「航海長とバナナ」について・・・

「航海長とバナナ」1~3までお読みいただきましてありがとうございます。

今日はこの話を書くに至った経緯をお話ししたいと思います。

 

この話を書く前に私は「戦艦武蔵 朝倉豊次ほか (光人社刊)」という本を読みました。その中でどうにも忘れられない一文に出会ってしまったのです。

書き手は、当時戦艦武蔵乗組員の高角砲分隊士・山元奮海軍大尉。話は武蔵がシブヤン海で沈む戦闘について主に描かれているのですが、武蔵が戦闘(レイテ突入)を前に不用物件をブルネイに山元大尉と甲板士官が陸揚げしに行きます。その作業終了後、現地民の代表や民政官が「お土産に」と、バナナ・椰子の実などをたくさん下さりそれを持って帰ります。

その時「航海長・仮屋実大佐」がまだ熟れるまで少々時間がかかりそうなバナナを部屋の天井につるし、「突入前に食べられないかなあ」と待ち遠しそうだったそうです。

しかし、レイテ作戦は日本側の惨敗に終わることになり『武蔵』は敵の一方的な攻撃にさらされます。

仮屋航海長は、巧みに舵を切って『武蔵』を操艦しますがたくさんの直撃弾・魚雷を受けてしまいます。

敵の攻撃の第五波、七十五機もの敵機が襲いかかり直撃弾が防空指揮所を崩落させます。これで防空指揮所・昼戦艦橋の多数の将兵が戦死。

猪口艦長も左肩に重傷を負います。

そして、あれほどバナナが熟れるのを楽しみにしていた仮屋航海長は、「艦の守護神ともいえる』羅針盤に覆いかぶさるようにして戦死なさいました。

 

シブヤン海に日は沈み、「戦艦武蔵」はその短い生涯を深い海に沈めて終りました。

時に昭和十九年十月二十四日、午後七時三七分。

猪口艦長以下一〇二三名が戦死(全乗組員は二三九九名)。

北緯一三度七分、東経一二二度三二分。水深(推定)八〇〇メートル。

この深海に今も『武蔵』は猪口艦長以下をその身に抱えたまま眠っています。

 

この話を読んだ時なんだか哀切な気持ちになりました。バナナを口にすることもないまま敵弾に散った航海長がひとしお哀れでした。

そこで、なんとか「航海長とバナナ」を話にしたいと思い書いた次第。・・・といってもなんだか「仮谷航海長」は少し自己中心的になったし、話自体ちょっとぶれた部分もあり上出来な話だとは思いませんが、実際の『武蔵』で散華した艦長以下の英霊を生かしたい、という一念だけで書きあげました。

『大和』に比して『武蔵』は地味な扱いだし、中には「嫌い」という人もいます(なぜだ??)。

地味でもなんでもお国に尽くす誠には変わりはないはず。「忘れない」で思い出すことが一番の供養だといいます。

たとえ日本国民のほとんどが「武蔵」を忘れ去ったとしても・・・

「私は忘れない!」。

 

ですからちょっとおかしな話になろうとも、私は書き続けるつもりです。命ある限り。

 

来月の24日は『武蔵』とその乗組員のお命日です。ちょっとだけでも・・・思い出してあげてくださいね。護国のために散っていった彼らを。

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沈没前の戦艦武蔵。

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鍵コメMさまへ

鍵コメM様こんばんは!
コメントをありがとうございます^^。
終戦から70年という年に「戦艦武蔵」発見さる!ということは大変意義深いものがあると私は思っております。
「武蔵」のご英霊の皆々様に恥ずかしくない日本を構築しなければいけないと思うとともにどうぞ安らかにと思う私であります。

ご祖父さまのご冥福を心よりお祈りいたします。

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ずん太ママさんへ

ずん太ママさん こんばんは!

コメントをありがとうございます!!

英霊となった人びとを忘れないでいることが何よりの顕彰だと思いますよね。
今の繁栄があるのも散華して行った彼らがいたから・・・。
彼らの思いを次世代につないで行くのが今の時代に生きる私たちの使命だと思っています。

わかってくださってありがとうございます!!

こんばんは!

私も忘れません。
護国のために散っていったかれらのことを
決して忘れません!
と、力強く思いました。
彼らが命をかけてこの世に繋いでくれたもの。
大切にしていきたいです。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさん こんばんは!

そうなんです、その話は私にとってはかなりの衝撃でした。「武蔵」の沈没に至る過程も衝撃的なんですがその阿鼻叫喚の中でどういうことがあり、そこで亡くなって行った人たちの人生模様を思う時、いたたまれない思いがあります。

妙な話にはなりましたが、これで少しでも亡き「武蔵」の皆さんの魂が慰められたら・・・と思います。暫くはバナナを見るとこの話がちらついてしまうかもしれないですね。

いつも本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします!

そのような経緯、歴史がありましたか。
胸に迫るものがあります。
それを見張り員さんの感性で書き起こされて、
犠牲になった方々もさぞや喜んでおられることと思います。
どうかこれからも「見張り員流」で書き続けて下さいね。
「バナナ……、大切に食べなきゃ」と、思わせて下さったことに感謝しています。
それと亡き人たちの尊い志にも。

ジスさんへ

ジスさん こんにちは!

おげんきですか?
バナナは本当に当たり前の食べ物になってしまいましたが過去には大変貴重なものだったということをちょっとみんなに知ってほしかったです。

そうそう!「バナナダイエット」ってありましたよね。うちもバナナが品切れの品薄でとても困った覚えがありますね。一本100何十円、って店もあったようですよ。

バナナ、これからちょとだけでも「味わって」見てくださいね♪

こんばんは。いつもありがとうございます。

ご無沙汰していましたが件のお話大変興味深く読ませて頂きました。たしかに今バナナのありがたみあまりなくね?って思いますね。

3年くらい前「朝バナナダイエット」なるものが流行った時期があり店頭からバナナが無くなった時期もありましたね。これからは味わっていただこうかと思いました。
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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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