2017-10

「女だらけの戦艦大和」・この世こそ地獄!? 1 - 2012.04.27 Fri

「女だらけの戦艦大和」は新しい乗組員を迎えそして、そろそろトレーラーへ帰る時が近づいていた――

 

昨日から工作艦が接舷して工廠の技師が入り測距儀を修理をしている。これには内務科電気分隊の岩井少尉他もお手伝いしている。

最初、測距儀の壊れ方を見た技術大尉は「これってまさか、敵の機銃弾とかでやられたとかいうんじゃないでしょうね?」と大変驚いて梨賀艦長に言った。が、梨賀艦長からこれはとある士官がラケットで撃ったボールが当たってこうなったと聞いて二度びっくりした。

そして「そんなバカな。ありえない」と言ったがそこに運悪く当の松岡中尉が来てしまい、中尉は自慢のラケットを構えて「じゃあも一度お目にかけましょうか!」と言った。

梨賀艦長はこの件に関してとても怒っていたので、「もう!余計なことしなくっていいからあっち行ってて!あっちで勝手に熱くなっててちょうだいっ!いいですか、この『大和』は陛下からお預かりした大事な艦なんですよ!それをあんなつまらないことで損傷したらあなた、軍法会議どころか地獄行きですよ!変なところで熱くなるのもたいがいにしなさいよッ!」と少し松岡中尉の言葉の真似をして怒鳴った。

肝心の松岡中尉は、というと満面の笑みを以て艦長を見つめて「艦長~、やっと私のように熱くなってくれましたね!・・・そうです、いいですかこの艦は陛下の艦なんですよ。ということはですね、これに乗っているあなたも私も陛下のものというわけなんですよ。・・・素晴らしい!!こんな素晴らしいことがあっていいのでしょうか!いいんですよ、これこそが私たちが日本人だという何よりの証拠であり誇りですからね。艦長、今日からあなたも富士山だ!決してあきらめないでくださいよー!」とほとんどわけのわからない事を言って艦長と工廠の技術大尉を面食らわせた。

そして松岡中尉は右手の親指をグイッと立ててラケットを肩に担ぐと「ではみなさん、バンブー!」と叫んであっという間に艦橋を去って行ってしまったのだった。

ふうーッ、と大きなため息をついた梨賀艦長を見て、声には出さないが技術大尉は(大きな艦には大きな変人がいるんだなあ。いやあ初めて知った大型艦の実態!案外と怖いものなんだなあ。艦長は気の毒だ)と思って少し気味が悪い、(早いところ修理をして帰ろう)と固く決意。

だが、なかなか修理はそう早くは終わりそうにはない・・・

 

松岡中尉はラケットを振り振り、最上甲板に出た。そこではるか艦橋を振り仰げば、たくさんの技師や『大和』の内務科の兵たちが測距儀の修理に精を出している。測距儀のすぐ上には高圧電流で動く「電探」がある、これに触れたらイチコロなので測距儀の電源は切ってある。

「熱くなってるな皆。いいことだよ」

松岡中尉はまるで他人事のように言うとその場で素振りを始めた。ひゅっ、ひゅっとラケットが風を切って鳴る。気分がいい。

そこに下甲板から通じるハッチを開けて何やら大声が飛び出してきた。松岡中尉がそちらを見ると航海科の谷垣兵曹と、高角砲の野田兵曹がまたもや言い争いながら最上甲板に姿を現した。先日の土俵での一件がまだ決着してないらしい。

(どっちもしつこいなあ。よーし!)

松岡中尉はラケットを小脇に抱えてしかつめらしい顔をして二人の方へ歩み寄って行った。二人は中尉の姿にも気がつかないほどわめきあっている。騒ぎを聞きつけて甲板士官が険しい顔で走ってきた。が、松岡中尉はそれを押しとどめた。すると、

「なぜです?これは私の仕事ですよ?艦内の規律を守るのが甲板士官の務めです。あなたもわかってらっしゃるでしょう?」

と甲板士官の藤村少尉は解せない、納得いかぬという顔で松岡中尉に詰め寄った。松岡中尉は足元にラケットを置くと彼女の正面に腕を組んで立った。

その姿に藤村少尉は圧倒された、なんてでかいんだこの人・・・。

「いいですか甲板士官くん」と中尉は上から見下ろすような形で言った、「なんでも権力や暴力で抑え込めると思ったら間違いですよ。時には皆の気持ちをじっくり聞くのも仕事でしょう?もっと熱い心を持って!さあ、今日からあなたも富士山だ!」。

藤村甲板士官はなんだか悲劇的な表情になった。わけわからんぞこの人は、あまりかかわらん方がいいかもしれない。藤村少尉はその表情のまま、「わかりました、ここは松岡中尉にお任せします」というと一礼するとあたふたと去ってゆく。

「さて、と」

と、松岡中尉はまだ騒いでいる二人に向き直った。二人は、土俵に上がったのに待ったをかけてずるいとか、そんなこと言ってない、無礼千万だと前と同じことを繰り返しているだけである。

松岡中尉はやおら二人のそばに駆け寄ると

「尻の穴を締めろ!」

とそれはすごい大声で言った。さすがに騒ぎが止まった。谷垣・野田の両兵曹は互いの事業服の襟をつかんだままポカンとして中尉を見た。

松岡中尉は、「いいか、尻の穴を締めろ。いいですか、君たちは尻の穴が緩んでいるじゃないか。だからこんな下らねえことでギャーギャーわめいてるんじゃないのか?尻の穴をちゃんとキチット締めれば下らねえことで時間をつぶしてしまうようなことはばかばかしくなるはずだぞ!」と言って聞かせる。二人は互いの襟から手を離すと中尉の方へ向いた。

「尻の穴・・・ですか」

こわごわと谷垣兵曹が言うのへ、松岡中尉は大きくうなずいて

「そうだよ尻の穴です。人は尻の穴が緩んでいては性格や生活まで緩んでしまうんですよ?あなたたちもこんなことではなくってもっと別のことで熱くなってくれなきゃ。いいですか、もうすぐ『大和』はまたトレーラーに戻りますからね。熱くなってあきらめないで戦いましょう。バカなことばっかしてるとあなたたたたち」

と少しばかり「た」が多くなったが真剣な顔で二人を見つめた。谷垣・野田の兵曹はごくっと喉を鳴らした。すると松岡中尉はうんと背伸びをしてから二人を見下ろして、

「地獄を見ることになりますよ?」

と言い放った。さっき自分自身が梨賀艦長に言われたことをそっくりそのまま部下に返しているような松岡中尉だが、二人はそれを知らない。地獄、というちょっとインパクトのある言葉を言われて二人は黙った。松岡中尉はそれを見て「いいですか、じゃあここで仲直りの握手をしようじゃないか。地獄に行きたくなかったら仲直り、それ仲直り、はい仲直り、ありゃ仲直り」と最後には節をつけて踊りだす始末。

谷垣兵曹がまず、「・・・うちはもう、バカバカしゅうなったけえ貴様との下らん争いは止めた。が言うとくがなあ、地獄が怖あで止めるんと違うで!」と言った。

「ほいじゃあなんでじゃ?」という野田兵曹。谷垣兵曹は急に声をひそめて野田兵曹の耳元に口を寄せると「あがいなあほなことを真剣に言うもんがうちの分隊長じゃ。いつまでもこがいなことしよったらまたおかしなこと言われるからじゃ・・・そのくらい分かれ!」と言った。

野田兵曹もさすがに「ほうじゃな。・・・ほいじゃあこの話はもう水にしよう」と言って二人は松岡中尉に「ご迷惑をおかけしました」というと全速力で走り去ったのだった。

それを見て

「いいねいいねえ~。みんなこうして熱くなって、あきらめない心を育ててゆくんだよ。みんな―、みんな今日から富士山だ!」

と怒鳴って笑って、足元のラケットをつかむと艦首方向へ歩き出したのだった。それをいつものようにトップのトップからハッシー・デ・ラ・マツコが見ていて、「ねえトメキチぃ。あのマツオカってどこからどこまでが正気でどこから先がそうじゃないのかイマイチあたしにはわかんないわ・・・あんたはどう?」とトメキチに聞いている。トメキチも困って、「僕もわかんない。多分このお(ふね)のみんながわからないと思うんだけど」と言いマツコはちょっと感心したようにトメキチを見て「・・・・あんた意外と鋭いわね」と言うとくちばしをカタカタいわせたのだった。

艦上でそんなことをしている時、下の機関室では松本兵曹長が部下の兵曹から「ちょっとええですか松本兵曹長・・・あの新しく来た椿兵曹ですがちいと変わっとる人ですな。椿兵曹はこないだの体操の時もそうじゃし、機関室でも絶対手拭いを顔から外さんのですよ」と耳打ちされた。

「手拭いを、かね?」と問う兵曹長にその兵曹は真面目な顔で「ほっかむり言うんですか、それをして。入浴の時も外さんのですよ、で体や顔を洗うたらあっという間に出て行っちまうんですけえね。なんぞ秘密でもあるんですかねえ」と考え込む。

松本兵曹長はうーむ、とうなったが「まあ人には他人に知られとうない事の一つや二つあるかも知れんで?あまり変に探ったりせんほうがええよ。、まだここに来て日が浅いんじゃけえ、気おくれがしとる、言うことだってあろうが?そのうちなんぞわかるかもしれんけえ、ほっといたらええ」と言って兵曹は「わかりました」と言って礼をすると去ってゆく。

松本兵曹長は(全くみんなひとのことよりてめえのことじゃろうが。暇なんじゃなあ、もっと締めてかからんといけんかな)と思っている。

 

・・・・その頃。入湯上陸中の亀井一水が呉の街のある店で衝撃的なものを見つけて買って来た――

 

           ・・・・・・・・・・・

本来は「海軍グッズ」の2を書く予定でしたが写真の整理がまだつかないので先にこちらのお話をアップしました。グッズの話は必ず書きますので待ってて下さいね

 

全くわけのわからないお話です。書いていて頭が痛くなりました・・・頭の中で松岡修子中尉が「熱くなれ、あきらめるな、富士山だ」と叫んでいます。

ところで亀井一水はいったいどんなものを見つけて買って来たのでしょうか!?そして椿兵曹は何か秘密を抱えているのかいないのか??

ご期待下さい。

「君も今日から富士山だ!熱くなろうぜ」
君も今日から富士山だ!



小学校で習った唱歌ですね。

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● COMMENT ●

matsuyama さんへ

matsuyama さんこんばんは!
松岡中尉の言葉は一見浅いようですが実は深いんです^^。
そうですね彼じゃない彼女は相手を富士山とか日本のよいものにたとえて盛り上げます。
東北の桜が素晴らしく咲いて、みなさんの心を和ませているようですね。
桜はあの津波で痛めつけられてもまた素晴らしい、今まで以上に素敵な花を爛漫に咲かせてくれました。どうぞ被災されたみなさんも桜のように健やかに力強く立ち上がってくださいませ。
それが理不尽に命を奪われて逝った人たちへの何よりの供養と思います。
亡くなった家族や親せき・ご友人はいつも見守っていらっしゃると思います。青い空に咲き誇る桜を振り仰げばそこには亡き人たちの笑顔がきっとあります。
その思いは日本人すべてが持って、この先の復興にまい進する決意につながっています。

荒野鷹虎 さんへ

荒野鷹虎 さんこんばんは!
富士山ほど日本と日本人を象徴してる物はないですよね~。
あの優美さはほかにはないと思っています^^。
吹奏楽私も好きです!「歴史的海軍行進曲」という海軍の行進曲を集めたCDをききながらこれを書いたり休みを過ごしますが、いいですよね!軍楽隊という存在の大きさを感じます。
戦死なさった兄上様もきっと雲の上でこのCDを聴いてくださってらっしゃるといいな、と思います。
私の拙ブログをおほめいただき恐縮です。これからも書き続けますのでどうぞよろしくお願いいたします!

NoTitle

松岡中尉のいう「さあ、今日からあなたも富士山だ」とは、あなたも日本一のいい人だ、という意味なんでしょうかね。
人を称賛するのに富士山を比喩した言葉には説得力がありますね。
いま東北の桜も満開です。遅ればせながらもやってきた日本の象徴、桜も富士山です。日本一の桜を愛でる被災者も、2年振りの果報を満喫しています。
あの忌わしい夢の跡を清らかに拭い去るために、自然がくれた最高のステージですね。仮設で迎える被災者も自然のプレゼントに至福の時を享受していると思います。そして犠牲になられた方々も天の国から「桜の富士山」を、笑顔でご覧なっておられることでしょう。

おはようございます!

富士山はやはり、日本人の象徴ですねー!
吹奏楽が大好きで、特に、自衛隊や、警察隊の楽団を聞いています。
旧軍隊では、楽団も、一つの武器であり、大事にされました。戦死した次兄の航空隊生き残りの人たちが制作した、「海軍の灯は消えずー
。ラッパ・軍歌集ー」のカセット・テープを宝物のようにいています。
貴殿のブログは貴重に思いますので何時までも頑張ってください!!

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは!
富士山には日本人としてスピリットがうずうず来ますね。あの優美な姿、日本人の感性にぴったりです!どうか登山者のみなさんごみで汚さないで!と声を大にしたいです。
「尻の穴」発言ですがこれは最近本物の松岡さんが本を出版した時の会見?で叫んでいたことです(^_^;)。いかにも彼らしい言葉だと感心しました・・・
尻の穴まで締めるくらいの気でいれば何事もうまく行く…かもしれませんね!さあみんな尻の穴を締めよう(って結構これ恥ずかしいですね、想像するのも書いているのも・・・)。
マツコ。
そうですね、これが意外と重要な位置にいるかもしれません・・・ガーン!!

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
富士山大好きです!ときに山梨へ行くとき、ちらっとでも富士山が見えると大変得をした気になります。でも「登れ!」と言われたら『無理!」と言いますw。富士は見てるのがいいですね。
さあ今回の話、ちょっと前から温めていた話で若干手直しをしました(当初より登場人物が増えたため)。亀井静一水は何を買ったのか・・・ガーーン!ww
グッズの話喜んでいただけましたか、続きはこの話の後にまた書きますね^^。
そうですねえ「女だらけの~」のグッズを作ってみたいですねw。
そうだ、大和でフリマとかコミケやったら面白いかも!!
おお・・イマジネーションがわいてきましたよ~~~~(^◇^)

NoTitle

きれいな富士山ですね。
今頃の季節、桜に富士の山。日本のピカイチの風景ですねぇ、DNAが疼きます。
尻の穴とはまた大胆な。でも言えます!!
ちなみに緩んでる人は何ごとによらずふんぎり(踏ん切り、糞切り)が悪いらしいです。シモも人格なのですね。
なんだかマツコさんがこれからのキーマンになりそうな。そんな予感がするのですが。

こんにちは。どんな形であれ富士山が登場するのは嬉しいです(笑)いろんなところに○○富士ってありますよね。
今回のお話もまたワクワクの予感がいたします。何を買ったのか気になりますが、それはお楽しみですね。
グッズの記事も楽しく読ませていただきました。あれもこれも欲しくなって~見張り員さまもいずれ自分でグッズ製作の道に入ったりして~そしたら買いますよ!コミケなどイベントの売り子もお手伝いします!!あ、大和でコミケやフリマとか楽しいかも(*^^*)


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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