もう一つの「真珠湾攻撃」・西開地一飛曹のこと

--その人の名前を初めて知ったのは、今から20数年前のハワイ旅行であったと記憶している。

現地の日系ガイドの話の中にその人の名前は出てきた。
帝国海軍・一等飛行兵曹 西開地重徳。

彼は「飛龍」戦闘機隊の一人で、真珠湾攻撃第二波攻撃隊員であったが機体に被弾して自爆したと認定されていた。が、実際にはニイハウ島に不時着していた。

ニイハウ島は1864年以降個人所有の島であったが日本海軍はこれを「無人島」と認識しており、そのため機体が被弾した際の不時着地としており、また搭乗員を潜水艦で救助する際の集合地点としていたらしい。

ともあれ、西開地の零戦(21型)はニイハウ島に不時着した。一人の現地人男性が彼を日本人と気付き、そしてアメリカと険悪な関係にあることを知っていたため不時着騒ぎに乗じて彼の銃と書類を奪った。

一人の日系人が西開地との交渉に臨んだがうまく行かず、別の日系人・原田義雄を呼び話をした。西開地は日本とアメリカが戦争に入ったこと、住民が奪った書類は軍事機密だからどうしても奪い返したいということをいい、原田氏に協力を求めた。
西開地と原田は手を尽くしたが書類は戻ることなく、12月13日、進退きわまった西開地は零戦に火を放ち、原田所有の銃で自決。それを見た原田も絶望して自ら命を絶った・・・

というような話であった。(西開地の死に関しては、現地人との争いの中で殺害されたという話もあるがいずれにせよ、)大勝の陰でこうして命を落とした将兵がいたことは今の日本では忘れ去られていることだろう。

この攻撃では多くの搭乗員が還らなかった。航空部隊の未帰還機・29機。損傷74機。戦死55。特別攻撃隊(甲標的)戦死9。

その中の一人西開地重徳一等飛行兵曹。愛媛県今治市出身の21歳は、その最後をどのような思いで迎えたのだろうか。
異郷の地で手厚く看取る人なく死んでいった彼を思う時、適切な言葉が無い。

あれから今日で71年め。
真珠湾の英霊たちは今の日本をどう見つめているだろうか--?


西開地重徳一等飛行兵曹(画像お借りしました)。西開地兵曹


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酔漢さんへ

酔漢さんこんばんは!
レノンの突然の死、それも暗殺という衝撃的な出来事は私たちの世代にも十分すぎるショックを残してゆきましたね。
どこの世界もどの時代も馬鹿はいるのだなあと思い、その馬鹿の凶弾に倒れたレノンがひとしお哀れでした。NYのいらしたんですね・・・感慨深いものがおありだったでしょう。

12月8日。
私の母はまだ生後4カ月になる少し前、父親は北京にいました。母方の祖母があの日のことを話してくれたことがあります。幼い子供3人を抱えててんやわんやの朝、住まう官舎の外で何やら騒ぎが。外に出たら「戦争が始まった」との話を聴いて若き日の祖母は「ああ、ついに始まったか」と。でもいつか時始まると思っていたからそれほど衝撃ではなかったと言ってましたね。

甲標的の乗員も西開地さんもその最後の瞬間何を見、何を思ったか。どれを考えると胸が苦しくなりますね。

7日の地震は「また来たか!」と思わず構えました。でも大ごとでなくてよかったです。もう地震はたくさんですね!!



12月8日

予約していた「イマジン」を仙台で受け取り、塩竃へ帰宅。NHKのニュースを見ながら着替えをしている最中。「ジョン・レノン暗殺」のニュースが飛び込んできました。抱えていたジャケットを床の落としてしばし呆然。最初の「イマジン」を聴いた日がレノンの命日になったそのショックで寝られない夜を過ごしました。ニューヨークへ一人旅。「ダゴダハウス」前に花を手向けてまいりました。
そして、8日。「米英ト戦闘状態ニ入レリ」この第一報は、父も母も覚えているそうです。真珠湾は、その勝利ばかりが表に出て、その背景まで語られないことが多いですね「甲標的」は、ハッチが開く、そして、操縦桿がついていると理由で「特攻戦没者」には名簿が掲載されておりません。これも「何故」と思わらざるを得ません。そして、「西開地一飛曹」のご紹介、ありがとうございます。くしくも、私と同じ呼び名であるところから、その最期は、見張り員さんと同じ、「何を想っていたのだろう」と、思っておりました。
地震ですが、母は「あぁまたね」と心配しているこちらより、至って冷静でした。何事もございませんでした。

ジスさんへ

ジスさんこんばんは!
12月8日というと真珠湾攻撃に、ジョン・レノンのお命日ですね。
レノンの死は衝撃的でしたね、なんということをする馬鹿ものだと犯人を罵ったあの日。

もうすぐ総選挙。野田さんの開き直りで解散して始まった選挙ですがこの国の行く末が本当に心配です。この選挙もそうだし、この国そのもののありようを英霊は北の果てから南の地から、そして海の中から見つめています。

それらの御霊が安らげる国を作らないと大きな罰がきっと当たります。国政に出ようとする人は「命がけの真心」で臨んでほしいですね。

いなばさんへ

いなばさんこんばんは!
なんと!
そのような雑誌記事があったんですね~~!
やはり知る人ぞ知る、という感じなのでしょうか?

でも彼は英雄だと思う。

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
星の数ほどの戦没者には星の数ほどの逸話がある・・・
西開地さんの名前、あのときハワイに行かなければ今まで知らなかったかもしれない。と思う時、もしかしたら彼の魂が私をハワイに引き寄せたのかなあ・・なんて思ったりして。

この先もきっとどこかで今まで知らなかった誰かの話に出会いたいと思っています。
そしてその人の人生に少しでも寄り添えたらいいなあと思う次第です。

鍵コメさんへ

鍵コメさんこんばんは!
本当にそうだと思います。戦争って(私見ではありますが)やはり勝ってなんぼの世界だと思うのですが多くの人の命が奪われるということは哀しくやる瀬ないですね。その点に関しては勝つも負けるもないですね。
私も今日のNHKの『戦艦大和』を見ました。
死ぬことは辛いですがそれより辛いのが生還することだとは・・
これがもし勝ち戦だったらどう言われたのでしょうね、ちょっと考えました。

昨日の地震は驚きましたね!ラジオを聴いてたら例の「緊急地震速報」のチャイム。それが終わらないうちにずんずんときて・・・モミジは少し動揺していたようですが娘たちがいたのですぐ落ち着きました!

いつもありがとうございます。寒くなりましたね、御身大切になさってね^^。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは!
これこそがすさまじい『愛国心』であり「忠誠心」だと思いますよね。今からたった70年ほど前の人はこれほどに激しくそして純粋だったのですね。
今の日本人のいい加減さを西開地さんが見たらなんとおっしゃるでしょう。
甲標的の九軍神は、飯田中佐はこんな日本にしたくて一身を投じたわけではないのに…なんだか気の毒になりますね。

そのたび思い出すのが「かくばかり醜き国になりたれば 捧し人のただに惜しまる」の歌。

戦争未亡人の悔しい思いはそのまま戦没者の思いにつながります。
色々な話を発掘しそれをアレンジして拡散したいというのが私のひそかな思いです。

こんばんは。ご無沙汰していました。いつもありがとうございます。

ことしも真珠湾攻撃の日がやってきましたね。この日はジョンレノンの命日でもあり、記憶に残っています。

間もなく始まる国政選挙いったいどうなるでしょうね。71年前の先輩方に恥ずかしくない面子で決めて欲しいものですね。

昔、飛行機の模型雑誌に紹介されていました。144分の1スケールの零戦の特別マーキングに彼の機体番号がセットになっていました。

こんばんは。まだまだ知られていないたくさんの人生があるのだと思います。見張り員さまを介してこれからもたくさんの方と出逢いたいと思いました。ひとりひとりの生きざま、その一瞬だけでも知っているのと知らないのでは何億光年の差がある気がします。

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国を背負って責任を果たす。それが叶わなければ自らの命を絶つ。そこまでした国護り。
ご英霊は今の日本を見て「何のために我々は命と引き換えたのか」と思っているに違いないと思います。浮かばれるはずがありません。
たとえ手厚いお祀りや供養を重ねても、衰退するばかりの国と国民に嫌気すら感じているのではと思えて仕方がありません。戦争体験者は年々、いなくなっているのも自然の摂理です。やはり大切なのは見張り員さんのような語り部に頼るしかないと思います。期待していますよ。
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見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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