2017-10

「女だらけの戦艦大和」・虎虎虎だあ!1 - 2011.12.06 Tue

峻険な山脈・・・ビルマとインドにまたがるアラカン山脈である。

 

帝国陸軍第一五〇軍はインドを目指しラングーンから上陸、アラカン山脈を左に見ながらイラワジ河をさかのぼる形で北上中。

彼女たちは健脚なのでちょっとやそっとの山脈はモノともしないが、大変なのは重砲連隊である。彼女たちは象部隊の応援を得て大事な重砲を運んだ。

敵は自動車なんてものも持ってはいたらしいがそんなものは燃料がなきゃただの鉄の箱、敵が敗走した後に残された自動車をたくさん見てきた帝国陸軍嬢たちは「あんなもんに頼ってちゃ戦争なんかできないわよ。私たちは機械文明頼りじゃだめだからね!」と言って自分の足や、動物の力を借りる。

 

動物では燃料ならぬ「えさ」が大変では?と思うかもしれないがそこは「女だらけの帝国陸軍」と「女だらけの帝国海軍」は大丈夫。

大日本帝国は勝ち進んでいるため物資には不足がないのだ!

時には敗走した敵が捨てて行った物資を頂戴してそれを食ったりすることもある。だから動物部隊のえさについても全く心配がないと言うのが本当のところ。

今日も重砲兵連隊のお嬢さんたちは象とともに進む、進む・・・

 

ふと連隊長が、そびえたつアラカン山脈を見つめて

「しかし、この峻険な山脈を象が越えられるのかなあ?なんかほかにいいものはないのかねえ。ね、参謀」と言って乗っている象の頭をなでた。そばに控えていた参謀が

「そうでありますね、さすがに象はあの山山をこの重い砲を引いてはあるけないかもしれないでありますね。道なき道を通ることにもなりましょうし。その場合この仔たちをどうするかとか、この子たちに代わるモノを探さねばなりませんね」

と言って山脈を眺めた。

連隊長も「う―む・・・」と唸って考え込んでしまった。「もしも、この子たちが山を越えられない時、置いてゆくと言うわけにもゆくまい?ここまで寝食を共にしてきた仲の象さんたちをほうりだすなんて非人情なことは私は帝国陸軍の軍人としても出来ないよ。でも象がいなけりゃ砲を山越えさせるのも一苦労だし・・・ああ、どうしたもんか?」

連隊長は頭を抱えて悩んでしまった。

 

そんな重い気持ちと重い砲を引きながら大河をさかのぼる重砲連隊。

どのくらいさかのぼったのだろう、やがて山脈に足を踏み入れ始めたようだ。徐々に風景が変わってきた。

重砲連隊の嵐 實子(あらし かんこ)中尉が

「おい。この辺は獰猛な動物が出るって聞いたぞ。十分注意しろ」

と言って他の兵たちはどよめいた。

「ど、獰猛な動物でありますかあ!」

「そ、それは例えば龍みたいなものでありますか、嵐中尉殿?」

「自分は怖いであります!」

嵐中尉は「うるさいなあ、軍人だろうが貴様らは!獰猛な動物くらいでびくびくするんじゃないっ!」と怒鳴りつけた。本当は一番怖がっているのはこの中尉なのだが。

ともあれ皆はしんと静まってあたりを見回しながら進んで行く。

時に、象が倒木の枝を踏みしだく音にさえ過剰に反応し「うわっ!」「でたっ!」と叫ぶ始末でさすがに嵐中尉は「貴様らいい加減にしろ!それでも軍人かあ!」と怒りだした。

皆は恐縮してなるべく列の間を開けないように象を並ばせ、徒歩の兵も間隔をつめて歩いてゆく。

どうしようもないほどの緊張感が連隊を支配している。

 

その時!

列の中ほどで「きゃーっ!」と悲鳴が上がった。

「どうした!?」

と嵐實子中尉が振り向けばなんと、一川上等兵がそれはそれは大きな虎に組み敷かれているではないか!そしてその虎の後ろには仲間と思しき虎の大群が・・・!

仲間の兵たちが一斉に三八式歩兵銃を構えた。虎はものすごい声で咆哮すると組み敷いた一川上等兵の腹にその鋭い爪を立てた。他の虎も獲物をよこせと言わんばかりにわらわらと草むらから湧きだすように出てくる。

「ああーっ!」

と上等兵は叫んだ。嵐中尉が「撃て!」と号令しようとしたその時!

「ちょっと待ったあ!」

と大声がかかった。

嵐中尉以下が振り向くと、そこには―――!!

  (次回に続きます)

 

   ・・・・・・・・・・・・・・・・

いったいどうなるのでしょう?一川上等兵の運命は、そして重砲連隊の運命は!

そして何より大声の主は??

 

靖国神社に奉納されている重砲(榴弾砲)だ!Wikiより。↓

沖縄戦で使用された野戦重砲兵第1連隊第2大隊第4中隊の九六式十五糎榴弾砲。比較的良好な保存状態であるが、防楯は欠落し、砲身下の揺架部分はえぐられている

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● COMMENT ●

ジスさんへ

ジスさん こんばんは!

今日は真珠湾から70周年ですね。
BSで特集ものを放送していて少し見ました。あの戦争は避け得なかったのか、とよく議論になりますが当時の日本が置かれた状態では無理だったかもしれませんね。
今の物差し、目線ではなく歴史は当時の目線で見なければ真実は見えないと思います(偉そうに・・)。

トラ。
怖いですねえ、こういうのに飛びかかられたらもう腰が抜けるでしょう・・・

そう言えば年末の街にも「トラ」が出没するようですねww。

周平さんへ

周平さん こんばんは!

嵐寛子中尉、女の中の女です!男でも女でも試練に耐え使命感に燃える姿は美しいです!!

さてこの話の結末ですが、いかがでしょうか?
え?意外と陳腐だった?

ひゃ~~~、すみませ~ん(爆)!!

まろゆーろさんへ

まろゆーろさん こんばんは!

でしょう!?「アラカン山脈」私も昔最初聞いた時は「嵐寛!?」と思って不覚にも大笑いしちゃいましたがこれマジなネーミングなんですね。
世界には変な地名がありますよねww。

さて、トラと共存するのかそれとも喰われるのか?
野砲連隊の運命やいかに。

No title

こんばんは。いつもありがとうございます。

トラトラトラ!そういえば本日12月8日は真珠湾攻撃の日でしたね。テレビでもいくつか関連のある番組をやっているようです。

一方本物のトラ・・・これは怖い。もし目の前に現れたら恐怖のあまり固まってしまいそうですわwww

嵐 實子

嵐 實子の使命感良いですね。
實子の頑張り、人柄に惹かれます。
實子に手柄を!と思います。

しかし、どうなってしまうんでしょうか、、
あれこれ想像できますが確信持てるものがありません。
次回が楽しみです。

No title

知りませんでした。アラカン山脈!!
まさか嵐寛寿郎ではあるまいがと思い調べました。しっかりと立派な山脈ですね。見張り員さん、ホントよく勉強なさっていますね。

さて虎たちに恫喝されているみなさん、これからどうなるのでしょうか。おどろおどろしい雰囲気の山道を行く隊列の今後が気になります。

matsuyama さんへ

matsuyama さん こんばんは!

虎の怖さ、私は松島トモコさんの事件で身に染みました・・・。あれはやばいとw。よく彼女はいに血があったものだと今更ながら思いますね。よっぽど後生のよい方なのでしょう。

ともあれ、一川上等兵(む!?どっかで聴いたことある名前??)は無事に済むのでしょうか。三八式歩兵銃はその威力を発揮できるのでしょうか???

ドキドキしますが、次回を待っててくださいね~~ワクテカ。

かなやのぶ太 さんへ

かなやのぶ太さん こんばんは!

トラ。こんなもんが集団で密林から出てきたら・・・と思うだけでちびりそうですw。
そうですよね、TVではおそわれる心配がないから「か~わいい~」と言ってられるんでしょうね。しかし、目前にしたら・・「ギャーーー」でしょうね絶対ww。

象部隊の存在は史実です。しかし山脈越えに関しては全くの創作です。
やはり・・・雑煮はじゃない、象には無理かもしれないですね、アラカン山脈越え。
下山してくる頃にはマジ戦争終わってるかもです^^!

オスカーさんへ

オスカーさん こんばんは!

「山月記」!「タイガーマスク」!「レインボーマン」!どれもこれも懐かしい~~「山月記」は高校の現代国語を思い出すしタイガーマスクは幼稚園時代。レインボーマンは小学生時代同級生が替え歌を歌っていましたっけ。

さて。
「女だらけの野砲連隊」はどうなりますか??ご期待ください!!
ガチョーーン!

No title

虎の獰猛さはテレビのドキュメンタリー番組でよく知っているつもりですが、野生の虎は怖いですよね。
以前、タレントの松島トモ子さんが虎に襲われ、九死に一生を得たというニュースがありましたね。
一川上等兵、どうなるんでしょう。
仲間の兵たちが歩兵銃を持っているようですから、まずは一安心ですが、手に汗握る緊迫した場面ですね。

No title

その姿を知っていても、密林の中いきなり虎が現れたら驚いてしまいますね!
私たちがテレビの動物番組でみるような「かわいい~^^」にはならないのでしょう(^^;)
象さん越山は史実なのでしょうか?山を登りきる前に戦争が終わってしまいそう(苦笑)

Re:

こんばんは。虎で思い出すのは「山月記」と「タイガーマスク」…いや、インドの山奥からレインボーマンが(゜□゜)なんていろんなことを考えてしまいます。最後はやはりバターになってホットケーキをみんなで食べるような(笑)ほのぼのした結末がいいなぁ…(^.^)


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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