2017-10

「女だらけの戦艦大和」・壮大な作戦4<解決編> - 2012.03.21 Wed

飛行機工場に強行着陸した海軍と陸軍の共同部隊は機関銃を発砲しながら工場を破壊――

 

驚いて飛び出してきた工廠の警備員や夜勤要員に日本軍嬢たちは「反抗したら殺す!殺したくはないからおとなしくここにまとまれ!」と怒鳴り、泡を食った工廠のお嬢さんたちはおとなしく指定された場所に座り込む。

その間にも海軍嬢、陸軍嬢は工廠内に入って時限爆弾を仕掛ける。海軍の山田ゆう少佐と陸軍の奥山大尉はたくさん並んだ完成品の飛行機の間を走りながら「これだけのもの、壊すのはもったいないですなあ」と言って少し笑った。

彼女たちの部下が手際よく爆弾を置いてゆく。

大きな工廠内、四方から爆弾を仕掛けたり場合によっては銃で破壊しながらやがてすべての爆弾を配備終了。

「行くぞ、退避せよ」

山田少佐と奥山大尉の声が伝わり皆は大急ぎでそこを出てゆく――

 

「アホ―ネットⅡ」「ヨーダタウンⅡ」は完全に日本海軍の手に落ちニューカレドニア基地に曳航されて行く。その頃になってやっと味方の空母の様子がおかしいと気がついたアメリカ海軍は大慌てで索敵機をオーストラリア海軍の基地から数機飛ばしたがこれは日本空母の護衛について近海を哨戒していた帝国海軍の「紫電改」の編隊によって撃墜された。

マドレーヌ艦長は飛行甲板に縛られて、座り込みながら「ああ・・・ひどい目にあったわ。でも、シドニーにあるたくさんの飛行機がそのうちあなたたちに仕返しに行くからお楽しみにね」と負け惜しみのようなことをつぶやいた。

それを大柴少尉が聞きつけて、「シドニーの工廠の新造飛行機かね?あれはもう今頃我々の仲間が破壊しているころだと思うよ」と言ってやった。とたんにげんなりとなるマドレーヌにスコーン副長は、「張ったりですよ。そんなことあるわけがないじゃないですか。ジャップどもにそんな大ごとができるわけがない。そのうち工廠の飛行機が飛んできて私たちを解放してこいつらを皆殺しにしますって」と囁いた。

大柴少尉はそれを見てフフン、と鼻で笑った。ちょうどその時、九九艦爆の無線機にシドニーの工廠の破壊の成功を知らせる無電が次々入電していたのだった。

 

ものすごい地響きとともに紅蓮の炎が巻き上がり、工廠は飛行機とともに燃え上がった。はるか向こうの方では石油タンクを破壊したらしい、もっとすさまじい炎が上がるのが見えた。別動隊の決死の行動の結果である。アメリカ軍・オーストラリア軍はこの事態に航空機を発進させようとしたがこれらも襲いかかってきた日本の爆撃機によって地上で破壊され、あるいは着陸直前に吹き飛ばされる。

ちょっとしたシドニー空襲の様相を呈している。市民たちは恐怖の面持ちで市外の大火災を見つめていた、そして「なんだ、アメリカなんて大きな事言って手も足も出ないじゃないか」と不満が噴出していた。

 

空挺部隊は工廠の人間たちに「我々がここを飛び立った後十五分がたった後ここから離れるように。二時間後ここを空襲するから速やかに」と言い、それぞれのってきた爆撃機に分乗し去って行った。残された工廠のお嬢さんたちは最初ぼんやりしていたが言われた通り十五分後にその場をあたふたと離れる。

その後きっかり二時間後日本海軍の爆撃機が大挙して飛んでくるなり・・・工廠やその周辺施設はことごとく破壊されたのだった。

 

海軍と陸軍の共同作戦は成功裏に終わった。

敵空母の乗組員はニューカレドニア基地に収容されることになった。小栗大尉は敵空母の上で愛機・九九艦爆の翼をなでながら

「奇想天外な作戦だったでしょう?でもねえ、戦争ってこういうもんなんだね。相手の度肝を抜くってのも作戦のうちだよ」

と言って搭乗員仲間と笑いあったのだった。

 

特殊潜航艇でも基地に戻ってから祝勝会が挙行された。

特殊潜航艇乗組員のうちの松尾大尉はビールのコップを一気にあおって口を袖でグイッとぬぐってから

「しかしものすごい作戦でしたね。まさに乾坤一擲。敵空母を取り囲む時は正直、本物のいるかではないとばれやしないか気が気ではなかったが・・・相手が夜目の利かない連中でよかったね」

と言い、艇付の都竹兵曹は大きくうなずいた。

訓練の時は船酔いで戻してばっかりだった海枝一飛曹も「今回は酔ってる間がなかったですよ~。緊張しまくっていましたからねえ~、ほら!見て?手のひらに書いた<忍>の字が汗で流れちゃってるでしょう?」と皆に見せて、みんなは「おお、すごいなあ。その字はもういらないんじゃないかね?」と言って海枝一飛曹は「・・・そうかな?」とごしごし字を消し始める。

海枝一飛曹、少し自信がついたようだ。そんな皆を眺めながら黒木少佐と仁科大尉は、「まあ、これで何とかものになったと言っていいかな。しかしこれで満足してはいけないな、もっともっと訓練あるのみだ」と決意する。

また、<クジラ型>に乗った月島少尉は(今回、噴進砲を使えなかったのは残念だったなあ。次こそは絶対あの噴進砲をぶっ放してやろう!)と思いながら一緒に乗った佃兵曹にビールを注いでやる。

この後、先の空母の後を追って米本土から来た空母三隻を同じ方法で撃退すべく出撃した<新・特殊潜航艇>部隊の<クジラ型>潜航艇は、反撃してきた敵空母「ライス・シャワー」を噴進砲で撃沈した。

しかしこれも夜間の攻撃だったため敵にはまさか、クジラの形の潜航艇の仕業とはわからなかったようだ。「ライス・シャワー」の艦長、カラメル・プディング大佐は「いったい何があったのかわからないわ??夕方日暮れ前にたくさんのイルカを見て楽しかったのを覚えているだけよ・・・」と収容所で語ったという――

 

           ・・・・・・・・・・・・・

 

めちゃくちゃな話でした・・・

この「敵空母に着艦」というのは実際に会った話をモチーフにしました。実際では昭和一七年の珊瑚海海戦のおり(五月七日)薄暮攻撃に出た日本機動部隊(瑞鶴飛行隊)は敵を発見できず爆弾を捨てて帰途に。

そして一九時ころ空母の姿を見た攻撃機(九九艦爆)は着艦しようとしたがこれがなんと敵空母「ヨークタウン」。ヨークタウンも日本機が着艦しようとしているのに気がついて「総員斬り込みに備えよ」と命令を出し、対空砲火を撃ちあげました。

一機が撃墜されています。

空母瑞鶴です。空母瑞鶴




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● COMMENT ●

matsuyama さんへ

matsuyama さんこんばんは!
これうそのような本当の話なんですよね~私も最初「うそだあ!」と思いましたもん!
敵国の艦とは言え、艦影のよく似たものもあったそうですからそんなこんなで着艦してしまったのでしょうね、でも来られたほうも正直腰が抜けるほどびっくりしたでしょうね。
無線はあったかもしれませんが、往々にして作戦中は無線封鎖をしている場合が多いですし、日本軍は飛行機と艦の無線交信はできない場合も多かったらしいです。
今のようにすべてがシステム化されアナログの時代にはちょっとあり得ない事件ですね。

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは!
帝国陸海軍の乙女たちの心意気を読み取っていただきうれしい限りです!
闘いというものは難しいものですね、こうして変な話を書いていても「う~ん・・・」と思うのですから実際の戦闘の指揮はさまざまな条件とか臨機応変を求められるから一筋縄ではいかなかったと思いますね、、、私は指揮官にはなれんなあ、と思いました(泣)。
またよろしくお願いいたします。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは!
日本人の心をこの言葉で表現してみました。戦争なんていけないものに決まっていますがその中にも珠玉のごとく光る人間の「良心」があったと聞いています。
欧米人は日本人を野蛮人扱いしますがどっちが!と思いますよね。彼らのほうがあちこち「侵略」しているんですがねえ??
大分も海軍の宇佐空とかあった関係で空襲が多かったと思っていたらそうか、工廠もあったんですよね。すさまじい空襲だったでしょうね、今の私たちにはちょっと想像しがたいものがありますが。
そういえば私の母方の祖父は昭和20年の初めころ東京雪谷周辺で米軍艦載機の機銃掃射に遭遇したと聞いています。祖父は何とか危機を脱しましたがずいぶんたくさんの人が傷ついたり亡くなっていたとか。
アメリカ軍はこの機銃掃射を「狩りをするような感覚」で行っていたという証言を聞いたことがあります。
怒り心頭!

敵空母に着艦しようとした事実があるんですか。
夜戦だとそういう過ちもあったんでしょうね。まして海上は真っ暗で、よく確認できないですからね。無線は搭載されてなかったんでしょうか。
敵軍は慌てますよね。帰還の予定の無い攻撃機が空母に向かって飛んでくる訳ですから、空母「ヨークタウン」としては、日本機の捨て身の特攻だと思ってしまいますよね。
今なら照明設備も無線設備も充実してるんでしょうけど、そういう意味では当時の夜の戦いは怖かったんでしょうね。

こんばんは。ヤマトナデシコは志も心意気も「あなたとは違うんです!!」感がばっちり出ていて良かったです。闘いってやはり艦隊戦だろうが空中戦だろうが「人対人」なので、その覚悟のほどが窺えるお話でした!ありがとうございました!!

2時間後に空襲するから逃げておくように。
武士道のようにかっこいいですね。今の時代の殺戮じみた戦争と違う場面を見させてもらいました。所詮アメリカも人食い人種みたいなものだなぁと思うことしばしばです。
大分市にも工廠があって、そこがやられた時は心臓が口から出るんじゃないだろうかというくらいすさまじまったと、その近所に住んでいた母から聞いたことがあります。B29に追っかけられたりもしたそうです。小倉から疎開してきたのに大分でも怖い思いをしたとよく話してくれます。

misha さんへ

misha さんこんばんは!
そうなんです、今回はカッコよく締めようと思いまして「女だらけの~」には珍しい終わり方となりました。
いやあ、陸軍系の話って結構難しくって・・・戦史をひも解いてみるのですが「師団」「連隊」云々とたくさんあって正直わかりかねるときがあります。
ですから今回はあり得ない(!)陸海共同部隊を作りました!
空挺部隊の女兵士、想像してみますとりりしくも可愛い、という姿が見えますでしょうか。山田ゆう少佐、この後艦爆の小栗大尉と昵懇になりますww。
御訪問ありがとうございます!!

こんばんわー

おお!? 落ちがないぞ!? ギャグじゃなかったんですね! すごい迫力でした。まだちょっと辺りに硝煙の匂いが(笑)
こんなによく調べられて、しかも可愛いお嬢さん達の活躍ときては、不謹慎どころか、みなさまもお喜びだと思います。
山田ゆう少佐はかっこいいのでしょうね!
ありがとうございました。


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「少佐」と言われて思い浮かぶのはあの人しか居ないけど、「大佐」って言われたら誰を想像する?

1 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2012/06/12(火) 10:52:22.14 ID:aP083zwe0 ?2BP(1000)カダフィ大佐の約束が重荷に来日し、記者会見するリビア暫定政府のビンハヤル外相。元最

「女だらけの戦艦大和」・雄々しい女、女々しい男!? «  | BLOG TOP |  » 「女だらけの戦艦大和」・壮大な作戦4<解決編>

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見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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