2017-10

「女だらけの戦艦大和」・日章旗は空高く! - 2010.03.05 Fri

「女だらけの戦艦大和」には、旭日旗がへんぽんと翻る―――

 

それを見ながら見張兵曹は小泉兵曹や、石川水兵長たちと語り合っている。

「ねえ、軍艦旗ってかっこいいよね」

「うん、いいデザインだよ。もちろん日章旗もかっこいい」

「そうであります、日本の国旗はシンプルですが底知れぬ美しさがあります」

青い空に、白地に赤い日本の国旗。青い海に軍艦旗。

美しいと心底思う瞬間である。

そこに麻生少尉が来た。麻生少尉は例の浮気騒動が無事終わって、自分の潔白が証明できて、元通りの日常が帰ってきたことに喜びを隠しきれないようだ。

いきなり見張兵曹を後ろから抱きしめた。

「ぶ、分隊士!」と思わず声をあげる見張兵曹に、麻生分隊士は「何してんの、ここでみんなそろってさ~」と兵曹の耳元でささやく。

「国旗や軍艦旗が美しい、という話であります」

と、見張兵曹は言った。分隊士は、「おお、そうだ。日本の国旗は世界一だぞ。こんな素敵な旗は世界にまたとない。この国に生まれたことを誇りに思うんだな」と言って、更に「オトメチャンも日章旗や軍艦旗に負けないくらい、美しい――」といい、抱きしめる腕に力がこもる。

小泉兵曹や石川水兵長は、(ほーら来た。でもこれがないとさみしいものでねえ~)と内心喜んでいる。

南方の風に、軍艦旗がはためいて皆と一緒に笑っているかのようだ。

 

そんなある日、麻生分隊士・見張兵曹・小泉兵曹は連れだって上陸した。

途中で松本兵曹長や長妻兵曹も加わってにぎやかな集団になる。麻生少尉は、えらそうなところを見せようと、

「みんなでまず、飯でも食いに行くか。おれのおごりだ、今日は。それからみんなそれぞれ行きたいところに行こうぜ」と言って皆は歓声を上げた。

松本兵曹長が、見張兵曹にそっと「麻生少尉はあれからどうだ?」と聞いてきた。見張兵曹は笑って「はい。もう元の通りです、ご心配おかけしまして申し訳ございませんでした」と言った。

「そうか。またなんか困ったことがあったらおれに言ってこい。何なら俺がトメを可愛がってやるから大丈夫だ」

松本兵曹長はそう言ってちょっとだけ顔を赤らめた。それに気づかない見張兵曹は、

「はい。ありがとうございます、あの、松本兵曹長のこと、私は今まで誤解していました。ここで謝ります」

と言った。兵曹長は、

「謝ることなんかねえよ。それなら俺の方が先だ。今まで悪かったな、これからは仲良くしような」

と言ってくれて見張兵曹は嬉しかった。

そうこうしているうちに、一行はいつものレストランに来た。今日も他艦の兵たちや現地の人で混んでいる。

「ここは美味いからなあ」

長妻兵曹が独り言のように言う。確かにその通りでしかも、常連になればここの店員たちは海軍の兵たちにはさりげなく盛りを多くしてくれたりする。

もちろん、もらいっぱなしでは悪いので何回かに一遍は、男性従業員にはタバコとか、女性従業員には「待ち受け一番」などをそっと進呈するのがならいである。

帝国海軍と、トレーラー島の住民はおおむねうまくやっているのである。

 

そのレストランの入り口には、日の丸と軍艦旗が飾られている。トレーラー島は日本の信託統治下であるから当然である。

艦隊が大きな戦果を持って帰艦したりすると、この街では小さな子供までが日の丸の小旗を持って祝ってくれるのである。

そんなここの住民のためにも、そして祖国日本のためにも負けられない帝国海軍である。

 

一行が席に落ち着くと、しばらくして一人の現地婦人が来て、「ヘイタイサン、この子を抱いてクダサイ」と言って、生まれて間もないような赤ん坊を抱いてきて、見張兵曹に差し出した。

「わあ、可愛いなあ!」

そう歓声を上げながら、見張兵曹はその赤ん坊を抱っこしてやった。この地では、日本の兵隊さんに赤ん坊を抱っこしてもらうとその子は健康で出世する・・・という迷信のようなものがずいぶん昔からある。

見張兵曹はとろけそうな笑顔で赤ん坊を抱いて、そっと体を左右にゆすっている。

「いい子だね、元気におっきくなりなさい」

そんなふうに語りかけながら、兵曹は赤ん坊の重みを腕に感じて(これが命の重みなのか)と感激した。

赤ん坊の母親は満足そうな顔で、

「この子はキット美人にナリマス。あなた、とてもキレイデスネ!」

と言って笑った。見張兵曹は照れながら赤ん坊を母親にそっと渡した。

「アリガト」と言って、母親は赤ん坊を抱いてその場を去って、見張兵曹はなんだか名残惜しそうである。

小泉兵曹が、ニタニタして「オトメチャン、なかなかいい母親っぷりだね~。早く子供作れよ、分隊士との子供。みんな待ちくたびれてるぞ」とからかった。

麻生分隊士と見張兵曹は真っ赤になってしまった、分隊士は

「ば、馬鹿だなあ。俺とオトメチャンの間に子供はできるはずないだろうが」といいつつもなんだかまんざらではない様子。

(これはきっとまた今夜、二人は)

と、みんなはちょっと下品な想像をしたのだった。その想像は、大当たりなのだが。

そうこうするうち、注文していた料理が次々並べられ、麻生分隊士の「さあ、食え!」の号令のもと、皆は我先にと手を出した。

海の幸の風味が口いっぱいに広がって、これを幸せと言わずして、何を幸せというのだろう。

皆は、この幸せに酔った。

 

そしてたらふく食って、麻生少尉が支払いを済ませ、皆は外に出た。

これから本当のみんなのお楽しみがそれぞれにあるのだ。小泉兵曹・長妻兵曹は松本兵曹長とともに慰安所にしけこむつもりだし、麻生少尉と見張兵曹はいつもの宿。

「少尉、ごちそうさまでした!」

そう言って頭を下げる、見張・小泉・松本・長妻の腹はもう一杯である。

麻生少尉は満足そうにうんうんとうなずきながら、

「じゃあ、それぞれの行動だ。皆分かってはいるだろうが、くれぐれも軍艦旗や日章旗を汚す真似だけはしないように。・・・では、解散だ!」

と言って、皆は敬礼し合って二手に分かれたのであった。

 

町のいたるところに掲げられている日章旗が、そろそろ夕刻の風に優しくひらめいて、海軍さんたちはそれぞれの場所に三々五々と散ってゆくのだった――

 

              ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

日章旗。

わが「日本」の国旗です。先頃のバンクーバー五輪で日の丸が振られているのを見てなんだか誇らしいような気分。

「ああ、私も日本人なんだな」

痛感したのでした。

今はどっちかと言えばなおざりにされがちな国旗で、そのことはとても遺憾ですが、こういうイベントをきっかけに、もっとみんなが国旗とか、国歌・国家を意識してくれればいいなあ・・・と思った次第です。

もちろん、「女だらけの帝国海軍」の皆さんは国旗も国歌も国家も大事にしていますよ。


にほんブログ村 その他日記ブログ 妄想へ
にほんブログ村
関連記事

● COMMENT ●

matsuyamaさんへ

こんばんは

最近日の丸をお持ちのおうち自体がないかもしれませんね。かつて「国歌・国旗法」という法案が成立したはずですが、、、。
拘束力がないから浸透もしないのですね。
もっとも「愛国心」はあっても国旗自体あんまり売ってない気もしますし、、、。
私は靖国神社で買ってきましたよ。

日の丸のシンプルさが好きです。

愛国さんへ

こんばんは

日の丸と「右翼」、、短絡的に結び付ける馬鹿左翼に天誅!

おっしゃる通り恥を知れと言いたいです。日本人やめろですよ。

今月21日には、日の丸が町を埋めるといいなあ、と思いますね。

ジスさんへ

こんばんは

オリンピックの時はホントに「きれいだなあ」と感嘆しました。
うちの近所でも、国旗を揚げるうちが壱件だけです。うちは国旗そのものは買ってありますが、取り付ける場所がなく窓にカーテン状にさげるようです、、。

松ちゃんさんへ

こんばんは

日の丸でも、旭日旗でも日本を現す「ご国標」というべきものを見て凛とした気分になるのは良いことですね。
私はどちらも大好きですよ。

Re: No title

こんばんは


本当にそうですね、よく考えると素晴らしい内容なんですよね、おかしな意味づけをしないでほしいと思う昨今。
日本の国旗、きれいで好きです。

No title

日章旗って最近各家庭では見かけませんが、持ってるんですかね。家にはないかもしれませんね。探してないけど。
ここ何十年日の丸を掲げたことないですもんね。愛国心がないのかな。
でも日の丸ってすっきりとしたいいデザインですよね。世界のどの国旗よりも好きですよ。

No title

美しい日本の国旗「日の丸」に敬意を!

日の丸=右翼

反日左翼よ恥を知れ!

村○です

No title

先日はご心配頂きありがとうございます。

オリンピックでの旗は美しかったですね。最近は祝日に旗を立てる家をあまり見かけなくなりました。あとはマラソンのときに小さいのを振ってるくらいかなあ。

萌え~!

見はりんさん、おはようございます。私は日の丸をみても正直感慨深いものはありませんが、ひとたび十六条旭日旗を仰げば、だらりとした気持ちが一瞬の内に直立不動になり、不惜身命になりて任務を遂行せんと燃えるのであります! 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://haitiyoshi.blog73.fc2.com/tb.php/181-945d34b6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「女だらけの戦艦大和」・ああ、神様! «  | BLOG TOP |  » 「女だらけの戦艦大和」・誤解氷解。

プロフィール

見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

最新記事

最新コメント

フリーエリア

無料アクセス解析
無料アクセス解析
現在の閲覧者数:
Web小説 ブログランキングへ
小説家志望 ブログランキングへ ブログランキングならblogram
夢占い 夢ココロ占い (キーワードをスペース区切りで入力してください。)

カテゴリ

未分類 (21)
大和 (486)
武蔵 (66)
大和と武蔵 (41)
海軍航空隊 (28)
麻生分隊士 (3)
オトメチャン (39)
連合艦隊・帝国海軍 (155)
ふたり (69)
駆逐艦 (10)
ハワイ (8)
帝国陸海軍 (23)
私の日常 (112)
家族 (22)
潜水艦 (3)
海軍きゃんきゃん (24)
トメキチとマツコ (2)
ものがたり (8)
妄想 (5)
北辺艦隊 (1)
想い (14)
ショートストーリー (4)
アラカルト (0)
エトセトラ (5)
海軍工廠の人々 (5)
戦友 (10)

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

FC2ブログランキング

FC2 Blog Ranking

FC2Blog Ranking

最新トラックバック

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード