Archive2016年11月 1/2

少尉たちの無謀な挑戦 2〈解決編〉

午前の課業が始まり、それぞれの分隊で訓練や補充その他に忙しいーー   そんな中、指揮官クラスを中心とした少尉嬢たちはまだ平穏に仕事をこなしている。兵隊嬢、下士官嬢たちも少尉たちの隠された思惑を知る由もなくそれぞれ忙しく働く。 そして訓練も佳境に入り始めた午前十時ごろ、機銃の北沢少尉は尿意を感じた。(あ。いけない!どうしよう…厠に行きたくなってきた。しかし港の約束を破ってはいけない!ここは我慢我...

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少尉たちの無謀な挑戦 1

「指揮官だからってえばるんじゃねえよなあ。まったく嫌になる」…そんなささやきが平野少尉の耳に聞こえてきたーー   その日、午後の課業を終えた機銃の平野少尉は海兵同期で副砲分隊の大久保少尉とシールド無しの高角砲内に入り込んで羊羹を食べていた。真夏の日差しの照り付ける中、二人は目深にかぶった艦内帽の下の目を細めながら羊羹をひたすら食べていた。 「美味いねえ」「うんさすが間宮羊羹だね、コクが違う」 ...

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益川中佐、感激する。

内地に帰ってひと月半が過ぎた山中夫妻は、ある土曜日の夕方、大佐の部下の益川中佐を家に招いたーー   内地に帰ってすぐの集まりの際、益川中佐は山中夫妻を車に乗せるため酒を一滴も飲めずにいたのを「お気の毒でしたわ、益川中佐。今度我が家にお招きしてあの時の埋め合わせをいたしましょうよ」と次子中佐が山中新矢大佐に言って、その日が決定したのだった。 新矢は、そうした妻の優しさに(なんて気配りのできる人な...

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幸せの空の先

「オトメチャンオトメチャン、えらいこっちゃで」と小泉兵曹が第一艦橋で当直を終えたばかりの桜本兵曹のもとへ駆け寄ってきたのは月もきれいなある晩のことーー   「なんね。どうしたんじゃね、そんとに慌てて」と桜本オトメチャンは言って、双眼鏡のレンズを布でそっと拭いてからその場を離れた。交代の酒井水兵長に「異常なし」と言って水兵長は「交代します」と言って双眼鏡についた。主羅針儀のそばに、佐奈田航海長が...

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明日を見て生きる

三年前まで『武蔵』医務科勤務だった三浦桃恵は二人目を身ごもって八カ月目の体も重そうに横須賀の街を歩いているーー   桃恵は長女の継代の手を引き、兄の家を訪うため自宅を出た。朝、横須賀海軍工廠に出かける夫の智一大尉に「今日の午前中、兄の家に行ってまいります。夕方までには必ずもどります」と言い、智一大尉は「お兄さんとお姉さんにくれぐれもよろしく。今度ぜひうちでみんなで飲みましょうと伝えてくださいね...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)