女だらけの戦艦大和・総員配置良し!

女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?

「女だらけの戦艦大和」・私たちのコワイもの❤

「女だらけの帝国海軍」、その中でもぴかイチの存在感を誇る軍艦大和の女兵士たちはいったい何が怖いのだろうか――

 

「何が怖い?だと!いやしくも帝国海軍軍人の私たちに怖いもんなんかあるか、なめるなよ貴様!」と唸ったのは誰あろう機関科の松本リキ兵曹長である。まあ確かに彼女には怖いものはなさそうである。代わりに彼女を怖がる機関科兵は大勢いるが。

「兵曹長のあのでかい声と太い腕でぶんなぐられた日にゃ、しばらく起きられませんよ。兵曹長が一番怖いかな、私たちは」

そう言って機関科の兵たちは言う。そして「兵曹長に怖いものなんぞありませんでしょう」と一様に言うが。

実は松本兵曹長にも怖いものがある。それは「・・・浜口機関長だ」と松本兵曹長はトメキチを抱っこしながら言った。

「浜口機関長はなあ、何かというと人の耳元で『気合いじゃ、気合いじゃ』言うて怒鳴るんじゃ。その声が大きいで耳が痛うてならん。それに何かというとあの太い腕で俺らの背中をひっぱたくじゃろ?あれが痛うてねえ。じゃけえうちはあの人が一番怖いわ」

トメキチはそれを聞いて(へえ、意外!)と思った。トメキチは松本兵曹長には怖いものなしだと確信していたし兵曹長自身もそう言っていたからだ。

(ふーん、人間って意外なものなんだねえ)トメキチは思って慰めるように兵曹長の手をなめた。

 

「怖いもの、でありますかあ」と高角砲第六班の班員はちょっと目を空に泳がせてから「あえて言うなら<野田兵曹>でありますかね」と言った。なんでかと言えば「野田兵曹、いつだったかチェストに泥鰌を放りこまれてからこっち、何かというと『泥鰌を私のチェストに入れたンは貴様か!?』って食ってかかって怖いであります。私たちは誰もそんなものをほうりこんではいないであります。先ごろは前原水兵長が『貴様じゃろ!』と言われて泣いとりました。あれは冤罪であります。でもいつ、それが我が身に降りかかってくるかもわからんであります。ですから野田兵曹が今は一番怖いであります」。

その野田兵曹は、「私は自分のチェストが怖い。なんだか最近チェストの奥から変な物音がするから、見るのもいやだ」という。尤も兵曹のチェストはもともと汚くって変なにおいがすると有名だから誰も見たがらない代物ではある。

ある意味、「女だらけの大和」の中で一番怖い、いや恐ろしい場所かもしれない。高角砲指揮官の生方中尉は、「野田を呼んで来い!あいついつまでチェストを汚くしてるつもりか?変な物音だと?ネズミでも飼ってるに違いない。不衛生極まりない、大掃除させよ!」とどなり散らしているから野田兵曹にとってチェストの次に怖いのはこの生方中尉かもしれない。

 

機銃の長妻兵曹は「へえ、怖いものかあ?なんじゃろう、うちらには怖いもんなんぞないと思うが」と考え込んでいる。

そのそばから増添兵曹が「長妻兵曹が怖いんは<朝日町の彼氏>の心変わりじゃろ?前に好きじゃ言うとった彼氏、故郷に帰ってしもうたけえね」と言って笑った。長妻兵曹は最初はバツ悪そうな顔で「あれはもうええんよ。・・・初めての男ってだけの話じゃけえ。ってか貴様人の古傷開いて何が楽しい!髪の毛引っこ抜いてやろうか、ええ!?」と最後は鬼のような形相で増添兵曹に食ってかかった。

「ギャッ!怖っ」と増添兵曹はその場を飛びのいて叫んだ。「ああ、怖あ。うちは長妻が一番怖いわ、すぐに『髪の毛引っこ抜く』言うんじゃもんなあ。うちの弱点つついて来るけえ、怖いわ」

増添兵曹はそう言って艦内帽の下で生えそろい始めた髪をいたわるようにそこに両手をやったのだった。

 

『大和』の観測機乗組員・林家一等飛行兵曹はトレードマークの桃色マフラーをなびかせて「はあ!怖いものですかあ~。うーん、あたしは別にないな。あえて言うなら大事なカメラを失くした時のことを考えることかな?だから考えませ~ん!」と楽天的というかなんというか。

もう一人「水偵」搭乗員の一人・庄司はる一等飛行兵曹は「怖いものねえ・・・アメ公の飛行機なんざ屁でもねえし、あいつらの機銃弾なんか当たらんから怖くもないし。う~~~ん、何かのう」としばらく考えていたが、「あっ!」と大声を出して林家兵曹を驚かせた。庄司飛行兵曹は右手の人差し指を立てて「厠!飛行中に厠に行きとうなった時が一番怖いわ!・・・一応処理袋はあるがあれって使いにくうていけんわ。しかも風圧で中身が飛び散ったりしてのう。ほうじゃ、飛行中の厠が一番うちには怖いわ。なあ、林家兵曹もそうじゃろ?」と言いなぜか、「ミキ偵」と名付けた愛機の零式艦上偵察機に向かって「ミキ偵~、こないだ汚してゴメーン」と叫んで突進してゆくのであった。

それを聞いた整備兵の有吉二等兵曹が「うわっ、こないだの水偵の座席の汚れ、ありゃ庄司兵曹の小便じゃったんか!?どうも変なにおいがする思うとったら・・・オエエエ!くっそう、知っとったら始末させるんじゃったあー」と頭を抱えて叫んでいる・・・。

 

防空指揮所、松岡中尉は例によってあのラケットを狭い指揮所内で振りながら

「へ?私の怖いものがあるかって?・・・君ぃ、愚問だよ。私に怖いものなんかないよ。いいかい、いつも熱くなって生きてる私がいちいち何かに怖がっていたら熱くなれないじゃないか。熱くなればおのずと怖いものなんかすっ飛んで消えてしまうんだ。さあ、君たちも熱くなろうぜ」

と叫ぶ。それをトップで見下ろしながら、ハッシ―・デ・ラ・マツコが

「あたしはアンタのその天井知らずの自信の方がずっと怖いわよ」

と言って羽を大きく広げ、内地の春の日差しを当てている。マツコはそして、「まあ、あえて言うならあたしはやっぱり艦の一番下が怖いけどね」と言って羽をたたんだ。お日様のぬくもりが少し冷えかけた体に心地よい。

 

指揮所の後部では石川水兵長と亀井一水が「怖いもの言うてたくさんあるわ」と笑っている。石川水兵長は「うちは麻生分隊士が機嫌を悪うして口をひん曲げとるんが怖いわあ。そのあと必ずケツバット食らうんじゃけえね」と言い、亀井一水は「私は食事中に見張兵曹が食べ物を横取りしてくるんが怖いです。まあ最近は兵曹も大人になったらしゅうてあまりしませんけどね」。それを黙って聞きながらテレトークを拭いていた艦長伝令の石場兵曹は石川水兵長に「石場兵曹はなんぞありますか、怖いもの」と聞かれて、すこしうつろな瞳を空に向けると

「・・・オトメチャンの美しさが、うちには怖い」

とつぶやき、二人の失笑を買っていた。

 

そんな話を皆がしている時、艦長室で梨賀艦長・野村副長・森上参謀長が「艦艇―ズ」の新曲の練習に余念がない。

「ちょっと休憩しようか」と森上参謀長がいい、副長は額の汗を拭きつつ部屋の隅に置いてあったテーブルの上の水筒を取って水をごくごく飲んだ。

不意に艦長が「ねえ、みんなには何か怖いものってある?」と聞いた。森上参謀長が「俺はタバコが切れた時。戦闘中でもたばこないともう駄目だからそれが一番怖い」と言い「副長は?」と聞いた。

野村副長は水筒をテーブルに置くと急にまじめな顔になると言った――「私が怖いのは、艦長と参謀長のミニスカートの下の褌だっ!」。

とたんに大笑いの艦長と参謀長。「副長、だってあれの褌だって衣装として作って貰ったんじゃない。自分だって締めてるくせにぃ」と二人は笑ったが副長にとっては<自分以外のミニスカ褌姿>がどうにも耐えがたく恐ろしいものであったらしい。これを「見解の相違」とでもいうのだろうか。前途多難な様相である。

ちなみに、衣装を担当した工作科の秋山兵曹長は「褌を衣装にって絶対変じゃわ~」と言いつつも泣き泣き赤・黄色・青の三色の褌を縫ったという。

 

そして、士官私室では麻生分隊士が見張兵曹を抱きしめている。

オトメチャンは「分隊士、うちはもうそろそろ当直の時間ですけえ」と言っているが分隊士はなかなか離そうとしない。もうちょっと今少し、と言いながらオトメチャンをベッドに倒した。オトメチャンの事業服を胸までたくしあげ、その白い胸をあらわにして唇を這わす分隊士。オトメチャンは思わず「ああ・・・」と声を上げた。そのオトメチャンに分隊士は「なあオトメチャン。オトメチャンには何ぞ怖いものはあるんか?」と聞いた。オトメチャンは分隊士の行為に身をよじりつつ

「・・・うちが一番怖いんは、分隊士と別れることです。うちはいつまでも分隊士と一緒に居たい。いつまでも一緒に」

と答えた。分隊士は

「俺もおんなじじゃ。俺はオトメチャンと遠く離れたり、別れてしまうんが一番怖い。ええかオトメチャン、俺とオトメチャンはこう思うくらい、もう一心同体なんじゃ」

というなりオトメチャンの桜色のあの部分を―――。

 

        ・・・・・・・・・・・・

「女だらけの大和」のみんなの<怖いもの>でした。なんだかなあ、というものあればなるほど!もあったりして人それぞれの怖いもの、でした。

さて次回はお待たせしました、いよいよハッシ―・デ・ラ・マツコの内地デビューです!
         ・・・・・・・・・・・・
「零式水上偵察機」です。『大和』後部甲板にある火薬式カタパルトから発射しました(わかりやすく言えばぶっ飛ばすわけですね)。
零式水上偵察機  


動画つき!


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大和 | コメント:6 | トラックバック:0 |
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コメント

matsuyamaさんこんばんは!

最近CMでありますよね、枕に抜け毛がたくさん落ちてるというあれ・・・あれはやはり男性ならではの恐怖でしょうか。
確かに引っこ抜かれるより知らんうちに抜けてる!というのは恐怖以外の何物でもないかもしれないですね・・ゾーッ!

野田兵曹、気をつけないと下剋上されますね。
消費税、必要なのもわかりますが<時期>ってものもあろうかと思うんですよね~。大政奉還せよ!と詰め寄られる日も近い・・!?
2012-03-30 Fri 21:46 | URL | 見張り員 [ 編集 ]
髪の毛を引っこ抜かれるのが怖いのは増添兵曹だけじゃないですよね。髪の毛の薄い世のおじさま族は皆そう思ってます。いやいや自然に抜けて行くのがもっと怖いかも。
野田兵曹が怖いのはチェストじゃなくて、前原水兵長以下の高角砲第六班の内部分裂じゃないですかね。消費税増税は観念しているとはいえ、班員はもとより国民みんなからのブーイングが出そうです。
2012-03-30 Fri 20:37 | URL | matsuyama [ 編集 ]
オスカーさんこんばんは!

こわいもの、みなそれぞれありました^^。
松岡分隊長はもう彼女は次元が違いますね。みんなと同等に扱ったらいけないのかもしれません。自信家というより「天才」(天災?)と言ってあげると喜びますね。

次回はいよいよマツコ!マツコですよ~~。さて彼女一体どうなりますかご期待くださいませ。
2012-03-30 Fri 20:34 | URL | 見張り員 [ 編集 ]
かなやのぶ太さんこんばんは!

ちょっと今回は変わった形式で書いてみました。
いろんな人がいますでしょう~「女だらけの大和」。これが「おんなだらけのGF」になったらもっと大変です~~ww。

最後に出てきた例の二人はいつもこんなものです、困ったものです(-_-;)。もう覗きまくってやってください^^。
2012-03-30 Fri 20:31 | URL | 見張り員 [ 編集 ]
♪美しすぎて~君がコワイ~ 野口五郎ちゃんが歌っていましたね(笑) コワイものあれこれ~それぞれの性格が出ていて楽しいです!! 松岡さまなど♪銀河の向こうに飛んでゆけ~ってくらいの自信家だし~ある意味、天才かもしれない!
次はワタクシのマツコが主役(笑)楽しみにしていますが、あんまりいじめないで~(爆)
2012-03-29 Thu 22:41 | URL | オスカー [ 編集 ]
わああああ/////(照)

みなさんの「怖いもの」、インタビュー形式がとても面白くて、うんうんって頷いたり、さすがっ!って思ったり、マツコに同情したり、トメキチが可愛かったり、ほのぼのしてたら最後、うっかり覗いちゃってごめんなさいっっ><

どうかこの二人は、末永くお幸せに…!
2012-03-29 Thu 22:16 | URL | かなやのぶ太 [ 編集 ]

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