「女だらけの戦艦大和」・スーパーアイドル誕生3

「な、なんでしょうか、御用の向きは・・・」と麻生分隊士と見張兵曹は抱き合ったままで震える声で言った――

 

まず副長に発見された二人は、気まずそうな顔で副長を見た。なぜなら二人は、いつも兵曹が当直の際に使うラッタルの陰で熱い抱擁をしていたのだ。しかも副長が「おお、麻生分隊士」と声をかけた時まさに、分隊士は兵曹の紅い唇を奪った瞬間でもあった。

慌てて離れようとする二人に副長は「いいからそのままで聞いて?あのね、悪いんだけどまた工作科の秋山兵曹長と三人で考えてほしいものがあるのよ」と言うなり、硬直したように抱き合ったままの二人を引きずって行った。

「か、考えてほしいと言われますと?」麻生分隊士は引きずられながら聞いた。副長は二人を引きずったまま振り向いてニヤリ、と笑った。そして「今は教えない」と言って二人を艦長室に連れて行く。

(またきっとおかしなものを発明しろと言うのだろう。ああもういやだ・・・)

分隊士と兵曹は心底恐ろしくなった。今まで無理が通れば道理は引っ込むとばかりに無理な要求ばかりされてきた。・・・馬面しかり、「磁性塗料」の前身のししおどし然り。しかもそれを発明するためにずいぶん体力も気力も遣わされた。またその思いをしなきゃいけないのか、もういやだ。

そして三人は艦長室に。副長がドアを開けた部屋の中に、顔色の悪い秋山兵曹長が艦長と参謀長に挟まれたような状態でいた。彼女は身体を固くして艦長室のソファに座っていたが、麻生分隊士と見張兵曹の顔を見て「ああ!」と声を上げた。

分隊士と兵曹は、秋山兵曹長と並んで座らされた。(いったいどうなるんじゃろうか?)言い知れぬ不安がよぎる。

おもむろにまず、副長が口を開いた。

「今回は・・・私たち三人の『衣装』を考案してほしい」

特務少尉と準士官、下士官の三人は思わず「い、衣装!?」と素っ頓狂な声をあげていた。それを参謀長が「しっ、静かに。声が高いぞ」とたしなめた。三人は、自分の口を片手でふさいだ。が、麻生分隊士が「どういうことですか、いきなり『衣装を』と言われてもどういうことかわかりかねます」と尋ねると、今度は艦長が口を開いた。

「実は、私たちで――」

その話の詳細を聞いた分隊士以下三人は「・・・ええっ?」と言葉を失った。よりによって、海軍期待の星、一番艦『大和』の重鎮が三人そろって「アイドル」だと!?そしてその舞台衣装を我々に考案しろだと!いったい、一体この人たちは――

「面白い!やりますとも!」

そう大声で言ったのは誰あろう秋山兵曹長。「ねえ、やりましょうよ!」と兵曹長が他の二人を見かえれば麻生少尉も見張兵曹ももう乗り気であるのが手に取るようにわかる。

目をキラキラさせている。

艦長も副長も、参謀長も「そうか!やってくれるんだねえ!・・・いやあ、よかったよかった」と手放しで大喜びである。

副長がふと我に返って、「で、お三方。このことは絶対誰にも内緒だからね。もし、ほかの誰かにしゃべったり衣装を見られたりしたらその時は」

「その時は?」と分隊士以下三人。副長は自分の腰の短剣を引き抜くと三人の前に置いて「これで責任とってもらうから、いいな!」と怖い声を出した。

「ひっ・・・」と麻生少尉と秋山兵曹長は身を引いた。見張兵曹は黙ってその短剣を見つめている。

「で、いつ頃までに作ったらよいのでありますか?」と兵曹長が恐る恐る訊ねた。艦長がちょっと空を見上げて「そうだねえ。いつ頃がいいか・・・」と唸った。参謀長が「五月二十七日の海軍記念日の一週間前がいいよ。いろいろとそれまでにしとくこともあるし。・・・麻生少尉、秋山兵曹長と見張兵曹とともに海軍記念日の一週間前までに衣装を作り上げてほしい」と言った。

「はあ、わかりました。一応これからデザイン画を作りますのでご希望のデザインがあったら教えてください」と秋山兵曹長が言って、艦長と副長が何やら兵曹長にささやいている。

 

三人は、衣装が出来るまでまたあの『竹の宿』に軟禁状態となった。あの頭のでっかい爺さんが来て例によって「うちは前金制じゃけえ」と言った。麻生分隊士はまた高額な宿代を支払うのか、と苦り切った表情で前もって集めておいた三人分の宿代「90円」を爺さんに手渡そうとした。

が今日は爺さんは「前金だ」といいながらも笑って手を出さない。不思議に思う三人に爺さんは「もう宿代は梨賀さんからもろうてあるけん。あんたらは自分の仕事に専念していたらええよ。部屋は前来た時と同じ部屋じゃからね」と言って中にいざなった。

いつか、魚雷回避のための難しい発明を強制されたとき使った懐かしい部屋。ふすまを立てれば部屋がふた間に分かれる斬新な部屋。

爺さんは「女の子と男を一つ部屋に寝かすわけにゃいかんけえ」と見張兵曹と分隊士を交互に見て言った、そのとたん麻生分隊士は「誰が男なんじゃ!?うちは女じゃ、いい加減分かれ!」と怒って爺さんはびっくり、退散して行った。

「全く、いつになったらわかるんじゃ。あの爺さんは!」と怒る分隊士。こっそり笑う兵曹長とオトメチャン。

ともあれ三人は部屋に入りそれぞれ思い思いの場所に座った。しばらくして爺さんがお茶の用意を持ってきた。

それをオトメチャンは受け取って、茶を入れて分隊士と兵曹長に差し出した。「すまんね」と言って受け取って熱いお茶をすする二人。それを見てからオトメチャンもお茶をすすった。

「じゃあ、ちっと休んで風呂を使わしてもらおう。それからゆっくり考えたらええんじゃないか?」

分隊士が言って二人は賛成。三人はお茶を喫した後ぞろぞろと風呂に向かう。

 

その頃「大和」では「艦艇ーズ」の三人が歌と振り付けの練習に余念がない。

艦長はハアハアと息を切らしつつも懸命のようだ。そして「早くモノにして海軍記念日にみんなにお披露目だ!頑張ろうねえ~」と檄を飛ばす。

副長は決めのポーズをつけながら「梨賀艦長、息上がってますよ。倒れないでくださいね」と艦長を気遣う。が、艦長は「もう!副長ったらちょっとばっか若いからって私を年寄り呼ばわりして!やめてよそういうの。艦長傷つくじゃない!」と怒りだして副長に掴みかかる。参謀長があわてて「梨賀、喧嘩してる場合じゃないって。副長は悪気があって言ったんじゃないんだから、本当のこと言われて怒るな!」となんの慰めにもならないことを言ってどうやら収めた。

 

その夜遅く、艦長たち三人は最上甲板で春の風に吹かれつつ「ああ、早く衣装を見たいなあ」と言ってはまんじゅうにかぶりついていた――

      (次回に続きます)


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「女だらけの戦艦大和」・スーパーアイドル誕生2

「ほう。『艦艇ーズ』かあ」艦長と副長の口からため息が漏れた――

 

梨賀艦長・野村副長・森上参謀長は何気に歌った「ハモリ」があんまりにもうまく行ったので「海軍一のアイドルスターを目指そう」と言うことになって、まずはグループ名を参謀長が考えてきたのだった。

「そう、艦艇ーズ。私たち三人を海軍艦艇に見立てたわけよ。梨賀が駆逐艦。副長が空母。で、私が戦艦だ」

と参謀長は嬉しそうに言ったが、艦長がその言葉にクレームをつけた。「ちょっと待ってよ、なんで艦長が駆逐艦なのさ!?」

だが参謀長はそれには耳をかさず「で、話はもっとあるんだけど・・・」と続ける、艦長はもう諦めて参謀長の話を聞くことに。

「私たちに『愛称』をつけないといかんからね。どんな愛称にしようかと思ってさ」と参謀長は二人を見て言う。

「『愛称』ねえ・・・」と副長がうなる。「要するに大和で言うなら『オトメチャン』みたいな感じの、あれでしょう?」

参謀長はうなずいた。副長が、「でも難しいねえ」と頭を抱える。参謀長は「そんな難しく考えんでいいから、ほら名前とか名字から付ければいいんだし」と助け船を出した。

「名前から、ねえ・・・」と艦長。参謀長は「そうそう、たとえばラン・スー・ミキ、みたいなさ」と言う。副長が「ラン・スー・ミキ・・・???」とつぶやく。参謀長は「それはたとえだがね。だから私たちだったらさ・・・」

それを艦長が引き継いで「ナシ・ノム・ガミ。そんな感じでいいの?」と言った。

「ナシ・ノム・ガミぃ~~~!」と副長が大笑いを始める。「まるっきりそのまんまじゃないの、ひねりがないよ、ひねりが!」

参謀長は「あのさ。『ガミ』ってもしかして私のことかね?」と聞いた。艦長はまじめな顔で「決まってるじゃん、森上の『ガミ』だよ」と言う。

副長もちょっと考え込んで「私は『ノム』ですかあ。なんだかいつもぼやいていそうな愛称で、ちょっと私はいやだなあ」と進言。

艦長はふーん、と唸って「じゃあちょっと考えようか。そのなんだ、ラン・スー・ミキみたいな乗りでいいんでしょう?」と言い、寄ってきたトメキチを抱いて、書類の整理に戻って行った。

 

そしてそれから二日ののち。

昼戦艦橋にいた副長と参謀長のもとに艦長がやってきて「出来たよ」と言う。

「なにが?」と言う参謀長に艦長は「『艦艇ーズ』のメンバーの愛称。聞きたいか?」と威張って言う。副長が「それは聞きたいですよ、聞かせてください艦長」とにじり寄った。艦長は「よーし。では・・」と言いかけてその場に通信科の兵がいるのに気がついて「こっちへ」と艦橋の外へ出た。三人はひとけのなさそうな最上甲板に行った、そこで艦長はやおら「これだっ、文句は言わせねえぜ」と、一枚の紙をひらつかせた。

そこには

「梨賀幸子→ナッシー 野村次子→ツッチー 森上信江→モッチー」

と書いてある。ほう、と声を上げた副長。参謀長は「いいけどどうして梨賀だけ『ナッシー』で、副長と俺は『チ―』なわけ?」と聞いた。艦長は「三人とも『チー』でもいいんだけど、ちょっとした変化をつけたかっただけだよ。で、私と森上さんは名字から付けたけど副長は名前の『つぐ子』からツッチーなの。これも変化の一つだね」と胸を張った。

副長も参謀長も「ふむ。まあいいだろう」と言うことになり一件落着。

この後はどんな歌をどういう感じで歌うかを話しあった。既成の歌でもいいがそれをただ普通に歌うのでは能がない、なさすぎるとの副長の提案で参謀長の知り合いの軍楽隊の大佐に頼んでまずは流行歌を数曲アレンジしてもらうことに。その後その大佐にオリジナル曲を作ってもらうこととした。

「ねえ、衣装はどうします?このままの三種軍装だとか、トレーラーに戻って防暑服じゃあそれこそ能がない。なさすぎるね。どうします?」と副長が艦長に食いついた。艦長はうーん、と困った。そして「ここはひとつ内密に」工作科の秋山兵曹長にデザイン等考えてもらおうじゃないかと言うことで落ち着いた。

当の秋山兵曹長がどう答えるか、わからないがともかく頼んでみよう。

 

副長はその晩、工作科に秋山兵曹長を訪ねた。副長は兵曹長を最上甲板の、主砲塔の陰にいざなった。兵曹長は最初ものすごい警戒心をあらわにしてなかなかそこに近寄ってくれず副長はほとほと参った。何故兵曹長がそこまで警戒するかと言えば、今までいろいろと変な発明や工作物をむりくり作らされていたからに他ならない。

そこで艦長が直々に出て行くとやっと兵曹長は三人に寄って行った。

「秋山兵曹長、君を女の中の女、工作科の中の工作科と見込んで頼みがある」と艦長は例の衣装の話を持ち出した。

秋山兵曹長は胃のあたりがむかむかして気分が悪くなって来たのを感じたが、断ることは不可能のような雰囲気である。

「しかし、私一人では荷が重すぎます。誰かに手助けを頼みたいものですが」兵曹長は懇願した。参謀長は「うむ、それも道理だね。・・・では、麻生少尉と見張兵曹ならどうかな?」と提案した。兵曹長は手を叩いて同意した。

そこで艦長以下の四人は麻生分隊士・見張兵曹を探しに出かけた。

 

この二人はいつものラッタルの下で抱き合っているところを副長によって発見された。気まり悪げな表情を浮かべる二人に副長は、「お楽しみのところ本当に済まんがちょっと来てほしいの。頼みがあってさ」と言って分隊士とオトメチャンをひっぱって行く。

「た、頼みってなに・・・?」

恐怖で声が震える二人である――

   (次回に続きます)


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「女だらけの戦艦大和」・スーパーアイドル誕生1

「女だらけの戦艦大和」は日本の春の真っただ中にいる――

 

心浮き立つのは階級には関係ない。一水兵も、最上甲板から見える呉の桜に彩られた景色に不意に鼻歌の一つも出ようと言うものだ。

もちろん艦長・副長・参謀長だって例外ではない。

今日は珍しくその三人が防空指揮所に上がって桜満開の景色を満喫中である。と、梨賀艦長がふっと懐かしい唱歌を歌い始めた。

すると副長もそれに唱和する。続いて参謀長が、副旋律を歌い出し見事なハーモニーを醸し出した。

「おお・・・」

「すごいねえ」

「イケるねえ」

と艦長・副長・参謀長が互いに顔を見合わせてにっこり笑った。「じゃあ今度は・・」とまた別の歌をハモリ出す三人。なんだかものすごくきれいにハモれるのが嬉しい。

唱歌から流行歌、果ては軍歌まで、ちょっと無理があるような歌でも参謀長が頑張ってハモる。三人はだんだん「その気」になって来たのも仕方がないだろう。

 

「よし!こんな素晴らしい三人組をこのままにしておくのはもったいない。――今日から『海軍一のアイドルグループ』を目指そうではないか!」

梨賀艦長の一言で、乗りやすい副長も参謀長も完全に乗っかった。「まずは『大和』の中から発信だ!事あるごとに我々が歌って踊ればこういうことには口の軽い我が乗組員のこと、あっという間に評判が広まっていずれは海軍省のお墨付きのアイドルになれるかも、だ!」と艦長が言った。

「あ、でもちょっと待って」と副長が、待ったをかけた。

「なに?何かあるの」と艦長がちょっと不審げな顔をした。その艦長に副長は、「その前に大事なこと、忘れてますよ。艦長。・・・グループ名を考えなきゃ。それと私たち三人の愛称もね」と言って、艦長と参謀長は「ああ!それは肝心なことを忘れていたよ!」と合点した。

さあその日から三人の『グループ名』探しが始まったがこれがなんとも難しい。

色女三人衆(ピンクレデイー)』→「だめ!色女なら長妻兵曹とか小泉兵曹でしょう?私たちは清らかな三人組!」と言うことで却下。

YMT四八』→「YMTって何さ?」「YAMATOYMTですよっ」「四八ってなによ?」「いや・・・なんとなくノリで」「いい加減すぎ!真面目に考えて!」と言うことで却下。

その他いろいろ考えたがこれと言う物が出てこない。

考え始めてからもう一週間が経った。

参謀長はほとほと困り果てて防空指揮所に上がり、聞くともなく兵員たちの会話を聞いていた。

いつものように麻生分隊士と見張兵曹が話をしている。

「ねえ分隊士。この先私たちがアメリカに言ったら、やはり英語とやらをしゃべれないといかんでしょうか?」

「ほうじゃねえ。まあちょっとした言葉くらいは話せんと帝国海軍軍人がすたるかも知れんねえ。ああ、聞いた話じゃけど英語では二つ以上の物には「ズ」ってつけるんじゃと」

「『ズ』、ですか?じゃあたとえばここにまんじゅうが二つ以上あったら『まんじゅうズ』言うんですかあ?」

「ほうじゃのう。『せんべいズ』とか『機銃ズ』とか。ここで言うなら『双眼鏡ズ』、かあ?」

そして二人が大笑いしているのを参謀長は聞いた。参謀長はちょっとは英語がわかるのでそれを苦笑しながら聞いていた。

が。

次の瞬間、「そうだ、これで行こう!」と叫ぶとその場を走り去って行った。麻生分隊士と見張兵曹は「わっ、参謀長いつの間にいたんじゃあ?」と驚いている。

 

参謀長は、まず副長を探した。なかなか見つからない、と思ったら副長は日野原軍医長とおしゃべりに花を咲かしている。

「おお、副長!話がある、早く昼戦艦橋に来て!」

いきなり飛び込んできた参謀長に日野原軍医長はぎょっとしながらも「忙しいのにごめんね副長。またあとで」と副長を送り出した。副長は軍医長との楽しい時間を邪魔されてちょっとふくれている。

「なんの話をしてたんだ。軍医長と」と聞く参謀長に副長はいやらしい笑いを浮かべて「ヘヘヘ。男の体の仕組みだよ」と言った。

「男の・・・っておぼこ娘見てえなこと言って。そんなんで喜ぶんはオトメチャンくらいだよ」と参謀長は言ったが、よく考えればオトメチャンは男の体の仕組みなんぞ関心の埒外だろうしそういう話に飛びつきっこない。副長も「オトメチャンは清らかですからね、そんな話で喜ぶわけないでしょう」と突き放したような言い方をしてあきれた。

「ところで、なんの話ですね?」と副長は訊ねた。参謀長は「ほら、グループ名を考えついたんだよ。もう最高のやつ!だから早く梨賀のやつ呼んで!」とせかす。

副長は「艦長ならさっき艦長室にいたから・・・」と二人は艦長室に行った。果たして艦長は、部屋でトメキチに邪魔されながら書類の整理中であった。

「え?グループ名出来たの?なになに、早く教えて~」

艦長は書類を机の上にほっぽり出して飛んできた。

三人は、艦長室のソファに座った。

「早く、森上さん!もったいぶってちゃ嫌だよ」

艦長・副長がせっつく。

森上参謀長は、手帳を出すと万年筆で何やら書いた。そして「こうだ。これならいかにも海軍のアイドルグループらしいだろう!」と言って手帳をテーブルにドン、と置いた。

艦長・副長がのぞきこんだそこには、こう書かれていた。

「艦艇―ズ(かんていーず)」・・・・

 

    (次回に続きます)


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「女だらけの戦艦大和」・海軍銀輪部隊4<解決編>

「女だらけの戦艦大和」十三分隊でひとり残された下士官の操舵長が「私も行きたかったのに」とぼやいている頃――

 

長迫の海軍墓地内を歩く松岡分隊長に、あとから追いかけてきた麻生分隊士が「分隊長、松岡分隊長?」と声をかけた。

「ん!どうしたあ?」とさわやかに振り向いた分隊長に、麻生分隊士が「分隊長の大きな自転車が英霊の墓石を傷つけそうであります。ここの通りはせまいですから自転車をおろされてはいかがでしょう」と言った。分隊長は、はっとして自分の後ろを見た。確かに自転車が墓石に接触寸前である。

「これはいけないな!静かな眠りを邪魔するものは馬に蹴られて死んじまえ、と昔から言うからね。じゃあ、壊したりする前にここを失礼しようか」

松岡分隊長は案外素直に分隊士の進言を受け入れた。そして「ではみんな、下に戻って拝礼して行こう」と言い、皆は下の広場に集まり、分隊長が音頭をとって敬礼して海軍墓地を出た。

石場兵曹などは、「今日はもうこれで散会にしてほしいな。艦内での訓練の方がずっと気が楽じゃ」と言って自転車をゆすりあげる。石場兵曹の肩に、折りたたみ自転車の重さがぐっとのしかかってきて痛い。

谷垣兵曹も「そうじゃな。敵機発見の伝達訓練をせんといかんじゃろ?そっちの方が先じゃと思うんじゃがね。はよう帰って訓練じゃ」と言う。他の皆も、もう帰れるだろうと言う気分になって来たその時。

やおら松岡分隊長が大声で言い放った。

「じゃあみんな、『両城』に行くぞ!」

「ええっ!!」「りょ…両城!」

『両城』と言えば急斜面で有名でしかもものすごい急こう配の階段が確か二百段くらいあるって聞いてるけど。時折海軍の「海猿」と呼ばれる潜水部隊がその階段で鍛錬してると聞いた。そして何よりここからはうんと遠い・・・。

分隊員の顔に絶望が宿った。しかし松岡分隊長はそれに気がつかないのかひとり上機嫌である。ここから両城まではずいぶんあるではないか。そうそう簡単には行かれないと思うのだが、そんなことは松岡分隊長には通らない。

「熱くなれば不可能はないんだぞ。自分を信じてやってみろよ、ビリーブ!なんでもダメだと思えばそこまでだ!いいかい、じゃあ行くぞ!」

言うなり走り出す松岡分隊長。麻生分隊士は泡を食って、「みんな走るぞ!」と叫んでそのあとを追った。分隊士の自転車が、その背中で跳ねる。

分隊員も自転車とリュックサックを揺すぶりながら後を追って走る・・・。

松岡分隊長の胸でトメキチが「キャン、キャン」と小さく吠えている。それを聞いて見張兵曹は(トメキチ気分が悪いんじゃないかなあ。早くこの行軍終わってトメキチを抱っこしたいなあ)とトメキチを気遣った。

そんなオトメチャンの心なぞしらぬ気に、松岡分隊長の掛け声が先頭から「熱くなれよ―」「やればできる」と聞こえてくる。

走るルートは分隊長任せなので、なんと朝日町の遊郭のそばまで通ることになった。

小泉兵曹などは「おおう・・・ここでストップしたいなあ・・・」とうなりをあげている。数名の朝日町の常連の分隊員が小泉兵曹に同意の唸り声をあげた。

しかしここから目的地まではまだまだ相当の距離がある。麻生分隊士は少し・・・いやかなり不安になって来た。(とても両城まで行けるものではないぞ。これはなんとか途中で分隊長に思いとどまらせないといけないな)

だが分隊長はひとり上機嫌で走り続けている。

 

一体どこをどう走ったのだろうか?みな誰もここがどこだかわからなくなってきた。足は半分感覚がなくなり、頭の方も少し思考が鈍りがちになって来た。

そしてさっきまでうららかな春の日差しに満ち溢れていたはずの空がどんよりと曇ってきている。つめたい風さえ吹きだしている。

(まずいなあ)と分隊士は思った。そこで「松岡分隊長!」と声をかけた。分隊長は「ん、どうしたかな麻生さん!」と言って振り向いた。

分隊士は空を指して「雨が来そうです。今日は行軍はやめて戻りませんか」と言った。松岡分隊長はちらっと空を見上げたが「大丈夫だよ、麻生さん。降りそうもないじゃないか、心配性だなあ、麻生さんは」と言って笑うだけ。

しかしなあ、と分隊士は空を見上げて思う。思ううちに背後の峰々から黒い雲が湧き立ってきた。

それから五分もしないうちにポツポツと雨が落ち始めた。地面に黒く雨粒が点を描き出す。そしてそれはあっという間にすさまじい勢いで降り始めた。

「うわあ!」と皆が一斉に声を上げる。松岡分隊長は「みんな静かに、落ち着けって!たかが雨じゃないか何をそんなに焦るんだあ!」と怒鳴った。

が、それと同時に空がまばゆく光り、数秒の間をおいて裂けるような雷鳴がとどろくに至って、分隊員はパニックに陥ってしまった。特に見張兵曹は雷に異常に恐怖を感じているらしい。真っ青になって震え始めた。

麻生分隊士は「みんな自転車を組み立てて乗れ!上陸場まで走るぞ!」と言うと折りたたみ自転車を背中からおろした。

みんなもそれに倣い自転車をおろして広げた。

「組み上がったか、では行くぞ!」

雷鳴とどろく中、分隊士は松岡分隊長の意向も聞かないで自転車で走りだした。十三分隊員がそのあとに続く。

松岡分隊長は、それをしばらく見つめていたが胸に抱いたトメキチに「見たかあ、犬くん。みんなやっと熱くなってきたぞ。さあ、私たちも行こうじゃないか!」と話しかけると自分も重い『運搬車仕様』の自転車を背中からおろして、ラケットの無事を確認したうえで「じゃあ、行こうか!」と言って「熱くなれよ―。麻生さ―ん!!」と叫びながら自転車をものすごい勢いでこいで行く。

 

いつの間にか中通りに入ってきたようだ。雨は相変わらず前さえ見にくいような勢いで降っている。十三分隊員は勢いよく自転車を飛ばしてゆく。

先頭は麻生分隊士。その後ろを見張兵曹がついてゆく。

「大丈夫かあ、オトメチャン!」

分隊士は振り向けないまま、正面に向かって叫ぶ。その声を聞いて見張兵曹は「はい、大丈夫です。後ろもみなついてきています!」と健気に答える。

みんなの三種軍装はもうぐっしょりと濡れている。

そこに。

ものすごい音が背後からやって来た。ハッと皆が横を見れば松岡分隊長の乗った『運搬車仕様』のあの自転車が戦車並みの音を立てて、水たまりの水をサドルのあたりまで吹きあげながら走っている。

彼女はあっという間に麻生分隊士の横に付いて「麻生さ―ん!麻生さん早いなあ、さあ、ここから先は私と競争だよ」と言うなり速度を更にあげて走って行った。

「分隊長!競争なんかしませんったら!危ないですよ!」

「あぶない、トメキチ!!」

麻生分隊士とオトメチャンの叫び声がこもごも響いた。ゴーッ、とものすごい音を立て、分隊長の自転車は豪雨の中に消えて行った・・・。

 

皆がそのあとを追いかけて二、三分も走った時前から憲兵隊のサイドカーが来た。上等兵の憲兵嬢が「あ!あなた方はさっきの海軍さんのお連れですか!」と叫んだ。分隊士が「そうですが、何かあったんですか!」と問うと、憲兵嬢は「さっきの海軍の士官さん、堺川に突っ込んでしまわれました。今自分たちの仲間が引き揚げています、こちらです、早く!」とせき込んで皆を案内。

「トメキチ!!」

と叫んで十三分隊の皆は一斉に走り出した。

 

松岡分隊長は堺川の一番呉駅に近い橋の上から川に落下していた。

憲兵嬢たちに引き上げられながらも「ありがとうみんな!どうかなみんなも一緒に走って行かないか?」と言っている。

そこに十三分隊員がざあっと音をさせてやって来た。自転車が次々とまって憲兵嬢たちは少し驚いている。

「トメキチ、トメキチはどこ!?」

麻生分隊士・見張兵曹・小泉兵曹・・・皆が騒ぎ出した。見張兵曹は「トメキチ・・・川にハマって流されちゃったんだ。ああ、かわいそうなトメキチ・・」と言うなり顔を覆って泣き始めた。皆の間に沈痛な空気が流れた時、「キャン!」と声がして皆そちらを見た。一人の憲兵嬢がトメキチを抱いているではないか。

憲兵嬢がトメキチを見張兵曹に差し出しながら「この子が自分たちのところに急を知らせに来てくれたんであります」と言って皆は唖然として分隊長を見た。分隊長は「トメキチが一番熱くなってたぞー!落ちる瞬間、私の胸からさっと飛び出して行ったんだぞ。見せたかったな~」と言って笑っている。

「ともあれ、ご無事で何よりでした」と憲兵嬢たちが言って、十三分隊の皆は礼を言ってそこで別れたのだった。
その日は「両城」をあきらめた分隊長だったが「でもそのうち必ずね!」といい、十三分隊の皆を恐怖に陥れている。

 

地獄の自転車行軍の話をのちに聞いた操舵長。

「ああ、行かなくってよかったー!」とうれしげであったとか。そして他の艦の操舵員仲間で作っている「舵長倶楽部(だちょうくらぶ)」の仲間にこれを話して仲間から「ええ?ちょっとそっちの分隊長って変じゃねえ?」とずいぶん心配されたとか。

そして、その晩。十三分隊の皆は筋肉痛で苦しんだとか。

嗚呼・・・・。(やりつけないことはしない方がいいね)


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「女だらけの戦艦大和」・海軍銀輪部隊3

「ぶ・・・分隊長」と皆の口から驚きの声が漏れた――

 

松岡分隊長は、あのでかい『運搬車仕様』の自転車とラケットを背中に背負い、身体の前にはおんぶ紐でトメキチを抱いている。トメキチはなんだか居心地悪いのかやたらと暴れている。

見張兵曹が思わず「トメキチぃ!」と叫ぶとトメキチは兵曹の方を見てなおさら暴れた。松岡分隊長は「これ、暴れちゃあいかん。これも訓練のうちだからね。あとで放してあげるから、それまで一緒に熱くなるんだ」と言い聞かせる。

松岡分隊長は皆を見回した、そして「なんだなんだ君たちは!自転車に乗ったりして!」と大声を出した。

「へっ!?」

と、石場兵曹が思わず声に出した。「乗っちゃいけんのですか?自転車は乗るもんじゃと思いますがね」これは小さな声で言った。

松岡分隊長は笑顔で「そう、今日の訓練は乗らないでするんだよ」と言う。皆は不思議そうな顔で、互いを見る。

分隊長は自分の背中を指さして「ほら、こう。みんな自転車を折り畳んで背中に背負いたまえ」と言った。

「せ、背負うんでありますかあ!?」とこれは麻生分隊士。分隊士は「背負って・・・どうするんです?」と聞いた。心なしか声が震えている。

その分隊士を満面の笑顔で以て見つめて分隊長は「決まってるじゃないか、分隊士。背負って行軍するんだよ。いいかい分隊士、この先もしかして陸戦を経験した時必ずしも自転車に乗って行けるところばかりじゃないかもしれないじゃないか?道なき道を行くことになるかもしれんじゃないか!だから今からこうして訓練して熱くなればこの先何があっても動じない。肝が据わるぞ。・・・さあみんな、早く背負うんだ!」と言って自分の背中の自転車をゆすりあげた。

石場兵曹が小声で「そんな道なき道を行くなんざ、陸軍に任せときゃいいんじゃ。俺らは海軍じゃけえね」と毒づいた。

が、こうなってしまったらもう仕方がない。十三分隊のみんなは覚悟を決めて自転車を背負うことにした。各自リュックサックからロープを出して自転車を縛り、自分の背中にくくりつけた。

「うう・・・こうして担ぐと軽くはねえなあ」

谷垣兵曹が嘆息を漏らした。それを聞きつけて見張兵曹が

「谷垣兵曹はお里で『銀輪倶楽部』の顧問をなさっていたんでしょう?ならこのくらいどうってことはないんじゃないんですかあ?」

と言うと谷垣兵曹は見張兵曹に、「なんだと!確かに私は『銀輪倶楽部』顧問だったがな、自転車を背負ったことなんぞ一回もねえわ!何言ってんだ貴様、いい加減にしないとひんむくぞ!」と猛然と食ってかかった。谷垣兵曹はもう、見るもの聞くものすべてに腹が立っている。

麻生分隊士が「谷垣兵曹貴様こそいい加減にせんか。見張兵曹は自転車の重さのことを言ってるんだろうが。早く整列しろ!」と言って兵曹の頬をひっぱたいた。分隊士もいらついていたし、大事なオトメチャンに「ひんむく」と言ったのが大変に気に入らない。

谷垣兵曹は、「分隊士はいつだってオトメチャンの肩を持つ・・・」と唸ったが松岡分隊長の「さあ、みんな行くぞー!熱くなるぞ!」と言う号令に黙った。

ここに、「軍艦大和・十三分隊」の面々を中心とする世にも奇妙な陸戦訓練が始まったのである。

 

皆はぞろぞろと呉の町中を自転車を背負って行軍する。途中市民の目が恥ずかしくてたまらない。市民の声が耳に入ってくる――

曰く、「あら。あの海軍さんたちはなんで陸軍さんのマネをしとるんじゃろう?」

「最近海軍さんはたるんどるねえ。遠足して遊んどる場合かね?いくら勝ち続け取るからってこれはなかろう」・・・等々。

自然皆はうなだれて歩く。軽いはずの折りたたみ自転車がずしっと重く両肩に食い込んできた気がする。

麻生分隊士以下、まるで葬列のようである。

すると、振り返った松岡分隊長が「おや!みんなどうした元気がないぞー!もっと熱くなれよ、まだ始まったばかりじゃないか!・・・そうだ、歌を歌いながら行こう!」と言うなり、歌い出したのが

>ゆんべ父ちゃんと寝たときに

変なところに芋がある・・・

だったので麻生分隊士は焦りまくって背中の折りたたみ自転車を揺らしながら分隊長に駆けよって「分隊長、その歌だけはだめです!やめてくださいっ!帝国海軍の見識を疑われますっ!」と血相変えて止めた。

松岡分隊長はちょっと残念そうな顔で「そうかあ?」と言うと次の瞬間にはもう笑顔で、「じゃあ、麻生さんの好きな歌を歌おうじゃないか!麻生さんが音頭とってよ!」と分隊士にバトンを渡した。

麻生分隊士は少し考えたが、「では、海軍らしい歌を」というと『太平洋行進曲』を歌い出した。これには皆が安心して斉唱した。

>海の民なら 男なら

 誰でも一度はあこがれた

 太平洋の黒潮を 

 ともに勇んで行ける日が

 来たぞ歓喜の血が燃える   (横山正徳作詩 布施元作曲)

時々松岡分隊長が「ほい!」とか「あ、よいしょ!」などと妙な掛け声をかけるのがうっとうしかったが。

見張兵曹は、松岡分隊長に抱っこされたトメキチが心配でならない。(早くどこかで休憩してトメキチを解放したいなあ)と思っている。当のトメキチはと言えば、もうすっかり諦めたか分隊長の胸でじっとして分隊長の背中で揺れるラケットの柄と自転車のハンドル部分を見つめている。

気がつけば道は緩く登り坂になっている。誰かが「あれ。この先は海軍墓地だぞ」と言うのが聞こえた。

その通り、松岡分隊長は大きな自転車とラケットとトメキチを背負い抱いたまんま、呼吸一つ乱さず海軍墓地に入ってゆく。

入り口で深々と一礼してたくさんの墓石の間を歩いてゆく。

皆分隊長に倣って深く一礼・・・見張兵曹も拝礼したが、自転車の重みで前につんのめってしまった。ガシャッ、ギャッ、という音と声に麻生分隊士が振り向いて「あ!オトメチャン大丈夫か!」と駆け寄った。その気配を察したのか、分隊長の胸でトメキチが吠える。が、分隊長は振り返らないでずんずん歩いてゆく。分隊長はもうすでに自分の『熱い世界』に浸ってしまっているようだ。

麻生分隊士は、自転車の下敷きになったオトメチャンを抱き起した。「しっかりしろ、大丈夫か?」と言う分隊士に見張兵曹はばつ悪げに笑って「大丈夫です、ごめんなさい」と立ち上がった。その二人を追い越して他の分隊員が「お先に参りまーす」と続いてゆく。

麻生分隊士が皆の列の先を見ると松岡分隊長はもうかなり上まで登っている。時折トメキチの「キャン!」と吠える声が風に乗って降りてくる。

「分隊士、ごめんなさい。さあ、行きましょうか」

見張兵曹は膝の土をはたはたと手のひらではたくと分隊士に笑いかけた。分隊士は「おう、行こう」とオトメチャンの肩に手を添えると、笑って二人はまた歩き出したのだった。

 

そんな頃。

「大和」では操舵長が舵輪を拭きながら「ああ、私も行きたかったなあ。せっかく自転車買ったのにさ」とぼやいている。そのそばで掌航海長の花山中尉が「気持ちはわかるが・・・私なんだかあの話聞いた時からいやーな予感がしてるんだけど」と言った。

その予感はもう半分当たっているようで――

    (次回に続きます)

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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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