2017-09

再会サプライズ! - 2016.03.25 Fri

繁木航海長にとって思いがけない知らせが飛び込んで来ようとしていた――

 

女だらけの『大和』、そして数隻の巡洋艦、駆逐艦は数日間外洋に出て航行訓練・砲撃訓練等を行ってきた。久々の大掛かりな訓練に皆の張り切りようは高まって、艦のトップから最下甲板に至るまでやる気と本気がみなぎった。まさに実戦さながらの様相を呈したのだった。

山中副長不在中ではあるが代行の黒多砲術長も張り切って二つの仕事をこなした。繁木航海長も今まで以上に張り切って航海長としての任務を果たした。

そしてどの部署、分隊の将兵嬢もそれぞれの持ち場において奮闘し、梨賀艦長は訓練を終えてトレーラー水島に戻る際、森上参謀長や各科科長からその働きを聞くに及んで

「素晴らしい。我が『大和』の将兵はどこに出しても恥ずかしくないね。さすがだ。黒多さん、水島についた晩には酒保を開けてみなに酒を許したらどうかね?」

と感激し、黒多砲術長は笑顔で「はい、そうします!」と返事をした。

繁木航海長は散会した後そっと黒多砲術長に近寄ると

「黒多さん、お疲れさま。副長の代行と砲術長の兼務は大変でしょう?」

とねぎらった。黒多砲術長は微笑むと

「正直大変な時もありますが、でもやりがいあり!ですよ。皆さんが助けてくださいましたし…繁木航海長、ありがとうございます」

と礼を言った。繁木航海長はいやいや私なんぞ、と片手を顔の前で横に振った。その繁木航海長に黒多砲術長はやや声を潜めて

「ちょっと小耳にはさんだんですが…〈新しい副長〉が来るって本当ですか?」

と尋ねた。繁木航海長の顔が少し引き締まると、そっと砲術長の防暑服の片袖をつかんで艦橋の隅に連れてゆくと

「まだ噂の段階ですが、そういう話はあるようです。山中中佐はお産が済んでもしばらくはお戻りになれないでしょう、ですから新任の副長が来るらしいです…まあ、いずれはそうなると思っていましたが。あとは誰が来るかが問題と言えば問題ですがね」

とささやいた。黒多砲術長は深くうなずいた。そして

「山中中佐とはしばらくはここではお会いできないんですね。なんだか寂しいなあ…山中中佐いつ頃復帰されるんですかねえ」

と寂しげに言った。繁木航海長も同じ思いでうなずいた後

「まあこれからすべての始まりですからね。―山中中佐、ご体調どうなのかしら?お見舞いに行きたいわ」

と言った。黒多砲術長も

「私もお見舞いに行きたいです。中佐のご体調を病院に伺ってからのほうがいいでしょうね、近いうち行きましょうよ」

と言って二人はうなずいた。

 

『大和』以下の訓練艦隊がトレーラー水島に到着し、翌日の晩は久々に酒が許され、艦内の酒好きは躍り上がって喜んだ。水兵嬢たちが酒保に走り、酒を手に入れてきた。下士官嬢たちは喜んで床にケンパスを敷いて皆その上に車座になって酒や甘味を楽しんだ。

石多主計長は、酒をたしなまない将兵嬢たちのためにと汁粉を作らせて主計兵嬢とともに各分隊に配って回り「やった!汁粉だ、うれしいなあ!主計長ありがとうございます」と喝さいを受けた。

この晩は酒を飲むもの、汁粉をいただく者たちそれぞれに嬉しい晩となった。

艦内がそんなこんなでワイワイと楽しくやっているころ、梨賀艦長は自室にいてその日の昼に届けられた手紙を開封した。

差出人はーー繁木悟朗少佐。繁木史子航海長の夫である。

艦長は便箋を開いて読み始め、やがてうんうんとうなずくと便箋を丁寧にたたんで封筒に戻した。そしてデスクの引き出しから便箋と封筒とを取り出すと、便せんに何やら書き付け始め、それが終わると彼女は各科長たちをそっと招集した…

 

翌朝、朝食が済むと繁木航海長は艦長に呼び出された。操舵室に行こうとしていた航海長は慌てて艦長のいる第一艦橋に走った。

「何か起こったんですか!どうしたんです艦長」

と慌てて走りこんできた繁木航海長を、おっとっと、と受け止めた梨賀艦長は

「航海長。艦長命令だ、本日一〇〇〇(ひとまるまるまる、午前十時のこと)に上陸せよ。あとのことは上陸後この中の指示に従うこと」

としかつめらしい顔で言い、封筒を手渡した。きっちり封をされたそれにややけげんな表情の繁木航海長であったが

「わかりました。では上陸後これを開封しその中の指示に従います」

というと上陸のための準備に私室に帰った。

 

一〇〇〇、二種軍装に身を包んだ繁木航海長は内火艇を降り、上陸桟橋に上がると衛兵所の前に来かかった。出迎える衛兵たちが何か微笑みを含んでいるのが気になった…と、正面に不意に現れいでた人が居た。その顔を見た瞬間、

「あなた!繁木少佐!」

と繁木航海長は叫んでしまっていた。衛兵たちは気をきかせてそっと衛兵所に引っ込んだ。

繁木少佐は微笑みながら妻の前に来ると

「やっと、逢えましたね。リンガでの私の仕事が終わって、ここに来ることができました」

と言い、まあ、と言った繁木航海長ははっと気が付いて懐にしまっていた艦長の手紙を引き出すと開封して読み始めた。

それには、

〉繁木少佐はリンガ泊地での任務を終了し、ここトレーラーに来られます。繁木史子大尉には、繁木少佐が内地に帰るまでの間休暇を許します。その間しっかり夫に仕へてくるやうに。

と書かれていて、航海長はその手紙を胸に抱き、夫の顔を見つめて

「あなた…。艦長ありがとうございます」

とつぶやきやがてその頬に涙が伝い落ちるのであった。

 

繁木夫妻は、少佐が乗ってきた巡洋艦の艦長がトレーラー艦隊司令に掛け合って休暇中の宿をとってくれたそこで内地に帰るまでの十日間を過ごすこととなった。

その晩はまるで、新婚初夜のように二人恥ずかし気に食事をとって風呂をそれぞれ使ったあと、布団に入る。

繁木少佐は、かすかにふるえる妻をそっと抱きしめた、そして

「久しぶりですね、史子さん」

と言った。史子は「史子、と呼んでください」と恥ずかしそうにささやいた。こうして夫と肌を合わせるのはずいぶん久しぶりでなんだかとても恥ずかしかった。

繁木悟朗少佐はうんとうなずくと「史子、」とささやいて彼女の寝間着のひもをそっと解いた。ひもをすっかり解いてしまうと、その合わせ目から彼はその熱い手を潜り込ませた。史子の胸のふくらみを彼はそっとつかんだ。

「…悟朗さん」

と史子がたまらず声を上げると悟朗は荒っぽく妻の寝間着を脱がせ、その乳房をつかみ激しくもみしだいた。悟朗さん悟朗さん、とうわごとのように言う史子の両足を思い切り開かせ、そして悟朗は妻の奥へとぐっと入っていった。

ああ!と史子が声をあげ、悟朗はその声に欲情を煽られて激しく妻を攻め立てていた。

二人の激しい愛の状態は、その晩遅くまで続いていた。

 

それから十日の間、繁木悟朗と史子は普段の疲れを取り、新婚らしい生活を送った。普段行けないトレーラーの島をめぐってみたり、繁華街に出て現地の人の売るアイスクリームを食べてみたり。

そして夜になれば激しい愛の嵐。

繁木史子は、その体内に悟朗の熱い子種を受け入れながら(私もきっと、きっといつか副長のように母になる…)と、愛のうねりにのまれながら思っていた。

 

そして十日の休暇が終わり、繁木悟朗少佐は巡洋艦と潜水艦そして飛行機を乗り継いで内地・呉へと帰って行った。

『大和』に十日ぶりに帰艦した繁木航海長は艦長以下の幹部に挨拶をした後、梨賀艦長を一人で尋ね「艦長、ありがとうございました。思いもかけないうれしいことをさせていただいて…本当にありがとうございました」と頭を下げた。梨賀艦長は嬉しそうにほほ笑みながら

「ゆっくり過ごせましたか?リンガから繁木さんを乗せてくる巡洋艦の艦長から、向こうを出航前に連絡をもらっていましたのでね。あなたを脅かそうと思ってあのようにしてみました。でも喜んでもらえたようで本当に良かった」

と言った。

そして…そっと航海長に顔を寄せると艦長は

「どうかな?今度は航海長がご懐妊になりそうですか?」

と言い…航海長は真っ赤にその頬を染めたのだった――

 

                 ・・・・・・・・・・・・

久しぶりの夫婦の再会!

繁木悟朗少佐と妻の史子航海長の十日の愛の生活…楽しかったことでしょう。そして艦長も期待?のご懐妊はあるのでしょうか?


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● COMMENT ●

ponch さんへ

ponchさんこんばんは
なかなか繁木夫妻の愛の営みを書く機会がないんですが、今回少しだけw。
もうちょっと濃厚に書きたかったんですが、次回はもうちょっとねw。
ponchさんのお書きになるものも、私は好きですよ。はっきり前に押し出すというのもアリ!ですもの。
さあ繁木航海長に、小さな天使は舞い降りるでしょうか?今後をご期待くださいませ^^。

不覚にも繁木夫婦の愛の営みにドキッとしてしまいました。
エロなら自分もしょっちゅう描いてるんですけど、
見張り員さんのように官能的にならずに、
猥雑で即物的なエロになってしまうんですよね。
いつもは前線でバリバリ戦う女だらけの大和の、
こういった一場面もいいですね。自分は結構好きです。
繁木夫婦の元にも小さな天使がやってくるといいですね。

オスカーさんへ

オスカーさんおはようございます!
来ましたよ~~~愛の嵐!!気持ちそのまま体に行為に現れています。これが純愛だ!-とドラマができそうですねw
そしてそしておめでたい発表もあるのでしょうか、この辺もお楽しみになさっていてくださいね~♪
そうそうマツコたちもそろそろ「出してちょうだいよ」と言っておりますので活躍の場を上げようと思っております、そちらもご期待くださいませね♡
今日も寒いですね、暖かくしてお過ごしくださいませね^^。

おはようございます。
春の嵐ならぬ愛の嵐、いいですね~ひたむきに愛する人を想う気持ちが身体と直結しているのが、純愛でいいです(笑) おめでたいお知らせも期待してしまいます。命をつなぐ、いろんな命の大切さ、つながりをこれからも書いていっていただきたいです。そしてマツコの出番もお願いします~!


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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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