「女だらけの戦艦大和」。長妻兵曹涙する2

長妻兵曹、副砲の陰でオトメチャンを抱きしめて「・・・したい」とうめいた――

 

しばらくオトメチャンを抱いていた長妻兵曹だったがやがてその腕を解くと「すまんかったな、オトメチャン」というと歩み去っていった。

見張兵曹はその後ろ姿を見送っていたが(さっき小泉たちがなんぞ話しとったんは長妻兵曹のことじゃったんじゃな。でも・・・なんかいつもみとうなスケベな感じとはちいとちごうたが?)と思いつつ、艦橋の後ろのラッタルをあがってゆく。

 

長妻兵曹の様子がおかしいというのはあっという間に艦内に広がって行った。

機銃分隊の平野少尉が心配して折に触れて「長妻兵曹、ちいと休まんか?」とか「これ食ってみんか?」などと声をかけるがなかなか兵曹の顔は晴れない。

「どうしたもんだかなあ~」

平野少尉は頭を抱えている。その少尉にいつの間に来たか、野村副長が後ろから

「まあ心配しなさんな。そのうちきっと解決するよ」

と言ってその肩をそっと叩いて行った。少尉はあわてて敬礼した、その少尉にちょっと振り返って副長は微笑んだ。

 

その長妻兵曹のいらいら状態が晴れる日が来た。

「入湯上陸」の日である。その日朝から長妻兵曹は気分が高揚していた。同じ日に上陸の仲間たちは、

「ほれ見い、長妻兵曹もう矢も盾もたまらんらしいで。こりゃあ、陸に上がったら一目散に慰安所だな」

と言って長妻兵曹から目が離せないようだ。

今日は見張兵曹と小泉兵曹も入湯上陸である。小泉は「俺、長妻より先に慰安所に入るけえ見とけ。あいつの目当ての男、先取りじゃ」と意地悪を言う。見張兵曹はちょっと眉を寄せると、

「小泉。あんまり意地悪せんほうがええんと違うかね?あげえに長妻さんは楽しみにしとってじゃけえ、その楽しみに水さしたらいけんで!」

と小泉を諌めた。小泉兵曹はむっとした顔つきになると、見張兵曹の胸を片手のひらでドンと突いた。見張兵曹はよろっとその場にたたらを踏んだ。

「なにするんね、小泉は!」

さすがに腹を立てた見張兵曹に小泉兵曹は両腕を組むと、

「貴様は男の経験もないくせに、利いた風な口を聞くな!長妻はなあ、男が欲しゅうていらいらしとってじゃ。そがいなん、俺たちは見たらわかる!ええか、ほんなら今日これから上陸したらあいつの後を追っかけてゆくで?あいつはいの一番に慰安所に行くけえ、みとれよ!」

と言って見張兵曹を睨みつけた。

見張兵曹は黙って下を向いた。そこへ麻生分隊士が来て、「小泉なんで貴様は見張兵曹に乱暴するんじゃ!ええ加減にせえよ!」と怒鳴った。小泉兵曹は渋々、「すまん」と言いその場を去り、麻生分隊士は見張兵曹をそっと抱きしめて慰める。

その様子を、トップのトップから見下ろしていたハッシー・デ・ラ・マツコは傍らのトメキチに、

「あの小泉って女、意外とあほね」

と囁く。トメキチは「マツコサンは、長妻さんの考えてることわかるの?」と聞く。マツコは翼を少し広げると、「はっきりは分からないわよアンタ。あたしだって超能力者じゃないもの。でもねえ、長妻とかいう女が男に会いたくてうずうずしてるのとは・・・違うね!」と言い切ったのだった。

トメキチはマツコの顔をしげしげ見つめ「マツコサン・・・かっこいい」と言い、マツコは両方の翼を大きく広げて得意になったのだった。

 

そんなこともあったが、この日の上陸員がそれぞれランチに乗ってトレーラー・水島に上がった。それぞれお目当ての場所に散ってゆく。二艇目のランチに、長妻兵曹・小泉兵曹・見張兵曹や増添兵曹が乗っている。長妻兵曹は誰も目に入らないようで水島の一点を見つめている。

小泉兵曹がその様子をそっと指差して、

「見い、あれは慰安所の方角を見とってじゃ。降りたらいっさんに走りよるで。あとを追うけえ、しっかり走りや」

と言った。見張兵曹ははいはい、と生返事をして久しぶりのトレーラーの海を見ている・・・

 

皆はランチを降り、衛兵所を敬礼しつつ通過。

と、長妻兵曹が走り出した。小泉兵曹が見張兵曹や増添兵曹をつついて「ほら、走るで!」と言って走り出し、長妻兵曹のあとを追い始めた。長妻兵曹は後も見ないで走り続ける。

小泉兵曹が「ほれ見い、この道を行くならやっぱり慰安所じゃ!」と言って皆を振り返ったその時、見張兵曹が「小泉、曲がったで!」と行く先を指した。

見れば長妻兵曹は慰安所への道の前の角を右に曲がった。

「ありゃ。こっちは慰安所じゃないな…長妻さんどこへ行くつもりなんじゃろう?」

小泉兵曹は首をかしげる。

ともあれ皆は息を切らしながら長妻兵曹のあとを追う。

長妻兵曹は海岸へ出た――

 

そこで長妻兵曹はきょろきょろとあちこちを見回した。

誰かか、何かを探してるようだ。増添兵曹が「なにをしとるんじゃ。あいつ、ここで誰かと待ち合わせかのう」と言って「ああ、たいぎい」とその場にしゃがみ込む。

と。

長妻兵曹は「おーい!」と手をあげて振ると走り出した。皆はそのあとを追う。長妻兵曹は海を右に見ながら浜辺を走る。

その先に一人の男性が立っているのが見える。

長妻兵曹はその男性のそばに到着、ほかの連中も長妻兵曹の後ろに立った。長妻兵曹はその男性に右手を差し伸べた。男性はその手を両手で包みこんだ。長妻兵曹は「久しぶりですね」と言って、そして二人は笑い合った。男性は30代後半くらいだろうか陽に焼けた顔が人懐こい。

その男性の顔を見ていた見張兵曹はハッと思いだした。

(この男の人・・・!)

    (次回に続きます)

 

            ・・・・・・・・・・・・・・

 

?の男性登場です!

オトメチャンはこの男性に見覚えがあるようですが・・・次回をお楽しみに!

三連装機銃だ
三連装機銃だ!!(画像WIKIから)



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Comments 6

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見張り員  
matsuyama さんへ


matsuyama さんこんばんは!
韓国「慰安婦」問題は勝手な言い分ばかり通そうという感じがして見ていて不快です。「従軍~」という呼称にも大いに問題がありますね。大体がこの話はねつ造だというのに、それに乗っかって・・・というのがそれこそいやらしい気がしてなりませんが。

「女だらけの~」の慰安夫さんたちにはそんな問題はありませんのでご安心を^^。

長妻兵曹のお話、いかがだったでしょうか?

今日は少し蒸し暑く、明日はいきなりまた30度越えとか・・・ガックシ。
ご心配いただきありがとうございます、がんばります!!

2012/09/28 (Fri) 23:14 | EDIT | 見張り員さん">REPLY |   
matsuyama  

韓国の慰安婦問題が取りざたされてますが、大和の慰安夫は問題ないのでしょうか。
長期にわたる女だけの生活には、男の出現が刺激になるんでしょうね。

長妻兵曹、誰と会ってるんでしょう。気になります。

季節の変わり目、健康には十分お気をつけください。

2012/09/28 (Fri) 21:48 | EDIT | REPLY |   
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見張り員  
まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは!
さあ、だれでせう!・・・過剰にあおって大したことないなあ~なんてなったら困りますがw、きっとご記憶にある人かと!

慰安所(しかも男性が接客!)の様子を次回は書いてみたいと思っています^^。男女逆転の世界ではアッチのほうは一体どうなるのでしょうか、・・・ガーン!

だいぶ体は戻ってきました、もともとメニエールの軽いのがあるのでもう仕方がないんですが(-_-;)

いつもご心配をいただきありがとうございます!

2012/09/28 (Fri) 20:32 | EDIT | 見張り員さん">REPLY |   
見張り員">
見張り員  
オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
さあ、一大ドラマが始まります・・・
そんなに期待を持たせてはいけないかもしれませんが、長妻兵曹にとっては衝撃の!!!

だいぶ体はよくなってきました。どうも情けない状態です…(-_-;)
ご心配をいただきありがとうございます!!

2012/09/28 (Fri) 20:28 | EDIT | 見張り員さん">REPLY |   
まろゆーろ  

わぁ~~~、誰??誰??
なんだかワクワクしております。
次回がとっても楽しみです。慰安所の描写も少々ご紹介下さったらもっと嬉しいなぁ。

まだまだご本復ではないでしょうに、このような素敵な作品を……。ぼちぼちやって下さいね。まずは体が一番なのですから。

2012/09/28 (Fri) 13:43 | EDIT | REPLY |   
オスカー  

こんにちは。浜辺での再会、なにやらドラマチック!!見物人も多いみたいですが(笑)ますます楽しみな展開です!!
お身体はいかがですか?ムリせずのんびりまいりましょう~何事も身体が資本ですからね!!

2012/09/28 (Fri) 11:24 | EDIT | REPLY |   

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)