Archive2015年04月 1/3

いざ広島1

指月フミは、泣き出した赤んぼを背負って病院の建物の外へ出た――   背中の赤ん坊を軽くゆするようにしてあやしながら彼女の心は寂しかった。(副長というかた、私のことが嫌いなんだわ。いやなものを見る目で私を見ていらしたもの。梨賀大佐だって気持ちが変わってしまったかもしれない…私がふしだらなことをしてこの子を産んだって思ってらっしゃるんだわ) 見上げる呉の空さえ、何かよそよそしいものにさえ思えフミは(...

  •  6
  •  0

いざ広島1

指月フミは、泣き出した赤んぼを背負って病院の建物の外へ出た――   背中の赤ん坊を軽くゆするようにしてあやしながら彼女の心は寂しかった。(副長というかた、私のことが嫌いなんだわ。いやなものを見る目で私を見ていらしたもの。梨賀大佐だって気持ちが変わってしまったかもしれない…私がふしだらなことをしてこの子を産んだって思ってらっしゃるんだわ) 見上げる呉の空さえ、何かよそよそしいものにさえ思えフミは(...

  •  6
  •  0

艦長不在 6

梨賀艦長は長い道のりをトラックに揺られとうとう、呉海軍病院に収容された――   艦長はトラックで運んでくれた軍需部の士官嬢・下士官嬢に丁重に礼を述べ『いずれ改めてお礼に参ります』と言い、海軍病院の職員に『大和』に連絡を入れてほしい、そして山中副長と森上参謀長をここに呼んでほしい旨頼んだ。 そして傍らに控えている松岡トシ少佐に「ありがとうございました、松岡少佐は呉鎮守府に赴任なさる途上でしたね。私...

  •  8
  •  0

艦長不在 5

小泉純子兵曹を、指月フミは知っているのだろうか――   梨賀艦長は、トラックの荷台に敷かれた布団の上からフミの顔を見つめた。指月フミはその視線を感じて 「小泉純子さんは、『小泉商店』のお嬢さんですよね。いえ、じかにお会いしたことはないんですがお噂はいろいろと伺っております」 と言った。艦長は(男癖のよくない噂を聞いているんだな)と内心苦り切って瞬間瞼を閉じてしまった。フミは背中の赤ん坊をゆすりあ...

  •  6
  •  0

艦長不在 4

梨賀艦長と日野原桐乃は意外な場所で再会を果たすことになったーー   「桐乃ちゃん、桐乃ちゃんだね!」 梨賀艦長は背中の痛みも忘れ半身を起すようにして日野原桐乃へと手を伸ばした。桐乃は艦長に駆け寄ってその手を掴み背を支えて 「はい!桐乃です。――艦長さん、おなつかしい。でもお怪我をなさってらっしゃいますね、どこが一番痛みますか?」 と艦長を気遣う。日野原昭吾もそばに来て 「梨賀大佐、母がいつもお世...

  •  8
  •  0
About this site
女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
About me
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)