Archive2015年10月 1/3

恋におちて―ー巡洋艦「歯黒」の場合。2

山中大佐と繁木少佐は巡洋艦・歯黒でリンガ泊地へ向かっている――   そんな中で起きた、田中副長と花岡水兵長のほのかな恋心だったがこれが艦内中の将兵嬢に蔓延する事態が待っていた。 それは――。   出航後一週間ほどたったその日、烹炊所でそれは起きた。 その日の夕食を準備し始めた烹炊員たち、今日の夕食の献立は天ぷらである。冷蔵庫から食品を取り出してきた烹炊員の一人が班長に 「敷田班長、冷蔵庫の奥の...

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恋におちて―ー巡洋艦「歯黒」の場合。1

〈女だらけの大和〉が豊後水道を目指しているころ、山中大佐と繁木少佐の乗った巡洋艦・歯黒は順調に南へとその航跡を伸ばしていく――   二人はまずリンガ泊地に行く予定でいる。ここで空母・翔鶴および瑞鶴にあの松岡中尉のラケット研究から生まれた繊維を実験的に施すのである。実験用の繊維は工作艦が積んでくることになっている。彼ら技術佐官二人はそれより先にリンガに行って翔鶴・瑞鶴を見学の上艦長以下に今度の実験...

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鋭き眼(まなこ)

女だらけの帝国海軍『大和』以下八隻はまずは豊後水道を目指して海上を走る――   瀬戸内の島々の影を見ながらの航行に、露天配置の将兵嬢たちは目を細める。機銃の長妻兵曹は、三連奏機銃の砲身にブラシを突っ込んでごしごししながら 「ええなあ、やっぱし内地の風景はええねえ。おいみんな、よう目に焼き付けとけよ、次はいつになるかわからんけえの」 と配下の兵隊嬢に声をかけた。はい、そうしますという兵隊嬢たち、手...

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錨を揚げて

出港を明日に控えたその日の朝、山口博子通信長は上陸場からの〈面会者アリ〉の発光信号を受けて急ぎ、上陸桟橋へと向かった――   その知らせを聞いた山中副長は「通信長、もしかしたらご家族、いやもしかしなくともご家族だと思いますが?だとしたらどうぞゆっくり逢ってらしてください」と言って通信長を送り出した。通信長は「まさか忙しい時にそんな」と断ったが梨賀艦長も森上参謀長も勧めるので「では家族でありました...

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それぞれの「別れ」

いよいよ女だらけの帝国海軍の『大和』は抜錨の時を四日後に控えていた――   出港の日を前に、山中副長は夫の山中新矢技術大佐とのしばしの別れをすませた。一週間の休暇をもらい、自宅で密度の濃い時間を過ごすことができた。 そして山中大佐が南方の各基地へ出張する日には、山中大佐と同行する繁木少佐をともに見送るため『大和』の繁木文子航海長と共に桟橋まで出かけて行った。 繁木航海長も、山中副長も共に口数少な...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)