Archive2014年11月 1/3

「女だらけの戦艦大和」・結婚ものがたり10~始まったばかりの二人<解決編>

 その瞬間、次ちゃんは「あ――ッ!」と悲鳴を上げた――   山中大佐の砲身が、とうとう次ちゃんを貫いたのだ。 次ちゃんはその思い切り裂かれたようなひどい痛みに思わず知らず叫び声をあげてしまっていた。こんな痛みは今まで経験したことがない。彼女は (私のどこかが…裂けてしまった。きっとこの後、朝を待たずに死んでしまうのに違いない) と真剣に思って怖くなった。これまで激しい戦いの中に身を投じたことが...

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「女だらけの戦艦大和」・結婚ものがたり9~長い夜の始まり

 野村中佐は二階の寝室に当てられた部屋のドアをそっと開けた――   十二畳ほどの広さの洋室に寝台が置かれそこにはすでに婚礼布団が延べられている。中佐は急に気恥ずかしくなって布団から視線を外した。この婚礼布団は中佐の両親が買って贈ってくれたものである。中佐は部屋をそっと見回した。大きな窓、外はベランダになっている。その窓にかかるカーテンをそっと中佐は開けてみた。漆黒の、春の闇の向こうに呉湾が広...

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「女だらけの戦艦大和」・結婚ものがたり8~娘をよろしく

 列席の一同が写真撮影と、零戦の祝賀飛行に見とれている間に大広間はすっかり披露宴の準備が整えられた――   今日の一番の世話役の藤村少尉が軍帽に白手袋をつけて「皆さまお待たせいたしました。御披露の宴の準備が整いましたのでどうぞご着席ください」と呼びに来た。そこで参列者はぞろぞろと中に入り、その一番あとを山中大佐の兄夫婦と野村中佐の両親がひそやかに、仲良く言葉を交わしつつ行く。 山中大佐は「私...

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「女だらけの戦艦大和」・結婚ものがたり7~瀬戸の花嫁

 野村中佐を乗せた内火艇は上陸桟橋に静かに横付けされた――   野村中佐の両親が駆け寄ってきた。父は羽織はかま、母は黒留め袖。中佐は藤村少尉の手助けで内火艇から桟橋に降り立つと両親に向かって一礼した。白い角隠しの下の美しい顔が両親を見て微笑んだ。数瞬の間娘の晴れ姿に見とれていた中佐の母が「次子さん…きれいですよ」と少し涙ぐみつつ言い、父親は満足げな笑顔で何度もうなずいていた。 そこに一種軍装...

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「女だらけの戦艦大和」・結婚ものがたり6~登舷礼で送られて

 その日の朝が来た――   野村副長は自室で化粧や着付けを済ませて静かに椅子に座りその時を待っていた。運用長がじかに指名した三人の兵曹・兵曹長が副長の化粧・結髪と着付けを行った。その一人の化粧担当・斉田兵曹は「きれいじゃわあ、副長。あがいに綺麗な人をうちは今まで見たことがないわ。こがあに素敵な花嫁さんのお世話が出来てうちは嬉しいわあ」と言って見とれた。 着付けを担当した田尻兵曹長と宮部兵曹は...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)