Archive2016年09月 1/2

青空 3

「実はね軍医長、山口さんはーー」と梨賀艦長は話し始めたーー   うなだれた山口通信長をやさしい瞳で見つめながら梨賀艦長は言った、 「広島のお姑様が今月初めに亡くなられたのだそうだ。数日前ご主人から手紙が来て知ったんだそうだ」。 日野原軍医長ははっとして山口通信長を見た。通信長は山口家に後妻として嫁入ったが、姑との折り合いは非常に悪くいつも上陸して帰るたびに虐められて泣いて帰還してくることたびた...

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青空 2

オトメチャンは、その様子を信じられないものを見る思いで見つめていた――   酒井上水が分隊長と分隊士を呼びに走って行って間もなく、オトメチャンは繁木航海長が胡坐のまま壁にもたれてうたたねをしているのを見た。普段、繁木航海長はそんなことをする人ではなかったのでオトメチャンはとても驚いた。そして傍らの石川兵曹をそっとつついて 「なあ。繁木航海長が居眠りをしとりんさる。こげえなこといままでなかったよね...

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青空 1

『女だらけの戦艦大和』はここ、常夏のトレーラー諸島で今日も訓練に励んでいるーー   「三日後、巡洋艦・駆逐艦・潜水艦部隊それに航空部隊との大掛かりな訓練を行う。場所はーー」 その日の朝、佐藤副長は各科長、掌長そして森上参謀長の集まった幕僚室でそういって海図を広げた。皆がそれを覗き込み副長が細かく説明をするのを梨賀艦長は少し離れたところから見ている。 (佐藤副長、皆に溶け込んだね。すっかり『大和...

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番外編・横須賀ぶらり行軍 2 〈解決編〉

柳本柳子艦長は皆を次の場所へとーー   「次はいよいよ三笠公園ですねえ、うちは〈三笠〉を始めてみます」 と桜本兵曹、長妻兵曹それに石川兵曹たちが口をそろえて言う。麻生中尉もうなずくと、松岡中尉が「麻生さんたちはまだ見てなかったんですねえ、熱くなれますよ。我々の大先輩の東郷元帥が日本海海戦で戦ったあの〈三笠〉に足を踏み入れることができるんですからね。さあ、今からしっかり気を張って行くぞ」というと...

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番外編・横須賀ぶらり行軍 1

麻生分隊士はある朝言った、「今日は暇じゃけえみんなして横須賀に遊びに行こうや」と。 そんなわけで麻生分隊士以下航海科の面々とその他の暇人もとい有志が集まって横須賀へと出発したのだった――   と言っても横須賀とか関東の地理に疎い連中であるからナビゲーターになんと「蒼龍」艦長・柳本柳子大佐をお迎えしての横須賀ぶらり旅である。柳本艦長は「まあいいからみんなそんな緊張しないでよ、きょうは無礼講で行こう...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)