Archive2017年02月 1/2

遠近の春

桜本兵曹がその許婚の紅林次郎からの連絡をひたすら待っている間に、別の兵曹の結婚の話はどんどん進んでいた――   その兵曹は高田佳子兵曹。婚約者の佐野基樹は(早く結婚式を挙げたい、夫婦になりたい)と切に思い、内地の高田の養母に手紙を書いたのだった。曰く、…佳子さんからもう私のことはお聞き及びだとは思うが私は早く佳子と結婚式を挙げたい。かといって内地にはすぐには帰れないとなると彼女の晴れ姿をおかあさ...

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いとし子よ 横須賀編 2 解決編

継代が桃恵の兄夫婦の家に行って三日目――   その日の朝、智一大尉は「私は今日ちょっと帰りが遅くなります。もし何かあったらすぐに連絡をしてくださいね」と言った。例の<松岡式防御装置>の横須賀海軍工廠側の本格実験が間近であるので忙しいというのを桃恵もわかっていた。だから 「はい。解りました…もしかしたら泊まられるかもしれませんね。私は平気です、まだ何の気配もありませんもの。予定の日までまだ十日...

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いとし子よ 横須賀編 1

横須賀の三浦家では、桃恵が臨月を迎えていた――   先日もそんな桃恵を心配して医務科で上司だった秋川兵曹長が訪ねてきてくれた。秋川兵曹長は勧められてあがった座敷の隅に座ると 「春山…じゃなかった三浦さん、もう臨月だろう?兆候はまだかな?もし何かあったらすぐに連絡しなさい」 と言ってくれた。その秋川に座卓の前を勧めると桃恵は大きなおなかを撫でながら 「ありがとうございます秋川兵曹長。二人目ですから...

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掌に残る愛

高田兵曹の一言で、小泉兵曹の心は決まったーー   「じゃが、いったい誰に探らせたらええんかいのう」 と小泉兵曹はしばし考え込んだ。自分は<小泉商店>トレーラー支社長を務める進次郎の姉で、ほとんどの社員に面が割れている。かといって高田兵曹も許嫁を<南洋新興>社員に持っているからこれもちょっとまずい。では誰がいるのか。 考え込んだ小泉兵曹ははっと顔を上げた。そして「あん人がおったわい!」と...

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愛の風向きが変わるとき

紅林次郎は熱に浮かされたような顔で香椎英恵を宿舎の自室に連れて行った――   私室は6畳ほどの部屋で「風呂はまさに大浴場。飯は食堂で食べられるんだ。洗濯だけは自分でしないと」と紅林は言った。暗い部屋の中で、そうなのと返事をした英恵を紅林は抱きしめた。そして 「英恵さんが…欲しいんだ」 というなり彼女を床の敷物の上に倒すようにしてその上にまたがった。英恵のブラウスの前を彼は引きちぎる勢いで開ける、そ...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)