2011年の終わりに

2011年もあと数時間で終わります。
いろいろなことがあった年でした。

そんな中で感じたことは日本人の素晴らしさもそうですがその半面の「意地汚さ」「自己中心主義」といういやな面もしっかり感じました。

特に「自己チュウ」に関してはこれはもう国民病の様相を呈しています。
自分の欲求や不満を晴らすためになら相手を殺すこともいとわない。

そんなことはない、というなら毎日のTVや新聞紙上を見たらいいんです。殺人事件の話が出ない日がありますか?たいがい2,3件は出ています。

そのほとんどすべてが自分の欲求が満たしたいがための「自己チュウ」による殺人事件。

遊ぶ金が欲しいから人を襲って殺して山中に捨てた、という鬼畜のような殺人もありましたね。遊ぶ金が欲しいから、という時点で立派な自己チュウ患者です。

こういう人間はいつから増えたのでしょう?
かつての日本人はこうだったのでしょうか?

私は違うと思います。、もちろんかつての日本人すべてが善人であったなんていうわけがないですが今の日本人よりはましだったんではないかと思います。

思うにかつての日本人には「犠牲的精神」という崇高な精神世界が存在していました。
それはわかりやすくいうなら特攻隊に代表されるものです。

彼らは「自分たちが身を呈することで国(国の後ろには家族・ふるさとがありました)を守れるなら・・・」との思いからその命を捧げました。でもそれは決して自分の命を「粗末」に扱ったわけではない。

よく戦時中ほど命を軽く扱った時代はない、とは言われますが私にとってはあの頃より現在の方がずっと命を軽んじてはいないかと思うのです。

それが先に述べた、連日メデイアに報道される
殺人事件にあらわれています。

こんな日本はもうたくさんです。
かつてのようにもっと一人ひとりが「命」と真摯に向き合い、人の命を大事にしそして自分の命も大事にする、そんな日本に戻したいのです。

そのためにはまず政治家が「犠牲的精神」を発揮して、今のこの非常時・国難の時に当たってほしいのです。
自分の保身に汲々としている政治家なんか小物すぎて魅力も何もありません。

真の日本人なら命がけの真心、崇高な精神世界を持ってあたってほしい。
さすれば国民も早晩目覚めるのではないかと思います。

今の日本には危機感を覚えることばかりです。
対外的にも国内的にも、ごく瑣末なことでも危機感を感じてしまいます。

英霊たちが愛して、その命をささげた「日本」をどうか大事に未来永劫守ってゆきましょう。
それが私の年末に当たっての思いです・・・

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今年もたくさんの皆さんがこのブログに来てくださいました。
本当にありがとうございました!
たくさんのコメントもいただき、大変参考になったり笑わせていただいたり、頂いたコメントの数々は私の宝物です。

この大事なお付き合いを来年も、そのまた来年も・・・続けてゆきたい、そう願っています。

皆さんに「英霊のご加護」がありますように。

来年も「女だらけの帝国海軍」は進撃を続けます。どうぞまたその活躍を見てやってくださいね。

「みなさん、今年もありがとうございました。そして来年もどうぞよろしくお願いします。よいお年をお迎えください」(女だらけの帝国海軍一同より)
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「女だらけの戦艦大和」・大輪の花咲く日2<解決編>

春山兵曹の今年最後の上陸日は、彼女にとって人生最良の日でもあった――

 

春山兵曹はその日、親代わりでありそして「武蔵」での上司の北野特務少尉、友人であり少し先輩の秋川兵曹とともに上陸場に降り立った。

今日は春山兵曹と、横須賀海軍工廠・技術中尉の三浦智一との祝言の日である。

祝言の支度は三浦中尉がすべて仕切ってくれると言うことで「春山さんは何も心配しないで身一つで来てくださいね」と言ってくれた。この上陸場のあたりで待ち合わせである。

春山兵曹には既に両親はなく、長兄が横須賀の近郊に住んでいる。その長兄への報告や挨拶はとうに済んでいるが、残念なことにその日は都合がつかず式には来てもらえない。

それを伝え聞いた北野少尉が「それではあまりにさみしいではないか。よし、私がその日は親代わりだ!」と言って軍医長に申し出て、上陸を許された。

「すみません、出航前のあわただしいときに・・・」

と春山兵曹は小さくなって謝ったが、北野少尉は笑って「何言ってんだね。おめでたいことじゃないか、遠慮することはないよ。しかし、新婚生活が一晩だけってのはちょっとかわいそうだなあ」と言った。

秋川兵曹が、「北野少尉、次に内地に帰ってくるときに私の休暇を半分春山に譲ります。私は独り身ですからね、それより春山に結婚生活を味わってほしいですから」といい、北野少尉は「よしわかった。忘れんように手帳に書いておくぞ」と言って皆は笑いあった。

やがて三浦中尉がやってきて「遅れて申し訳ありません。お待たせしました!」と皆に敬礼。北野少尉はあわてて「いやとんでもない、そんなことはありません!今日はおめでとうございます」と固くなって返礼。

秋川兵曹も春山兵曹もなんだか普段と違って緊張しているのが、三浦中尉には面白い。

「さあ、みなさん。そんなに固くならないでください。・・・式場にはこの先の料亭を借りてありますから、行きましょう」

三浦中尉はそういうと皆を先導して歩き出す。その時さりげなく、春山兵曹のほうに手を差し出したのが北野・秋川両名にはじんと来る光景である。

(この二人、本当にいい縁でつながってるんだな)秋川兵曹は前のことを知っているだけに心から安堵している。

十五分ほど歩いたところにこじんまりとしているがなかなか品のある料亭が見えてきた。ここは三浦中尉が昔からなじみの料亭。

「今日は貸し切りですからね」そう言って、三浦中尉は皆を振り向いて笑った。

料亭の玄関にはもう、女将が待っていて皆に深々と頭を下げて迎えてくれた。女将は

「本日はおめでとうございます。では花嫁さまはこちらへ」

というと春山兵曹の手を取って奥へ。三浦中尉には、大番頭が「三浦様はこちらへ」といざなう。

北野少尉と秋川兵曹には二名の仲居が来て「皆さまはこちらのお部屋でお待ちくださいませ」と部屋を案内された。

案内された部屋で茶を喫しながら待っていると、三浦中尉の友人・上司が三名ほど入ってきた。

お互いに自己紹介をしあってもう和気あいあいとした雰囲気になる五人。

上司の喜木キリ技術少佐は気さくな人柄で、

「いやあ、あの三浦のようないい男を誰が射止めたのかと思っていたらなんと『武蔵』の乗り組みの方だと言うじゃないですか。横須賀海軍工廠の期待の星と、全海軍の期待の星の『武蔵』乗組員の夫婦が誕生とは、これは幸先がいいですなあ!」

と言っては茶をがぶがぶ飲んでそれが秋川兵曹には可笑しくて仕方ない。

聞けば三浦中尉の父親も海軍工廠の技術士官であった。もう一〇数年も前に定年になったので中尉の両親はハワイに渡り、乞われてハワイの海軍工廠で働いていると言う。

「彼のご両親も大変なお喜びですがいかんせん、ハワイからちょっくらちょいと帰ってくるのも大変だ、というわけでこの私が親代わりを仰せつかったわけでして」

そう言ってまた茶を飲む喜木少佐。皆がほほ笑む。

 

そして。

「お支度が出来ました」

と女将のひそやかな声がふすまの向こうですると、そっとふすまが開かれた。「こちらへ」と、五人は女将のいざなう方へ。

十畳ほどの部屋に金屏風がしつらえられ、「祝言」の場である。皆は左右に分かれて新夫婦となる二人を待つ。

皆が落ち着くと、ふすまが開きまず、羽織はかま姿も凛凛しい三浦中尉が入ってきた。そのあとを女将に手をとられて春山兵曹が美しい花嫁姿で入ってきた。

(おお・・・)と皆の間に声にならないどよめきが起きる。それほど二人は凛凛しく美しく似合いの二人であったのだ。

春山兵曹は角隠しに白無垢姿。紅く口紅を塗った唇が心なしか震えているように見える。
秋川兵曹は感無量である。(彼女とは乗り組み以来一緒だものなあ)こんなに素晴らしい花嫁になって本当によかった。なぜだか二人の姿が揺らめいた。涙があふれていた。

盃ごとは無事に終わり、喜木少佐が乾杯の音頭をとった。

金屏風の前の二人はそっと見つめあってはほほ笑み合う。(まるで一枚の絵のようだな)と北野少尉は見とれている。

 

祝言はそのあと夕方まで和やかに続き、夜になる前お開きとなった。新夫婦は今夜この料亭の一室に泊まる。

出席の皆を玄関まで見送った新夫婦に北野特務少尉は「三浦中尉、春山をどうぞ末永くよろしくお願いいたします。ふつつかな女ではございますがどうぞ三浦中尉、お導きを」とあいさつし三浦中尉は

「私こそ不出来な男でありますがどうぞよろしくお導きを願います」

というと深く頭を下げた。喜木少佐が満足げにうなずいた。
秋川兵曹は花嫁姿の春山兵曹に「本当におめでとう。・・・まずは今夜一晩ではあるがしっかり妻として勤めてこいよ!」と励ましてやった。春山兵曹は少し恥ずかしげにうつむいて「はい」と答えた。

玄関の明かりに、白無垢に銀糸で縫いとられた「桜と錨」がきらめいた。

 

・・・そしてその晩。

春山兵曹は、三浦中尉の「妻」となったのだった・・・

 

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

無事祝言が終わりまして春山兵曹は三浦中尉の妻となりました。

今後の二人をどうぞ見守ってやってくださいね♡

 

桜に錨・・・これは帽子の徽章ですね。(WIKIより)



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「女だらけの戦艦大和」・大輪の花咲く日1

「軍艦武蔵・横須賀からトレーラーへ」――

軍艦武蔵は各種兵器の修理や増強を終えてそろそろトレーラーへ戻る時が来ていた。

乗組員たちは少し名残惜しげである。「ああ、今年は内地で正月だと思ったんだけどなあ」という声が多い。

が、代わりに「大和」が内地に戻るのだからトレーラーがお留守ではならない。『大和』の留守は『武蔵』が守るのである。

そんな中・・・

 

「春山さん!」

と、最後から三番目の上陸で横須賀の町を歩いていた春山兵曹は後ろから声を掛けられて振り向いた。

「あ、三浦中尉・・」

春山兵曹は満面の笑みで三浦智一技術中尉を敬礼で迎えた。三浦中尉も嬉しそうなほほ笑みで返礼すると「お茶でもいかがですか」と言って一件の喫茶店に春山兵曹をいざなった。

三浦中尉のなじみの店のようで気のよさそうなマスターが、店の隅の日当たりのよい席をそっと示した。

春山兵曹を先に座らせてから三浦中尉はマスターにコーヒーを二つ注文した。

そして軍帽を二人は取ってテーブルの傍らに置いた。春山兵曹は(今日の三浦中尉、どこかいつもと違う)と直感した。(もしかして・・・別れを切り出されるのだろうか)と何となく嫌な予感さえしてきた。

三浦中尉は、春山兵曹の顔を見つめている。なんだかその視線が春山兵曹には面映ゆく、軽く伏し目がちになる。やがてコーヒーが運ばれてきて、まず三浦中尉がカップを手に取った。春山兵曹もカップを取り、一緒のタイミングで口をつける。

(この後・・・きっと別れを言われるんだ)

春山兵曹は少し悲しい気がしてきたが(仕方ない。縁がなかったとあきらめるしかない)と思っている。

三浦中尉がカップをソーサーの上に置いた。小さく、陶器同士が触れ合う音がして春山兵曹もカップを置いた。

二人は見つめあった。

そして、長い沈黙の後やおら三浦中尉が口を開いた、その言葉に春山兵曹は衝撃を受けることになった。

「え!?」

春山兵曹はわが耳を疑った。「三浦中尉あの・・・もう一度おっしゃっていただけますか・・・」兵曹は呆然としたままカラカラの喉で言った。

三浦中尉はほほ笑みながら春山兵曹の手を自分の手に包みこみながら、

「何度でもいいましょう。・・・結婚しましょう。春山さん」

と言った。春山兵曹の瞳に涙があふれた。そしてそれは頬を伝わり、軍服の上にしたたり落ちた。

「・・・三浦中尉。あの・・・こんな私でもいいのでありますか?本当に?」

春山兵曹は何度も何度も繰り返し訊ねる、その度に三浦中尉は微笑んでその度に兵曹の手を握る手の力を更に強くして、

「あなたでなければダメなんですよ私は。結婚してくれますか?」

という。春山兵曹はうなずきながら「はい。はい・・・結婚してください。私からもお願いいたします」と泣いていた。

それをカウンターの中から嬉しそうにほほ笑んで見つめているマスター。ふと後ろを向いて何やらしていたがやがて二人の元に何かを持ってやってきた。

「おめでとうございます。三浦さん、春山さん。これは私からの心ばかりのお祝いですよ」

差し出したのは――可愛いケーキであった。

二人はマスターに何度も頭を下げて礼を言うとその心づくしのケーキを仲良く分けて食べたのだった。

 

春山兵曹は三浦中尉に、「『武蔵』はまた近々外地に戻ります。今度はいつ帰ってこられるかわかりません。それでも本当にいいのでありますか」ともう一度念を押した。

三浦中尉は微笑んで「私も海軍に籍を置く人間ですからそのあたりのことはよくわかっています。<体が離れていること>は問題ではないんです。身は遠く離れていても心が常に近くにいるなら私は安心できますし満足です。・・・いつか、一緒に暮らせる日が来ましょうからその日を待ちながらお互いの場所で過ごしましょう。でも安心するためには私は<結婚>という形を取っておきたいのです」と力強く言った。そして更に言葉を継いで、

「あなたはご自分の過去を気になさってらっしゃるようだが済んだことは済んだこと。私は終わった過去にはこだわりません。ですからあなたももう過去を振り返るのはやめてくださいね。これは私との約束。いいですね」

というとその右手の小指を兵曹の右手の小指に絡ませて「指切りげんまんしましたよ」と言って笑った。

春山兵曹はそこで初めて晴れ晴れとほほ笑んだ。

 

春山兵曹は次の日に「武蔵」に戻ったら分隊士に「結構許可願」を出すことにした。それはたぶん最後の上陸までには受理されるだろう。

「では」

と三浦中尉は言った、「最後の上陸の日、私たちの祝言としましょう」。

春山兵曹は頬を紅く染めて「はい」と言ってうなずいた――

 

かくして翌日「武蔵」に戻った春山兵曹は、分隊士の北野特務少尉に「結構許可願」を提出した。北野少尉はことのほか喜んでくれた。

「そうかあ、よかったねえ!実はさ、秋川兵曹から以前の話を聞いていたから気になっていたんだが・・・そうかぁ、それは何よりだ!」

そして許可願は最後の上陸までに無事、受理された。

 

そして・・・ある寒い冬の日。

春山兵曹にとって今年最後の上陸日が来た――

 

(次回に続きます)

 

         ・・・・・・・・・・・・

春山兵曹、覚えてらっしゃいますか?
「別れの情景1」
「別れの情景2」

あの時はあまりに悲しい結末でしたが今度はいよいよ、春山兵曹に最高の、大輪の花が咲きます。次回はいよいよ!!

お楽しみに。





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「女だらけの戦艦大和」・大輪の花咲く日1

「軍艦武蔵・横須賀からトレーラーへ」――

軍艦武蔵は各種兵器の修理や増強を終えてそろそろトレーラーへ戻る時が来ていた。

乗組員たちは少し名残惜しげである。「ああ、今年は内地で正月だと思ったんだけどなあ」という声が多い。

が、代わりに「大和」が内地に戻るのだからトレーラーがお留守ではならない。『大和』の留守は『武蔵』が守るのである。

そんな中・・・

 

「春山さん!」

と、最後から三番目の上陸で横須賀の町を歩いていた春山兵曹は後ろから声を掛けられて振り向いた。

「あ、三浦中尉・・」

春山兵曹は満面の笑みで三浦智一技術中尉を敬礼で迎えた。三浦中尉も嬉しそうなほほ笑みで返礼すると「お茶でもいかがですか」と言って一件の喫茶店に春山兵曹をいざなった。

三浦中尉のなじみの店のようで気のよさそうなマスターが、店の隅の日当たりのよい席をそっと示した。

春山兵曹を先に座らせてから三浦中尉はマスターにコーヒーを二つ注文した。

そして軍帽を二人は取ってテーブルの傍らに置いた。春山兵曹は(今日の三浦中尉、どこかいつもと違う)と直感した。(もしかして・・・別れを切り出されるのだろうか)と何となく嫌な予感さえしてきた。

三浦中尉は、春山兵曹の顔を見つめている。なんだかその視線が春山兵曹には面映ゆく、軽く伏し目がちになる。やがてコーヒーが運ばれてきて、まず三浦中尉がカップを手に取った。春山兵曹もカップを取り、一緒のタイミングで口をつける。

(この後・・・きっと別れを言われるんだ)

春山兵曹は少し悲しい気がしてきたが(仕方ない。縁がなかったとあきらめるしかない)と思っている。

三浦中尉がカップをソーサーの上に置いた。小さく、陶器同士が触れ合う音がして春山兵曹もカップを置いた。

二人は見つめあった。

そして、長い沈黙の後やおら三浦中尉が口を開いた、その言葉に春山兵曹は衝撃を受けることになった。

「え!?」

春山兵曹はわが耳を疑った。「三浦中尉あの・・・もう一度おっしゃっていただけますか・・・」兵曹は呆然としたままカラカラの喉で言った。

三浦中尉はほほ笑みながら春山兵曹の手を自分の手に包みこみながら、

「何度でもいいましょう。・・・結婚しましょう。春山さん」

と言った。春山兵曹の瞳に涙があふれた。そしてそれは頬を伝わり、軍服の上にしたたり落ちた。

「・・・三浦中尉。あの・・・こんな私でもいいのでありますか?本当に?」

春山兵曹は何度も何度も繰り返し訊ねる、その度に三浦中尉は微笑んでその度に兵曹の手を握る手の力を更に強くして、

「あなたでなければダメなんですよ私は。結婚してくれますか?」

という。春山兵曹はうなずきながら「はい。はい・・・結婚してください。私からもお願いいたします」と泣いていた。

それをカウンターの中から嬉しそうにほほ笑んで見つめているマスター。ふと後ろを向いて何やらしていたがやがて二人の元に何かを持ってやってきた。

「おめでとうございます。三浦さん、春山さん。これは私からの心ばかりのお祝いですよ」

差し出したのは――可愛いケーキであった。

二人はマスターに何度も頭を下げて礼を言うとその心づくしのケーキを仲良く分けて食べたのだった。

 

春山兵曹は三浦中尉に、「『武蔵』はまた近々外地に戻ります。今度はいつ帰ってこられるかわかりません。それでも本当にいいのでありますか」ともう一度念を押した。

三浦中尉は微笑んで「私も海軍に籍を置く人間ですからそのあたりのことはよくわかっています。<体が離れていること>は問題ではないんです。身は遠く離れていても心が常に近くにいるなら私は安心できますし満足です。・・・いつか、一緒に暮らせる日が来ましょうからその日を待ちながらお互いの場所で過ごしましょう。でも安心するためには私は<結婚>という形を取っておきたいのです」と力強く言った。そして更に言葉を継いで、

「あなたはご自分の過去を気になさってらっしゃるようだが済んだことは済んだこと。私は終わった過去にはこだわりません。ですからあなたももう過去を振り返るのはやめてくださいね。これは私との約束。いいですね」

というとその右手の小指を兵曹の右手の小指に絡ませて「指切りげんまんしましたよ」と言って笑った。

春山兵曹はそこで初めて晴れ晴れとほほ笑んだ。

 

春山兵曹は次の日に「武蔵」に戻ったら分隊士に「結構許可願」を出すことにした。それはたぶん最後の上陸までには受理されるだろう。

「では」

と三浦中尉は言った、「最後の上陸の日、私たちの祝言としましょう」。

春山兵曹は頬を紅く染めて「はい」と言ってうなずいた――

 

かくして翌日「武蔵」に戻った春山兵曹は、分隊士の北野特務少尉に「結構許可願」を提出した。北野少尉はことのほか喜んでくれた。

「そうかあ、よかったねえ!実はさ、秋川兵曹から以前の話を聞いていたから気になっていたんだが・・・そうかぁ、それは何よりだ!」

そして許可願は最後の上陸までに無事、受理された。

 

そして・・・ある寒い冬の日。

春山兵曹にとって今年最後の上陸日が来た――

 

(次回に続きます)

 

         ・・・・・・・・・・・・

春山兵曹、覚えてらっしゃいますか?
「別れの情景1」
「別れの情景2」

あの時はあまりに悲しい結末でしたが今度はいよいよ、春山兵曹に最高の、大輪の花が咲きます。次回はいよいよ!!

お楽しみに。





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日々雑感・今年最後の休日です。

今日は天長節、言わずもがなの天皇陛下のお誕生日です。
うちでは、恒例の「日の丸掲揚」をしましたがなんだか風がやたらと強くって、ちゃんとした掲揚台というかポールのない我が家の日の丸(布団干し用のポールにくっつけています)は数回風に吹き倒される始末・・・
まあ、だいたいが日の丸自体がでかいんですよね、120×180のテトロン製。
軽くて風にたなびいていいのですが大きさが災いしたか?
でも大きくて目立つものが好きな私はやめられませんね。
棒に巻きついたりするたびに直しに出るんですが、今日はこういう日なので「街宣車」がうちの前をよく通りまして、ちょっとその人たちに見られてるかも、と思うと恥ずかしい気もしますね。
旗の大きさが大差ないのがよく見てとれます。

もう明日からはうちの店も「年末体制」です。今日が年内最後の休みの日ですのでゆっくりしています。
きっとまた、28日あたりに義弟夫婦が「お手伝い」に来るんでしょうが、私は売り場でレジを一人で担当なので正直実感はありません。
嬉しいのは姑さんですね、かわいい二男夫婦が来てくれるんですものね。
ともあれ体調に気を配ってあと、腱鞘炎に気をつけて31日まで頑張らねばいけないです!

仕事も夜遅くに終わるようかもしれませんが記事の更新はしてゆきたいと思っています。お話のストックが少しできましたから。

でも!!
年賀状をまだ書いていない!
プリンターがダメになったので買い替えないと・・・なんか間に合わなそうな気がしますが。
ダメならもう、手書きだ!

・・・とこんな感じで今年も暮れてゆきます。
あとちょっとの平成23年、どうなりますやら???

皆さんどうぞお風邪など召しませんように。

日の丸201112230913000 
(うちの自慢?の日章旗です。ちょと風でくちゃくちゃです)


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見張り員

Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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