2017-10

「女だらけの戦艦大和」・トレーラーの奇人変人8 - 2013.01.20 Sun

「私はちょっと寄るところがあるから・・・」と言って一人行こうとした筑紫少尉ではあったが、袴田兵曹に「いったいどこへ?勝手知らないこんな島で?」と言われ言葉に詰まった――

 

「だから・・・ちょっと寄るところが」

筑紫少尉はもうしどろもどろになった。写野兵曹がそっとその前に立つと、

「何か隠していますね?『海きゃん』編集部の掟をお忘れになったわけではありますまいな。<隠し事はしないこと>、これを一方的に破られたら、あなたも配置がえですよ」

と穏やかではあるがずごみを帯びたものいいで詰め寄った。

殘間中尉は怖ろしげな表情で事の推移を見守るだけである。

小林兵曹が、

「ぜひ聞かせてください、少尉のその態度からはなんだか秘密の匂いがします。他に漏らしたらいけない事なら我々死んでも口外いたしませんから」

と切に頼んだ。筑紫少尉は渋々、例の<のぞき見スポット>の話をした。

おお、と感嘆の声をあげる一行。武田水兵長が「いったいそんな素晴らしい事を誰から教わったんです?」とたずねたが筑紫少尉は「それだけは言えない。その人の名誉と私との信頼を崩す恐れがある。海軍軍人としてそれだけは出来ん」と言ったので皆はそれ以上の追及をやめる。

「では、そうと決まったら行きましょうよ。筑紫少尉、それはどの辺です?」

三谷兵曹がもう行きたくて仕方ない、といった風情で少尉をせかす。筑紫少尉は麻生少尉が書いてくれた地図を手にすると、

「こっちのようだ」

と歩き出した。片方の手には方位磁針を持って。

 

その場所は案外簡単に見つかった。そこは小高い丘の上。下には小さな草っぱらが広がっている。

筑紫少尉は皆を前に

「いいか、決して大声を出したり物音を立てたりしてはいけない。見つかったら大ごとになる。それだけは守れ!」

と厳命した。そして(麻生さんが言ったのはこのへんか?)と草むらにわけいった。が、(これじゃあどうにも見つかりそうだなあ)と思ったがその時麻生少尉が別れ際に「樹の(うろ)にも隠れられますよ」と囁いて行ったのを思い出した。

傍らを見やれば大きな古木がある。草むらから出た筑紫少尉はその古木に近寄って樹の周りを見て回った。

と、「お!?これは・・・」とその樹の下の一部をそっと押してみた。何と樹の表面にあいた穴の部分にドアが取りつけてあり、それが開いた。結構大きな入り口で人一人がゆっくり入れる大きさである。

「皆ここから入れるぞ」

筑紫少尉の声に皆がやってきて「わあ、すごい!」「この中に入れるんですね」と言う。それを押しとどめて「いいかそっと入れ。絶対壊すなよ」と言ってまず自分がそっと身を入れた。

中は広かった、そして上から光がさしているので見上げればそこには中二階のようなものさえできている。

(麻生少尉が作ったんだな、いつの間に)

筑紫少尉はなんだか笑いがこみあげてきてこらえるのに必死になった。一同が中に入ると少し窮屈である、そこで筑紫少尉は

「写野兵曹、貴様と私であの中二階に上がってみよう。他の皆はここで見ろ。いいか絶対大声出すな、物音立てるな!それから」

「それから?」と問う皆に、

「この件は絶対記事に入れてはならない!これは今回我々だけの楽しみにする。内地に帰っても絶対口外するな、いいなっ!」

と言いはなって「じゃあ写野、上へ行こう」と言って中に書いて上がるラッタルを登っていった。ラッタルも中二階の床も厳重に作られていて筑紫少尉は感激した。

(あの人にこんな技術があったなんて。人はみかけにはよらないものだなあ)

実を言えばこの古木の隠れ家、麻生少尉が以前にこののぞき見スポットを発見した折、工作科の同期を拝み倒して作らせたものだったのだ。

 

ともあれ、そこでじっと待機することしばし。

やがて昼を回ったころ「あ、誰か来た」と三谷兵曹の小さな声が響いた。皆一斉にのぞき窓から肉眼や双眼鏡を使って下に広がる草っぱらを凝視した。

現れい出たのはどこかの艦の下士官嬢の様である、それが男性とともに草を踏んで歩いてきた。男性は日本人の様である。

「ほう、あの男性はきっとここの工場かなんかの従業員だな」と袴田兵曹がひとりごちる。

皆が見ているとも気がつかない二人は最初正面から見つめ合っているようだったが、次の瞬間ものすごい勢いで服を脱ぎ捨てた。

服が虚空高く舞い上がった――と見るや二人は草の中に身を倒し――事が始まったようだ。

ゴクッ!と殘間中尉の喉が鳴った。するとそれを合図のように三谷・小林・袴田そして武田の喉も鳴った。筑紫少尉と写野兵曹は一瞬たりとも見逃すまいと双眼鏡をしっかり目に当てて見入っている。写野兵曹が「くそっ、草が邪魔でよく見えねえ!」と吐き捨てるように言った。

「しっ、静かにしろ」と筑紫少尉が注意した。その時何と裸のままの二人がたちあがるとまるで一行に見せつけるかのごとく抱き合って激しい口づけ。

「おお・・・たまらん」と三谷兵曹がうめいた、「あいつら見られてるのを知ってるのじゃないかね?」。

しかし彼女らはみられているとは全く知らない。

そんなこんなを約壱時間ほど続けた後件の二人は服を着つけると手を繋いでその場を去っていったのだった。

「ふう・・・」と殘間中尉が上気した顔で覗き窓から体を離した。そして筑紫少尉を見上げて、「ねえ、でもあの最中に誰か来たら困るんじゃないの?」とたずねた。筑紫少尉は麻生少尉からの受け売りではあったが、

「それが平気なんですよ。この土地には秘密のサインがあってですね、そのサインを途中の道につけておくとだれも邪魔しには来ない。そういうのがあるんだそうです。それはここにいる海軍の将兵たちもとうに承知してるんだそうですよ」

と教えた。ふーん、と皆が感心していると写野兵曹が「アッ!また誰か来た!」と小さく叫んだ。一斉にのぞき窓にひっつく一行。

今度はこれもどこかの艦の士官と兵隊の様である。今度は兵隊を裸にして士官がズボンから引き抜いたバンドでその体を叩いている。

「これは・・・リンチじゃないですか!いけませんねえ」とまゆをひそめる殘間中尉に武田水兵長が「いや、違いますよ。あの兵隊の表情が見えませんか?あれは喜んでますよ。なんて言うんでしたっけ、ああいうの」と言って双眼鏡を見たまま考え込む。

そこへ袴田兵曹が「マゾ、って言うんじゃなかったっけ?叩かれて嬉しいの。その反対が確か、サド」と教えてやった。

「ああ、そうそう!そうでした、マゾとサド!」と武田水兵長が納得した。殘間中尉が「佐渡。佐渡と言えば確か新潟県の・・・」と全くベクトルも次元も違うことを言っている。

興奮した皆が見ていると士官はやがて兵隊の両手をバンドで縛ってその体をあれこれ始める、小林兵曹が「わあ・・刺激強すぎだわ」と言いつつも見るのをやめない。

その痴態も約壱時間ほどで終わり、二人は草っぱらを出て行った。

「ふう。今度はどんなのが来ますかね?」と三谷兵曹が言った。小林兵曹が困ったような顔で「あんなものを見せられると・・・こっちの方が困りますねえ」と言い、筑紫少尉は上から

「それなら今夜みんなでここの遊郭に行こうや。トレーラーでの取材も最後、内地に帰る前の思い出作りだ!」

と言って皆一斉に沸いた。

しばらくして「ありゃあ・・・なんだ?」と写野兵曹の思いっきり困惑した声が中二階から降ってきた。樹の壁に背中を預けていた皆は一斉に起き上がると覗き窓に寄って双眼鏡を眼に押し当てる。

双眼鏡の中に広がるのは、テニスラケットを持った『大和』の松岡中尉と、ハッシー・デ・ラ・マツコとトメキチの三人の姿。袴田兵曹は、

「あれは確か『大和』の士官ですね。いつもラケットを持って『熱くなれ』ってやかましい人。なんで鳥と犬と一緒にこんな所へ??・・・ハッ!」

と息を飲んだ。どうしたの、と問う殘間中尉に袴田兵曹は至極真面目な顔つきで、

「あれですよあれ。時に居るじゃないですか、動物を相手にする(・・)人。彼女きっとそういう変態性欲の持ち主なんでしょうね。いやあ、この年まで聞いたことはあってもこの目で見るのは初めてです!人間生きてると良い事もあるんですねえ~」

と最後の方はなんとも言えないいやらしい顔つきになった。殘間中尉も「ふーむ。それじゃあ私も後学の為に良く見せてもらおう」と言うと双眼鏡をしっかり握りしめ、覗き窓に押し当てた。

と・・・

「あれが・・・それ?」

と皆は不審に思った。松岡中尉はマツコとテニスのボレーの様なことを始め、トメキチがそれたボールを取っている。どう見ても変態行為ではないようだ。

「おかしいなあ」と袴田兵曹はつぶやき、武田水兵長は「まだまだ!これから始まるのかもですよ!」と言い皆はもっと見いる。

が、結局皆の期待した変態行為は行われることがなく松岡中尉・マツコ・トメキチは喜喜として草はらを出て行ったのだった。

ちょっとばかり気まずい空気が皆の間に流れた。

それを破ったのはそのあと三十分程経ってからだった。

突然写野兵曹が

「来たっ!来ましたよ、今日の最大の収穫だ!!」

と叫んで皆は「最大の!?」と言うと覗き窓に飛びついた。

 

彼女たちの視線の先には――!

 

              ・・・・・・・・・・・・・・

 

覗きは犯罪行為ではないでしょうか?? でもこれはトレーラーでのお話ですから(^_^;)、決してみなさんは真似をしないでくださいね(って誰がするか!)。

 

そして、『海きゃん』取材班が目にした<最大の収穫>とは何ぞや?

イメージに合った「木のうろ」(写真お借りしました)。樹のうろ


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● COMMENT ●

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
お返事が遅くなりごめんなさい!

地震、結構大きかったですね。あの時間に目を覚まされるというのは大変不快ですね。私は火曜から木曜は6時半に起きるのであの時間は本来爆睡中でないといけんのですが…(-_-;)
しかし大ごとなくてよかったです・・・ホッ。

のぞき。
なんだか禁断の響きがありますね!
性におおらかだった神代の昔、素敵ですね~~。やはり性イコール生、なんですよね。切り離せない^^。

松岡が変態趣味でなくってよかったです。マツコやトメキチが毒牙にかかったら…と思うだけで今夜も眠れない!!

matsuyama さんへ


matsuyama さんこんばんは!
お返事遅くなりごめんなさい!

官能小説って結構呻吟しながら書くんですよ。なかなか自分に経験が無いとだめですね、ですからちょっとHなサイトさんを参考にさせてもらったりします。
でものめりこんじゃったりして記事書くのが遅くなることも!?

のぞき見ってなんだかとてもスリリングですよね。でも気をつけないと犯罪・・かな!?

こんにちは。今朝の地震、大丈夫でしたか?まぁ私は気がついていなかったのですが(--;) “のぞき”という言葉の持つアヤシさが文章からあふれていましたね~古代の神々のイトナミもおおらかだったときいていますので…本当に「愛ランド」(*^^*)マツオカさまが獣○マニアでなくて良かった~マツコ、貞操をまもるんだぞ!!(爆)

や~、エロティックですね。久し振りに見張り員さんの官能小説を拝読させたいただきましたよ。
所変われば品変わる、南国は開放的でいいですね。覗き見もまたいいもんです。覗いてるだけなのに心臓がドッキンドッキン、鼓動が脈打ちますよね。
あ~、もう暫くこんな状況から遠のいてしまいましたね。若い頃が懐かしい。

さ~、次の覗き見スポットには誰が立ち寄るんでしょうか。楽しみですね。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんおはようございます!
いやあ~、喜んでいただけてうれしいですね~ww!
そうなんですね、場所が変わると気分も変わると言いましょうか、よく(見たことはほとんどないですが)AVなどでも外でナニをなさっているものがありますからこれは人間のあくなき憧れ…なんでしょうね^^。

さあいったいお次はだれが!

こんばんは。
しばらくお休みの間にこんなにも官能的で耽美な物語を書いていたなんて。今夜からこちらの方が高熱でうなされそうです。
それにしても……、秘密の場所でのエッチってそそられますね。洞穴もいいですが何も無い場所、青空の下や草むらや浜辺もそれなりに燃え上がるのではないかと……。身に覚えはございませんがただの憧れでありました!!


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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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