2017-10

「そこまでやるか!?」―女はつらいよ 1 - 2016.07.28 Thu

「女だらけの帝国海軍」軍人嬢たちには―深刻な悩みがある――

 

ここはトレーラー環礁・従妹島の航空基地。小さいが精鋭が集っている。その航空部隊にちょっとした騒ぎが持ち上がろうとしていた。

じりじりと照り付ける日差しの中を、訓練から帰ってきた一番小隊の零戦三機。それぞれから降り立ったのは後藤少尉、黒川上飛曹、赤瀬一飛曹。彼女たちは飛行帽を取って、腰のポケットから手ぬぐいを取り出してそれで首筋や額を拭きながら急いで司令の待つヤシの葉で葺いた小屋へと走りこみ、訓練終了を告げた。

従妹島航空基地司令の雨宮シメ中佐は満足そうにうなずき

「お疲れさま。今日の訓練はあなたたちで終わりだね…。あ、そうだ明日水島から健康診断のため軍医が数名来る。今夜中に湯を使って体を綺麗にしておくように、婦人科検診は今回は無しだがその代わりと言っては何だが、久々に検尿検便もあるそうだからそのつもりで」

と言って司令部の建物へと去ってゆく。

残った三人は参謀嬢に敬礼してから宿舎に向かう。

赤瀬うめ一飛曹が

「ねえ後藤少尉。健康診断はともかく、私、その…検尿検便はちょっと困ります」

と言って後藤三枝子少尉と黒川絹上飛曹は「え?なんでさ?」と立ち止まり赤瀬兵曹を振り返った。赤瀬兵曹は少しためらったあと

「だって…。私今朝からアレなんです。アレの最中に尿検査とか何とか…ちょっと嫌なんです。避けられないんでしょうか」

と言った。その表情はあくまで必死である。

「え!」

「なんと…」

少尉と上飛曹は声を合わせて「アレだとは」と言って顔を見合わせた。赤瀬兵曹は困ったような顔で立ち尽くしてしまった。

その赤瀬兵曹に「まあ、中でゆっくり考えたらいい」と引っ張って宿舎に帰った三人であったが、宿舎内ではほかの搭乗員嬢や整備兵嬢たちが騒いでいた。

後藤少尉は

「なにをそんなに騒いでるの?なんかあったの?」

と尋ねてみると少尉の一番そばにいた三番小隊の香川二飛曹が

「少尉はお聞きになりましたか、明日の健康診断のことを」

とそっと言った。最近この基地に赴任してきたばかりの若い下士官嬢で、何事にも遠慮がちであるがこの時は身を乗り出すようにして後藤少尉に語った。少尉は

「ああ、いましがた聞いたが…それがなにか?」

というと香川二飛曹は自分の右に立っていた五反田一飛曹をそっと見た、五反田兵曹が香川の代わりに

「あの、あれがあると伺いました…その…」

というと後藤少尉は

「ああ!検尿検便ね。ずいぶん久方ぶりなんだが、あなたたちはもしかして海軍入って初めてかな」

とさらりと言った。すると下士官嬢たちの最後列から彼女たちをかき分けて前に出てきた下士官嬢が一人。彼女は上田茜上飛曹であったが彼女は

「困るんです…実はここにいる下士官たちの半分以上がその…アレでして」

と言って心底困った表情を作った。後藤少尉は、瞬間赤瀬兵曹を見返ってから皆のほうをもう一度見ると

「なんだ、あなたたちもアレなのか!赤瀬兵曹も今朝からと言っていたね…そうか…なら司令に申しあげて今回は見送らせてもらえばいいだろうに」

と言ったが上田上飛曹はかぶりを振って

「実は隊長から司令にお話ししていただいたんですが、司令は『それでもかまわない。その状態のものは瓶の名札に赤丸をつけておけばよい。うちの軍医長もそういっていたから』とおっしゃって、とても避けられないんです。でも、どうも私たちその状態の時には抵抗があって」

といい、身に覚えのある下士官嬢たちはうつむいてしまう。

後藤少尉はウーンと考え込んで腕組みをした。その後藤少尉に黒川兵曹が

「まあまだ時間はありますからゆっくり考えればいいですよ。それより食事の前にシャワーを浴びませんか」

と言って一番小隊の三人は浴室へ…

 

その晩遅く、アレの最中の搭乗員と整備兵嬢が一室に集まって話し合いの最中。

一人が「いっそ思い切ってやりますか…?やらないとお咎め受けそうで私怖いし」というともう一人の下士官嬢は

「でもこんな時に検査をしてきちんと正しい結果が出るのか?私はそうは思わないからやりたくない」

とそっぽを向いた。さらに別の下士官嬢は

「司令はもう月経のあがったおばさんだからアレの現役の我々の気持ちなどわからない、忘れ去っておられるんでしょう。私も抵抗あります」

「でも提出しないと怖い罰直が待っているかもしれませんよ…?」

と議論はいったり来たりでなかなか答えが出そうにない。

 

長い時間が過ぎ、一人また一人と大きなあくびをし始めたころ。

小林昭代整備兵曹が意を決したように顔を上げ

「こうなれば窮鼠猫を噛む、いや違う、背に腹は代えられません!私にいい考えがあります。もうこれしか手はないと思います」

と言った。

その悲愴感さえ覚える表情に、その場の下士官嬢たちはいっせいに

「なに?どんなことです?言ってください、言え!」

と身を乗り出した。

小林整備兵曹は、居住まいを正すと咳ばらいを軽くした後話し始めたーー

  (次回に続きます)

 

           ・・・・・・・・・・・・・

またまたしょうもない話が始まりましたw。

しかし女性にとっては避けて通れない話です、切実なんです。わかってください~♪という歌がありましたがまさに。

さて小林整備兵曹いったいどんな妙案があるのでしょうか、次回をご期待ください。

 靖国ゼロ戦

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● COMMENT ●

森須もりんさんへ

森須もりんさんこんばんは
こういう時の打開策…なかなかいい案が浮かびませんね。どうしたものでしょうか???

驚きの手があったようですよw、しかもあり得ない手です。

戦う彼女たちに取り、アノ問題はかなり頭を悩ますもののようです。アレのない男性の身軽さがうらやましい時が、やっぱりありますよね^^。

そうですね、困りましたねえ。
どんな妙案があるのでしょうか。

いろいろ考えたのですが浮かばない。
かっこよく妙案をここで先手を打って
書きたかったのに・・

男女って、こういうところに差がありますよねえ。
そういうリアルさもちゃんと描く見張り員さんのファンです。
だって戦闘要員として彼女たちは頑張っていますもの。
こういうことも大事ですよね。

まろゆーろさんへ

まろゆーろさんこんばんは
これは男性にはほんと、想像つかないことですよね^^。
検尿とあれが重なると「困るのよね~」と友人が言っていました。予備日があっても忘れてしまったりして、そうすると自分で病院に行って調べてもらわねばならないので手間と時間がかかると。
そして一人が始まるとまるで申し合わせたかのように皆が…というのも可笑しい話です。

最近尿検査をしていませんが血液検査はたま~にしますが、とても気になります。年を取るっていやだな、と思う瞬間ですね(;´Д`)。

今日はとても暑かったですね、しかも近所でボヤ騒ぎがあったりして消防車6台、救急車一台、パトカー一台が来ました。なんであんなにたくさん来たんだかw。
明日は都知事選挙。まともな人がなってほしいですがさてどうなりますか?

にいさまもどうぞ御身大切になさってくださいませね。

男には無縁のアレですか。
検尿とバッティングするなど男の身にとってはまったく想像もつかない出来事です。
よりによって、そんな感じでしょうか。
それにつけても姉妹島でのというか、姉妹島ならではというか。大勢の女性たちがこの島で揃ってアレとは。
見張り員さん、面白い着想ですね。
男も初老になると、採血採尿の検査の結果がとても気になりはじめます。
なんだかな〜です。

暑いですね。乗り切ってくださいね。

ponch さんへ

ponchさんこんばんは
私自身はその日に検尿などが当たるということはなかったですが、当たった子たちは「どうしよう」と困っていましたね。予備日があったもののその日に忘れてしまったりして(;´Д`)。
>女が集団生活をしてると旗日が同じになる
これ、高校の時の修学旅行でありましたね。ある班の一人がなりましたらその直後からその班全員がなってしまったと。連鎖反応にしてもすごすぎますね。事実は小説より奇なり、でした。

私も区や健康保険組合の検診を一度も受けていません。もう本当にいい歳なので受けたほうがいいのは決まっていますが時間がない…
ponchさんはお若いのですから是非受診なさってくださいませね^^。
がん闘病中のお友達の、ご快癒をお祈りします。

すっとこさんへ

すっとこねえさまこんばんは
梅雨明け直後の本日、たいへん暑く蒸し暑かったです。私は蒸し鶏になりそうでしたーってちがう、蒸し豚だったw。
なんとお住いのNYは猛暑なんですか…しかも湿度が高いと来ればこれはまさに日本的な夏ですね。って、あまりうれしくはないですねえ(◎_◎;)。そ言えばどこかで54度を記録したと新聞で読みました、暑さのニュースを見てぞっと寒気がしました。とてもそんな中で生きてゆけませんぜ。

女性の特有のものでもいざ、申告せよとなるとこれはこれで気恥ずかしいものがありますよね。さてさて彼女たちの作戦は???次回をお楽しみに~♪

すっとこねえさまと私、NYと東京で結ぶ最強・最恐・最凶???のタッグでこの妙な夏をしっかり乗り切り秋には二人で太平洋を挟んで大笑いいたしましょうね^^。
というても不断の健康維持は大切ですからご無理なきように願います^^。

オスカーさんへ

オスカーさんこんばんは
女の宿命とはいえ、やはり嫌ですよね。そうしたことと重なるのって(-_-;)。
私ももうとうに終わったので爽快でございますw、特に夏は実感しますよね。年を重ねるといい事もあるなあと思いましたw。
そして彼女たちの作戦とはいったい__??驚きの作戦があなたを襲う!次回をお楽しみに^^。

河内山宗俊さんへ

河内山宗俊さんこんばんは
どうもこういうことは人に話すのもはばかられますね(-_-;)。女同士でもこれはちょっとなあ…ですのでまったく慣れない新兵さんには気の毒でした。
そして。
彼女たちはどうこの苦境を乗り越えるのでしょうか、ご期待ください。

蛋白が!?
どうぞお気をつけてくださいませ、老年にはまだ早いですよ~!

たしかに日の丸が見える日に検尿検便はイヤですよねー(;´∀`)
そういえば女が集団生活をしてると旗日が同じになるってよく聞くんですけど、あれどこまで本当なんですかねー。

そういえば、自分は身長体重測るのがイヤです一度も区の健診受けたことないんですけど、やっぱり健診受けた方がいいんでしょうかねー。
ガンで闘病中の友達からも受けた方がいいとはいわれてるんですけど、自分の体重測られるのが怖くて・・・(;´∀`)

暑中お見舞い申し上げます。

お暑うございます。
関東地方は梅雨が明けたとか。
カンカン照りになりませんように!

暑さ、といえば当地NY郊外は今年
猛暑でございます。気温の高さに
加えて湿度が例年になく高いのです。

日本の夏を知る日本人は「まぁ今年
は日本の夏みたい」ですが 慣れない
現地人(おいこら)さん達は 白い顔を
真っ赤にしてフゥフゥ言ってます。

女性ならではの申告、照れくさいで
すよね!

見張り員さん、お互い夏を上手にすり
抜けましょう。ご自愛下さいね❣️

おはようございます。
確かに健診時にはイヤですね~そういう場合には一筆書いといて下さい、と言われた気がする……けど私ももうアッサリなくなったので毎月快適過ぎてもう記憶にない(笑)
こういうリアリティがあるのがまたイイです~どんな作戦なのか、続きが気になります。

確かに女性同士とはいえ、あちらの申告を
するというのは、恥ずかしいですな。
特に新兵さんには、抵抗があるでしょう。

さて、どのような作戦展開に?

おいらなどは最近蛋白が微妙に。
いよいよ本格的に老年なのかw


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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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