「女だらけの戦艦大和」・まつたろう2

松ぼっくりから生まれたまつたろうは、麻生少尉の家で育てられることになりました。

本当は、松本兵曹長の家で育ててほしかった麻生さんですが、

「あほ言え。あんな暑苦しい奴をなんで俺が育てにゃいけんのだ」

と怒鳴ってその太い腕で麻生少尉の背中を叩いたので麻生少尉は泣き泣き育てる羽目になりました。

浜口大尉が見に来て、

「おお、なんだか暑そうな奴だなあ。よし、ここはひとつ俺が気合いを入れてやろうじゃないか」

ということでまつたろうはお外に出されました。そこで浜口大尉はまつたろうと正面に向き合ってとても大きな声で

「いいか、気合いだ!気合いだ!気合いだー!!オイオイオイ~~!わはは、わはは、わはは」

と怒鳴ったのでまつたろうは驚いた・・・と思いきやまつたろうは大変喜んでそこらを飛び跳ねながら、

「熱くなってますねえ~。浜口さん、いいですよその調子!熱くなれよ―!」

と言って浜口大尉と大騒ぎを始めました。おかげで麻生少尉は耳を押さえて押し入れにこもってしまいました。

 

そんなこんなでまつたろうはよく食いよく眠り熱くなったのであっという間にでかくなりました。体だけでなく態度もでっかい女の子になりました。そんなある日のこと、梨か艦長という『大和』の村で一番偉いとされる人がみんなを集めると言いました。

「どうも<大和村>の領土の島を侵略しようとしている輩がいるらしい。これを排除しない限り我々の安全は守れない。というわけで大きな船でこいつらを懲らしめに行こうではないか」

皆は郷土防衛の気概に燃えて、一斉に「私が行きます」「いや私の方が勇敢だ」「なにを!」「黙れ貴様!」などとけんかになる始末でした。

その時、

「みんなちょっと待った!」

と大きな声がかかり見れば、三種軍装の上に鎧を着け、鉄かぶとならぬ武将が被るような兜をかぶったまつたろうが立っていました。

皆はその異様な格好に度肝を抜かれつつも「まつたろうが?あいつにできるわけがない」と言い合いました。

が、まつたろうは

「熱くなれば不可能はない。みんなもうあきらめてないか?いいですか、ぬるま湯になんか浸かってんじゃねえよ!もっとみんなそこに飛び込んでゆけよ!」

と全く皆の話を聞いていないのが丸わかりの話を始めました。皆はまつたろうを睨みつけて、

「だから誰が真っ先に行くかって話をしてるんじゃないか、お前は人の話を聞いてないだろう?何考えてんだ?」

と怒鳴りました。しかしまつたろうは皆を穏やかな目で見回すと

Don't worry. Be happy

大丈夫大丈夫。私が行くって言ってるんだよ君たち。梨賀艦長、私が行ってその連中をやっつけてきますから皆はここで安心していてくださいねー。それからみなさんにひとこと・・・」

皆がいったい何を言うのかと固唾を飲んで見守っていると、まつたろうは皆をびしっと指差して「俺についてこい!」

と言ってみんながおおっ、とどよめいた次の瞬間まつたろうは

「・・・と思っているあなた。それは間違いです。今回はまず私が行って敵を粉砕してきますから皆さんの出番はありません」

と言い放て皆は一斉にずっこけてしまいました。

 

さて、そうと決まれば武器も装備しないと戦争にはなりません。まつたろうはいろいろと考えて麻生少尉の家の物置をあれこれかき回し始めました。麻生少尉はとても嫌な気がしていますがどうしようもありません。

物置から

「あった、あったー」

という大きな声がして、やがてまつたろうは厚い板を変な形にくりぬいたものを作ってきました。麻生少尉は

「なんじゃね、それは?ハエ叩きかねえ」

と聞きますとまつたろうはチッチッと右手の人差し指を立ててそれを左右に振ると、

「麻生さーん、あなたは本当に世間を知りませんねえ。いいですか、これはラケットって言うんですよ。この丸くくりぬいた部分に私が秘密の網を張ります。そうしたらこれは敵を粉砕どころかひき肉にできるんですよ・・・ふっふっふっ。麻生さんこれについては他言は無用ですよ、いいですね」

と少し不気味な声で言いました。麻生少尉は、そがいに危ないものを作ってこいつはどういうつもりなんじゃろうと気味が悪くなりましたがそんなことをうっかり言ってラケットとやらの実験台にされてはたまらないと思って黙っています。

まつたろうはラケットを仕上げ、ほかにも武器がいるようだと思って麻生少尉の大事な竹やぶにずかずか入って何本かの竹を切ってきました。

「それはどうするんで?」

という麻生少尉にまつたろうはにっこり笑って、

「竹やりですよ、麻生さん。これで歯向かう敵を突くんですよ」

と言ったので麻生少尉はぞっとしてしまいました。まつたろうはそれから大きな袋から何か黒い色の丸っこいものを取り出して麻生少尉の前に出して見せました。思わず飛びのいた麻生少尉にまつたろうは

「麻生さーん、麻生さんは怖がりだねえ。これは私が開発した手投げ弾ですよ、ほら松ぼっくりにそっくりでしょう~。これを投げても敵は『なんだ松ぼっくりじゃないの』って思うでしょう。が!そうじゃないっ!安心したとたんこれが火を吹くんですよ。・・・だってただの松ぼっくりだったらなーんの意味もないよねえ」

と言ってそれを袋に戻しました。とても疲れた麻生少尉はわかりましたよ、と言ってまつたろうを送りだすことにしました。

まつたろうは麻生少尉が作ってくれた大きな握り飯をいくつか持ってまずは大きな船が繋いであると言う港を目指してゆくことにしました。

『大和』の村のみんなが見送ってくれました。そのみんなに

「諦めんなよ!Never Give Up!!

と大声で叫んでこぶしを天に突き上げました。まつたろうは背中に竹やりを何本も背負い、腰には手投げ弾の入った袋と握り飯の入った袋をぶら下げて歩き出しました。

 

港まではまだ遠い道。

そこでまつたろうは

「もしもし兵隊さん。お腰のものは何ですか?」

と誰かに尋ねられました。まつたろうがふりかえるとそこには・・・・。

 

         ・・・・・・・・・・・・・・

そこには何がいたのでしょうか?

緊張の次回に続きます!!

竹やり訓練。画像お借りしました。
竹やり訓練



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Secre

柴犬ケイさんへ

柴犬ケイさんこんばんは!
やはり犬も慣れでしょうか・・・もうちょっと年季が必要みたいですね^^。
しばらくは暴れてもらいましょうw。
うちの前の街道のケヤキもずいぶん青い葉を出し、季節がうつり始めているのを感じます。先日の雷では、怖かったのかじっとしていましたよ!

NoTitle

見張り員さん  おはようございます♪
いつもありがとうございます♪
モミジちゃんのシャンプー大変みたいですね。
回数を重ねると諦めて大人しくなると思います。
我が家の柴は抜け毛が多いと思いシャンプー
に出していますが暴れてましたが今は諦め大人しく
シャンプーをさせるみたいです。
モミジちゃんは桜を見ながらの散歩でこれからは
新芽の葉の散歩になり春を感じているでしょうね。
昨日は突然の雷で柴は怖がり部屋を走り回って
いましたのでゲージに入れたら落ちつきました。

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
そうです、そこには<あなたのマツコ>が・・・!
どんなことになりますかこうご期待であります^^。
体調、先週よりはいい感じですが頭痛がとれないのが悩み…これきっとストレスだと思うんですよね。でかいストレス源がいますからw。
今日は午後からいきなりの雷雨!でもおかげでお客さんもあまり来ないでのんびり・・・でした^^。

こんばんは。そこには…マツコですよね、もちろん!!マツつながりですもの!!←願望(笑) 体調はいかがですか? 明日はまた雨みたいですね。のんびり出来る時間をたくさんとれますように!!
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見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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