平成26年そして平成27年へ…!

 いろいろなことがあった今年、平成26年が終わろうとしています。

今年は大雪が降って東京やその周辺でもたいへんな思いをしましたね。うちのベランダがあっという間に雪に埋もれてしまったのが印象的でした。

そして初夏からは父の具合が悪くなり、心配と安堵を繰り返していましたがあの7月最後の日、父は一人で遠くへ行ってしまいました。その最期をみとっていないので今も信じられない思いです。
あの駅の改札に行けば今も父が待っているそんな気がしてなりません。
今もあの時にことを思うとつい、涙腺が緩んでしまいます。

私は今まで身内を亡くした人――姑にも――に「その悲しみがようやく軽くなるのは三年経ってからです。それまでは思い切り泣いてあげて下さい。思い出してあげて下さい」と言ってきました。
姑はその通り、舅の死後特に二年ほどは仕事中にもふっといなくなってみたりたいへん感情的になって私を怒鳴りつけたり理不尽にしかりつけたりしてきました。
私は(悲しいから)と耐えてきました。
姑も私のその思いべったりに寄りかかっていたのだと思います。

しかし私が父を失い、悲しみに打ちひしがれていても姑も夫も、私が悲しむこともなにも許してはくれませんでした。体調を崩しても叱られるだけで私は感情を隠すことを覚えました。
以来、この二人には能面のように接しています。

しょせん他人ごとなのだと。
そして夫に至っては、父の死後から私の母のことを嫌みに言うようになってとても嫌な思いをしております。
そんなものなのでしょうか…

まあ馬鹿はもうあきらめるとして私の平成27年の展望を描きます。
まずは崩れ切った体調を戻すことです。これをしないと何処にも出かける気もしません。それでは困るのでまずは体調復活に掛けます。

そして今年は終戦70年ということで靖国神社の特別参拝に行く!
これはもう国民としての責務のように思っておりますので絶対、早いうちに参拝に上がろうと思います。

そしてそして一番肝心かなめのわが『女だらけの戦艦大和』ですが、まずはあの野田兵曹のお話を書きましょう。彼女上司の下宿で再教育されてどうなったか?それに副長のその後。

そしてこの物語の真の主人公と言ってよいオトメチャン。彼女に来年は一大転機が訪れる…!!!

というわけであれこれ考えておりますので来る年もどうぞよろしくお付き合いくださいませ^^。

平成26年、お付き合い下さった皆様本当にありがとうございました。皆様のご訪問そして楽しいコメント温かきお励まし…本当にうれしく思っております。

来る平成27年が皆さまにとって素晴らしい一年になりますよう心からお祈り申し上げ、平成26年の締めといたします。


ありがとうございました。

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「女だらけの戦艦大和」・毎日修子!2<解決編>

 <それ>を最初に目撃したのは藤村少尉であった――

 

藤村少尉は、野村副長不在の間も副長の忠実な部下として甲板士官の職務に励んでいる。その彼女今朝も皆より早く起きて自室を出た。

そして最初のラッタルの前に来た時、その横の壁に何かが下げてあるのに気がついてそっと寄って行った。

「なんだこれは」

とつぶやきながら見ると縦長の表紙と思しき紙には<毎日修子!艦内生活を楽しくする三十一の心得>と書いてあってめくると<つひたち・けふから君は噴進砲だ>とある。藤村少尉は(なんのことだ?)と首をかしげた。そしてさらに二枚目をめくると<ふつか・不平不満は上司にぶつけろ>(とんでもないなあ)、さらに次は<みっか・打ち上げてみやう、心の高角砲>(わからない…)、その次もよっか、いつか、むひか…と日付とともに松岡の言葉?が書かれている。日めくりのようだ。

「なんなんだこれは。サッパリわからない」

藤村少尉はそう言ってこれを回収すべきか否か瞬間迷ったが(どうせこんなところにさげといても誰も見ないだろう。そのうち誰か捨てるだろう)と思って見過ごしておいた。

が、起床時間を過ぎ国旗・軍艦旗掲揚の時間が近くなりその準備のために前甲板に行って藤村少尉は驚いた。なんと例の日めくりが、艦首旗竿にまでぶら下げられて、海からのそよ風にひらめいているではないか。

「ギャーッ!」

と藤村少尉は絶叫して旗竿に向かって走り出し、集まり始めていた艦長そして副長代理の黒多砲術長以下幹部や衛兵嬢たちはたいへんびっくりした。梨賀艦長が「いったいどうした?」と尋ねると、藤村少尉は旗竿からとってきた日めくりを艦長に突き出して

「見て下さいこれ!これと同じものが、艦内に一つあったんです。あの松岡中尉の作ったものらしいんですがまさか、艦首旗竿にぶら下がっているとは」

と言った。

受け取った梨賀艦長は「日めくりかね?」と言いつつそれをペラペラめくった。日付とともに訳の分からない、松岡中尉一流の言葉が並んでいる。梨賀艦長は軽く顔をしかめ、覗き込んだ黒多砲術長も妙な顔つきになった。

黒多砲術長は藤村少尉を見て

「これが艦内にも?」

と言った、藤村少尉がうなずくと砲術長は「艦長。これはもしかしたらもっとあるかもしれませんよ?皆にこれを見つけたら取り外して持ってくるよう周知しましょう」と言い、艦長も「そうだね黒多さん。こんなものを勝手にあちこち下げられたら正直困る」とうなずいた。

そこで黒多砲術長はマイクのある場所へ走るとこれこれこういうものを見かけたら取り外して各分隊士に渡せ、そして分隊士はそれを取りまとめて分隊長に提出、分隊長は黒多副長代理に提出するようにと放送した。

するとそれから三十分もたたないうちに来るわ来るわ、艦内の上から下までのあちこちから例の<毎日修子>が数十冊、提出された。

黒多砲術長は第一艦橋でそれを受け取ったがその数の多さにびっくりしながらも、

「これですべてなのね。しかし松岡中尉はいったいいつこんなものを作ったんだろう?不思議な人だ」

と言った。横から繁木航海長が小声で

「しかしね、松岡中尉の事だから気をつけないといけないよ。これで終わりとはどうも思えない」

と言った。はたしてその予感は的中も的中、午前の課業開始時にはもう、取り外したはずのところに再び、<毎日修子>はぶら下がっていた。

取っても取っても、すぐに新しい<毎日修子>がぶら下げられ兵員嬢もそれを受け取り上に提出する分隊士たちも辟易し始めた。

見張兵曹が「麻生分隊士、こげえなこといつまでやってもいたちごっこですけえ、却って取らん方がええんと違いますかのう」と言い、皆は賛同した。見張兵曹は続けて

「松岡分隊長は、こういうことを見越してえらいたくさんこれを作っておるんじゃないかとうちは思いますが」

と言った。小泉兵曹も「ほうじゃねえ、あの分隊長じゃもん、面白がってやっとるしか思えんで」と言う。麻生分隊士も困ってしまって

「全くあん人はなんでいつもこげえな悪さばっかりしんさるんじゃろう?しかも副長不在の時を狙うたみとうなことしよってからに!」

と憤慨した。直属の上司であるから、麻生分隊士としてはたいへんまずい立場である。「うちの立場も考えてくれんと…」とブツブツ言った。その横で見張兵曹が麻生分隊士を気遣うように見つめている。

 

さて。

松岡中尉は取り外された日めくりの場所をどうして知り得たのか。答えは簡単、マツコとトメキチの機動力を駆使したのである。まだ誰も目覚めないうち松岡中尉は、マツコとトメキチに

「いいかい鳥くんと犬くん。この私の大傑作の日めくり式教育語録は、私の活躍をやっかむ甲板士官たちの目の敵にされて取っ払われるのは必定です。だからね君たち、君たちは取られたところをすぐ見つけて私に報告しなさい。私はすぐ、風のように艦内を走って再び貼り直しますからね!松岡修子に不可能はない!」

と言って聞かせてあちこちにぶら下げて行ったのだ。あきれたような顔のマツコではあったが、そのあと始まったこのいたちごっこをいたく気に入ってトメキチとともに

「あのラッタルの下の、もう無かったわよ」

とか

「士官室のも、二次士官室のももう無かったわよ」

「通信室前も無かった、あと艦長室の横も」

などと報告しては喜んでいた。そのたびに松岡中尉は新しい日めくりを抱えてまさに風のように走って行くのだ。トメキチもその速さに感心して「マツオカサンってすごいねえ。ああいうのを何とか、っていうのね」と言った。マツコはその金色の瞳をトメキチに向けて

「韋駄天っていうのよ。覚えときなさい。イダテン、足の速い神様の事よ」

と教えてやった。トメキチは「イダテン、ね。覚えたわよ僕」と笑った。

その韋駄天は、とうとう在庫が尽きる時が来てしかも、艦長・黒多砲術長、そして藤村甲板士官に捕まった。梨賀艦長はたいへん苦り切った顔で韋駄天松岡を第一艦橋にひっ立てた。第一艦橋には繁木航海長、それに花山掌航海長がいて何事かという顔でこの一行を見つめる。

艦長は、艦橋の一角にどえらい高さに積んである<毎日修子>を指差して

「これはいったい何なのです?こういうことをして良いと誰が許可したのかな?誰の許可も取らずにこんなものをこんなにたくさん作ってあちこちぶら下げられてはたいへん困る!処分しなさい」

と言い放った。そして黒多砲術長も、副長代理としての威厳をもって

「そうです松岡中尉。こういうことをしたいというならまず、この私に許可を取って欲しい」

と言った。すると、松岡中尉は手にしたラケットの先を砲術長に向けるとたいへん意味深な笑いを浮かべて

「黒多砲術長。あなた狙ってますね」

と言った。は、何を?と問い返す黒多砲術長の三種軍装の胸に松岡中尉はラケットの先を軽く押し当てて

「なにを?ですか、解ってるくせに。あなた副長の座を狙ってますね。そして――」

と言ってにやりと笑った。「そして、なんなのだ?はっきり言いなさい」という黒多砲術長に松岡は

「あなた、野村副長がもう帰ってこなきゃいいと思ってんでしょうー!黒多砲術長、あなた熱くなりすぎですよ!良いですかあなた、この艦はあなたより艦長より誰より、野村副長でもってるようなものですよ。それをあなたのような人間が副長の座を横取りしようなんざ千年早い!黒多砲術長のその言い方はもう、『私は副長です』と言ってるようなものですよッ」

と怒鳴った。黒多砲術長は「ヒエッ!」と叫び、繁木航海長は今までにないほどの真顔で黒多砲術長の顔を見つめる。その視線を感じた砲術長はたいへん驚いて

「まさかまさかまさか!ちがいますったら、絶対そんなこと思ってもいません!私なんかまだ全然青二才だということよく解っています、そんな私が副長の座を取りたいとか野村中佐が帰ってこなきゃいいなんてとんでもないことを思うわけないじゃないですかあ。私は野村中佐から直々にお願いされたから副長代理を務めただけです、そんな大それたこと考えたことも無いですぅ」

と言うなり、その場に突っ伏して大泣きし始めた。松岡中尉はその彼女の三種軍装の背中に、ラケットの先をぐりぐりと突きたてながら悪代官を退治したばかりの時代劇ヒーローのような顔をしていた。が、梨賀艦長が

「待て松岡中尉。その話とあなたのこの日めくりとどういう関係があるのだ?」

と疑問を投げた。事の成り行きを見つめていた花山掌航海長が「ほうじゃ。特にこれというて関係がないわ」とつぶやき繁木航海長も「そうだ…つい松岡中尉の話しぶりに引き込まれて、論点をすり替えられそうになるところだった」とややあせったような声音で言った。繁木航海長は、野村中佐に心酔する『大和』乗組員の一人なので、松岡中尉の話に一瞬、黒多砲術長を疑ってしまったことを恥じた。

松岡中尉はラケットの先をまだ、泣いている黒多砲術長の背中に突き立てたままでいたが「――ばれましたね。私も熱くなりすぎました。そうです私は論点を艦隊進路165度ほどずらしてやろうかと思いましたがさすがは艦長、だまされませんでしたね。はいお見事。というわけでまあ私の話も聞いてください」と言って、<修子の日めくり>についてとうとうと語り始めたのだった――

 

――いいですか皆さん。最近皆さんはたるんでないか?たるんでるということは元気も無い、覇気も無いってことですよ。そんなみんなが私とっても心配なんです。そんなことでこの先米英を降参させられるか?できるわけないだろう?ですから私は一計を案じました、私の熱い言葉でみんなを奮い立たせればいいじゃないか!いいことに私はみんなを熱く出来る言葉をたくさん持っているんですよこれが!ですが伝えるすべがない…悲しいじゃないですか。しかしあきらめないぞ私は!私が夜も寝ないで考えたのがこの暦のようにめくって読める<毎日修子>なんですよ。素敵でしょうこれ。

まあ見て下さいよ、この日めくりには私の熱い言葉が『大和』の諸君に向けて書かれているんですねえ!あきらめかけてる『大和』の諸君に向けた私の熱い言葉と思いを伝えたいのです!解ってくださいよ~ねえ艦長――

 

梨賀艦長は左右のこめかみをそれぞれ、人さし指で揉むようにして松岡の話を聞いていたが話が長くなりそうなので「もういい。わかった松岡中尉」と制した。解ってくださいましたか、という松岡中尉に

「まず黒多くんからそのラケットを離しなさい」

と言って砲術長を起こしてから艦長は「あなたの話は解った」と言ってから「じゃあ特別にこれをぶら下げるのを許そう。だが場所は限定する」と日めくりをぶら下げる場所を指定してやった。

松岡中尉は喜んでその場所――各科の兵員居住区と士官室、二次士官室――に日めくりをぶら下げに行き「みんなで朝一番にめくったら大声で唱和しよう、元気が出るよ」

と怒鳴り、大量に余った日めくりは「じゃあしばらくここに保管しておこうか」と言ってとある一室に積み重ねた。

その部屋こそ――現在休暇中の野村改め山中副長の私室であることは今のところ誰も知らないのだった――

 

             ・・・・・・・・・・・・・・

この話はこれを見て思いついて書きました、そう!松岡修造先生の「日めくり まいにち、修造!」です。買っちまいましたw。一日から三十一日まで修造さんの熱く、元気の出る言葉が満載です。これ今大人気らしいですね!私も来る年はこれを見て元気を出したいと思います。
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次回は野田兵曹のお話です。お楽しみに。

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「女だらけの戦艦大和」・毎日修子!1

 松岡修子海軍中尉は熱い生き方と熱い言葉で皆を鼓舞することで一部で有名な女である――

 

今日も松岡中尉は例のラケットを振りながら、「熱くなれよ―」と叫びながら飛び出すとまずは第一艦橋に走った。彼女は朝の始業前にはこうして第一艦橋に行って、その正面の窓ガラスを下ろすと

「さあ、今日も一日が始まりました。今日もまた熱くなって尻の穴をしっかり締めて米英撃滅に向かってまい進しましょう。――なんだもうあきらめてるのか?そうじゃないだろう、あきらめたらそこまでだ、あきらめないで生きるのが人間だ!――さあわかったらみんなしっかり朝飯を食って今日も一日、熱くなって頑張ろうぜ」

と大音声を発し、ひとりで気炎を上げるのが日課。

たいがいの場合第一艦橋には見張り兵がふたりほどいるか、繁木航海長か花山掌航海長がいるのだが、彼女たちのいずれかがいるときはわざわざ彼女たちを双眼鏡から離したり航海長の肩を抱きよせて自分の前に並ばせてこの「訓示」をする。

聞かされる方はいかに短時間とはいえ正直迷惑な話で、松岡中尉の前に立って実に複雑な表情で聞いている。特に繁木航海長は(なんで私がこいつに?)と思いつつさらに複雑な表情でいるが松岡中尉はそういうところには鋭いから

「君たち、そういう顔で人の話を聞いてはいけないって、お母さんから教わらなかったかい?いいですかあなたたたち。ひとの話をしっかり聞けないような奴はこの帝国海軍には要りませんよ?何処へでも勝手に行ったらいいでしょう。でももしそれが嫌だというのならさあ今から心の耳の穴をかっぽじって私の話を聞きなさい」

と注意をくわえる。すると見張りの兵隊嬢はしかつめらしい顔で「はい。ようわかりました。今日から熱うなって頑張りますけえ勘弁してつかあさい」と言って松岡中尉は満足してそこを出るのだった。繁木航海長は「なに言ってんだ。そんなこともっと偉くなってから言ってよ!」と苦々しい顔でつぶやく。そう、時にこのえらそうな物言いのせいで松岡中尉の方が繁木航海長より階級が上に見える時があって大尉の繁木さんとしてはとても腹の立つ思いもしているのだった。

 

その日も午前中の課業を終えると松岡中尉はマツコ、トメキチとニャマトを引き連れて第一主砲塔の上に座っていた。ニャマトは松岡の胡坐の中で、春の日差しを浴びてうたた寝中。トメキチも、松岡の横でまるまってうとうとしている。マツコはその金色の瞳を時折眠そうに閉じながらも松岡中尉の訳のわからない講義?を必死で聞いている。

「だからね鳥くん、」と中尉は言った、「私は一所懸命に私の思いを伝えようとしているんです、でもねえみんななぜか私の言うことをマジ東風、マジ東風~、右の耳から入って左の耳に抜ける~って感じで身を入れて聞かないんですよ!さあどうしようか鳥くん?」

マツコは必死に眠い目を開けながら、

「そうねえ…アンタ前に誰だっけ…よ、よ、…吉田松陰て人の言葉を集めて教科書作ってたじゃない?あれどうなったのよ。でもその前に<マジ東風>は間違いよ。正確には<馬耳東風>。覚えときなさい」

と言った。

松岡中尉はふんふんと軽くうなずきながらもだんだん熱くなり始め

「そうだね鳥くん。あの吉田松陰先生の講義も大好評だったんだが一通り終えたんでね。まあ、もう一度はじめからしてもいいんだよね…もう忘れっぽいわが艦の皆さんはとっくのとうに忘れ去っているだろうからねえ。――だめだだめだ!そんなことじゃ大きくなれないぞ、いいですか鳥くん。忘れる、ということは忘却するということです、それはいいことじゃない!忘れていいのは試験の赤点の点数だけです。あれは早く忘れましょう。でもね鳥くん、人生の先輩、先人の言葉は忘れちゃいけないんだよ。

というわけで」

と最後は大きな声になったのでマツコはもとより眠っていたトメキチもニャマトもびっくりして目を開けた。

マツコはその金色の目を大きく見開くと「いったい何よ、びっくりするじゃないマツオカ!」と叫んだ。トメキチとニャマトもその瞳をあげて松岡中尉を見つめる。松岡中尉は

「私のこの熱くなれる言葉をいつでもどこでもみんなが見られるように私はしたいんです。だからね、鳥くん達、ちょっとお耳を拝借――」

と言って三匹を抱き寄せるとその耳に何やら囁いた。

「ええっ!?」

「まさか」

マツコとトメキチが同時に叫んだ。まだ幼いニャマトはなにを囁かれたかもわからないのでぽかんとして「ニャ?」と首をかしげているが。

マツコは少し心配げに松岡を見つめて

「アンタの分際でそんなことしていいのかしら?アタシ知らないわよ叱られたって。第一さあ、副長が不在の時にそんなめちゃくちゃしたら絶対だめじゃない?普通さ…」

とブツブツ言った。トメキチでさえ

「そうよマツオカサン。マツコさんの言う通りよ?勝手なことしちゃいけないと思うわ」

と松岡をいさめる。が、自分の思いつきに舞い上がった松岡中尉はもう聞く耳を持たない。さあ、行くぞとニャマトをポケットに突っ込むとマツコとトメキチを促して、艦内へと入って行った――

 

松岡中尉は誰もいない長官室に入り込んだ。そしてそこの大きなデスクの下に隠してあった長方形の紙の束を引き出した。そしてデスクの周りに頭を寄せるマツコトメキチに

「さあいいですか皆さん。今から私が誰でもいつでも熱くなってあきらめないで頑張れる言葉をこれに書いて、印刷して日めくりを作りますからね。暫く黙っていてちょうだいなっと」

と言って紙に何やら書きつけはじめた。それを見ながらマツコがぼそりと

「黙っていてちょうだいなっていうなら連れてこなきゃいいのにね。変な奴よねマツオカって」

と言ってため息をつく。トメキチが笑った時、松岡中尉の三種軍装のポケットから「ギャ、ギャ、ギャマト!」と声がして松岡中尉は我に返った。ニャマトが、ポケットと机の縁の間に挟まれて苦しがっていたのだ。

「おお、猫くん!ごめんごめん、悪かった。私としたことが熱くなりすぎたよ…というわけでさあ、作業の先を急ごうねー、今日から私は富士山だ!」

松岡中尉はニャマトをポケットから取り出しデスクの上に置くと作業を続けた。

 

マツコトメキチニャマトがすっかり飽きて、長官室の中を追っかけっこしてうるさくなりだした頃やっと、松岡中尉の作業が終わった。

松岡中尉は紙の束をデスクの上でトントンとしてそろえるとそれを小脇にかかえた、そしてまだ大騒ぎしているマツコ達に

「さあ皆さん。私はこれから大事な秘密の作業が待っていますから、あなたたたたちとはちょっとの間遊べません。ですからここでごきげんよう。また明日会いましょう」

と声をかけて走り去ってしまった。取り残されたマツコ達、その場に立って松岡の後ろ姿を見送りながら

「マツオカがしようとしてること…アンタには、解る?」

[ううん。わからないわ、僕にはあの人の考えてること全然わからない]

「ニャ、ニャ、ニャマト」

と話しあっている。

 

松岡中尉は最下甲板の一角に自分で勝手に設けた印刷室に入ると、無心に作業を続け「後は、今夜。巡検後に一気にやるぞ!熱くなれよ」と叫んでその場を後にした。

その晩、副長代理の黒多砲術長による巡検の終わった後、松岡中尉は最下甲板の印刷室に入り残りの作業を行った。

「さあ『大和』の諸君!今まで生きる方向が見えなかった君たちに、私松岡修子がその方向を示してあげますからね。明日から君たちは富士山だ―ッ!」

そう叫びながら。

 

松岡中尉の作業は、その晩遅く完了した。

 

そして翌朝。『大和』乗組員嬢たちは<それ>を目の当たりにしたのだった――

   (次回に続きます)

           ・・・・・・・・・・・・・・・

いったい松岡中尉は何をまたしようとしてるのでしょうか?サッパリわかりません。しかしマツコが懸念するように、えらいさんがたに叱られたりしないよう願いたいものです。

次回をお楽しみに^^。

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「女だらけの戦艦大和」・得手不得手

 誰にも得手不得手というものは存在する。無論、「女だらけの帝国海軍」軍人の彼女たちにも――

 

>空母「飛龍」・艦爆搭乗員 圓藤大尉の場合

現在空母「飛龍」に居る彼女にも不得手なものがあった。それはかつて乗っていた零戦での着艦。

以前少尉時代に南方某島にいた時もちょくちょく着陸の際滑走路を外れてしまったことがあり、基地司令から「ねえ、圓藤少尉のあの着陸何とかならないかしらね?見ててハラハラして心臓によくないんだわ。それに第一あのコ小隊長で海兵出身なんでしょう?予科練出身の子たちに笑われたら沽券にかかわらない?」とクレームをつけられていた。

そこで大隊長の片岡大尉が「圓藤少尉、今から私と模擬空戦をしよう。来い!」と誘って二機の零戦は空に舞い上がった。

片岡大尉としては(いきなり圓藤に『お前着陸が下手だなあ、なんとかせい』なんて言えないものなあ。それこそ彼女自身の沽券にかかわろう。仕方がない、ここは実践で失敗したところを注意するしかない)と思っての窮余の一策だった。

それと知らない圓藤少尉は

「わあ、片岡大尉と模擬空戦が出来るなんて私はなんて幸せ者なんでしょう~、嬉しいなあ」

と無邪気に喜んでいる。片岡大尉は一抹の気まずさを感じつつ零戦に搭乗したのだった。

そして二機での模擬空戦。若いながらも圓藤大尉はなかなかの技量を見せ、片岡大尉は(これはなかなか筋がよいではないか、着陸だけが問題なんてもったいない話だ。あるいはたまたま失敗しただけかもしれないし。ともあれ最後まで見てみよう)と思いつつ圓藤少尉の機を追う。

そして三十分ほど基地近くの空域で模擬空戦を繰り広げた二人は、やがてそれを終え滑走路むけて着陸へ。事前に片岡大尉は「私が先に降りる、貴様は私のあと、五分後に降りろ」と言ってあったので圓藤少尉の零戦はその通りに五分後に着陸して来た。

片岡大尉や基地司令達数名が指揮所の前に陣取って、彼女の着陸を見つめる。体勢には問題なし…車輪が地に着いた、減速、「うまくいったじゃないか」と基地司令の鎌田少佐が言ったその瞬間!

圓藤少尉の搭乗の零戦はその場で見事に逆立ちしていたのだった…。

「ギャーッ、なんてこったい」

とうとう頭に来た片岡大尉はズンズンと足音も荒く逆立ちしたままの零戦に近寄るとその機体によじ登り風防を荒っぽく開けた。そして中で(やっちまった)という顔の圓藤少尉を引きずりだして地面に投げ出した。

「ごめんなさい~、すみません~。又やっちゃいました~。だって零戦って機体が軽すぎて~」

と泣き出す圓藤少尉を「いいわけすんなこの野郎!」と引きずって指揮所まで来た片岡大尉は鎌田基地司令に「こいつにはもう零戦の操縦はさせたくありません。大事な零戦をこれ以上壊されてはたまりません!基地司令、こいつの配置換えを願います、私一生のお願いです!」と叫び、挙句に

「貴様の得意な男の下半身じゃないんだ、やたらと立てるな!しっかりやれっ」

とたいへんな恥ずかしいことを叫んでしまったのだった。ハッと気がつけば、鎌田基地司令がびっくりした顔で大尉を見つめている。

片岡大尉はエヘンと咳払いをしてしかつめらしい顔を作ると鎌田司令に「願います」と必死の表情で頼んだのだった。

そのあと、圓藤少尉は再訓練を経て九九艦爆の搭乗員になったのだった。今度は「機体が重いからいいですねえ。いい感じに着陸出来ます」と言って喜んで空母「飛龍」へ転勤して行ったのだった――

 

>『武蔵』医務科 宮本兵曹長の場合

宮本兵曹長は子供のころから細かい手仕事が得意だった。厚紙を切って家の模型を作ってその中の厠まで細密に再現して学校の教師を驚かせたし、町の展覧会にも何度も出展された経歴の持ち主である。きりがみも得意で友人たちをうならせたものである。

その彼女は中学を終了するとき「人の役に立ちたい。国の役に立ちたい』と海軍衛生兵を志願して海軍に入った。

そして海軍衛生学校で研さんを積み、卒業後は各艦艇で医務科の仕事に当たった。皆――下士官も士官たちも――その手際の良さ、見事な技そして見たての良さに感嘆の声を上げるほど何事もそつなく見事にこなす彼女。

特に手術の際に見せる縫合の素晴らしさは特筆もので、軍医長から「戦争が終わったら本格的に医学校に入ったらどうかな?あなたなら素晴らしい外科医になれるよ」と太鼓判を押されるほどである。

しかし、そんな彼女にも一つだけ、ひとつだけ不得手があった――

 

ある日。

宮本衛生兵曹長の同僚の、川上衛生兵曹長が准士官室にいた宮本に、

「宮本さん、あなたのその縫合の素晴らしさに感激した私の願いを聞いてよ。お願い、これ繕っといてくれないかな?」と一足の靴下を差し出した。そのかかとには穴があいている。宮本兵曹長の返事を聞かないで川上兵曹長は靴下を置いて行ってしまった。少し困った顔でそれを見つめていた宮本兵曹長だったがやがて軽くうなずくと針箱を取り出して靴下をつくろい始めた。

 

しばらくして「宮本さん、出来た~」と靴下を取りに来た川上兵曹長に宮本兵曹長は

「うん。あまりうまくないけど」

と差し出した。その塗った部分を見た川上兵曹長は「うわあ、さすが宮本さん。きれいに縫えてるね、ありがとう。私もあなたを見習わないとね」と言って礼を言うと部屋を出て行った。

それから又しばらくして困った顔をして川上兵曹長は准士官室にやってきた。宮本兵曹長はほかの準士官たちと談笑中であったが川上兵曹長は先ほどの靴下を差し出して、言いにくそうにではあったが

「これ…せっかく縫ってもらって言うのも悪いんだけど」

と言った。宮本兵曹長と数名が川上兵曹長を見た。川上は靴下の中に手を入れると

「足がここから先、入らないんですよ!」

と泣き笑いのような表情になり、一人の準士官がそれを自分の手にとって見つめたがとたんに大笑い。

「ほんとだ、ここから足、入らないよ。ワハハハハ」

件の靴下は准士官室を一巡して戻ってきた。宮本兵曹長は静かに「おかしいですね、そんなはずはないと思ったんですが」と自分の縫った靴下を見つめて

「ああ、これはしまった」

とつぶやいた。そして顔を上げると「誰か、お裁縫の上手な方はいませんか?すみませんが縫い直してあげて欲しいんですが」と皆を見回したのだった。

――宮本兵曹長は、裁縫が苦手だったのだった――

 

               ・・・・・・・・・・・・・・・・・

得手不得手。人それぞれありますよね。私の不得手はなんだろう?学校の科目で言うなら数学・体育・裁縫…数学は壊滅的にダメですし、器械体操とかダメです。中学時代担任には「この先まともに生きてゆけない」と言われました(-_-;)。でもまあ、何とか生きております。

不得手があるからこそ人間だ!(と言ったらきっと当時の担任は『開き直るな、現実を見ろ』と言うでしょうね)

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「女だらけの戦艦大和」・空中戦5<解決編>~大いなる愛

 ――手術台の上、大きな一枚の白い布をかけられた三つの盛り上がりがあった。

 

岩井少尉、松本兵曹長に麻生少尉、そして見張兵曹はその前に立ってしばらく声も出なかったが、岩井少尉がその三つの盛り上がりをそれぞれ撫でた。岩井少尉の眼に涙が急速に盛り上がり、流れた。そして

「ハシビロ、トメキチ…ニャマトお!」

と悲痛な叫び声が上がると同時に岩井少尉は白い布の端に打ち伏して号泣した。松本兵曹長も、麻生少尉も互いに抱き合うようにして大泣きした。

見張兵曹はトメキチと思しき盛り上がりを撫でさすって

「トメキチぃ、なんであんたは死んでしもうたんじゃ。うちはアンタが好きじゃった、ずっと一緒にいたかったんに…なんで死んでしもうたんじゃああ!」

と叫ぶとうわっと堰を切ったように泣き始めた。松本兵曹長は麻生少尉と抱き合って泣いていたが、やがて身体を麻生少尉から離すと

「こげえなことうちは信じられん…あのへんな鳥やトメキチやニャマトがこげえに簡単に死んでええはずがない!うちは…あの鴉どもが許せん」

と怒鳴ってこぶしをグッと握った。そのこぶしがわなわなとふるえている。

岩井少尉は「ニャマト…ニャマト…お前はこげえに短い人生で幸せだったんか?うちはニャマトをここに連れてきてえかったんか、解らんようになってしもうた。うちのあの時の判断がニャマトを早うに死なせてしもうたのかもしれん」と言って泣いている。

麻生少尉が岩井少尉の背中にそっと手を置くと涙をグイッとこぶしで拭い

「岩井少尉、ニャマトは少尉と兵曹長が見つけんかったら樹ぃに縛られて一生を終えるところじゃったいうて聞きました。こげえな最期にはなりましたがニャマトにはここで、少尉や松本兵曹長や変な鳥やトメキチに可愛がってもろうて幸せだったとうちは思うてます。変な鳥や、トメキチも同じじゃ。どれもみな、ほっておいたら今までも生きてはおられんかったんじゃ。それがここに来て仲間も出来て楽しい毎日が過ごせたんじゃけえ…ええ一生だった思うて、送ってやりましょう」

と言うとたまらなくなったか、ウウッ、とうめいて床に膝をついて号泣した。見張兵曹は、麻生少尉のその言葉は麻生少尉自身を納得させるための言葉だと思った。そうでも言わなければこの理不尽な三匹のありように納得がいかないのであろう。

それはまた、岩井少尉たちの心でもある。

床にひざまずいて、手術台に片手をかけて泣き続ける麻生少尉、台の上に伏して泣く岩井少尉と松本兵曹長、そしてトメキチと思しき盛り上がりのそばに頬を寄せて泣く見張兵曹…四人の泣き声だけが手術室に満ちる。

どのくらい泣いたのだろう、麻生少尉は頭がものすごく痛くなったのを感じた。

見張兵曹は涙でぬれた頬に布が当たっているのかそこが痒くなったのを感じた。

そして――

「ニャマト!!」

という声が部屋に響き岩井少尉は顔を上げた。そして「ああ、死んだはずのニャマトの声が聞こえる。うちはついにおかしゅうなってしもうたんじゃ。それともニャマトがうちを迎えに来てくれたんじゃろうか」とつぶやいてふと隣を見たとき。

「麻生少尉、オトメチャン!」

岩井少尉は大声を出して二人を指差している。麻生少尉が岩井少尉の指さす方、上を見上げるとマツコが台の上から首を伸ばして麻生少尉の頭をくわえている。そしてトメキチが布の下からオトメチャンの頬を舐めている。

布の隙間からニャマトが顔をのぞかせた。その横からトメキチも出てきて顔をのぞかせた。マツコも、トメキチもニャマトも笑っている。

「トメキチ…?トメキチ生きているんか?夢、夢じゃないんね!?」

オトメチャンが叫んで布を取り払うとトメキチに手を伸ばした。トメキチは背中に包帯をまいた姿ではあったがしっかりオトメチャンの手を舐めて

「生きてるわよ僕!死んだと思ったの?トメさん。僕たち畑大尉に手術してもらったからもう大丈夫、元気になれるわよ」

と言った。マツコもいたずらっぽくその金色の瞳を瞬いて

「ほんとはね、アタシ達少し前に麻酔から覚めてたの。でも岩井少尉たちをおどかそうかって思って畑さんにこの布をすっぽり掛けてもらったのよ~。なのにニャマトが我慢できなくって声出しちゃったのよ」

と笑い、ニャマトも包帯で巻かれた身体で

「ニャ、ニャ、ニャ、ニャマート!」

と言って大きな口を開けて笑った。

オトメチャンは「ああ…良かった」というなりその場にくず折れるようにして昏倒してしまった。安心しきって緊張の糸が一気に解けたのだろう。その身体を麻生少尉があわてて支えながら

「あほ!ハシビロもトメキチも、脅かしよって!――ほいでも、えかったわあ!」

と言ってオトメチャンを抱きしめて泣いた。今度は嬉し泣きであった。松本兵曹長も、岩井少尉をしっかり抱きしめてえかった、えかったといいながら嬉し泣く。岩井少尉も兵曹長の腕の中でそうね、そうねと言いながらとめどない涙を両手の甲で拭って笑う。

そこにラケットを持って神妙な表情でやってきた松岡中尉が眼をまるくしてそして

「鳥くんに、犬くんに猫くん!――君たち生きていたのかあ!!

と大声を出して手術室の外で心配して集まっていた大勢の将兵嬢たちはわあっと歓声をあげて

「生きとった、生きとったで!えかったなあ、ハシビロもトメキチもニャマトも無事じゃったわあ、えかったえかった」

と互いに階級も関係なく抱き合って喜んだのだった。

それを医務室の扉の影から見ていた日野原軍医長、畑軍医大尉の肩をそっと叩くと

「お疲れ様。よくやってくれました、畑さんの腕は確かだね。本当にありがとう」

と言った。畑軍医大尉はそう言われて面映ゆげな表情になって「いえ。私の腕の問題ではありません、彼らの生命力とそして」

「そして?」と問う日野原軍医長に畑大尉は

「『大和』の乗組員みんなの、あの三匹に掛ける大いなる愛のおかげですよ」

と言って微笑んだ。軍医長は「大いなる愛、か。そうだね畑さん。愛に勝るものはないよね」と言って、手術室の騒ぎに見入る。

 

翌朝、機銃の長妻兵曹が機銃座の点検に来ると旋回手席に一羽の小さなスズメが止まっている。兵曹は「ありゃ。こまいスズメじゃのう…もしかして昨日の鳥の大編隊の一員か?――そうか、ハシビロ達が心配でいねんかったんか。あのな、ハシビロもトメキチもニャマトも手術がうまいこといってのう、しばらくは入室(入院と同義)じゃが、もう平気じゃ。ほかの鳥さんがたによう言うておいてつかあさいな。ありがとう、いうてね」とスズメに向かって囁いた。

すると小さなスズメは長妻兵曹に向かって一声高く鳴くとパッと舞い上がった。そして兵曹の頭上で二回旋回すると呉の町のその先の山を指して飛び去って行った。

そのスズメ――小鈴――の報告を受けた昨日の鳶たちは大喜び、皆で翼を叩きあったり高い声でさえずり合ったりそれは大騒ぎをしてマツコ達の無事を祝ったのだった。

 

松岡中尉はラケットを抱えて麻生少尉他の航海科員に

「いやあ今回ほど緊張した時はなかったね…下手に打てば鳥くんと猫くんを怪我させてしまうし。どうしたものかと考えあぐねていたら鳥の大群が来てたいへんな空中戦だったね。ハシビロも頑張っていたよ、私はハシビロくんを見直しました。あれほどの空中戦を行ってあれだけのけがをしてもなお、気丈に振舞っていたあのハシビロくんを私は尊敬します。…今回は鳥くんたちに脱帽だ、参りました―!!」

と言って皆は大笑いするとともに深くうなずいた。見張兵曹が少し心配げに

「ほいでも分隊長、またあの鴉どもが来やせんかと思うてうちはおちおちしとられんのですが」

と言ったが松岡分隊長は

「あの鴉の親分がやられたからね、ほかの連中はもう来ないよ。かりに来たとしてもこの松岡修子が対峙してやりますから皆さんご安心くださいね、熱くなれよ!」

と言って皆を笑わせた。

 

数日後、マツコトメキチニャマトは包帯の取れた体を艦長室に休めていた。

トメキチがふと「あの時ね、マツコサン。僕あの時確かに死にかけてたと思うの。でもね、遠くから『大和』のみんなが死んじゃいけない、死なないでこっちに戻っておいでって言ってくれてたの。だから僕死ななかったのね」とつぶやいた。

マツコが金色の瞳でトメキチを見つめ、静かに言った。

「それよ。それこそが愛よ。大いなる愛なのよ」

ニャマトが相槌をうつように「ニャ、ニャマト!」と鳴いた――

 

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・

マツコ達、無事でよかったです。さすが畑軍医大尉の腕は確かです。そしてあの熾烈な空中戦を戦ったマツコ、ニャマトを守ってけがをしたトメキチに拍手をお願いします^^。

 

「さらば宇宙戦艦ヤマト」から<大いなる愛>をお聞きください。壮大な曲で素晴らしいです!


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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