Archive2016年06月 1/2

夫婦凱旋 3

「次ちゃん」と新矢は小さく叫ぶと妻へとーー   新矢はベッドの上の妻の隣に座るとその体を抱きしめ、むさぼるような接吻をした。長い長い間の不在の隙間を埋めるような激しい接吻をし、新矢は次子の存在を確かめた。 やがて新矢は唇をそっと離し、次子を見つめた。彼女も潤んだ瞳で新矢を見つめ、彼はもうたまらなくなった。かすかに上ずった声で 「次ちゃん、その…見せてくれますか」 といい、彼女の答えを聞かないう...

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夫婦凱旋 2

ーー「山中副長…山中副長」と自分を呼ぶ声に目を覚ました次子は…   そこは『大和』の副長室であった。次子は「あれ…私確か呉の自宅に帰ったはずじゃ?」と思い大きなおなかを撫でようとした。…が、 「お腹が、ない!!」 と思わず彼女は叫んでいた。五か月に入りだいぶ膨らみ始めてきた双子の居るお腹がペッちゃんこ、妊娠前のお腹である。次子の顔が蒼白になり「どうしたのかしらいったい、私まだ赤ちゃんを産んでいない...

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夫婦凱旋 1

『大和』を退艦した山中次子副長は夫とともに内地へ向かったーー   すっかり悪阻も収まり安定期に入った次子中佐は、内地へ向かう巡洋艦内では皆に大事にされ、あるいは「妊娠てどんな感じなのでありますか、後学のため教えてください」と若い少尉たちに請われたりした。その様子を夫の山中大佐がほほ笑みながら見つめていた。 艦が小笠原諸島父島に寄港した時、山中大佐は呉の兄夫婦に電報を打ち間もなく呉に帰る旨を知ら...

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副長、「洗礼」を受ける 2〈解決編〉

佐藤副長は何物かに口をふさがれたまま、後ろ向きに艦内に引きずり込まれていった――   副長は自分の口をふさいでいる手に食いついてやろうかと思ったがそれすらできないほど相手は上手に口をふさいでいる。(苦しいよう)と思ったその時背後でドアが開いた音がし、そして彼女は床に投げ出された。 どすん、と腰を床にしたたか打ち付けて「うっ…」としばし痛みに耐えた後顔を上げると、〈その人〉が目の前に立ってにやにや...

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副長「洗礼」を受ける 1

すっかり女ばかりの『大和』になじんだ佐藤副長であったがどうも最近挙動不審なところがある――   乗り組み将兵嬢たちもすっかり佐藤副長になじんで、艦長ほかの幹部たちもほっと胸をなでおろしているこの頃である。佐藤副長はハッシー・デ・ラ・マツコ、トメキチ、そしてニャマトとも心を通じ合わせ早くも三匹は副長の腰ぎんちゃくのようになり、松岡中尉を「あなたたたたちは私の大事なお友達なんですから副長に鞍替えした...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)