2017-10

「女だらけの戦艦大和」 ・ 兵曹、戦闘機を調達する - 2009.11.25 Wed

「女だらけの戦艦大和」から見張兵曹が忽然と消えて、半日以上が立っている―――

 

見張兵曹は、3子ブタどもを捕まえて台所に引っ張って行って食器の洗い方から、だしの取り方、米のとぎ方まで教えた。魚の煮つけの仕方も、卵焼きの焼き方も。

そのあと居間に引っ張って行って掃除の仕方。床の拭き方から箒の使い方、雑巾の絞り方まで。ときどき「そんなこともできんのかあ!」と尻をしゃもじでひっぱたきながら。

そのあとさらに洗濯の仕方。洗濯物の干し方まで教えねばならず見張兵曹は怒り心頭である。「そんなにくちゃくちゃにほしたら、乾いた時どうなるか、貴様ら想像もつかんのか!」また、ケツバットならぬケツしゃもじ。

「ぶひ――ーッ!」と3子ブタは叫びながら耐えた。殺されて、食われるよりはマシだからだ。

ざっと一通り終わって、コブタ達はほっとした。これでもうこいつは帰ってくれる、そう思った。が、甘かった。

見張兵曹はしゃもじを持った手を振り回し、「じゃあ、貴様ら。昼飯を作れ、さっき言ったようにするんだ。今日はご飯とみそ汁、白菜の浅漬け、卵焼き、カレイの煮つけだ!――かかれ!」と命令した。

子ブタたちはもう泣きそうになりながら、必死で作った。ちょっとでもへまをしたら、今度は絶対食われる。

ようやっと、食事が出来た。見張兵曹の前にイシバが恐る恐る、運んできた。

「どうぞ、、、」と並べる。兵曹は「うん」と言って箸をつける。その口元をこわごわ見ていた3子ブタだが「・・・うん、うまくできている。よし!」と言われてほっとした。そのあとも子ブタはこき使われてくたくたになってしまった。

そんなことをしている時、あの福島大尉にそっくりな魔女が子ブタの家に向かっていた。福島大尉、ではない、魔女はお菓子の家を食われた仇を討つべく、見張兵曹の行方を「13号電探」などを駆使して探していたのだ。

そしてやっとこさ、コブタの家にいる兵曹を探し当てた。「お菓子の仇、、、これでとってやる」と、魔女が出した秘策は「毒りんご」

「これを食ったならどんな奴でも体がしびれて動けない。そこをバッター制裁だ!」と意気揚々としている。

魔女は、姿を一般女性に変えて子ブタの家に近づいた。子ブタの家では、縁側で見張兵曹は寝ころんで新聞を読んでいる。コブタたちは家の中でお仕事中らしい。「しめた!」

「あの~。ごめんください」と姿を変えた魔女は話しかけた。ふと新聞から顔を上げた見張兵曹は一瞬ポカンとしたが次の瞬間顔色を変えて、「何の用だ!縁は切ったって言っただろうがあ!!」と怒鳴った。いきなり怒鳴られて魔女はビビった。魔女はなんでか、見張兵曹の育ての母親に化けちゃっていたのだ。

「あ、、あの、人違いです。私はあなたを存じません」と魔女はあわてた。ここで失敗したら計画はとん挫する。「ああ!?」ときつい目つきで魔女を見据えた兵曹は「似てるがな。違うんならいいよ。で、何の用だ」と言った。

「このリンゴ、おいしいんですよ。ぜひ召し上がっていただきたくて」魔女はもう、必死。兵曹はちょっとその林檎を見たが、3コブタを呼んで「切ってくれ」と命じた。切り終わると「貴様ら、食え」と言った。魔女は「いえあの、、、あなたに、、」と困ったが「貴様らが食え!」と命じた。喜んで食べるコブタ、だがすぐに体がしびれて動けなくなった。

「はあ~~~ん、そうか。やっぱりな、あんた縁を切るだけじゃ足りなくって俺を殺そうとして来たな!そうはいくか!」と怒鳴るなり、残ったリンゴを掴んで魔女の口にねじ込んだ。

魔女、自分の罠にはまるーーー。「何のことだか、、、」しびれる口で、魔女はわけが分かんない、とつぶやいた。

「その手にのるか!」と言い捨てて、兵曹はまた双眼鏡を担いで先を急いだ。

一体どこまで行けば「大和」に乗れるんだろう。だんだん不安になってきた。「こうなると、歩くんじゃなくって空を飛ぶって言うのもいいかもねえ」とちょっと弱気になってきた。しかし、飛行機はいつだったかの<天山>以来、ちょっと怖い。

そんなことを思いながら歩いていると、前方に妙な生き物がいるのに気がついた。

「水色の、象だ!!」

水色の象さんは、デカイ尻をこっちに向けて水溜りの水を鼻で吸い上げて飲んでいるようだった。珍しい光景に、見張兵曹はもっとよく見てやろうと、象の前に回り込んで驚いた。

その象さんの顔は、松本兵曹長にそっくりだ!!ふと、兵曹の頭にいたずら心が浮かんだ。どうせこいつは松本兵曹長じゃないんだからこき使ってやろう、と思ったのだ。そこで兵曹はかぶっていた戦闘帽をあみだにして、「よう!」とちょっと不良っぽく声をかけた。水色の松本象は顔を上げた。そしてまるで松本兵曹長のような声と顔つきで「なんだよ、何の用だ!」とうなった。

しかし、見張兵曹は臆することなく「お前、象なのか?」と言いながらその尻をぴしゃぴしゃと叩いた。

「そうだよ、象だよ。だからなんだってんだよ、この野郎」見た目はちょっとかわいいのに口が悪い水色の象さん。ふと、見張兵曹がそいつの顔を改めてみると、なんだか耳が異常にデカイ。思わず手にとって広げてみると、まるで零戦の翼だ。

「おお、、お前すごいいい耳してるなあ!」と、感にたえたように兵曹は言った。すると象はちょっと威張った感じで「おめえ、よくわかるじゃねえか。この耳はそんじょそこらの耳とは違うんだぞ、―――あのな、空飛べるんだぞ」と言った。

「なに!空を、だと」 「ああ、飛べる」

見張兵曹はこいつをうまく利用してやろうと思った。「でも、、例えば人を乗せてちょっと遠くまで飛ぶなんてことは出来まい?」

象は、水色の顔を赤くして「そんなことはない!ちょっとどころかうん遠くでも行ける。人の3,4人どうってことはない」と反論した。

見張兵曹は内心、シメタ!と思った。そして「じゃあ、この俺を乗せて飛ぶくらいは朝飯前、って思っていいんだな?」と畳みかけた。象は「当たり前だ、おめえくらい、屁でもねえ」と威張った。

「じゃあ、俺を乗せて<大和>まで飛べ」見張兵曹の言葉に象は「いいけど、、、飛んでったら何くれる?」という。兵曹はちょっと考えて「じゃあ、リンゴをやろう。青森産のうまい津軽リンゴだぞ」と言った。象は「・・・り、、、りんご!」と喉を鳴らした。「行こう、行こう早く!!」という象に兵曹は「いやちょっと待て。そんな目立つなりではもし敵機が来たら撃ち落とされる(こんな奴と死ぬのはいやだし)。だからちょっと<塗装>させろ」

そして、、、水色の象さんは見張兵曹によって「緑色の零戦仕様」にされてしまった。しかも胴体には日の丸まで書いてある。耳にも日の丸。

なんだかおかしくって大笑いしたいのだが、必死にこらえる兵曹。象は不審げに「笑ってんのか?おい、、なんか変なことしたんじゃないだろうなあ」というが、兵曹はごくまじめな顔で「いや。そんなことはない。これで貴様は空の王者だ」と言ってやった。

「空の王者!!」象はすっかりその気である。「おい、早く乗れよ!」

「ああ、でもちょっと待て。一応、武器も装備しとかないとね」と兵曹は言って、そこらに落ちている小石をたくさん拾って、象の鼻の中にねじ込んだ。

「ぶふぉ、、、いてえなあ。何すんだよ!」という象に、兵曹は「お前の鼻、機関銃だぞ。かっこいいそ。まるで<零式艦上戦闘機>だな、帝国海軍航空隊の花形だぜ!」とおだてた。

「へへへ、、そうかあ!?――じゃあ行くぞ、乗れよ。いいか!」

水色の象・・・名前は<段暮>(ダンボ)というらしいが・・・は、見張兵曹をその背中に乗せると、意外に軽々と宙に舞い上がった―――――

 

             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3匹の子ブタと魔女を撃退した後は、段暮(ダンボ)ですって。

一体この先何が出てくりゃあいいのでしょうね。それより兵曹は生きて元の世界に戻れるんでしょうか?????


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● COMMENT ●

チハタンさんへ

彼女に一番似合わないのが「航空機」ですねえ、、、(汗)。
いっそ思い切って、落下傘部隊にでも配属にしようかしら、、??

松ちゃんさんへ

こんばんは

いやあ、、、話が広がりすぎて困っています、正直。
でも今夜で一応この話は完結にしましたがちょっとシリアスタッチになったかな、と思っています。
次回からはまたいつもの通り、、、、なお話になるかも!!?

matsuyama さんへ

似たようなお話がきっとあるんですね、読んでみたいですねえ!!
見張兵曹は、やっぱり不死身、、、ですね。

NoTitle

重爆撃機にオトメチャンは何処に
次は空の神兵ですか

エースパイロット

見はりんさん、こんにちは。 今度はデズニーか宮崎駿の世界か・・・というぐらい話が広がってきましたねぇ~楽しみです! 巨体戦闘機”段母”で体当たりや鼻パンチ攻撃で群がる敵機を叩き落してください、華々しい活躍を期待しております。

NoTitle

この話なんだかおとぎ話にあったような気がしますね。
タイトルなんだったか忘れたけど、毒入りりんごや相手をだまして飛行機に乗る、っていう話。
あの手この手を尽くして見張兵曹、大和に戻れるのかな。


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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