2017-10

「女だらけの戦艦大和」 ・ 私ノ可愛イお人形。 - 2009.10.08 Thu

「女だらけの戦艦大和」は今日も女たちの野太い声があふれている。

さて、今日は梨賀艦長の古い友人の参謀が、「大和」に来ることになっていた。ただ、艦長に言わせると「ちょっと変わった人。なんだか妙な趣味があるらしい」とのこと。

その趣味がなんなのかは艦長も良く知らないのが危なっかしいところだが、艦長いわく「まあ、人畜無害な趣味でしょう」。

ならいいんだが。

 

やがて、件の参謀「助平」参謀が来た―――。

スケベ、と読むなかれ。スケヒラ、である。スケヒラ参謀は、梨賀艦長と久しぶりの握手を交わした後、「これが<大和>なんだねえ!いいねえ、この不沈艦の面構えといい、乗組員のかわいさと言い、、、」とひとりごちて、首から下げた双眼鏡であちこち見てる。砲身にまたがって磨く砲術科の兵員や、高角砲、機銃の兵たちなど舐めるように見てゆく。

梨賀艦長は「そうでしょ!艦長幸せ!みんなたくましいし、かっこいいし!勇ましいし!」と一人でよろこんでいる。

ふと、スケヒラ参謀が双眼鏡の手を止めた。一か所で止まっている。

「どうしたのお?」と、梨賀艦長が聞くとスケヒラ参謀は「ねえ、、あの子、だあれ?」と言って双眼鏡を艦長にのぞかせる。

双眼鏡の中には、艦橋にいる麻生分隊士と見張兵曹がいる。艦長は、「ああ、これは麻生分隊士。航海科の士官だよ」と教えたがスケヒラ参謀はかぶりを振って、「士官なんか興味ないの!その横の子!」という。艦長は「ああ、、、この子は見張兵曹だねえ、この子は麻生分隊士の、、、あれ!!??」言いかけてふと横を見ると、スケヒラ参謀はもうどこかにすっ飛んで行ったあと。

「・・・・なんなのよ?」艦長、取り残されてちょっと不満気。

さてスケヒラ参謀は艦橋の見張兵曹目指して一目散に走った―――が、不案内な「大和」のことであちこち迷った。でも、親切な乗組員のおかげでやっと、艦橋トップにたどりついた。

そこには数人の見張り員と麻生分隊士、そして艦長の新しいデッキチェアーがいる。チェアーは相変わらず邪魔で森上参謀の新しい闘志の対象になっている。             

スケヒラ参謀はもったいぶってエヘン、と咳払いをしながら麻生分隊士と、見張兵曹に近づいた。その参謀に気づいて、二人は敬礼。

参謀は「勤務中申し訳ないな、私は梨賀艦長の古い友人でスケヒラと言います」と丁寧に挨拶した。

麻生分隊士と、見張兵曹も自己紹介。スケヒラ参謀は、二人にいろいろ聞いてまずは親近感をあおって警戒感を無くしたたあと、さりげなく見張兵曹の肩に手を置いた。そして「後でちょっと来てほしいの。呼びに行かせるから、来てね」と囁いた。

とたんに。

麻生分隊士の曲がった口がさらに曲がった。(こいつ!私のオトメチャンに何する気だ?)

見張兵曹はちょっと緊張して「はい、では後ほどお伺いいたします」と答えてる。麻生分隊士の心などどこ吹く風のようだ。

 

その晩。兵曹はスケヒラ参謀の誘いを受けて、参謀の泊まる部屋に行った―――参謀はことのほか喜んで兵曹の手を取って「さ、早く入って。あなたのためにお食事を用意したの。さ、早く」と部屋にいざなった。

テーブルには、今まで見張兵曹が見たことないようなごちそうが並んでるではないか。とんかつ・刺身・鯛の姿焼、、、、しかもお酒まである。しかも「鴨鶴」、銘酒だ!!

「おあがりなさいな」と、まるで優しい母親のように微笑むスケヒラ参謀に、見張兵曹は心を開いた。ほとんど全開に近い。

「いただきます」と、遠慮なく食い始めた。普通、もっと遠慮するものだが、、、。

その間、スケヒラ参謀は兵曹の生い立ちなどを聞いたりして笑ったり涙したりと忙しかった。「え、あなた海軍省の見張さんの妹さんなの!?」と驚いたように言った。

「はい、姉たちはあっちこっちで活躍しとります。兵学校出のエリート、だそうであります」

「そう、、そういえば<見張>さんてあちこちで聞くわねえ」とスケヒラ参謀は感心した。そしてふと立ちあがって兵曹の後ろに立って「でも、、、一番かわいいのはあなた、よ」とその肩に手を置いた。

はっ、、、なんだこの手の置き方は。

見張兵曹はもう、麻生分隊士でそういうカンが発達していたので<やばい>と感じた。何気に部屋を辞そうと思った瞬間。

兵曹は気を失っていた。スケヒラ参謀は、にっこり笑って「お薬が効いて? はい、逃げちゃあだめよ。私のお人形さん?」と兵曹を抱き上げ、ベッドに置いた。―――さあ、大変。

 

見張兵曹は、その晩居住区に帰ってこなかった。 そして次の日も、姿を現さなかった。麻生分隊士はこれは何かあったとみて、副長に申し出たが「スケヒラ参謀のお手伝いで何かしてるんでしょう?あんたちょっと騒ぎすぎ。好きかも知んないけどさあ!」と一蹴されてしまった。

森上参謀はただ笑うだけでなんの助けもしてくれない、、。

そうは言うけど、一晩帰ってこないなんて。もしかしてオトメチャンはあのスケベスケヒラ参謀に食われちゃったのではないかとマジで心配になった。

その日も夜になったが兵曹は戻らない、もう我慢の限界に来た麻生分隊士と、小泉兵曹、そして面白半分の亀井一水たちはスケヒラ参謀の部屋に乗り込むべく艦長に直談判に行くことにした。

艦長はさすがに友人の行いが尋常ではないことにやっと気付き、参謀が泊まる部屋に突入を許してくれた。

途中、力自慢の機関科兵曹長・松本にあったので事情を話して付いてきてもらう。松本兵曹長は普段から見張兵曹がうざくってたまらないので、今回もしかしたら殴れる機会があるかも、、、と内心期待して来た、、、やなやつである。

艦長以下、分隊士ら一同スケヒラ参謀のいる部屋の前に並んだ。

艦長がドアをノックする。「スケヒラさん、、梨賀だけど。ここ開けてくんない?中に見張兵曹いるでしょう?分隊士が返してほしいって」

するとドアの向こうから「ここにはいないわよ。もう帰りました。私はちょっと風邪ひいたから寝てるの、帰って」と張りのある声。風邪の声ではない。

艦長はこれはもうあやしいと、「松本、ドアを蹴破れ!!」と号令。「はいいい!!!」と、力自慢の松本兵曹長が思いっきりドアを蹴破った。バリイ―――ンン!!と、まるでダンプかブルドーザーのようだが当時の日本にはそのどっちもなじみはない。

ドアはすごい音を立てて吹っ飛んだ。一同ドドド、、、っと部屋に乱入。そして皆がそこで見たものは―――

すごい音に呆然としているスケヒラ参謀のそばのベッドに、下着一枚で寝かされた見張兵曹。そのそばにはいろんな衣装が散乱している。 女学生の着るへちま襟の制服見たいな服、矢絣模様の和服、カフェの女給さんの着るようなエプロン、良家の奥様風のもんぺの上下、、などなど。

スケヒラ参謀「いやーーーん、私のお人形持ってかないでえ~」と叫ぶ。艦長唖然、、、「あんたの趣味って、、、こういうことだったの???」 艦長初めて知った~。

麻生分隊士は怒りで震えるし、小泉兵曹と亀井一水は笑いをこらえるのに必死だし、松本兵曹長は衣装と兵曹を見比べている。

艦長は「だめだよ!!この兵曹は、この麻生分隊士のものなんだからね!ほかに探しなさいよ」と言い放った。ちょっとベクトルが違ってる、、、、。

麻生分隊士の顔が、ぱあぁぁ、、、と明るくなった。(俺のもの、だって!!艦長わかってる~~!!)

小泉兵曹と、亀井一水は(あーあ、言っちゃったよ。もう引き返せないね、オトメチャン)と心の中で笑う。

松本兵曹長は(こいつにこんなかわいい服とか着せて、、、このひとはいったいどういうつもりなんだろうねぇ???)と、イマイチ分かっていないようだし。(時間の無駄っぽかったなあ、、来るんじゃなかった、こいつ殴れそうもないし)

ともあれ、スケヒラ参謀はがっかりした様子である。「・・・そうだったの。この人のお人形だったのね、、。でも!」

いきなり麻生分隊士のほうに近づくと「あなた、この子がほんとに大事なのね。この子をきれいなまんまにしてる」と言った。

麻生分隊士は「き、、、きれい!?」と、素っ頓狂な声を上げた。そして「見、、、見たんですか?」と今度は低い声で言った。スケヒラ参謀はうなずいて笑った。

麻生分隊士は「おれ、、、まだ見てないのに。先越された」と悔しそうである。分隊士は、しかし毅然として「では兵曹は私が引き取ります、よろしいでしょうか」と言い放ち、スケヒラ参謀は承知した、、、、しぶしぶだが。

 

見張兵曹は、その場のシーツで簀巻きにされて麻生分隊士の部屋に持って帰られたうえで看護された。ややあって、ようやく兵曹は薬が切れたか、目覚めた。

「あれ、、、分隊士?」という兵曹に分隊士は「オトメチャン、、ひどいじゃないの!」と泣きついた。「なんのことでありますか?」という兵曹に、分隊士は、「あの参謀にはみせといて、俺には見せてくんないなんて。今日こそは、、、な!!」と叫んで兵曹を抑え込んだ。

すっごい力、馬鹿力。その手でシーツをはごうとした。

「いったい何のことでありますかあ!!見せるの見せないのって、わかんなーーーい!!!」と、

見張兵曹は叫んだ。そしてむっちゃくっちゃに暴れて、とうとう分隊士の部屋をシーツにくるまったままで飛び出した。「そんなこと言う分隊士、きらいだあ!!」

「待って、オトメチャン。俺が悪かったから、待ってえ!!」と叫んで後を追う分隊士。

それを途中、廊下で出会った士官連中に「麻生少尉、お人形が逃げてくぞ、ワハハ!!」と笑われ、もう何が何だか分かんない状況の二人であった。

ああ、、スケヒラ参謀のばか。あなたがあんなことさえしなかったら普段通り落ち着いた幸せな日々なのに。

 

件のスケヒラ参謀は、その晩梨賀艦長と酒など飲みながら、何事もなかったように過ごしたとか。

いいよな、えらい人は。<のど元過ぎれば熱さ忘れる>、、か!?

負担を負うのはいつでもどこでも下の人間であります。はい。

 

          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

当初考えていた話はもっと過激だったのですが、さすがに恥ずかしくなって考え直したのがこれです。

たいして変わってないかも。

ああ、、最近欲求不満なんでしょうか。 一ヶ月くらいぶっ通しで眠ったらまともになれそう。

次回は美しい話を書きたいものであります!


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● COMMENT ●

松ちゃん さんへ

こんばんは~。
そう、、、生きたお人形です(淫笑)。 萌えちゃいますか、やっぱりこの手のお話はみんなお好き、、、ですね、うふふー!!!

matsuyama さんへ

こんばんは
そうですね、いわゆる女子校のノリっぽいやつでしょうか。
女同士は嫉妬やなんかで結構ねちねちしてるかもしれませんよ(笑)。これをリアルに、、、となるとちょっと、、、問題あり!?

危険なゴッコあ・そ・び

見はりんさん、こんばんは。 着せ替え人形ならぬ人間だったのですね、もえ~! チョット、路線が違うけど同じ趣味かも・・・e-51

NoTitle

女だけの世界って得てしてこういう関係ができるみたいですね。
男としては興味をそそられますけど。
ブログでリアルに表現するとなると難しいんでしょうね。

チハタンさんへ

なんでこんなにそそられるんでしょう、、、
「お人形さん」という言葉は、、、うふふ。危ない感じがいいよね~~~。

NoTitle

おにんぎょうさん
なにか倒錯的ですね・・・いいよいいよです

ジスさんへ

こんばんは~
そうそう!!コスプレマニアですよ!!
でもこれも、他人に着せて喜ぶようになるとある意味、犯罪だなあ、、とか思いました(笑)。
確かに男性同士よりは女同士の方が、まだ「うつくしい」、、、ですね、ヘヘヘ!!
まだまだ過激になりそうなこの物語をどうぞよろしく!!

NoTitle

+。:.゜こんばんゎヽ(´∀`)ノ .:。+゜。
だんだんと過激になってゆく様子が嬉しいです。
いわゆる「コスプレマニア」だった・・っていうことでOKでしょうか?女性同士だときれいだけど、コレ男同士だと醜いですね・・。


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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