「女だらけの戦艦大和」 ・ 陸軍さんと一緒|女だらけの戦艦大和・総員配置良し!

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「女だらけの戦艦大和」 ・ 陸軍さんと一緒

2009.11.19(21:56) 122

「女だらけの戦艦大和」は、輸送任務のためとある群島に向かっていたーーー

 

「何が悲しゅうて、輸送任務なんだよなあ!この、帝国海軍の秘蔵っこ<大和>様がよぅ!」と麻生分隊士は口をひん曲げて不満を漏らした。しかも、今回の荷物は陸軍の兵隊さんたちと、彼らの大事な大砲などの兵器である。

「さっき、砲術長が陸さんの大砲見てきたんですって。でも、なんだかちっちゃかったて言ってましたよ」と亀井一水が利いた風な口を聞く。

「そりゃあなあ、<大和>の主砲と比べちゃ、かわいそうってもんじゃねえの?だけどあの陸さんたちも大変だよなあ。重い物背負ってジャングル歩いて、、、俺にゃあ出来ねえ」と麻生分隊士が頭を振った。

それを黙って聞いていた見張兵曹は、以前ベケス島に上陸した際、とても重い測距儀を背負わされたことが鮮明に記憶に残ってるので、陸軍さんの苦労が他人事に思えなかった。

そして思った(私は海軍でよかった・・・・)と。

そんな海軍さんたちの思いを知ってか知らずか、陸軍さんたちは「大和」の居住区や甲板上でちょっと不安な時間を過ごしている。

そんな彼女らの癒しに、あのトメキチがなってくれている。

トメキチが、二本足で歩いたり海軍式の敬礼をするのがたまらないらしい。

「このワンちゃん、自分はほしいであります!」とか「こないだのワンちゃんを飼っておけばよかったであります」「あんな凶暴な犬は飼えんぞ」とか「このワンちゃん、もらえないでありますか!?」などと口々に言っている。しかし、トメキチには、こういう事態を想定してか見張兵曹が背中に<見張トメキチ 軍艦大和航海科所属>とペンキで書いてしまっている。錨のマーク付きで。

独立混成第800連隊の連隊長は、気さくな人で兵たちの間に入ってそんな話にも参加していたが、故郷に残してきた飼い犬を思い出したのか、ちょっとメランコリー、、、。

 

そんな陸軍さんたちとも、彼らの任地の<イタンヘ群島>のメカバデという、大きな島の入江で別れることに。

たくさんの陸兵さんと大砲が降りてゆく。大発に乗って遠くなる陸軍さんたち。

「またねえ!!武運長久――!」などとちょっとわけの分かんない別れの言葉にも、陸軍さんたちはこちらを振り返って名残惜しげである。

「ああ、、、<大和>。またいつか迎えに来てくれるかなあ」

「あの食事はとっても豪華だったなあ、、、また食いたい」

彼女らは、この数日の<大和>での生活を懐かしく思い出している。

「でも驚いたのは便所ですよ。水が流れる便所なんて初めて見ましたよ!!でも最初、そのまんまでいっちゃって、エライ怒られましたよね~」

彼女らは、<大和>で初めて洋式の水洗便所を見たのだ。使い方の分からない彼女らは、便座の上に乗っちゃったり前と後ろを間違えたり、流さないでそのまま行っちゃったりと大騒ぎを巻き起こした。

もっともーーー便座に乗っかるくらいは初めて乗艦して来た水兵もやるのでどうってことはないが、流さず大ごとになった時はとても恐縮して大和の「厠当番」と一緒になって大掃除もした。

「でもこれで1つ、利口になったであります。里にいい土産話が出来たであります」陸兵の一人は嬉しそうに笑った。

「自分は<大和>の中が驚きだったであります、大和の兵隊さんたちは<ベッド>というものに寝ていたであります。それから涼しい風が出ているところもあったであります」ほかの一人。

さらにほかの一人が「でもやっぱり、なんといってもあの食事だな。彼女らは、いつもあんな祭日のような食事なんだねえ」と言って、皆ため息をついた。

たくさんの陸軍さんの中の一人、東上上等兵は、艦内で出会った『見張兵曹』という人物を思い出していた。

船酔いした東上は、仲間から少し離れて最上甲板の隅っこで苦しんでいた。そこへ通りかかったのが見張兵曹で、「どうしました?船酔いですか」と聞いて、東上の背中をさすってくれた。

「すみません、、自分は山の中の出で、船は乗ったことがないであります」と東上は弱弱しく言った。

見張兵曹は「私も海を初めて見たのは海兵団に入ってからですよ」と笑った。東上は「え、、海軍さんでも海を見たことがない人がいるでありますか?」と心外な、、という表情になった。

見張兵曹は笑って、「たくさんいますよ。私の班の一人は山育ちで刺身を食うのも苦手だと言いますよ」と、背中をさする。

「そうでありましたか・・」と東上上等兵はつぶやいた。見張兵曹は「あ、、そうだ」と小さく言って、ポケットから小さいビンを出した。

「これを差し上げましょう。酔い止めになるでしょうから」差し出されたのは<梅干し>の入った瓶だ。

「このようなものをいただいては」と必死に断ったが見張兵曹は「いいんです。私はいつでも手に入ります。これはあなたと私が出会った記念品です」と言って東上上等兵に握らせた。

「ありがとうございます」と押し頂いて、ビンの口を開け、一つを口に含んだ。強烈な酸味が口中に広がり、胸につかえていたものが降り、気分の悪さがすっ、、と消えてゆく。

そして懐かしい故郷の風景が浮かぶ。

「では、私は当直がありますので。また」と、見張兵曹は言って敬礼すると踵を返した。東上上等兵もその後ろ姿に敬礼した。

―――その梅干しのビンは、今大事に東上上等兵のポケットにある。彼女の胸に、見張兵曹の面影が浮かび(また会いたい、、あの人に)と、熱烈に思った。

そして彼女ら独立混成800連隊のみんなは、メカバデの奥に入って行ったのであった。

 

その頃、<大和>は泊地に戻るために航行していた。

防空指揮所で当直が終わり、交代要員の後ろでぼんやりあの陸兵さんの事を考えていた見張兵曹に、麻生分隊士が寄ってきた。そして「オトメチャン、、何考えてんだ?」と聞いた。兵曹は「・・いいえ。別に何も考えてはおりませんが」と言ったが、麻生分隊士は「あの陸兵の事でしょう?知ってんだよ、オトメチャンがあの兵隊と親しく話をしてたの。何を話してたんだ?」と詰め寄った。

見張兵曹は「あの人が船酔いしてたんであります。だからちょっと背中をさすっていたんでありますよ!」とちょっと体を引いた。

麻生分隊士はガシッ!とばかりに見張兵曹の両肩をつかんだ。

そして「嘘だあ!オトメチャン、あいつに気があったんだろう?おれってものがありながらぁ、、。よしっ!今からお仕置きだ、こい!!」というなり、兵曹を引きずって下に消えた。

交代で双眼鏡をのぞいていた酒井上水は(全くなんでもそっちに持ってきたがるんだねえ、麻生分隊士は。変な人!)と思ってクスクス笑ってしまった。

 

<大和>は南方の月夜の海を、波を蹴立てて進んでゆく。

―――しかし、この後とんでもない事態が待っていることに、今はだれも気がつかない。

 

           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

実話をもとにしました。

かつて<大和>は陸軍さんたちを運んだことがあったのですね。その際、結構大騒ぎがあったそうで(笑)。水と油、のような印象のある海軍と陸軍ですが、末端の兵員には心通じるものがきっとあったと思います。

・・・さて、とんでもない事態、とは一体!!!


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コメント
こんばんは!

麻生分隊士、ライバル多すぎなんですよね。というか自分で勝手にライバル視しちゃうんですね。思い込みがひどいタイプかも、、、?
見張兵曹この後うんと大変な目に会います。
ご期待を・・・!
【2009/11/22 00:09】 | 見張員 #- | [edit]
さあ、麻生分隊士の強敵ライバルが現れましたね。嫉妬の拷問(?)が始まるんでしょうか。
見張兵曹危うし?それとも歓迎?乞うご期待、ですね。
【2009/11/21 13:03】 | matsuyama #- | [edit]
うーーーん。

貧乳・微乳はスルーでしょうな。
貧乳の私としてはいいような悪いような、、、(汗)。
【2009/11/20 22:48】 | 見張員 #- | [edit]
こんばんは~~

ひええ!!メカバデにはそんな人種がいたのですな!
危うし陸軍さん!
やべえ~~~。
【2009/11/20 22:47】 | 見張員 #- | [edit]
貧乳、微乳はセーフ?
めでたくもあり、めでたくもなし
【2009/11/20 17:01】 | チハタン #- | [edit]
見はりんさん、こんにちは。 聞くところによるとイタンへ群島のメガバデという島の原住民は食人の習慣が色濃く残っていて、特に若い女性が好みとか・・・ジャングルの茂みに引っ張って行き大きなオッパイにかぶりつくのを見ちゃいました・・・なりてぇ~!
【2009/11/20 12:52】 | 陸戦隊 #- | [edit]
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