2017-10

日々雑感・めぐりくる四月七日を前に思うことつらつらと。 - 2013.04.06 Sat

今年の桜は異常なほどに早く咲き急ぎ、そして散ってゆきました。

一年とはこれほどにも早いものか、もうまた『軍艦大和』沈没の日がめぐってきました。あの日から六十八年が夢のように過ぎました。

今日、これを書いているのは平成(2013)年四月六日午後十時です。あの日のこの時間はもう最期の飲み会も終わって眠りに就く人や、配置にいる人等それぞれの場所にいた時刻でしょうね。みんなどのような思いでこの時間を過ごしていたのかを思う時、今の自分の幸せを思うのです。

明日確実に死ぬというのがわかっているという恐ろしさにどうやって耐えたのだろうか、といつも思います。もし私が「あんたは明日の何時何分に死ぬよ」と宣告されたらもう恐ろしくて気が変になってしまうかもしれませんね。そういう極限状態を耐えに耐え、そして粛然と死地に赴いた彼らを私は尊いと思います。

それにしても気になるのは随伴の駆逐艦の『朝霜』の消息です。機関の故障で隊列から脱落してゆき、誰ひとり身内の日本海軍の看取りなく沈んで行った『朝霜』を思う時乗組員の無念さが胸に刺さります。

『朝霜』に座乗の小滝司令、杉原艦長は、そして乗り組みの将兵がその命の最後に見たものは、叫んだ言葉はいったい何だのだろうか。きっと地獄絵図だったのだということくらいしか想像できないのが哀しいところです。

 

先日こういう本を手に入れました。戦争中の~

「戦争中の暮らしの記録」(暮らしの手帖 編)。この本はもともと雑誌・暮らしの手帖九十六号(昭和四十三年八月)として発行されたものです。私がこの本を最初に読んだのは、小学校二年くらい。祖母の家ででした。祖母が毎号買っていた「暮しの手帖」が本棚にありそのうちの一冊がこれでした。何気に取り出し読んでいるうち、知らない時代の知らない世界が眼の前に展開しました。

この本は兵士の体験を集めたものではなく、庶民の普段の暮らしの体験を書いたもので、書いた人は一般の人々。当時主婦であったり学生であったり、または小学生であったり。そのごく一般の人の空襲体験や、夫を戦地に出した後の苦労が書かれています。

生活の一部や家族の姿をスケッチしたものもありこれは貴重な資料だと思いますね。

そして少し驚いたのは、疎開児童に対するいじめや引率の教諭による体罰。これはかなりひどいものがあり指導というより排他的性質のものや単なるうっぷん晴らしのような感じのものがあります、人間の本質というものは昔も今もあまり変わらないのかと思わされます。

下級生にイモが支給されたのにしっとした六年生が「腹減った、イモ食わせ」と連呼したのをとがめられ、その晩寮長先生に六年生ほとんどが折檻され、ある子供はハンガーで絶叫するまで叩かれたとありました。今なら激しい批判にさらされるような事例です。

あの時代、ともすれば清廉な日本人のイメージがあるのですが実際はそうではなかったのだということを思い知らされます。時代が険しい時は人の心も険しくなるのでしょう。

この手の話は「回天」搭乗員の遺書にも垣間見えます。金剛隊で出撃、ウルシーで戦死なさった都所静世中佐はそのご遺書の中で

 

>自由主義はなやかなりしころに育ち、この国をあげての大戦争の真っただ中、自分のことしか考えない三十過ぎの男や女なんか糞くらえだ。この大戦争の遂行に最も阻害となっているのは、実は日本のお母さんであると思います。自分の子が軍籍に入ることをきらう。殊に危険な飛行機、潜水艦方面に行くことを止める。挺身隊に入ることは躾がくずれるように思っていやがる。そのくせ自分のこと、殊に衣食となると、ヤミもあえて辞さないという。こんなことで戦争に勝てるでしょうか。口でばかり偉そうなことを言って、実際見聞きするにたえないようないまわしいことが、いかに多いことでしょうか・・・(中略)・・こんな奴のために死ぬのかと思うと、くやしくもありました。

 

とあり、生きるためにしてもあさましいような行為の横行に憤慨されています。
(都所中佐ご遺影・画像お借りしました)都所さん

最もここに書かれた体験記は極端な部分もあるかもしれませんが、人の心の闇というものを探るにはいい資料です。

戦争というものが人間の心の奥まで変えてしまう。それが一つの怖さではないかと思います。

 

戦争が始まる前までの日本人、戦争が始まってからの日本人、戦争に負けてからこれまでの日本人・・・日本人には三つの種類というか分類が出来るような気がしてきました。どれがいい悪いというのではないですが、日本人の本質が決定的に変わってしまったのはやはり敗戦後、占領軍が来てからこっちでしょう。進駐してきたアメリカは日本人から「日本人としての誇り」「日本という国家の誇り」を奪い代わりに「自由主義」「個人主義」という砂糖を投げてよこしました。その砂糖に群がった日本人はその甘さに感覚を麻痺され、日本人としての誇りも国の誇りも、それまでの歴史さえ振り捨ててしまった。

その副作用とでもいうべきものが今、確実に日本人をむしばみだしたと思います。尤もそれこそが占領軍・アメリカの思うつぼだとする意見もあるようですが。

今の日本、連日どうしようもない事件が新聞テレビをにぎわしています。殺人事件が新聞に出ない日はないし、詐欺も横行しています。そして日本を売るようなことを平気でする「議員」の名を持った人たち。それを阻止しようとする人は「右」のレッテルを貼られます。

本当に日本を考えるということはどういうことなのか、こういう時代だからこそ考えたいのです。

私たちは日本人です。日本という国土、国に生まれて日本の国に育ててもらいました。先人の血と汗で購った平和や繁栄をタダ食いしてはいけません。

日本の国への恩返しをしなければなりません。

そのためにはまず、日本の正しい歴史を学ぶこと。

戦陣に散った将兵を慰霊顕彰すること。

空襲や、戦争関連死で亡くなっていった人たちを未来永劫慰霊すること。

そこから始まるのではないかと思います。なんだか思いばかり先走って支離滅裂な文章になりましたがどうぞ気持ちを汲んでください。

今日本は危機の中にあると思います。外敵からの危機もありますが本当の危機は中から湧くものかもしれません。日本の心を忘れた日本人が多くなりすぎました。ここらで「日本人再生」をしないとなりません。

美しい国日本とは、単に国土の美しさだけではなくそこの住む人の心根の部分も言っているのだと思います。世界に胸を張って「私は日本人だ」と言える、そんな日本と日本人にしたいものだと思います。

 

この春の咲き急いだ桜は、もしかしたら戦陣に散っていった英霊からの何か、メッセージなのかもしれないなあ・・・そんなふうに思った次第でありました。

 

明日、四月七日は「菊水海上特攻隊」のお命日。明日の夜は「千福」を飲んで彼らをしのび、その魂を慰めようと思います・・・

「千福」。あの『大和』艦内でも人気があったという呉の地酒(画像お借りしました)。
千福


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● COMMENT ●

matsuyama さんへ

matsuyama さんこんばんは!
どんなに時代が変わろうと日本人のDNAの中には武士道がある・・・と信じたいです。が、この平和な時代に生を受けた私には自分から命を絶つということはできそうにありません。まして切腹なんかできませんよね。それでもそうすることでわが身に降りかかったもろもろを浄化して逝った武士の潔さ。それを受け継いだのが戦中の彼らではないかと。
それに引き比べるとわが身の情けなさ。自分のことしか考えてないです。自己犠牲なんてできそうにない。これが今の日本人の平均なのかなあと思うと先人に対し申し訳ない思いでいっぱいになります。
それにしても大震災後しばらくしての震災がれきの問題では、エゴが露呈しましたね。あれほど『絆』「がんばろう日本」「がんばろう東北」と言いながらあれですから。確かに実際にあの揺れを体験した地域と全く知らない地域とでは温度差があるのは当然ですが、それを割り引いても・・・。
日本中被災地になればいい、とある被災者のご家族が言っていましたっけ、「そうしたらわかるよ、この思い」って。私の知り合いですが。
都所中佐の深い視線は、もしかしてこの事態をも見抜いていたのではないかと思ってしまいますね。

No title

日本人の血に流れるのは武士道の精神ですよね。
それがどういうものかは分りませんが、白洲で迎える切腹。自分の命を絶つため腹を切る。どれだけ恐怖が先立つか分りません。冷静に辞世の句を詠み死んでいった武士。自分にはできない行為です。
戦艦大和の乗組員が帰港予定のない出撃に、祖国を思い自分を犠牲にし、どれだけ冷静に戦地に向かったのか、思いもつきません。
祖国を愛し、家族のために自分を犠牲にしてまでも死んでゆく。それに比べ自分のことしか考えない現代人。自分もそうですが、あまりにも悲しい現実ですね。
その現実が歴然としたのが大震災の復興に苦悩する被災地でした。「がんばれ東北」などときれいごとを言っていた他府県の人たち。イザ瓦礫の受入れ段階になったら、こぞって反対。彼らは自分のところに被害がなければ、それでいいだけなんです。がんばれ、がんばれとはいくらでも唱えられます。
都所静世中佐のご遺書は、そんな人間の浅ましい心理を付いていると思います。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんにちは!
昨日の夜から今日、激しい雨と風が木々をゆすっています。雨は今朝には止んだものの風はいまだに・・・何か誰かの激しい怒りを思わせます。
きっとそれは在天の英霊の、今の日本への怒りかもしれませんね。
彼らを、正直もう負けると思っていたかもしれない戦に駆り立てたのは単に「命令」だったからなのか?そうではないと私は思います、彼らには守るべきものがあった。それは日本という国であり家族であり、自分の周りの人であり…すべてをひっくるめた「日本」を護らねばならないから出て行ったのだと思います。
出撃前夜、気も狂わんばかりに叫びまくったとしてもちっともおかしくないのに、その晩の無礼講の酒宴は乱れることなく進みそして副長の「もうやめよ」という一言でピタリとやんだ。
彼らには「潔さ」が備わっていたのですね。
今の日本人--私もそう--に一番欠けているものが彼らにはあったからこその行為ですね。
あの作戦はどうしようもない無謀でいい加減な作戦だったと責めらるるべきは軍令部であり、実際に死地に赴いた大和ほかの水雷艦隊の将兵は永遠の顕彰の対象です。
「暮らしの手帖」、花森さんが亡くなってついに大橋さんも鬼籍に入られました。古き良き日本を伝えてくれた「暮らしの手帖」、これからもそのご遺志を継いでほしいと願っています。
今夜は千福であの海戦をしのびます・・・

酔漢さんへ

酔漢さんこんにちは。
まためぐってきた四月七日はまさに春の嵐ですね、怖いくらいの風です。
先ほど『大和』沈没の時刻を迎え思わず瞑目いたしました。艦隊全部でも四,五千人の戦死者をだした菊水海上特攻。その作戦計画のずさんさは目を覆うばかりですが責めらるるべきは軍令部であり、実際に戦地に赴いた特攻艦隊には哀悼の言葉しかありません。どんな思いで行ったのか・・・今夜「千福」を飲みながら考えたいと思います。私の『大和』の模型の前にも千福を供えます。
ご子息、ご祖父さまのお墓参りに。
きっと泉下でご祖父様もお喜びのことでしょう。
多くの英霊に感謝と哀悼の誠をささげます。

オスカーさんへ

オスカーさんこんにちは!
ありがとうございます!いやいや・・・私のつたない、言葉足らずの文章・意見なんてとても雑誌や新聞には恥ずかしくって出せません・・・(^^ゞもっときっちり思うことを書けるようになったら、と思います^^。
私ももっとオスカーさんのようにいろんなジャンルの本を読んで洞察力や考察の力を磨こうと思います!
今日はえらい風で怖いですね、どうぞお気をつけてくださいね。
季節も変わり目、お互いに健康には気をつけましょうね^^。

No title

4月6日の夜のことを思うと……。心が痛いです。まさか明日、命を落とすなんて誰が予想したでしょうか。
命の予告をされた私だったら何をするだろうか。心は正常のままであるだろうか。国の為に命を惜しまなかった人たちの心には遠く及ばない見苦しさ、生の執着の断末魔に狂うかもしれません。
暮らしの手帳。先日大橋社主が亡くなりましたね。彼女が活躍していた頃がちょうど戦争の真ん中だったはずです。
様々な思いを込めて時代を生きて時代を遺していったのでしょうか。
その日から68年目の朝を迎えました。悲しみか嘆きか怒りか。今日の日本の天気は荒れています。

毎年。今日。この日に

見張り員さん。おはようございます。
4月7日の朝を迎えました。昨日は風雨も強く、まさに春の嵐でしたね。
昨日は、野津実兵曹長ご遺族より頂戴いたしました「賀茂鶴」を呑んでおりました。今日は、見張り員さん同様「千福」を呑もうかと思います。
一緒に呑みましょう!
愚息が、郷里におりまして、「祖父の墓を訪ねてくる」とメールがありました。
あらためまして、坊ノ岬沖海戦でお亡くなりになれました英霊のご冥福をお祈りいたします。

おはようございます。いつも思うのですが、見張り員さまの意見(記事)はブログだけでなく、新聞・雑誌に投書・投稿してもっとたくさんの方々に読んでもらったらいいのに…。毎日の生活の中で忘れてしまいがちなことってたくさんありますよね。気づき、過去を振り返り今日を確かめ明日を思い、未来を描く……見張り員さまの言葉からたくさんの気づきをいただいています!!お身体には十分気をつけて下さいね。


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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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