2017-10

「女だらけの戦艦大和」・まつたろう1 - 2012.04.15 Sun

むかしむかしあるところに『大和』という名の村がありました。

そこにはまるで男のような気性の女の人がたくさん住んでいました。松本兵曹長、浜口大尉、麻生少尉・・・枚挙にいとまがありません。

そしてこの村で一番偉いのが梨賀艦長と言う人です。この人には野村副長、森上参謀長という取り巻きがいました。そしてこの三人は時々集まっては歌を歌い、『大和』の村の住人からひんしゅくも買っています。

それでも一応、『大和』の村は平和でした。

 

そんなある日松本兵曹長は川に洗濯に、浜口大尉が山に熊退治にとそれぞれの仕事をしに行きました。松本兵曹長はたくさんの褌を洗濯しながら

「ああもう、自分のものは自分で洗濯しろよもう!」

と怒りながらも川で一所懸命洗います。でないと熊退治から帰ってきた浜口大尉から『気合い』を入れられるからです。

もうちょっとで洗濯が終わると言う時兵曹長は川上から何かがどんぶらこ、どんぶらこと流れてくるのに気がつきました。

「なんね、ありゃ」

と兵曹長は目をこらし、背後の竹やぶで竹を切っている麻生少尉に

「麻生少尉、なんだかおかしなもんが流れてくるで来てみんか?」

と声をかけました。麻生少尉はタケノコを引きぬくのに懸命でしたが

「なんでしょうかのう」

と言って川にやってきました。兵曹長が指さす方に何やら大きな黒っぽいものが浮きつ沈みつしながらこちらにやってきました。

兵曹長がその太くてたくましい腕でそれをつかんで川から引き揚げました。麻生少尉が手伝ってそれを土の上に揚げたのですがそれはなんとも大きな松ぼっくりでした。

兵曹長は

「ほう、こりゃあでかい松ぼっくりじゃのう!」

と大喜びですが麻生少尉はそれをしげしげと見て

「いうても兵曹長。こげえなもん食えませんし使い道なんぞありゃしません。ほかしましょう」

と言いました。兵曹長もその太い腕を組んで考えていましたが

「ほうじゃのう、食えん・使えんもんを取っておいてもええことないわ。邪魔なだけじゃけえ、川にほかしてしまえ」

と言って二人はまた大きな松ぼっくりを持ち上げようとしました。

その時!

松ぼっくりが急にぼうぼうと燃え始めたではないですか。

「うわああ」

「あつ、あつ、熱い」

と兵曹長と少尉は大騒ぎでそれを地面に投げ捨てました。と、燃え盛る火の中で松ぼっくりがパチンと音を立てて割れました。

息をのんで見守る兵曹長と少尉の目の前に、その炎を踏みしだいて中から一人の女の子が飛び出してきました。

腰を抜かす二人にその女の子は、右手の親指をグッと立ててみせると

「やあみんな。熱くなってますかあ!?いいですか何事もあきらめちゃいけませんよー!」

と叫びだした。そして二人の顔を見ると

「それでですね、私はおなかがすいてるんで何か食べるものを下さいな。そう、コメがいいですね。米を食え―!それからここではしじみがとぅるるんですか?」

と空腹のせいか少しろれつが回らないようであるが必死の形相で言いました。

兵曹長はようやく驚きから覚めて、これも腰を抜かしたままの麻生少尉を引き起こすと

「しょうがねえなあ。じゃあ飯をやるからこっち来い。この辺じゃしじみなんぞ採れんわい」

と言って松ぼっくりから生まれた女の子を家に案内してあげました。その女の子は

「そうですよ、そうこなきゃいけませんよ。腹の減ってる子供を助けないとあなたたちは児童虐待ですからね、いいですか?熱くなってくださいよ―」

と喋りまくり、麻生少尉に

「ああもう!うるそうていけんわ。しかも言うとること、ようわからんし!」

と怒鳴られてしまいました。

そしてこの子は、出されたてんこ盛りの飯をあっという間に平らげ大根の味噌汁を飲み干し、しかも

「米を食わないと熱くなれないぞ!諦めんなよ、いいか君たちは今日から富士山だ!・・・お代わりください」

とまたよくわからないことを叫んで、兵曹長と少尉を辟易させたのでした。

 

この子の噂はその日のうちに『大和』の村を時速四五キロくらいの時速で駆け回り、夕方までには知らんものがおらんようになってしまったということです。

そしてこの子は<松ぼっくりから生まれたまつたろう>という名で呼ばれるようになったのです――

    ・・・・・・・・・・・・

日本昔話。

ではないですねこれは。カオスな物語になりそうです。

さあ緊迫の次回をお待ち下さいませ・・・!ガーン!

松ぼっくりです、よろしうね!
松ぼっくり



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● COMMENT ●

kazu さんへ

kazu さんこんばんは!

そうです!
「トラトラトラ」の真珠湾のシーン、
「水木兵曹、ト連送!」
のあたりだと思います^^!

NoTitle

こんばんわ

この右サイドの日本ブログ村の
男の二人の写真は

記憶が違ってなければ、トラトラトラですね^^

matsuyama さんへ

matsuyama さんこんばんは!
♪坊や よい子だねん寝しな~
と言いたいですがこんな話は寝た子をたたき起こすようなもんですね(-_-;)

完全ももたろうのパクリです^^。
そしてまつたろうは一体誰をおともに、どんな戦い方をするでしょうか??

松ぼっくりって燃えやすいんですか!?(知らなかった・・・)
これは立派な武器になりますね!!
ご指導ありがとうございます、まつたろうに教えてやります!!

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは!
昔話の世界も子供のころに帰っていいかもしれませんね^^。
当初、桃から生まれた・・・にしよう、女の子だからそれでいいだろうと思いましたが「それでは能がない。なさすぎるね」と野村副長みたいな考えに支配され、「松岡」-松ー松ぼっくり、という結末になりました。あまりにも短絡的ですね(-_-;)

昔私の母が山梨の田舎に疎開した時は家の前を流れる川で洗濯などしたそうです。そんな生活も自然でいいですよね。
湯布院。いかにもお湯がたくさん湧きそうな地名でいいですねえ。
そこでわく湯を使うなんて…東京の私からすれば贅沢~~ですね。山の中では蛇が主人公みたいなところもありますね。私が夏によく行く山梨の親戚の別荘では蛇が屋根まで登る風景が見られるそうです。ゾーーーっ!!

鍵コメさんへ

鍵コメさんこんばんは!
日本の海軍は命尽きるその時まで沈着だったそうですね。同様の事故が外国で会った際は森国員は出口に折り重なるようにして亡くなっていたといいますから・・・・

例の件、心中お察しします。
しかしどうもあれが直接の原因ではなさそうですが大いなる偏見を人々に植え付けないかととても心配です。

コメントをいただきうれしく思います、また気軽にコメント入れてくださいね~^^。

NoTitle

日本むかし話、松ぼっくりから生まれた「まつたろう」。
なんか桃太郎を思い出しますね。
松本兵曹長と麻生少尉を従えて鬼のアメリカ退治にでも行くのかな。
こちら田舎の里山に登ると松ぼっくりが所狭しと落ちてましたね。火がつきやすいから持ち帰って焚火の焚付け用に使ってました。
他に使い途がないですからね。沢山拾い集めて、鬼退治の鬼めがけて投げつけますか。先端に爆弾を細工した、ひと呼んで「松爆弾」(笑)。

NoTitle

昔ばなしもたまには気が抜けて良いものですね。
しかし、松ぼっくりから女の子とは発想が豊かすぎて驚きました。思考回路を張り巡らせて女の子と松ぼっくりの因果関係を考えているのですが接点が……、見つかりません。

川で洗濯みたいな生活も良いかもしれません。湯布院には湧き出る温泉が湖に注がれているのですが、その小川に洗い場があって地元の人たちが日常のあれこれに使っているようです。
ただし、私はヘビが嫌いなもので山での生活は恐怖との背中合わせでちょっと……。

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鍵コメさんへ

鍵コメさんこんばんは!

うほお…うっかりした事書けませんね(-_-;)
人間穏やかが一番です。あまり熱いと地球温暖化に一役買っていると思われて碌な目に会いませんからね^^。

どうやら体調も一段落のようですが投薬を始めたばかりです、気長に治してゆこうと思います。

そうか、大村主計さんは牧丘の方でしたか。
最近町村合併とかでかつての町名とか市の名前が変更されてどこがどこやら・・・という時が多くなりました。
私の母が怒っていました・・・(^_^;)

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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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