女だらけの戦艦大和・総員配置良し!

女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?

「女だらけの戦艦大和」・大和農園の怪4<解決編>

その足音は、二人が行為に没頭している最中からごく近くで聞こえていたのだが二人には全く聞こえていなった――

 

麻生分隊士は息を荒げながらオトメチャンを扱っている。オトメチャンがこれも息を弾ませている。

その時。

麻生分隊士は二人が立てている以外の物音にやっと気がついた。その音は二人の枕元と言ったらいいか、藪の奥の方から聞こえている。

(なんだ・・・?)と分隊士はそれでもオトメチャンを攻める手を止めずに思っている。(雨の音か?いやそれにしては・・・)

そう思った瞬間!!

ガサッ!とひときわ大きい、枯れ草を踏みしだく音がした。さすがにハッとして身体を起こした二人の目に、藪の奥に大きな人影のようなものがいるのに気がついた。

オトメチャンはそれをしっかり見た――身長2メートル近くありそうな巨体、そして大きな長い顔、その顔には傷が這っている・・・しかもそのこめかみ部分には「五寸釘」が刺さっているようではないか。

とくれば!

「フ、フ、フランケンシュタインだあ!!」

オトメチャンが恐怖の叫びをあげた。麻生分隊士は「うわああ・・・!」とこれも恐怖にひきつった叫びをあげてオトメチャンの手をひっぱって藪から飛び出した。

そこにちょうど来合わせた松岡分隊長と陸戦隊の少尉は、藪から全裸の女と半裸の女が絶叫しながら飛び出して来たのに腰を抜かさんばかりに驚いた。

そして麻生分隊士とオトメチャンはその二人を見て更に驚きの叫びをあげる。オトメチャンは必死に掴んできた事業服の上下で体を隠した。

松岡分隊長は全くわけがわからないと言う顔で、「ね、ねえ?一体何があったの?でなんで君たちはそんな格好なの?」と聞いた。陸戦の少尉もポカンとしている。

麻生分隊士はまだぶるぶると震える手で藪の中を指さして、

「・・・い、いやあのですね。大雨になったのでこの中に逃げ込んだんですよ、はい、身体がずぶぬれになったので、はい、乾かそうと。で、で、ここで雨が止むのを待っていたら奥からフランケンシュタインが・・・」

と説明した、もっともその説明は半分は真実ではないが松岡分隊長には知らないこと。

「フランケンシュタイン、だって?」

松岡分隊長は怪訝な顔で藪を見た。すると、ガサガサと音を立てて大きな人がのっそりと藪の中から出てきたではないか。

でかい!!

「出たあ!フ、フ、フランケンシュタイン!」

麻生分隊士とオトメチャンはそう叫んで松岡分隊長の後ろに隠れた。とたんに、陸戦隊の少尉が大笑いをした。

「??」

麻生分隊士とオトメチャンはその少尉を見た。すると少尉は笑いながら、

「ほら、落ち着いてみてよ。あれはうちの岡田上等兵曹だよ。大柄だし暗いところだからそう見えたんでしょう?しかも彼女はね、日本とドイツの混血なんだよ!かっこいいだろ!?・・・岡田兵曹、貴様フランケンシュタインだってよ」

と言いさらに笑う。笑いだすと止まらないたちのようだ。

ふたりがそっと、松岡分隊長の背後から顔を出して見ればそこには陸戦服に身を包んだ身長185センチはあろうかと言う大柄の女がいて、顔には枝で付いたようなひっかき傷。頭には短い枝がくっついている。確かに目のあたりが日本人離れした感じも受ける。

岡田克代上等兵曹は複雑な笑いを浮かべながら、

「フランケンシュタインですか・・・。まあ時々言われますからね、今が初めてじゃあないですから」と言いながら頭についた枝を取ってその場に投げ捨てた。

「で?」と松岡分隊長が岡田兵曹に聞いた、「あなたはどうしてこんなところに?」。

すると岡田兵曹は

「私は『大和』が忙しくてここに来れない間手入れに来とったんですがあまりに作物のかれ方がひどいんでまず原因を調べたんです。そしたら地下でモグラや地ネズミが作物の根っこをかじっていたんです。ですから私自身も地下に潜ってそいつらの掃討作戦を行っていたんです。今日は最終段階でした、やっと残敵を掃討し終わってあの基地(藪の事らしい)に帰ってきたら、このお二人が愛の営みの真っ最中でした・・・思わず見入ってしまったんです」

と最後は照れながら言った。

「は!?『愛の営み』!?」

松岡分隊長と陸戦少尉が同時に声をあげていた。そして松岡分隊長は次の瞬間けたたましく笑いだした。

「あ、あ、愛の営みって君。これは特年兵君だよ、まだ子供じゃないか。子どもと愛の営みなんぞする少尉がいるかねえ!」

ムッとする麻生分隊士と、「特年兵」「こども」呼ばわりされて傷ついた表情の見張兵曹。陸戦隊の少尉はその場を転げまわって笑い続けている。

その四人を交互に見ながら岡田兵曹は「そうですかねえ?いやあ、私にはしっかり愛の営みに見えたんですが」と首をひねっている。そういう岡田兵曹に松岡分隊長は、

「まあ、何でもいいじゃないか。それより雨も止んだし皆に岡田兵曹を紹介しよう、農園の危機を、身を持って救ってくれたんだからな。さあ、みんな行こう」

と言って皆を農園の休憩所に連れて行った。

見張兵曹は樹の陰に隠れて事業服を着る。そして麻生分隊士の後に着いて行ったのだった。

麻生分隊士が言ったものだ――「俺、マジでフランケンシュタインだと思ったよ。でもあれで生身の人間とは驚いた。だけど松岡分隊長がオトメチャンを子供と思ってくれてよかった部分もあるぜ?おれたちの事疑ってねえからね」。

そのあと皆は枯れた作物を抜き、新しい苗を植えられるように畑を整備し、次回の上陸員に託すこととした。

 

そして、それから数日の後。

『大和』の副長宛に陸戦隊員から小包が届いた。「なんだあこれは?」と包みを開いた副長の目に飛び込んできたのは、「軍艦大和 航海科 見張トメ」の墨痕鮮やかなふんどしと胸当て。きれいに洗濯されている。

手紙が入っていて、

 

>昨日の農園では脅かしてごめんなさいね。あなたたちの愛の営み、とっても美しくってそんな気はなかったけど見入っちゃったの。私が脅かさなかったらもっと見られたのに、って思うとちょっと残念ね。

またいつかお会いしましょうね。

海軍陸戦隊トレーラ根拠地隊 岡田イオン克代上等兵曹

 

それを読んでしまった副長は、「は―っ・・」とため息をついた。そして丁寧にそれを包み直しながら、「麻生の野郎。またオトメチャンをひとり占めしやがったな・・・今に見てろよ!」とつぶやいてその包みを従兵に「これ、航海科の見張兵曹に」と託したのだった。

それを受け取って開いた時の見張兵曹と麻生分隊士の衝撃・・・・推して知るべし。
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「女だらけの戦艦大和」・大和農園の怪3

麻生分隊士と見張兵曹が藪の中に飛び込んだと同時に、大音響とともにものすごい地鳴りのような衝撃があった――

 

「落ちたな、近いぞ」と麻生分隊士は藪の奥に見張兵曹を引っ張り込みながら言った。この藪はどういうふうになっているのか知らないが、雨が落ちてこない。

「いい塩梅だ」と、麻生分隊士は藪のなかほどまで進むとその場に腰をおろした。見張兵曹はハアハアと息を切らしている。少し雷が怖いらしい。

どさりと腰を下ろす見張兵曹、麻生分隊士は「濡れたんじゃないか?大丈夫か」とその背中や肩をなでた。見張兵曹は、「大丈夫です・・・分隊士こそ、大丈夫ですか?」と分隊士を気遣う。

「うん・・俺は平気」と麻生分隊士は言って藪の上の方を見上げた。雨は激しく外を叩き、雷鳴が響く。稲光がどこからか漏れてくる。

「・・・みんなどうしたでしょうね。松岡分隊長はどうしたかしら?」と見張兵曹は心配げであるが分隊士は「大丈夫だよ、みんなどこかに隠れてるだろう」と言った。

「ならいいですが」と見張兵曹は言った。外は大荒れである、なんだかハワイから帰る際に松本兵曹長から見せてもらった『妖怪辞典』に出ていた景色を彷彿とさせる。

ちょっと肌寒くなったのは、雨のせいばかりではないかもしれない。見張兵曹は軽く身を震わした。

「どうした?寒いのか」

麻生分隊士が言って、見張兵曹をうす暗がりで抱きしめた。兵曹は「寒くはないんですがあの・・・ちょっと変なんこと思い出しちゃって」と言い、例の『妖怪辞典』の話をした。

麻生分隊士もそれをよく覚えていて「ああ、あれなあ!こんなふうな雷雨の中をあのすげえ妖怪が――」と言いかけた時、見張兵曹は「いやだ分隊士、怖い!」と叫んで分隊士の胸にしがみついたのだった。

分隊士は急に兵曹が可愛くいとおしくなって、「オトメチャン!」と叫ぶなりその場に押し倒していた。

下は枯れ草がふわふわとしているので地面の露出も無く痛くもない。

どさ・・と、オトメチャンはその場に仰向けた。麻生分隊士はその上に重なると、まずオトメチャンの可愛い唇に自分の曲がった唇をつけた。激しい雷雨の中、激しい口づけをする。

分隊士の手は、オトメチャンの事業服の裾から胸に入ってそのふくらみを握った。唇が離れた。

「・・・分隊士・・・」

と、オトメチャンの小さな喘ぎ声が漏れる。分隊士はふくらみを揉みしだき、その先の突起をこねくりだした。

「いや。分隊士・・こんなとこで」と恥じらうオトメチャンを押さえこんで分隊士はさらに攻める。

「何を恐れるんだ?誰も来やしないよ、まだまだ雨も雷も止みゃしねえよ?外になんぞ出られたもんじゃねえから大丈夫・・・心配するな」

麻生分隊士はそう言って、オトメチャンの服の上下を脱がした。

乳当てと、ふんどしだけのオトメチャンの体が時折の稲光に浮かんで壮絶なまでに美しい。ちょっとの間見とれた分隊士は次の瞬間、その乳当てを取り去った。

「ああ、分隊士・・・」と切なげな声を上げるオトメチャンが可愛すぎて分隊士はいじわるをしたくなった。

オトメチャンの上にまたがるとその両方の乳を掴んだ。激しく揉んだ。そしてその先の乳首を摘んだ。

「ああっ!」と思わず声を高めたオトメチャンに分隊士は「いいだろう?気持ちいいんだろう?もっとしてあげような」と囁いて更にその部分を摘んではひねった。オトメチャンはそばに落ちている自分の服を掴んで快感に耐えている。

「前よりずいぶん感じるようになったじゃないか?オトメチャンもだんだん『オトナノオンナ』

に近づいてるってことだね」

そういうと分隊士はいきなり、オトメチャンの桜色の乳首に吸いついた。オトメチャンの身体が跳ねる。

それを押さえこんで分隊士はもっと強く吸う。オトメチャンはうわごとのようにダメ、ダメと言いながらそれでも気持ちよさそうである。分隊士はしばらくの間それを続けていたがやがて唇をそこから離した。

そしてオトメチャンの「乙女の部分」を包んでいる布の紐を解いた。思わず緊張して身体を固くするオトメチャン。分隊士は「大丈夫だから・・・」と言いながら布を取り、「乙女の部分」に手を触れた。「だめ、分隊士・・・誰か来たらどうしよう・・・」とオトメチャンは瞳を潤ませながら言った。

分隊士は「来たっていいじゃないか。見せてやろうじゃないか」と言ってその部分を優しく撫で始めた。ああ、とオトメチャンが喘いでその両足が少しだけ開いた。その瞬間を見逃さず分隊士は彼女の両足を思い切り開いてその間に入った。

片手を一番敏感な部分に当て、もう片方は乳に伸ばす。「分隊士・・・もう、だめ・・・」とオトメチャンは激しくあえぎ悶えた――

 

ようやく外では雨が小やみになって来た。松岡分隊長は陸戦隊の責任者と話を始めようとした時に大雨に会い、皆で休憩用の小屋に避難していた。

「そろそろ終わりのようでありますな、松岡中尉」と陸戦隊の少尉が言った。窓から空を見上げると、黒い雲が遠く去って行くのがわかる。

「そういえば麻生分隊士とオトメチャンは大丈夫か――」と機銃の長妻兵曹と言いかけたが「あ、あの二人なら大丈夫か」と言ってそばの連中が笑う。

「それでもどこに行ったのか、見に行ってやらにゃいかんぞ」と松岡分隊長は言うと、「よし、もうこの程度の小雨なら大丈夫だ。私は航海科の分担に行ってくるから君たちもそれぞれで収穫するように」と立ち上がった。

陸戦隊の少尉が「では私も松岡中尉とご一緒します」と立ち上がる。

 

そんな頃、相変わらず麻生分隊士とオトメチャンは愛欲の世界に没頭している。しかし・・・

その二人は自分たちの枕元に『危機』が迫っていることにまだ気が付いていない――

 (次回に続きます)


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「女だらけの戦艦大和」・大和農園の怪2

『女だらけの戦艦大和』から選抜された各科員達は、「トレーラー『大和』農園」に到着した――

 

「ゲッ・・・」と皆の口から一様に驚きの声が漏れた。

「こ・・こんなになってたっけ?農園」とひとりが震える声で言った。皆もうなずく。皆の眼前に広がる風景、今まではきれいに整備された農園に、それぞれの作物が整然と育っていたのだが。

今や見る影なし。確かに作物は育ってはいるようだがものすごくでかかったり、実そのものが熟れすぎてはじけてしまったりと言う物ばかり。

そして航海科の担当のあたりには「藪」のようなものが出来ている。

麻生分隊士がまず、怒りの声を上げた。「なんだなんだ、陸戦隊が世話してますなんて言うからその気で来たらなんだこのざまは!・・・おい、誰か陸戦隊の本部に行ってねじ込んでこい!ふざけんなって言ってやれ。そして陸戦隊から手伝いを連れてこいッ!」

その剣幕に恐れをなした副砲分隊と飛行科の数名が「わかりました!」と言うなりすっ飛んで行った。

「では応援が来るまで皆それぞれの担当のところを手入れおよび収穫しよう。昼飯は1200とする。かかれ!」麻生分隊士が号令をかけた。本来なら一番階級が上の松岡中尉がするのだがまだ農園未経験なので今日は麻生分隊士が代行。

松岡分隊長は「さあ、みんな。熱くなれよ~。取って取って取りまくって、たくさんの収穫があればこれほど気持ちのいいことはないからね。さあ、行こうぜ!」と檄を飛ばす。みな、「おおう!」と応えてそれぞれの場所に散ってゆく。

今日は朝から蒸し暑く既に皆の背中には汗のシミが大きく広がっている。

麻生分隊士が「オトメチャン、今日はなんだか蒸すから体力消耗するぞ。効率よくやらんとな?」と言った。見張兵曹も「はい、うまくやりましょう」と言って額の汗を袖で拭う。

松岡分隊長は二人より先をラケット振り振り走ってゆく。「この辺かなー!?」と叫んで振り向いた。

麻生分隊士が「はい、そこです!」と言って分隊士と見張兵曹は走って行った。

と。

麻生分隊士が「あれ!?」と頓狂な声を出して立ち止まった。「どうなさったんです?」と見張兵曹が分隊士の顔を見つめる。

松岡分隊長も「ん?どうした?」と彼女を見る。麻生分隊士は怪訝な表情で地面を指さした、そして「これ、なんでしょう?」と言った。

松岡分隊長と見張兵曹は分隊士が指さす先を見た。

そこには、大きな「足跡」のようなものがたくさんついている。ざっと見ても30センチはありそうな足跡である。

「うわ。これは人の足跡ではないですね」と見張兵曹が分隊長と分隊士を交互に見て言った。分隊長はそこにしゃがみこむとその足跡をじっくり見て検分し始めた。

「ゴリラ・・・」

「へっ!?」

松岡分隊長は二人を見返ると、「これはゴリラの足跡だよ。こんなでかい足跡は人の物じゃあない」と言い切った。しかし、と麻生分隊士は言った。「このあたりでゴリラなんぞ生息してはおりません。まあたぶん、類人猿の物であるのは確かでしょうが、ゴリラではないと私は思いますが」そう、麻生分隊士は言って口をひん曲げた。

松岡分隊長は、ちょっとだけ気分を害したのか麻生分隊士に向き直ると「なぜそういい切れるんだ?もしかしたらゴリラがどこぞから来たってことだって考えられるんじゃないかな?もっと柔軟に、竹のように柔軟に物は考えるべきだと思うよ」と言った。

麻生分隊士は一層口をひん曲げると、「お言葉ではありますが分隊長。そういう奇想天外な創作は物事の本質を見誤る元であります!」と反論した。

二人は正面から向き合ってにらみ合っている。そのそばで、見張兵曹が一人おろおろしている。

その頃になって、だんだん空が暗くなってきた。

黒い雲がこちらに流れてきて遠くから雷の音さえ聞こえてくるようになった。しかし相変わらず分隊士と分隊長はにらみ合ったままである。

そうしている時、向こうから「松岡中尉、陸戦隊の責任者がきました――」と言いながら副砲の下士官が来たのでこのにらみ合いは一旦中止となった。去り際分隊長は「まあどうだっていいけど。問題はここの収穫と手入れだね。・・・戻ってきたら急いでやるから」と言って下士官と歩いて行った。

麻生分隊士は気が抜けたのか「ふ―っ」と息をついてから見張兵曹の顔を見た。心配げだった見張兵曹はちょっと笑った。分隊士は「あの人ってよくわかんないな。なんだかすぐむきになるからこっちまで引き込まれてしまうよ」と言って、参った参ったと肩をまわした。

「じゃ、とりあえず作物をとっちまおうじゃねえか。なんだかえらく曇ってきたしよ。雨でも降ったら面倒だぜ」

そう言って麻生分隊士はボウボウに伸びたトマトの樹の列の間に入って行った。見張兵曹もその隣の列に入ってゆく。

夢中で収穫する二人であったが、はっと気がつくと夕方のように――いやそれ以上に――周りが暗くなっていることに気がついた。

「オトメチャン、これは来るぞ」

と、麻生分隊士が言った途端、まるでそれが合図のように大粒の雨が叩きつけるように降り出した。

トマトの葉に雨粒が跳ねる。あっという間に10メートル先が見えないくらいの大雨になり、麻生分隊士は泡を食って「オトメチャン、こっちだ!」と見張兵曹の手を掴むなりあの「藪」の中へと飛び込んで行ったのだった。

空全体がまばゆく光ると間髪入れず大きな雷鳴が轟いた――

        (次回に続きます)


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「女だらけの戦艦大和」・大和農園の怪1

『女だらけの戦艦大和』はとうとう、トレーラー島に帰投した――

 

見張兵曹はトメキチと感動の再会を果たした。海防艦の乗員の手から、見張兵曹を見るなり一直線に飛んできたトメキチに海防艦の乗員も感動している。

見張兵曹はトメキチをその両腕にしっかり抱きしめた。「トメキチいい子にしてた?お利口さんだった?」そういう見張兵曹の顔をトメキチは舐めまわす。

そして見張兵曹は海防艦の乗員に丁寧に礼を言って大和に帰って来たのだった。

 

「ハワイもよかったけどここもいいね」と皆は言いあったものである。見慣れた風景にほっとする瞬間である。

大きな作戦を終え、しかし普段の訓練も欠かさない『大和』の面々であった。

 

「久しぶりだが、明日『大和農園』の収穫に行くことになったから誰か出てくれよ」と麻生分隊士は航海科の居住区に来て言った。

「『農園』の、ですか?それならオトメチャンと分隊士でいいじゃないですか」と小泉兵曹は事業服の襟もとの紐を締めながら言った。

石場兵曹も「そうですよ、気心の知れた間柄。このコンビで収穫するのが一番効率がいいんじゃないですかあ?」と冷やかし半分で言う。すると通りかかった工作科の水木水兵長が顔をのぞかせて「いけませんよ、あのお二人じゃまた妖怪を連れてきかねないですから」とだけ言ってそそくさと去って行った。

皆の間に苦笑が満ちた。麻生分隊士も苦笑しながら「じゃ、仕方ない。今回航海科(うち)は三人出せと言われてるからな、あみだくじで決めようじゃないか。それから松岡分隊長も呼んでこい」と言って自分はあみだくじの準備を始める。

 

やがて松岡分隊長と見張兵曹がやってきて分隊士が作ったくじを引いた。見張兵曹は(今回はもういやだな。上陸できるのは嬉しいけど、いつかみたいに妖怪を連れてきたりしちゃったら困るし)と思っている。

また麻生分隊士は(今度も二人で当たりたいなあ。オトメチャンと農園で・・・グフフ)と思うし他の連中は(めんどくさいから当たりませんように)と思っている。

皆勝手なものだ。

ひとり松岡中尉だけが(これは面白そうだぞ、熱くなれる機会だな!)と当たりたがっている。

「じゃ、開票!」と分隊士は叫んでくじの下の折り返しを開いた。

「ああ!」「やっぱりね」「よかった~」等々皆が叫ぶ。

当選者は麻生分隊士に見張兵曹、そして松岡分隊長である。分隊長はさっそくガッツポーズを決め、「みんな!さっそく熱くなってくるからなー!」と言って皆は笑った。麻生分隊士は、(よかった、オトメチャンと俺は離れがたい関係・運命なんだな!)とひとり感動している。見張兵曹は複雑な表情で黙っているが。

 

そして翌日、「上陸員整列」で最上甲板に整列した「収穫要員」たちはランチに乗って「トレーラー『大和』農園」に向かったのだった。

「このところ、作戦だのなんだのであんまり農園の手入れもできなかったですが。大丈夫でしょうか」とひとりの兵が言った。するとその兵の隣の下士官が、「うん、なんでもここの陸戦隊員が手入れを買って出てくれているらしいよ。今日ももしかしたらいるかなあ」と言った。

陸戦隊員ときいて見張兵曹は幼馴染の『花ちゃん』がいたらいいなあ、と思う。花ちゃんとはいつだったか小泉の缶詰工場を見に行く途中で出会って以来会っていない。

なんとなく心浮き立つ収穫上陸である。

 

ランチから降りたって、皆は隊列を組んで歩きだす。威風堂々たる帝国海軍の行進である。持っているものが鍬や背負い籠でなければもっと勇ましいと思うのは気のせいであろうか。

道々松岡分隊長はあのラケットを振りながら「熱くなろうぜ!」とか「でかいカボチャを収穫だ!」とか「掘りまくるぞ!」と叫んでは皆に笑われている。

ともあれ。

皆は農園に着き、それぞれの配置で収穫することとなった――

 

       (次回に続きます)
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「女だらけの戦艦大和」・大和農園の怪1

『女だらけの戦艦大和』はとうとう、トレーラー島に帰投した――

 

見張兵曹はトメキチと感動の再会を果たした。海防艦の乗員の手から、見張兵曹を見るなり一直線に飛んできたトメキチに海防艦の乗員も感動している。

見張兵曹はトメキチをその両腕にしっかり抱きしめた。「トメキチいい子にしてた?お利口さんだった?」そういう見張兵曹の顔をトメキチは舐めまわす。

そして見張兵曹は海防艦の乗員に丁寧に礼を言って大和に帰って来たのだった。

 

「ハワイもよかったけどここもいいね」と皆は言いあったものである。見慣れた風景にほっとする瞬間である。

大きな作戦を終え、しかし普段の訓練も欠かさない『大和』の面々であった。

 

「久しぶりだが、明日『大和農園』の収穫に行くことになったから誰か出てくれよ」と麻生分隊士は航海科の居住区に来て言った。

「『農園』の、ですか?それならオトメチャンと分隊士でいいじゃないですか」と小泉兵曹は事業服の襟もとの紐を締めながら言った。

石場兵曹も「そうですよ、気心の知れた間柄。このコンビで収穫するのが一番効率がいいんじゃないですかあ?」と冷やかし半分で言う。すると通りかかった工作科の水木水兵長が顔をのぞかせて「いけませんよ、あのお二人じゃまた妖怪を連れてきかねないですから」とだけ言ってそそくさと去って行った。

皆の間に苦笑が満ちた。麻生分隊士も苦笑しながら「じゃ、仕方ない。今回航海科(うち)は三人出せと言われてるからな、あみだくじで決めようじゃないか。それから松岡分隊長も呼んでこい」と言って自分はあみだくじの準備を始める。

 

やがて松岡分隊長と見張兵曹がやってきて分隊士が作ったくじを引いた。見張兵曹は(今回はもういやだな。上陸できるのは嬉しいけど、いつかみたいに妖怪を連れてきたりしちゃったら困るし)と思っている。

また麻生分隊士は(今度も二人で当たりたいなあ。オトメチャンと農園で・・・グフフ)と思うし他の連中は(めんどくさいから当たりませんように)と思っている。

皆勝手なものだ。

ひとり松岡中尉だけが(これは面白そうだぞ、熱くなれる機会だな!)と当たりたがっている。

「じゃ、開票!」と分隊士は叫んでくじの下の折り返しを開いた。

「ああ!」「やっぱりね」「よかった~」等々皆が叫ぶ。

当選者は麻生分隊士に見張兵曹、そして松岡分隊長である。分隊長はさっそくガッツポーズを決め、「みんな!さっそく熱くなってくるからなー!」と言って皆は笑った。麻生分隊士は、(よかった、オトメチャンと俺は離れがたい関係・運命なんだな!)とひとり感動している。見張兵曹は複雑な表情で黙っているが。

 

そして翌日、「上陸員整列」で最上甲板に整列した「収穫要員」たちはランチに乗って「トレーラー『大和』農園」に向かったのだった。

「このところ、作戦だのなんだのであんまり農園の手入れもできなかったですが。大丈夫でしょうか」とひとりの兵が言った。するとその兵の隣の下士官が、「うん、なんでもここの陸戦隊員が手入れを買って出てくれているらしいよ。今日ももしかしたらいるかなあ」と言った。

陸戦隊員ときいて見張兵曹は幼馴染の『花ちゃん』がいたらいいなあ、と思う。花ちゃんとはいつだったか小泉の缶詰工場を見に行く途中で出会って以来会っていない。

なんとなく心浮き立つ収穫上陸である。

 

ランチから降りたって、皆は隊列を組んで歩きだす。威風堂々たる帝国海軍の行進である。持っているものが鍬や背負い籠でなければもっと勇ましいと思うのは気のせいであろうか。

道々松岡分隊長はあのラケットを振りながら「熱くなろうぜ!」とか「でかいカボチャを収穫だ!」とか「掘りまくるぞ!」と叫んでは皆に笑われている。

ともあれ。

皆は農園に着き、それぞれの配置で収穫することとなった――

 

       (次回に続きます)
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