2017-10

「女だらけの戦艦大和」・そろそろ人生・・・ - 2012.01.23 Mon

「女だらけの戦艦大和」はただ今兵器増強中――

 

そんな中、梨賀艦長・野村副長・森上参謀長がひと部屋に集まって何やらしている。内地での久しぶりの正月を「正月らしく過ごそうぜ」というわけで、何やらたくさん持ち込んでいるようだ。

「酒酒!!呉の銘酒・万福に鴨鶴、それにみんな大好き月経冠だあ!」

と野村副長が酒の一升瓶を抱えてくれば森上参謀長は「正月と言えばおせち料理じゃないか!昆布巻きに伊達巻。それに田作り。おう、雑煮の準備はいいかあ!?」とお重を抱えてくるし梨賀艦長はエヘンと威張って入口に立って

「これをお忘れではないかい?」

とニヤついている。

「へ?何をだね?」

と振り向いた復調と参謀長にほらっ、と梨賀艦長が突き出したのは「海軍きゃんきゃん」新年号付録の『初笑い!連合艦隊司令官福笑い』である。

「おお!それは!」

と副長も参謀長も駆け寄ってそれを手に取った。「ほう、これは山本いそ長官だ・・・これはウワハハハ、宇柿さんだよお!?オハハハハ!!!」と腹を抱えてバカ笑いの副長・参謀長に梨賀艦長は両手を腰に当てて、

「どうだ、今からこいつらをめちゃめちゃな顔にして笑ってやるんだ。面白いぞぉ!」

という。副長と参謀長は手を叩いて大笑いしてさっそく福笑いをテーブルの上に・・・

 

三人はおせちをつまみながら福笑いに興じた。まず山本長官を攻略、そのあと宇柿連合艦隊参謀長を撃沈、そして伊藤整子軍令部総長を、最後は小沢冶三(はるみ、と読んでね)中将を総攻撃して大笑いのうちに終了。

「ああ・・・可笑しい。しかしすげえ物を『海きゃん』も付録に付けたなあ。こんなもん付けて大丈夫なのかなあ、GFの逆鱗に触れて発禁とかにならんかなあ、心配だ」

という参謀長に梨賀艦長はチッチッと右手の人差し指を立てて左右に振って見せた。そして、

「大丈夫なんだな、それが。この企画は山本長官直々に『海きゃん』編集部に持って行ったらしいんだから。まあ、宇柿さんや伊藤さんは嫌がってたらしいけど長官の企画じゃあ文句言えないよ」

と言い二人は呵々大笑した。そのあと、「じゃ、ゆっくり酒でも飲もうかね」ということになった。

 

月経冠を艦長のコップに注ぎ入れながら参謀長は「なあ、梨賀」と言った。梨賀艦長はこぼれそうに注がれた酒をおっとっと、と言いながらすすってから「なんだ」と言った。

参謀長は「梨賀は今回は家に帰らんのかね」と言って今度は副長のコップに酒を注ぐ。副長はちょっと頭を下げてそれを飲む。

艦長は「帰んない」と言った。酒をあおってから「帰ってもおふくろさん忙しいし、寒いからいやだ」という。副長はちょっと意外そうな顔つきで艦長を見た、そして「いつだったか呉に帰った時艦長のお母様がいらして、一緒に食事をごちそうになりましたっけ。あの時のお返しをしなきゃいけないと思っているんですが、いつか是非お会いさせてくださいよ」と言った。

艦長は

「ああ!そんな事があったけねえ。いや別にお返しなんかいいから!・・・てか母親なんていつになっても口うるさいだけだから嫌なんだよね、会いたいは会いたいんだけどさ」

と言って笑った。

参謀長は「確かに、母親は口うるさい」と静かに言った、「でもありがたいものでもあるがね。私は最近自分のしぐさが母親にそっくりになってきていいような悪いような・・・」。

副長が顔をあげて、

「それ私もありますよ!ちょっとしたしぐさが似てきて、いつだったか上陸のときに会った父親に『次子は母さんそっくりのことをするなあ。その手つきは母さんそのものじゃないか』と言われましたよ」

と言い三人はなんだか気恥ずかしいのか、ふんわり笑った。

「そういえば」と副長が言葉をつづけた。

「昔ですがね、私が子供のころ私の母方のじいさんが私の母に『お前、しぐさまで母さんに似てきたじゃないか、顔だけじゃないんだなあ女ってものは』って言っててその時はどういうことかよくわからなかったですが・・・こういうことだったんですかねえ」

艦長がうなずいて、「そうだね。女ってものはこうして次世代に命を繋いでゆくんだろうね。それがわかってくるころには・・人生そろそろ真ん中あたりに掛ってきてるんだろうねえ」と言った。珍しくしみじみとした艦長の言葉と声音にほかの二人もしんみりとした。

「人生・・・真ん中あたり。てことはもう若くはないってことでしょうかねえ」と副長がため息つくとやおら参謀長がいきり立ち、

「否!まだまだ人生真ん中ではないか。ものは考えようだ。<もう>ではなく<まだ>と思えば人生もまだ先は長いぞ。それに」

「それに?」と艦長と副長が声をそろえて聞くと参謀長は

艦艇―ズは船出したばかりだ!この先戦争に勝ったらアメリカのカーネギーホールやフランスのオペラ座で公演をしなけりゃいかん。しんみりしてる暇はねえぞ、いいか!」

と檄を飛ばした。

とたんに、

「おお、そうだった。私たちは艦艇―ズナッシーツッチーモッチーだ!おおう、今年もやるぞお。艦艇―ズ万歳、天皇陛下万歳、帝国海軍ばんざーい!!」

と大盛り上がりな艦長と副長・・・

それに唱和する参謀長も・・・本人たちは知る由もないが・・・その姿はそれぞれの母親にそっくりの喜びようだったのだ。

これを遺伝というのだろうか。いずれにせよ、こうして遺伝子は次代へと紡がれてゆくのだろう。

そしてこの事実は「人生中ほど」になるまで気がつかない――

         ・・・・・・・・・・・・・・

人間、男でも女でも年をとると自分の親にそっくりなしぐさを見出すようです。私も時折「こういうところ似てるなあ」と思います。

が、一番似たくないのは性格でしょうか・・・(苦笑)。

 

中牟田俊男さん(海援隊)のソロ曲「人生真ん中あたり」。私の好きな歌の一つです。最近しみるなあ、この歌が・・・。





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● COMMENT ●

周平さんへ

周平さん こんばんは。

「海軍きゃんきゃん」新年号のこの付録・・・私の中では座布団くらいの大きさですねw、総天然色です。ぜひご一緒にしてみたいですね^^!腹を抱えて笑えること請け合いです!

やはり・・・どうしても似たくないところが似てしまうのはこれはもう宿命なのでしょうね。笑ってあきらめましょうか^^。

テンプレ、なんかこういうのも好きで・・(*^_^*)
う~ん、どっちも「私」と言うには私は老け過ぎかも!!!ギャッ!

海軍きゃんきゃんの付録

に連合艦隊司令官福笑い、どんなものなのか、あったら是非やってみたいです。
想像したら笑っちゃいました。
一緒にやりますか?!

僕も似たくないところの性格が似てしまいました。(^◇^;)
ドンマイドンマイです。

テンプレ、かわいいですね。
こういうの大好きです。右の子も左の子も!
二人は見張り員さんかな?

オスカーさんへ

オスカーさん こんばんは。

子供のころそれほど「似てないなあ、ほんとの親子かな」なんて思ったこともあったりしましたが(笑)、今ではどこからどう見てもみっともないくらいあの親の子供ですww。

これこそDNAのなせる技なんでしょうか。恐るべしDNAです。
そしてこの遺伝子は確実に次世代、つまりわが娘どもにつながって行っているわけですね(「ギャアー。いやだあ」という娘の叫びが聞こえるようです^^)。

おお・・・。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさん こんばんは。

やはり親子である以上、好むとこのまざるとにかかわらず・・・似てしまうんですよね~。人の性ですね。私もそうです。変なところばかりよく似ていて、いいところ?は似ていないのが悲しい~~ww。

月経冠。あまりうまくなさそうな酒のネーミングでしょうw。「女だらけの~」ならでは、でしょうかww。

かつての正月には私も福笑いをして遊びました。あとすごろくとか!はねつきも凧上げも懐かしい遊びとはなりましたね・・・
あの頃の正月がもう一遍来ないかなあと思う昨今です。

こんにちは。
年を重ねるごとに「ん?コレは…」なしぐさや口調ってありますよね。環境は違うのになぜ!?って思います。よくも悪くもつながっているということでしょうか?(笑)

No title

私も最近は亡くなった父に似てきたと言われ始めました。
大の苦手な父でしたがこうやって血のつながりが脈々とと思うと、内心ゾッとしています(笑) かてて加えてちょっとした表情が今度は母に似てると。どっちにも似てるなんて洵に親孝行な息子であります。

月経冠とはまた!! さすがに見張り員さんです。
それにしても賑やかで穏やかで、風情のある昭和の新年の風景を彷彿とさせる宴席ですね。


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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