2017-09

「女だらけの戦艦大和」・分隊士愛のスイ―ツ - 2011.06.02 Thu

「女だらけの戦艦大和」は今日も呉湾にその身を浮かべている――

 

今日の上陸日、例によって麻生分隊士と見張兵曹、そしてトメキチは分隊士の下宿にいた。下宿のおばさんはいつものように両手放しで出迎えた。

「まあまあ、麻生さんもトメチャンも元気だったんね。・・・あら、赤ちゃんも大きくなって!」

その声にトメキチがおばさんに飛びついた。おばさんはもう、トメキチが「犬」であるのに気がついたがそれでも「麻生さんとトメチャンの赤ちゃん」として置きたいらしい。分隊士も兵曹もそれがわかっているから敢えて何も言わないでいる。

ともあれトメキチはおばさんに抱っこされて嬉しそうである。おばさんは「さあさ、入って入って。疲れとるんじゃろ?ゆっくり休んでね」と言って三人を部屋にいざなった。

おばさんに会釈してから、兵曹はおばさんに『大和』からギンバイして来た砂糖をそっと渡した。おばさんは「ああ、いつも悪いねえ。こんなことしてトメチャン、叱られんかと私は心配じゃ」そういいながらもありがたそうに受け取る。

 

部屋で分隊士と兵曹、そしてトメキチは大の字になって寝転んだ。五月の末の風が、部屋を吹きすぎて行く。

「ああ・・・」

とまず分隊士が声を上げた。そのあと「気持ちいいですねぇ」とオトメチャンが声を上げた。トメキチが「く―ん」と同意の声を出した。

しばらく三人は風に吹かれてまどろんだ。どのくらい時間が過ぎたか、麻生分隊士が起き上がった。

オトメチャンが目を覚まして「分隊士・・?」と声をかけた。分隊士はカバンから何やらごそごそと取り出して、「実はここに帰ってきたら作ろうと思ってたものがあるんじゃ。ちいとおばさんに台所を借りようと思うてな」と笑った。

オトメチャンは身体を起こして「何を作るんでありますかあ」と分隊士の手元を覗き込んだ。分隊士はカバンから小さな箱を一つと弁当箱そして水筒を取り出した、そして「今からオトメチャンとおばさんにうまいもんを作ってあげるけえ、まっとれよ」とそれを持って部屋を出た。

オトメチャンもあわてて後を追う、「分隊士、私が見ていてはいけんのでありますか?」

分隊士は階段の下で振り向いて「ええよ。本当はオトメチャンにそばに居ってほしいんじゃ・・」というなり箱を抱えたままでオトメチャンの紅い唇を奪った。

恥じらうオトメチャンをほほ笑みで見て、分隊士は「おばさん、すみませんがちいと御台所をお借りいたしたいんですが・・・」とおばさんに声をかける。

 

「何が出来るんでありますかあ?」

オトメチャンは分隊士の手元を見つめている。箱から出てきたのは鶏卵が三つ。弁当箱からは炊いたご飯。他に砂糖が少しに小瓶に入っているエッセンスのようなもの。水筒には牛乳。

分隊士は嬉しげに「さあ、なんじゃろうねえ」と言いつつ作業を進める――

 

やがて。

蒸し器に入った「何か」からいい香りが立ちあがってきた。

おばさんが「なんじゃろう、ええにおいじゃねえ~」と台所に来た。分隊士はおばさんに笑いかけて「もうすぐできますけえ、もうちょっと待っててくださいねぇ」と言う。

それから何分もしないうちに、蒸し器のふたを開けて中を確認した分隊士は火を消した。そしてちょっとだけもったいぶって「はーい。麻生太の取っておきの甘味。出来上がりじゃ!!」と言った。匂いを嗅ぎつけてトメキチが二階から降りてきてオトメチャンとおばさんの間に座る。

 

おばさんとオトメチャン、トメキチはおばさんの居間にいた。ちょっと緊張の面持ちのお互いになんだか吹きだしてしまったオトメチャンとおばさんである。

そこに分隊士がお盆に載せた「何か」を大切そうに運んできた。トメキチが席を立って彼女の足元に歩み寄る。

「さ、これが麻生太の『海軍甘味』であります。ご賞味あれ」

そう言って差し出されたのは・・・「ライスプリン」であった。オトメチャンとおばさんは同時に「うわあ、おいしそうじゃねえ!!」とはずんだ声を上げた。分隊士は笑って「さあ、はよう食べてみんさい」と勧めた。

おばさんとオトメチャン、そしてトメキチも「ライスプリン」を口に運んだ。

「ああ!・・・おいしい!」「キャン!」

おばさんとオトメチャン、トメキチが感激している。オトメチャンが「分隊士、とってもおいしいであります!このようにおいしいものを、どこで?」と分隊士を見つめて訊ねた。

分隊士は照れ臭そうに「これか、これはなあ『士官食』のデザートじゃ。時々食っておったがなんだか皆にも食べさせてあげとうなってな。・・・うまいですか?」と言うのへ、おばさんは少し涙ぐんで「おいしいわあ。まあなんてうちは果報者なんじゃろうか。ふ―チャンにこがいにおいしいものを食べさせてもろうて・・・」と、ついに目がしらを割烹着で拭き始める始末。

分隊士はあわてて「そんなおばさん・・・」とその背中をさする。

トメキチがおばさんのそばに座ってその顔を見上げている、おばさんはトメキチに笑いかけ「トメキチちゃんもええお父さんを持って幸せじゃね」とその鼻を軽く突っついた。

「お父さん・・・」と少し、いや、大変複雑な顔つきの麻生分隊士。

オトメチャンは夢中でプリンを食べる。

 

皆はゆっくりプリンを食し終えた。

そして満足感に浸りながら食器を台所に片付けに行こうとしておばさんは分隊士の割烹着姿に見とれて、「ふ―チャン、ええ女っぷりじゃねえ。大日本婦人会の幹部さんみたいじゃ」と褒めた。

分隊士は思わずポーズをとってその場に立って「あら、ほうね?」と気取って見せた。その分隊士におばさんは「ほうほう!男にしとくんはもったいないわあ」と言い・・・分隊士は内心がっくりと来て、ザックリと傷ついていたのだった。

でも恩あるおばさんの全く悪気も邪気もない言葉に笑ってうなずく分隊士であった。そんな分隊士を見てオトメチャンは(分隊士はえらいなあ。こがいにおいしいものも作れるし、おばさんに事実とちごうた事を言われても怒ったりせんと笑うとる。私も見習わんといけんねえ)と思うのであった。

 

そしてその晩は、トメキチがぐっすり眠ったのを見計らって分隊士はオトメチャンの布団にもぐりこみ「さあ、今夜はおれがオトメチャンの甘いところをいただくよ~」と言って、オトメチャンの可愛い乳房をまさぐり・・・例によって熱い夜が更けてゆくのであった。

 

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

分隊士が皆にふるまったのは「海軍経理学校の『ライスプリン』」と言う物です。詳しいことは、「絶品 海軍グルメ物語 すぐに作れる40のレシピ 平間洋一・高森直史・齋藤義朗 新人物文庫」に書いてありますが次回、このライスプリンのレシピをご紹介します。


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いねむり姫さんへ

おはようございます。

お越しいただきうれしいです!!

そう、プロフィール写真は「大和ミュージアム」のあの大和です♪ 五年前の画像です。

やはり大和はいいなあと思いますね、でももちろん他の艦艇も大好きですよ~~。空母の「飛龍」が好きです。

またお伺いしますのでどうぞよろしくv-221

はじめまして☆

この間は、コメントありがとうございます。

プロフィールの写真は、
もしや大和ミュージアムの
1/10戦艦「大和」ではありませんか??

戦艦大和や旧帝国海軍への
愛を感じました☆


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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