Archive2014年06月 1/2

「女だらけの戦艦大和」・それを人は恋わずらいという7

 経御国三とその両親は平謝りで半泣きになって帰っていった――   そんな中、見合い会場だった部屋の隅で山中大佐はまだ野村中佐をマントに包んだまま抱き抱えていた。それにやっと気がついた中佐の母親が 「ああ、ありがとうございました。あなた様のおかげで次子は助かりました。何とお礼を申したらよいやら」 と言って山中大佐を見つめていたがやがてなにか思い当ったような顔になった。そしておずおずと 「あの・...

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「女だらけの戦艦大和」・それを人は恋わずらいという6

 野村中佐と、見合い相手の経御国三(へお こくぞう)氏は場所を変えて歓談することとなった――   しかし、野村中佐の心はどんよりしている。正直彼は中佐の趣味ではない。しかも先ほど軍帽を手にとって舐めそうなくらい見つめられたし自分自身も舐めるように見つめられて気味が悪い。少し離れて歩く。ぼうっとして歩いたせいか、人気のない道へ入り込んでいたのも気が付かなかった。 すると経御氏はいきなり中佐の片...

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「女だらけの戦艦大和」・それを人は恋わずらいという5

 野村中佐が上陸桟橋を上がり、衛兵所を通過すると向こうから母親がやってくるのが見えた――   「次子さん」と母親は小走りに中佐へと駆け寄りその前まで来ると深々と頭を下げて「お疲れ様です。お帰りなさい」とあいさつをした。 母親にこんなに丁重な挨拶をされて中佐は戸惑った、がピンと背を伸ばし几帳面な敬礼をして 「お久しぶりです。戻りました」 と挨拶を返した。母親はやっと顔をあげると嬉しそうにほほ笑...

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「女だらけの戦艦大和」・それを人は恋わずらいという4

 「そりゃあ、艦長。副長は――」と日野原軍医長は、艦長の話を聞いた後切りだした――   日野原軍医長は、机の上の医学事典に片手で触れながら 「副長は、きっとどこかの誰かに恋をしているんじゃないかと思いますね、あの顔つきはそうですよ。そしてね、艦長。あなたとその人の間で悩んでるんじゃないかと思うんですよねえ。副長はあなたが大事なのは確かです、それは私にもわかります、でも、彼女はほかに思う人がいる...

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「女だらけの戦艦大和」・それを人は恋わずらいという3

艦長室では梨賀幸子艦長が、うけとった手紙を前に複雑な思いと表情でいる――   手紙の差出人は、野村副長の母親である。手紙には、娘の次子に見合いをさせたい、ついては相手が大変急いでいるから今月の末までにはさせたい。そちらも忙しいというのは重々承知ではあるが何とかしていただきたい、という内容であった。 艦長としてはこれがほかの幹部や乗組員の親からの申し出であったなら二つ返事の勢いで応じただろうがこと...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)