え、三國部隊長は大きな声で笑った。そして自分の乗った象の頭を撫でながら、

「大きいことはいいことだ、まさにそうだね。それでもよくここまで大きくなったよね。これからもこの調子で行こうじゃないか、私はこの部隊長になって日が浅いがよろしくね」

と言った。象が鼻を上にぎゅッとあげてそれにこたえた。それを合図に他の象・トラたちも鼻をあげたり前足をあげて応えたのだった。そして将兵たちの歓呼の声もアラカン山脈に響いて行ったのだった。

 

そして英国軍嬢たちは、収容所で「あれに守られてるッテ思ってたノニ・・・やっぱり野生ニハ勝てないワネ。でもその野生ヲ手なずける日本軍・・・オソルベシだわ」と言って震えている。

 

進撃の巨象はもうすぐインパールに着く・・・。

 

           ・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そんなでかい象がいたら真面目に怖いです。通常アジアゾウ・インド象は小型なんですが・・・一五メートルの巨象なんてありえない~~。

でももしほんとにこういうのがいたら、進撃には大変重宝だったでしょう!!

 

「進撃の巨人」OPLinked Horizon

これなんか怖いんですがそれでも見ちゃうんですよね・・・。



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ウダモさんへ

ウダモさんこんばんは!
いやあお恥ずかしい(^_^;)・・・
でもそうだ!ケロロ軍曹のノリに近いですね!あれも結構好きなんですよね~~。そういえばどこか南の島でケロロと英霊が出会うお話が合ったのが印象に残っています。

突っ込み入れながら読んでくださってうれしいです。今回はそういう感じで軽く読んでくださるといいですね^^、なんつっても「進撃の巨人」をモチーフ??にしましたので(^_^;)

餌がよかった。
こんな落ちでいいのか!?と思ってましたがホッとしてますw。
またどうぞよろしく!!

ツッコミどころ満載www

なんていう文才!
リズムが良くて読みやすいです^^b
お世辞じゃありませんよ?w
しかしまあ、読んでいてケロロ軍曹(アニメ)とシンクロしてしまいましたwww

んなに大きくなるわけないだろっっ!wとか、ツッコミを入れながら読んでいましたよ(笑)
私の推測では、壁に坂道になるような土台をつけて、象や虎を進撃させたのかな??…とか思っていたんですけど、餌がよかったからって……っっっwww
シンプルすぎるオチにやられましたw
上手いなぁホントb
次も楽しみにしてますね★

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんおはようございます!
そうなんです、帝国陸海軍に休息はない、とばかりに今回はビルマで奮戦しました^^。でも良く考えりゃあの山の中でこんなことできっこない・・・んですがこれはあくまでもお話だからいいか~と自分で納得(むりやり)しながら書きました。

おお・・・ゾウさんのいきり立った鼻のごとき「アレ」。ホントはにいさま、大物をお持ちなのでは・・・!?

いつもご心配をいただきうれしく思います、このところの急激な気温低下で軽いめまいはありますが大丈夫です。唯、耳の奥が痛いのが困りますね^^。
お母さまのめまいはいかがでしょうか、酷くないことをお祈りいたしております。
本当にありがとうございます、にいさまも御身大切にお過ごしくださいね。

NoTitle

おはようございます
先日の激戦で、戦い済んで日が暮れてと帝国軍はのんびりしていたのかと思いきや今度はビルマの山の奥で活躍!!
惹き込まれて、読み落としはないかと3回ほど読み直しました。今回も渾身のお作。一気呵成とばかりに書き上げた見張り員さんの意気込みを感じました。

「パオ~~ン」、人のアレを指してそう言いながら喜んでいた女を思い出しました。象みたいに大きかったら良かったのですが(ふふふ)

お加減は如何ですか。一気に大作を書き上げてお疲れが増しているのではないでしょうか。無理をしてはいけませんよ。母の目まいを聞くと見張り員さんの不調はと思っています。大事にして下さいね。
プロフィール

見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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