女だらけの戦艦大和・総員配置良し!

女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?

「女だらけの戦艦大和」・番外編・連合艦隊連合運動会2

山本長官の訓示はごくごく短いものだった、それは「みんな、楽しもう!」だった――

 

サア、連合艦隊連合運動会の第一日めの幕が切って落とされた。まずはウォーミングアップの「海軍体操」をした後、放送席の士官が「プログラム壱番。各艦二等水兵によるスプーンレースです」と言うと、各艦の二等水兵嬢たちが入場門に走ってゆく。

「スプーンレースねえ。どんなレースだか面白そうだな」

皆興味津津。やがて第一レースが走り出したが、その彼女たちが持っている者に皆は仰天、レースの本人たちは真っ青な代物である。

なぜならそれは大きなスプーンの上には「手りゅう弾」が乗っていたからである・・スターターの兵曹は笑いながら「貴様たち、それを落っことしたら大爆発するぞ。ワハハハ!」と二等水兵たちをからかう。ともあれ、レースはなんとか無事に終わった。

 

♪「プログラム弐番。下士官選抜による匍匐前進障害物競走~!」

二等兵曹から上等兵曹までの各艦から選び抜かれた選手が入場門に集った。その中には、あの「スマトラ特陸」で頑張った『大和』の長妻兵曹や石場兵曹もいる。

スタートから匍匐前進で進み、そのあと網くぐりや投石退避、火炎地獄を通ってゴールである。長妻兵曹はスタートから必死で匍匐する。すると見学席からなぜかものすごい大爆笑が聞こえるではないか。(何だこの馬鹿笑いは?)と長妻兵曹が思いつつも網をくぐりぬけ、投げつけられる石を必死にかいくぐり、火炎放射器から死に物狂いでのがれて一等を飾った。

一等のリボンを山本長官直々に付けてもらいながらご満悦だった長妻兵曹だったが、隣の宇柿参謀長の一言にげんなりすることに。

それは、『素晴らしいねえ、でも君の匍匐前進ってなんかいやらしいねえ。みんな大喜びだったがね』だったとか。

 

♪「プログラム参番。たま入れ」

これには『大和』の見張兵曹、小泉兵曹、石場兵曹などが参加。「玉入れかあ。懐かしいなあ」と小泉兵曹は言って、皆と入場門から入る。玉入れの籠が用意されその周りに紅白の玉が転がっている。

「俺たちは紅だったな」と大和組は紅の玉を手に取った。「ん!?この玉って・・・」と見張兵曹が言いかけた時、「かかれー!」の号令とともに皆一斉に玉を拾って投げ始めたが、(??)という顔をする。

それもそのはず、普通の「玉」ではない。「弾」である!監督役の下士官が「だって(たま)入れだよ?国民学校の児童じゃあるまいし、柔らかい玉じゃ海軍精神にもとるよ。これは陸軍からの放出品。あ・・・もしかして信管がついたまんまのがあるかもだから気をつけてね~」と大笑いしながら叫ぶ。

真っ青になりながら弾を籠に投げ入れる選手たち・・・。

 

♪「プログラム四番。椰子の実落とし」

これには当然、長妻兵曹が出場。応援団を買って出ていた松岡中尉が一層盛り上がって「長妻さ―ん!熱くなってくださいよ~『大和』ここにあり、を見せつけてくださいねー!」と大騒ぎ。それに余裕で手を振る長妻兵曹。いきなり服を脱ぎ去り、ふんどし一本になって気合いを見せる。この勝負は当たり前のように長妻兵曹が勝って山本いそ長官は手を叩いて大喜び。「いつかここで観たあの兵隊は彼女だったんだねえ!すごいねえ!」と感心しきり。

 

♪「プログラム五番。航空隊による二人三脚及び三人四脚」

これは各空母や航空基地所属の航空兵たちの参加によるもので、二人乗りの九九艦爆だとか彗星艦爆、流星艦攻はそれぞれのペアと、そして普段は一匹狼の零戦搭乗員が今日は気の合う仲間とペアを組んでの競争である。

レースが始まればさすが普段から気の合った艦攻・艦爆ペアは素晴らしい協調性を見せて、零戦搭乗員は少しうらやましい。

そして三人乗りの天山艦攻、九七艦爆のペアに加えて戦艦部門から『大和』から梨賀艦長・野村副長・森上参謀長の『艦艇ーズ』と、『武蔵』から猪田艦長・加東副長・仮屋航海長のペアが特別参加。だが普段から生きるも死ぬも一緒と固く誓った中の艦攻・艦爆ペアにかなうはずはなく、『大和』の三人は走り出して五メートルでこけ、『武蔵』の三人もゴール寸前の惜しい所で猪田艦長の足がつッて三人折り重なって倒れる、というアクシデントでそのレースの最下位。それを見ていた猪田艦長の令嬢で零戦搭乗員の智美は「母上!すごいですねえ、みなさんから笑いを取るなんて!流石大戦艦の艦長だけありますわ!」と大笑いしていたと言う・・・。

 

♪「プログラム六番。各艦主計科員による握り飯早握り競争」

どこの艦も主計科には腕の覚えのある将兵がいて「任せて!今日の勝利は我が艦のもの!」と息巻いている。

『金剛』主計科員はふと「ねえ?『間宮』の乗組員が出てきたら私たち即負けじゃなくて?」と言ってその場の皆は一斉に不安にかられた。

が、ルール説明の兵から「『間宮』の人たちは職人や匠ばかりでとても勝ち目はありませんのでこのレースには出ません。安心してください」と言われホッとした。そして・・

「かかれ!」の号令とピストルの音で始まった握り飯早握り競争、見学の皆は大盛り上がり。手早い握り方に拍手が沸き起こる。握りあがった飯は次々大きな平たいざるに乗せられる。

時間を計測する兵員の顔も真剣そのもの。それぞれの艦の主計科員の前に山盛りの握り飯・・・。

 

握り飯早握り競争が終了し、宇柿参謀長が「昼食休憩を一時間半取る。一三〇〇から協議再開する!」と宣言し皆昼食を取ることに。

もちろん、今日の昼食はさっきの「握り飯早握り競争」で握られたおにぎりと、その間に『間宮』のみんなが切ってくれた沢庵と、ゆで卵である――

  (次回に続きます)

 

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

給糧艦『間宮』。

この艦の冷蔵庫・冷凍庫に野菜・肉・魚等の食品が一八〇〇〇人分として三週間分貯蔵できたそうです。またアイスクリーム・もなか・羊羹からこんにゃくや豆腐まで製造できるすぐれものでした。

意外なところで通信関係、医療関係も充実していたそうで、通信では不正な交信を取り締まったりちょっとした大きな手術も出来たとか。惜しくも昭和一九年一二月十日、南シナ海にて米潜水艦「シ―・ライオン」に撃沈されました。

(写真はWIKIより)
間宮



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コメント

オスカーさん こんばんは

「間宮」って本当に優れた給糧艦だったようですね。これが来るとその場の艦の乗員が狂喜して大変だったといいますからもう・・・
撃沈された時、アメリカを恨んだ将兵もきっと多かったことでしょうね。私もその時海軍将兵だったら「くっそー絶対この仇は取る!」と人一倍憤激したと思いますw。

そうです。食い気と戦のやる気はイコールですね!!
2011-10-16 Sun 19:40 | URL | 見張り員 [ 編集 ]
Re:
こんにちは。間宮てまはもみじまんじゅうも作っていたといいますからね!!美味しい食事のでる艦は戦果も素晴らしかったとききます。やはり食べ物とやる気は直結していますね(笑)
2011-10-16 Sun 14:58 | URL | オスカー [ 編集 ]
まろゆーろさん こんばんは!
変な競技内容を考えてるだけでも楽しくなりました。
運動会って運動嫌いでもなんか心が浮き立ちますね!特に小学生の時の運動会の雰囲気が懐かしいです。

間宮は全海軍将兵のあこがれの艦だったそうです。特に間宮羊羹と呼ばれた羊羹はあの、「虎屋」をもひしぐと言われたくらいおいしくてしかも大きかったという話です。
間宮が撃沈されたという話が伝わった時みんなががっかりしたそうです。
しかも間宮の乗組員の多くは「軍属」でした。・・・合掌・・・
2011-10-15 Sat 20:33 | URL | 見張り員 [ 編集 ]
競技種目がスリリングでエキサイティングで華やかなこと!! 
さすがに見張り員さん鮮やかです。

間宮……、素晴らしい艦だったのですね。
今の時代に一隻でも残っていたら、歪みきった日本人に喝を入れる材料としてどんなにか有難いことかと思います。一隻も残っていないのかなぁ。
2011-10-14 Fri 23:48 | URL | まろゆーろ [ 編集 ]

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