Archive2013年02月 1/3

「女だらけの戦艦大和」・手紙<5>決意

岩井特務少尉は、かつての夫からの手紙を読み、驚愕の声をあげていた―― 「まさか、まさかこげえなことを言うなんか・・・」岩井少尉の、便せんを持った手が細かく震えた。岩井少尉はもう一度便せんを食い入るように見つめ落ち着いてその文面を読んだ。便せんには光雄の決して上手とは言えない文字でこう書かれていた。>昨年の正月、しんさんに「もう会いとうない」と言われて俺は正直大変悲しかったのです。俺はしんさんが好...

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「女だらけの戦艦大和」・手紙<4>安堵・倦怠・驚愕

防空指揮所の後ろ側で一人座り込んで封筒を見つめている少尉がいる―― その少尉に風が吹きつけ、艦内帽の下から出た栗色の髪の毛が小さく揺れた。樽美酒ゆう少尉である。少尉は内地からの手紙をもらったものの、(開けようかどうしようか)と迷っているのだった。少尉には内地に病弱な妹があり、いつ病状が変わってもおかしくない、覚悟はしておくようにと妹の主治医から言われていた。手紙が来たということはもしかしたら悪い...

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「女だらけの戦艦大和」・手紙<2>喜悦

士官・準士官たちが内地からの慰問品や手紙に一喜一憂している時、下士官以下の皆も―― 日差し照りつける左甲板の露天機銃のひとつ、その前に小泉兵曹と石場兵曹が立って自分宛の手紙を開封している。何も自分の配置以外に来なくてもいいと思うのだが、「誰から手紙が来たか悟られとうないけえ」という理由でここに来た。「久しぶりじゃねえ、内地から手紙やらなんやらが来るんは」と小泉兵曹はいい、手紙の封を切った。石場兵...

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「女だらけの戦艦大和」・手紙<1>惑乱

常夏のトレーラー環礁にその身を浮かべる「女だらけの大和」他の艦艇に、今日内地からの便りを持って輸送船がやってきた―― それぞれの艦に仕分けされた手紙や慰問品が、はしけに積まれて『大和』にやってきた。それを手すきの乗組員たちが総出で受け取り、各分隊ごとに仕分けしてゆく。大きく膨らんだ慰問袋やはちきれんばかりの封筒。びっしり細かい字で書きこまれたハガキ。それに小包。各分隊ごとに仕分けされたそれは、担...

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「女だらけの戦艦大和」・手紙<1>惑乱

常夏のトレーラー環礁にその身を浮かべる「女だらけの大和」他の艦艇に、今日内地からの便りを持って輸送船がやってきた―― それぞれの艦に仕分けされた手紙や慰問品が、はしけに積まれて『大和』にやってきた。それを手すきの乗組員たちが総出で受け取り、各分隊ごとに仕分けしてゆく。大きく膨らんだ慰問袋やはちきれんばかりの封筒。びっしり細かい字で書きこまれたハガキ。それに小包。各分隊ごとに仕分けされたそれは、担...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)