Archive2015年09月 1/2

こうしてやるっ! 5

永谷園(ながたに その)一等衛生兵曹は中年女性に変装して、本郷大尉の婚家そして実家周辺を歩いた――   そしてその日も遅くに永谷兵曹は土埃のにおいもかぐわしいなりで横須賀海軍病院に戻ってきた。まだ扉に施錠されていない病院玄関でバタバタと服の埃を手で払って扉を開けた入ると奥から施錠のために出てきた衛生水長があわてて 「今日の診察はとうに終わっています、また明日来てください。それともどなたかのお見舞...

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こうしてやるっ! 4

つらい辛い治療であったが、本郷大尉は一所懸命に頑張っている――   最後の手術を終え、本郷大尉は花森軍医大尉に「術創がふさがり次第、早く動けるよう機能回復に努めます」と意欲をみせた。花森軍医大尉は微笑んで頷き 「一緒に頑張りましょう。でも無理はいけませんからね、無理されるとかえって治りが遅くなるときもありますから」 と注意するのを忘れなかった。本郷大尉は深くうなずき「わかりました」と答えた。 本...

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こうしてやるっ! 3

本郷大尉は、横須賀海軍病院の外科病棟に入院した――   外科の馬堀部長、辺見次長が出迎えて本郷大尉は個室に入れられた。まだ時折出血多量の後遺症からか頭がぼうっとすることもあったが、巡洋艦の軍医長たちの手厚い看護によってだいぶ良くなっては来ている。 馬堀外科部長(軍医大佐)は彼女のカルテを見て 「これは…まさに奇跡が起きたね。こんな大事故、普通では命がない。よほど強運の持ち主だね、これは何としても...

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こうしてやるっ! 2

本郷ミツ大尉はそろそろこの約十年を清算したいものだと思っていた――   婚家とも実家とも行き来が無くなって宙ぶらりんな自分をどうにかしたかった。そうでないと次の一歩が踏み出せない。事実ここまでくる間、懸想されたこともあった。想いをそっとかけた人もいた、がしかし、自分の立場を考えたときそのすべてをあきらめざるを得なかった。そして――現在彼女には本当に愛しい人が出来ていたのだった。 (だからこそ) も...

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こうしてやるっ!! 1

女だらけの帝国海軍航空隊、ゲナハ諸島ゲナハ基地は今日も暑い日差しが照り付けている――   ヤシの木の木陰で座り込んで、滑走路に並んだ零戦を見ながら話しこむ中尉・大尉と言ったベテラン搭乗員嬢たち三人。本郷ミツ大尉、多幡(たばた)綾子大尉そして北原カナ中尉は、飛行帽を取って髪を風に吹かせながら昨日行った若手搭乗員対象の模擬空中戦の反省会の最中である。 本郷大尉が 「今回の訓練はなかなか良かったよ、皆...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)