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「女だらけの戦艦大和」・宇宙戦艦大和1

トレーラー島に停泊する「女だらけの軍艦大和」の上に広がる夜空には、天の川が流れている――

 

キラキラと輝く星くずを踏みながら、麻生分隊士は歩いている。その星くずはまるで大河のようにはるかかなたに流れている。

(なーんか俺へんなカッコしてるなあ)和服のようなものを着て牛をひっぱって歩く自分にしかし、あまり違和感を感じない。

(そうだ、俺は今『牽牛』なんだ。このかっこで当たり前だな)

そうするとこの星くずは『天の川』ということになる。分隊士は、(じゃあ、織姫は一体どこにいるんだろう)と考える、織姫は当然オトメチャンでなければならない。

一年に一度の逢瀬であるから分隊士の心はときめいた。「全くよ、いったい何で一年一回しか会えねえんだよ。恋する若者はちょっとくらい仕事さぼったって会いてえんだよ。でもオトメチャンはまじめだから仕事をさぼったりしねえってのよ。だってのにあの親父はよう・・」ブツブツ言いながら歩いた。

二人――麻生分隊士とオトメチャンはもう以前から恋仲である。しかし恋におぼれてオトメチャンが織物の仕事をさぼったと言いがかりをつけたのが、オトメチャンを監督する「梨賀おやじ」である。

「梨賀おやじ」は無理やりオトメチャンを捕まえて、「もう!あんたたちいい加減にしてよ。会いたいのはわかるけどこうしょっちゅう仕事を抜け出されちゃあ困るのよ。だからオトメチャンは遠くに転勤!麻生さん、悪いけど一年一回だけここで会わせてあげるから、悪く思わないでねえ~」と言って嫌がるオトメチャンをM79星雲に転勤させてしまったのだ。M79星雲にはスケベな「森上おやじ」と「野村おやじ」、それに一番危ない「助平(すけひら、です)おやじ」が住んでいると言ういやなうわさを聞いている。

(オトメチャン、今日いよいよ会えるぞ!)

分隊士の胸はときめいた。そして分隊士には秘策があった。

(一年一回じゃもうたまんない。今日こそオトメチャンをかっさらって二人幸せになるんだ!)

そのために、分隊士は知己を通じて壮大な作戦を決行しようとしていたのである。

待ち合わせの場所に、麻生分隊士は来た。

だがまだ時間には随分と早かったようである。「仕方ねえ、でも待つって言うのも楽しいもんだぜ」などと独り言を言いながら牛をなでて星くずの流れる際に座った。牛はおとなしく分隊士になでられている。

「しかし、お前さんもいい牛だよなあ。俺なんぞに飼われてるよりいいところねえのかね?」

そんなことを言っていると向こうから誰かがあるいてくる。

額の広い人である・・・その人は麻生分隊士の連れている牛に目を止めた。何気に分隊士がその人を観察していると、その人は「はっ!」と息をのむなり分隊士の牛のそばに駆け寄ってきた。

「おお・・・おおすごい!」と言いながら牛をなでまわしている。

(なんだろう、このヒト?牛マニアかな)と分隊士が思った時、その人はいきなり分隊士のもとに来て、その肩をガッと掴んだ。

「おおう!」と分隊士はとっさのことで驚いて声を発してしまった。だがその人は動じることなく分隊士の肩をつかんだまま、

「あなた!こ、この牛はあなたのですかっ!?」

と血相変えて聞いてきた。その迫力に分隊士はちょっと腰がひけた。が、「はい、私の物でありますが?」と答えた。

するとその人は急にぼろぼろと涙をこぼし始め、更に分隊士の度肝を抜いた。どうしましたか、と問う分隊士にその人は涙をぬぐうと

「ごめんなさい、申し遅れました。私は宮崎県の県知事で西国原、と申します。実は私の県で牛・豚にひどい疫病が流行って、たくさんの牛、しかも種牛までもを殺さねばならぬ憂き目に遭っています。畜産農家の嘆きの涙は、この天の川の水より多いのです。・・・で、一つご相談なのですが、あなた様さえよろしければ・・この牛を私に、いや!宮崎県にいただけませんでしょうか!?」

と一気に言った。そしてまた、涙を流した。

分隊士は西国原さんという知事さんが可哀想になった。畜産農家の人も筆舌に尽くしがたい苦悩を抱えているのだろう。

「わかりました」分隊士の声に、泣いていた西国原さんは顔をあげた。分隊士は今度は自分が西国原さんの肩に手を置くと、

「この牛でよろしいなら、差し上げましょう。知事、ぜひこの牛をお役立てください!」

と力強く言った。西国原知事の顔に赤味がさし、広い額が心なしか光ったように見える。知事は分隊士を見つめて、

「ありがとう、ありがとう!あなたは宮崎の救世主です、畜産農家の希望の星です。・・・なんとお礼を言ったらよいやら・・」

とまたうれし涙にくれた。分隊士は西国原さんを励まして、「そうと決まれば早くこの牛を持って帰って役立ててください」と言って、知事は何度も頭を下げながら帰って行った。

(牛がいなくなっちゃったら牛飯が食えなくなっちゃうもんなあ、牛乳だって飲めない。しかしえらいことになってるんだなあ)

分隊士は思った。

 

その時、遠くから「分隊士ぃ~~」と呼ぶ声が聞こえてきた。声の方を見れば、織姫の衣装を着たオトメチャンが天の川のほとりを、星くずを舞わせつつ走ってくるところであった。

「オトメチャ――ン!」

分隊士は、オトメチャンのほうに走ってゆく――

            (次回に続きます)

         ・・・・・・・・・・・・・・・・

銀河ファンタジー。

牛を失った?牽牛麻生と、織姫オトメチャンの再会ですが、なんだか波乱の気配がしますぞ。

次回をお楽しみに!!


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Secre

ジスさんへ

おはようございます。
その後ご体調はいかがですか?ご無理なさいませんように。
テンプレ、また変えました(笑)。私も最近めっきり細かい字が読みにくくなりまして、読みやすいものを探しておりましたアセアセ。
宮崎の口蹄疫、報道が最近あまりないので「鎮火」か?と思われがちですが、まだまだですね。畜産農家の苦悩は続いています。
早く何とかしてほしいものですよね、国には。
今日も暑いですから御身大切に!

としぼーんさんへ

おはようございます。
暑中お見舞いをありがとうございます。本当に暑くって閉口ですが、日焼けがひどいことになっていらっしゃるようですね(汗)、よくひやしたりカーマインローションなどでほてりをとって大事にしてください。
こういう時こそ水分補給を十二分になさってください。
色々とこの話も「きいたことある」人が出てくるようになりましたww。
え!としぼーんさんの中では「芥川賞」ですか、うれしいですねえ~。
これからもがんばって楽しみながらこの話を書いてゆきますね、励みになります。ありがとうございます。
今日も暑そうです、くれぐれもお大事に。

松ちゃんさんへ

おはようございます!
七夕、今年は雨でしたねたしか。これこそ「旧暦」ですべきではないかと勝手に思う私ですがーーなんか七夕って色気がありますね。不思議です。
しかししかし、三途の川には間違っても行かないように!あれは、「一級河川」の暴れ川です~~~!!

こんばんは。いつもありがとうございます。
テンプレート、字が大きくて読みやすいですね。最近細かい字を読むのが少しつらいです。
今回もタイムリーな話題ですね。疫病も大変だし、関係者の方が一日も早く安心できるようになってほしいものです。

暑いですね~暑中お見舞い申し上げます。
昨日、横須賀の海に海水浴に行って、うかつにも全身大やけど状態になってしまいますた;;
さて,西国原知事! どっかで聞き覚えがありますねw 仕分けから口蹄疫問題へと移行してまいりました。今後の動向が全く読めない、「女だらけの大和」 俺の中では芥川賞受賞していますよ! 
これからも暑さに負けず護国運動にまい進してください。    
                     英霊鎮守

夢見る夢は恐ろしい夢・・・

見はりんさん、こんにちは。 七夕の時はどうしても天の川の色っぽい出会いのこと考えるんですが、なんですねぇ~ そんな時に限って三途の川の方に間違って行きそうになるんですよねぇ~あはっ!
プロフィール

見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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