女だらけの戦艦大和・総員配置良し!

女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?

「女だらけの戦艦大和」・宇宙戦艦大和4 解決編

梨賀親父の操縦する「梅花」はあわれにも、天の川に墜落し梨賀親父はほうほうの体で脱出した――

 

 

梨賀親父は敵味方の別なく救助してくれる「平和の船」に助けられ手元の駆逐艦に戻った。もうこの『天の川』も艦首はめちゃくちゃに破壊され、どうにもこうにもならない。

体中に星くずをくっつけて艦橋に入ってきた梨賀親父を見て、森上・野村・助平の三親父が一斉に「ダメじゃん!」と叫んだ。

梨賀親父は三人をじろっと睨んだが、結果が結果であるからそのにらみも迫力に欠ける。

梨賀親父は、すっくと立つと「機関は?機関はまだ動くか?」と聞いた。野村親父が、

「動くけど、艦首をやられてるからあんまり無理できないね。機関停止になるかもしれないよ」

と言った。それを聞くと梨賀親父はうなずいて、

「では最後の手段だ。機関全速であの『宇宙戦艦大和』に突っ込んで力ずくでオトメチャンを奪還し、『大和』も奪う。麻生が抵抗したら射殺しても良い!」

と言い放った。とたんに盛り上がるオヤジども。

 

駆逐艦・『天の川』は、その機関を全開にしてフルスピードで航行し始めた。

 

「分隊士。あの駆逐艦がこちらに向かって突進してきます!」

防空指揮所で双眼鏡をのぞいていたオトメチャンが、麻生牽牛分隊士に叫ぶ。麻生分隊士も双眼鏡をのぞいて、

「何なんだ、まだ懲りてねえのか。しかし…ちょっと避け切れるかどうか・・・」

と言う。傍らのトメキチ艦長が「キャン!」と叫ぶ。『取り舵』である。なんとかあの親父どもを回避して逃げ切りたい。

だが、もうオトメチャンしか眼中にないあの連中は駆逐艦『天の川』の機関が真っ赤になるくらいフル回転させて突進してくる。

「見ろ~~、これが愛の力だあ~~!」

と、森上親父の叫び。艦首の壊れた『天の川』は今や、燃える火の玉のようになっている。ものすごい気迫である。

「避け切れません!分隊士!艦長ッ!」

オトメチャンが叫んだその時――

皆の背後から、「どげんかせんといかん!」と言う声がした。分隊士がハッとして振り向くとそこにはあの『西国原』宮崎県知事が立っていた。

「西国原さん!」と思わず麻生分隊士は叫んでいた。どうしてこのヒトがここに?という疑問は今は消し飛んでいる。西国原さんは、分隊士とオトメチャン、そしてトメキチ艦長に

「あの牛のおかげで宮崎の畜産は助かりました、今度は『宇宙戦艦大和』の危機を私がすくう番です。見ていてください・・・」

と言うと、全身力を入れて真っ赤な顔で唸り始めた。

トメキチ艦長と麻生分隊士、それにオトメチャンは何事が始まるのかとひと塊りになってことに行方を見守っている。

だんだん西国原さんの全身が発光し始めてきた。不思議な丸い光が西国原さんの体に吸い込まれてゆくようである。

そしてその光は西国原さんのあの、広い額に集約された。

「おお!」と、分隊士は声をあげていた。西国原さんの額がもう見ていられないくらいの眩しさに輝いたその時、西国原さんは「西国原宮崎ひむかの波動砲!!」と叫んだ。

その瞬間。

西国原さんの額から一本の太い光が発射された。その光は駆逐艦・『天の川』に吸い込まれるように走って行った。

「わあああ!」

と叫んだのは、『宇宙戦艦大和』の面々か、それとも『天の川』の親父だったか――?

 

駆逐艦・『天の川』は破壊され四人の親父たちは「平和の船」によってM79星雲に護送されていったのだった。

「やった、やったぞオトメチャン。もうこれでオトメチャンは自由の身だ。もう離さないよ」

分隊士はそう言って、オトメチャンを抱きしめる。オトメチャンは抱きしめられながら「分隊士、ありがとうございます。嬉しい・・」と囁いた。

分隊士は西国原さんを見返って、「知事、本当にありがとうございました。あなたがいらっしゃらなかったら我々は危なかったです。なんとお礼を言っていいやら」と礼を言った。オトメチャンも分隊士の腕から出て頭を下げた。

西国原さんは大いに照れて、広い額を掻きながら「いやいや、そんな。これと言うのも元はあなたの御親切からです。お二人が幸せになられるのが私にとって一番嬉しいことです」と言った。

三人は笑いあった。

その時トメキチ艦長が「ワンワン、ワン!」と吠えた。そしてデッキチェアーの上に立ちあがって右舷方向を前足で指している。

皆がそちらを見ると、そこには『宇宙空母・飛龍』がいて加来艦長と山口司令官が飛行甲板で手を振っている。

「御目出と―っ!さあ、早くこっちで披露宴をしようよ~」

と叫んでいる。飛行甲板には何かが並んでいる、艦爆かそれとも艦攻か・・・とよく見ればそれはなんと。

大きな大きな握り寿司、であった――

 

「分隊士!」

と呼ばれて麻生分隊士はハッとして目をあけた。気がつけばそこは「軍艦大和」の防空指揮所である。

「あれ・・西国原さんはどこに?飛龍の飛行甲板の寿司はまだ食ってない・・」

寝ぼけ眼でおかしなことを言う分隊士に、見張兵曹はちょっと笑って「分隊士、お疲れですね。こんなところでお休みになっては風邪をひきますよ。もう時間ですから降りましょう」と床に座り込んでいた分隊士の腕をとって立たせた。

「夢を見てらしたんですか?」

「うん、面白い夢だったよ」

「教えてください、聞きたいですぅ」

分隊士の私室にと向かいながら、麻生分隊士は思っていた。

(あの飛龍の握り寿司だけは、本当であってほしかったなあ)・・と。

 

トレーラ島の夜空には天の川が横たわりキラキラと光っている――

 

          ・・・・・・・・・・・・・・

 

長い割には大した落ちもない話ですみません。

空母の本を見ていたら飛行甲板に乗っかった飛行機がなぜかお寿司に見えてきましたので最後はこうしました。山口司令官、でかいお寿司に満足でしょう。

宮崎の口蹄疫、終息に向かっているようですね。畜産農家の皆さん、がんばれ!!


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「女だらけの戦艦大和」・宇宙戦艦大和3

「『宇宙戦艦大和』の神髄を見せてやる!!」

麻生分隊士は艦橋でそう怒鳴った。傍らには最愛のKAともいうべきオトメチャン。そして艦橋の艦長席には『宇宙戦艦大和』艦長のトメキチ艦長が重々しい顔つきで座っている。

それを双眼鏡で見た梨賀親父は、「てめえ、ふざけんじゃねえよ。そっちの艦長は犬じゃんか。こっちはなあ、駆逐艦だが艦長は人間のこの私だぜ、目にもの見せてやるよ!」と毒付いた。

すると。

「なんだって、『天の川』の艦長は私だって言ったじゃないか!」と野村親父が口を出して来た。すると、「ちがうっ、『天の川』艦長はこの私だよ。たまには花を持たせてくれたっていいじゃないか!」と森上親父。

「いやーん、こういう時こそ普段目立たない私、でしょっ!あんたたちは普段目立ってるんだからいいじゃないの。ここは主役交代して!」と、助平親父。

梨賀親父は「だめっ、ここは譲れない。オトメチャンも譲れない。み―ンな梨賀の物だもん!」とまるで子供のような言い方をして他の三人は激怒。

狭い駆逐艦の艦橋内でまさかの大乱闘が始まっている。その騒ぎに乗じて、新型『天山』や、宇宙戦闘機『ゼロ』が、『天の川』に攻撃を仕掛けた。

『天山』が落とした爆弾が至近弾となって破裂し、『天の川』は激しく動揺させられた。艦橋の親父たちは足元をすくわれてひっくりかえる。

次いで、『ゼロ』が機銃を艦橋に向けて乱射しながら何機も通ってゆく。

バリバリバリ・・・!と、すさまじい音がして、艦橋のガラス窓が粉砕されてゆく。親父たちは肝をつぶして「キャ――!!」と叫んで身を伏せる。そして森上親父がついにキレたのか、

「てめえ、犬の艦長のくせにやりたがったな。しかも人の恋人を盗んだ悪党が!見てろよ」というなり、主砲塔に入った。

この駆逐艦には乗組員がこの四人しかいないのですべて自分たちでやらねばならないのだ。

ともあれ、森上親父は主砲を『宇宙戦艦大和』に向けて発砲したのである。しかし普段やりなれないことをしたことと、気が焦っていたからか主砲の弾丸は『宇宙戦艦大和』を大きくそれて黒い宇宙で爆発。

とたんに、その虚空に「〇点」と表示が出る。それを艦橋で見ていた野村親父は、「ああ、森上さんダメだねえ。どこに撃ってるんだか」とため息。しかし次に放った主砲は『宇宙戦艦大和』の右舷で炸裂。少し、『大和』が揺れて虚空に「十五点」の表示。

森上親父は「おお、見ろ。だんだん点数が上がってきたぜ」と嬉しそうである。

 

『宇宙戦艦大和』の麻生分隊士はこの癪な主砲に舌打ちして、トメキチ艦長はひと声「ワン!!」と吠えた。とたんに『大和』の主砲が駆逐艦・天の川をとらえた。

再びトメキチ艦長が「ワン!」と吠えると、轟音とともに主砲弾が天の川に向けて飛び出して行った。

ドカーーン!

『大和』の主砲は、『天の川』の艦首を砕いていた。再び恐慌に陥るオヤジども。

助平親父が泣きそうになって「いや―ン、何すんのよう。あの麻生の野郎。こんな弾じゃなくってオトメチャンをよこせってのにぃ!」と今やガラスのかけらすらなくなってしまった窓にしがみついて叫ぶ。

野村親父は「耳が痛い、あのすごい音どうにかしてよ~」と耳を押さえて痛がっている。すると梨賀親父が、決然として言った。

「仕方あるまい、こうなったらオトメチャン奪還のため捨て身の攻撃を行うぞ」

「捨て身の・・・攻撃?」

森上・野村・助平の各親父がポカンとして聞いた。梨賀親父はうんうんとうなずくと、「そう、捨て身の」と言った。

しかし、と森上親父が言った、「捨て身の攻撃なんかしたら俺らもダメになるし下手すりゃオトメチャンにも何かあるかも」

梨賀親父はチッチッ、と口を鳴らして人差し指を立ててそれを左右に振った。まるでアメリカ人のようなしぐさに助平親父が笑った。しかし梨賀親父は至極まじめに、

「捨て身、と言ってもそういう意味の捨て身じゃないのよ。あのねえ・・・」と皆の頭をかき集めて何やらひそひそと。

しばらくして、「おお!」と皆の頭が離れた。梨賀親父はえらそうに咳払いをすると、

「で、これがその秘密兵器」と言うと、艦橋の壊された窓から上甲板を指さした。

その指の先には「あるもの」が鎮座していた。

梨賀親父は甲板に降りると、「じゃあ、これには私が乗る。だから私が今日はオトメチャンを一人占めするからね」と言った、するとほかの三人が猛反発。

「ずるい、梨賀!だったら私も乗りたいよ!」

ちょっとした乱闘になりかけたが、「あっ、オトメチャンが!」という梨賀親父の声に皆がハッとした隙に梨賀親父は「それ」に乗ってしまった。「ずるいぞ、梨賀!」という非難もなんのその。

「それ」は小さなロケットのようなもので、梨賀親父はエンジンに点火すると、それはあっという間にすっ飛んで行ってしまった。

「ああ!」

「なんだ、あれは」

そのロケットの横腹には。梨賀親父の文字で「梅花」と書かれていた――。

さあ、その「梅花」は『宇宙戦艦大和』に向かってすっ飛んでゆく。その姿を麻生分隊士はいち早く認めた。

「おかしなものが飛んできます、十二時の方向です。艦長!」このままではあのおかしなものにこの艦橋は砕かれてしまうだろう。

すると分隊士の叫びにトメキチ艦長はひと声、「キャン!」と叫んだ。「面舵!」である。「宇宙戦艦大和」は素早く面舵を切った。

「あれえええ!!」

叫んだのは「梅花」の梨賀親父、「梅花」は残念なことに『大和』の左舷方向からはるか後方に飛んで行って天の川に墜落。

梨賀親父に計画は見事にとん挫、実は梨賀親父はこの「梅花」で「宇宙戦艦」に強硬着艦してオトメチャンを奪還して行くつもりだったらしい。しかしこの「梅花」、正直すぎるほどにまっすぐにしか飛べなかったため墜落の憂き目に遭ってしまった。

「くそおお!」

天の川の中から顔を突き出して梨賀親父は叫んだ――

        (次回に続きます)

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さあ、話も佳境に入ってまいりました。

一体このへんな戦いはどうなるのでしょうか。乞うご期待。

しかし、「梅花」って・・・タメイキ。


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「女だらけの戦艦大和」・宇宙戦艦大和2

「分隊士ぃ~」と言いながらこちらに走ってくるオトメチャン、その織姫姿に分隊士はときめいた――

 

分隊士は「ここ、ここだよオトメチャン!」と叫んで大きく手を振った。オトメチャンは分隊士の姿をみとめてこれもうれしそうに手を振る。

走る足元に星くずがきらめく。やっと分隊士のもとにたどりついたオトメチャンはふんわりと分隊士の胸に飛び込んだ。

「オトメチャン・・・」分隊士は、そっとオトメチャンの可愛い唇に自分のそれを寄せて合わせる。しばらくそうした後、分隊士はそっとオトメチャンから身体を離した。オトメチャンはちょっと頬を紅く染めている。そして分隊士を見上げて、

「御無沙汰しておりました、一年ぶりですね。お元気でしたか?」

と尋ねた。分隊士はオトメチャンの体をギュウっと抱きしめると「ああ、元気だったよ。でもオトメチャンに遭いたくってたまらなかった」と言った。そして、急に真顔になると

「なあオトメチャン、落ち着いて聞いてほしい。・・・『二人で逃げよう』。」

と言った。オトメチャンは一瞬何のことかわからないような顔をしたが次の瞬間、はっとして身体を固くした。

「逃げる、ってそんなことが出来るんですか?」

オトメチャンが言うと、分隊士は大きくうなずいて「できる」と断言した。分隊士は、

「これから一時間ほどしたら、迎えがやってくる。そして、二人で新天地を探しにゆこう」

とオトメチャンの肩を掴んで言った。オトメチャンは嬉しそうな顔をしたが、ふっとその顔が曇った。

「ん?どうしたオトメチャン」と問う分隊士に、オトメチャンはちょっとうつむき気味に

「二人で逃げたい。でも、あの人たちが許しません。・・・逃げられないんです」

と言って、涙ぐんでいるように見える。

「あの人たち、って『梨賀親父』たちかい?そんなものここにいないんだから大丈夫だ」

分隊士は元気付けたが、オトメチャンは首を横に振って「あれを」とはるか後方を指さした。その方向には、艦艇に乗って、でかい双眼鏡を使って二人を監視している『梨賀親父』『野村親父』『森上親父』そして一番たちの悪い『助平(すけひら、と読んでください)親父』がいるではないか。

「な、なんだあ、ありゃあ!」

分隊士は素頓狂な声をあげていた。オトメチャンは半ばあきらめたような声で、

「『駆逐艦・天の川』です。あの人たちの自家用艦艇です。あれで私の行くとこ行くとこ、どこにでも付いてきます」

という。分隊士はあきれてしまった。(あいつら一体どういうつもりなんだ、常にオトメチャンを監視しているっていうんだな)

分隊士は「よしっ!」と大きな声で言うと、もう一度オトメチャンの肩をしっかりつかんだ。そして

「こうなったらオトメチャン、俺は力ずくでもオトメチャンをさらってゆくからね。もうあいつらの監視下で生きなくっていいようにしてあげる。これから迎えの艦が来てもしかしたら戦闘になるかもしれないけど・・大丈夫だね?」

とその瞳を覗き込むようにして言いきった。

オトメチャンの瞳に力がみなぎりだした。そして、

「はい、大丈夫です。どんなことになろうとも覚悟はできています。分隊士と一緒に生きてゆけるなら」

と言った。分隊士は可愛くなってまた思いっきり抱きしめる。

 

その様子を、『駆逐艦・天の川』の森上親父が見ている。

「くうう。あの麻生の野郎、オトメチャンを抱きしめてやがるぜ。俺たちのオトメチャンだってのによ!」

悔しそうである。他の三人もそれぞれ双眼鏡で検分しながら悔しそうな顔つき。助平(すけひら)親父などは、「オトメチャンに似合ういい衣装があるのよ、早く着せたいのにぃ~」と見悶えている。こいつらの姿は、と言えばまるでかの有名な『天才バカボン』、その『バカボンのパパ』そのままである。

鼻の下にはマジックでひげのようなものまで書いてある。しかし、この連中は至極まじめにその姿で通しているのである。

野村親父が、「今夜オトメチャンは、麻生のところに泊まるわけ?じゃあまた明日帰ってきたらオトメチャンを裸にひんむいて全身くまなく調べなきゃ、ね」といやらしい口調で言う。それを聞いて森上親父が「えぇ~。どこをくまなく調べるのぉ~」とこれまたいやらしい笑いを浮かべて言う。

四人は、実に意味深長な笑いを浮かべる。

そうこうしているうちに一時間ほどが経った。オトメチャンと麻生分隊士の逢瀬を覗き見していた梨賀親父は、その二人の後方におかしなものが見えてきたのに気がついた。

「なんじゃあ、あれは?」

それは、だんだん二人のほうに近づいてきた。とても大きな影のそばに浮遊する小さな影、その影はあっという間に正体を現した。

なんだかとても近代的な格好の『天山』である。『天山』は二人のそばに着陸するとすぐに二人を乗せて飛び立った。大きな影のほうに飛んで行ったようである。

驚いたのは、親父連中。あわてて駆逐艦・天の川を走らせる。

と。

前方の黒い影が動き出した。天の川の星くずを蹴立て、『一級河川・天の川 国土交通省』と書かれた看板を粉砕してその影はとうとう姿を親父連中の前に現した。

「うわああ、なんだこれはあ!」

親父連中の絶叫。

無理もない。彼ら(彼女ら?)の前方には、黒光りする大戦艦が天の川を驀進してくるところだったのだから。

そしてなんと、その艦橋トップには麻生分隊士がオトメチャンとともに立っている。麻生分隊士は、大声で叫んだ。

「見たか!これこそ帝国海軍が誇る『宇宙戦艦大和』である!どけ、どかんとぶっ潰すぞ!」

梨賀親父が負けじと怒鳴り返す、「何言ってんだ、わけわかんないこと言うな!どうでもいいから早くオトメチャンを返せ。返さないと、ひどいぞ!」

――ああ、ついに戦いの火ぶたは切って落とされようとしていた。

          (次回に続きます)

 

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さあ、『宇宙戦艦大和』が登場です。

『駆逐艦・天の川』といったいどのような戦いを繰り広げるのでしょうか?次回をお楽しみに。


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「女だらけの戦艦大和」・宇宙戦艦大和1

トレーラー島に停泊する「女だらけの軍艦大和」の上に広がる夜空には、天の川が流れている――

 

キラキラと輝く星くずを踏みながら、麻生分隊士は歩いている。その星くずはまるで大河のようにはるかかなたに流れている。

(なーんか俺へんなカッコしてるなあ)和服のようなものを着て牛をひっぱって歩く自分にしかし、あまり違和感を感じない。

(そうだ、俺は今『牽牛』なんだ。このかっこで当たり前だな)

そうするとこの星くずは『天の川』ということになる。分隊士は、(じゃあ、織姫は一体どこにいるんだろう)と考える、織姫は当然オトメチャンでなければならない。

一年に一度の逢瀬であるから分隊士の心はときめいた。「全くよ、いったい何で一年一回しか会えねえんだよ。恋する若者はちょっとくらい仕事さぼったって会いてえんだよ。でもオトメチャンはまじめだから仕事をさぼったりしねえってのよ。だってのにあの親父はよう・・」ブツブツ言いながら歩いた。

二人――麻生分隊士とオトメチャンはもう以前から恋仲である。しかし恋におぼれてオトメチャンが織物の仕事をさぼったと言いがかりをつけたのが、オトメチャンを監督する「梨賀おやじ」である。

「梨賀おやじ」は無理やりオトメチャンを捕まえて、「もう!あんたたちいい加減にしてよ。会いたいのはわかるけどこうしょっちゅう仕事を抜け出されちゃあ困るのよ。だからオトメチャンは遠くに転勤!麻生さん、悪いけど一年一回だけここで会わせてあげるから、悪く思わないでねえ~」と言って嫌がるオトメチャンをM79星雲に転勤させてしまったのだ。M79星雲にはスケベな「森上おやじ」と「野村おやじ」、それに一番危ない「助平(すけひら、です)おやじ」が住んでいると言ういやなうわさを聞いている。

(オトメチャン、今日いよいよ会えるぞ!)

分隊士の胸はときめいた。そして分隊士には秘策があった。

(一年一回じゃもうたまんない。今日こそオトメチャンをかっさらって二人幸せになるんだ!)

そのために、分隊士は知己を通じて壮大な作戦を決行しようとしていたのである。

待ち合わせの場所に、麻生分隊士は来た。

だがまだ時間には随分と早かったようである。「仕方ねえ、でも待つって言うのも楽しいもんだぜ」などと独り言を言いながら牛をなでて星くずの流れる際に座った。牛はおとなしく分隊士になでられている。

「しかし、お前さんもいい牛だよなあ。俺なんぞに飼われてるよりいいところねえのかね?」

そんなことを言っていると向こうから誰かがあるいてくる。

額の広い人である・・・その人は麻生分隊士の連れている牛に目を止めた。何気に分隊士がその人を観察していると、その人は「はっ!」と息をのむなり分隊士の牛のそばに駆け寄ってきた。

「おお・・・おおすごい!」と言いながら牛をなでまわしている。

(なんだろう、このヒト?牛マニアかな)と分隊士が思った時、その人はいきなり分隊士のもとに来て、その肩をガッと掴んだ。

「おおう!」と分隊士はとっさのことで驚いて声を発してしまった。だがその人は動じることなく分隊士の肩をつかんだまま、

「あなた!こ、この牛はあなたのですかっ!?」

と血相変えて聞いてきた。その迫力に分隊士はちょっと腰がひけた。が、「はい、私の物でありますが?」と答えた。

するとその人は急にぼろぼろと涙をこぼし始め、更に分隊士の度肝を抜いた。どうしましたか、と問う分隊士にその人は涙をぬぐうと

「ごめんなさい、申し遅れました。私は宮崎県の県知事で西国原、と申します。実は私の県で牛・豚にひどい疫病が流行って、たくさんの牛、しかも種牛までもを殺さねばならぬ憂き目に遭っています。畜産農家の嘆きの涙は、この天の川の水より多いのです。・・・で、一つご相談なのですが、あなた様さえよろしければ・・この牛を私に、いや!宮崎県にいただけませんでしょうか!?」

と一気に言った。そしてまた、涙を流した。

分隊士は西国原さんという知事さんが可哀想になった。畜産農家の人も筆舌に尽くしがたい苦悩を抱えているのだろう。

「わかりました」分隊士の声に、泣いていた西国原さんは顔をあげた。分隊士は今度は自分が西国原さんの肩に手を置くと、

「この牛でよろしいなら、差し上げましょう。知事、ぜひこの牛をお役立てください!」

と力強く言った。西国原知事の顔に赤味がさし、広い額が心なしか光ったように見える。知事は分隊士を見つめて、

「ありがとう、ありがとう!あなたは宮崎の救世主です、畜産農家の希望の星です。・・・なんとお礼を言ったらよいやら・・」

とまたうれし涙にくれた。分隊士は西国原さんを励まして、「そうと決まれば早くこの牛を持って帰って役立ててください」と言って、知事は何度も頭を下げながら帰って行った。

(牛がいなくなっちゃったら牛飯が食えなくなっちゃうもんなあ、牛乳だって飲めない。しかしえらいことになってるんだなあ)

分隊士は思った。

 

その時、遠くから「分隊士ぃ~~」と呼ぶ声が聞こえてきた。声の方を見れば、織姫の衣装を着たオトメチャンが天の川のほとりを、星くずを舞わせつつ走ってくるところであった。

「オトメチャ――ン!」

分隊士は、オトメチャンのほうに走ってゆく――

            (次回に続きます)

         ・・・・・・・・・・・・・・・・

銀河ファンタジー。

牛を失った?牽牛麻生と、織姫オトメチャンの再会ですが、なんだか波乱の気配がしますぞ。

次回をお楽しみに!!


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「女だらけの戦艦大和」・必殺仕分け人3・解決編

「女だらけの戦艦大和」を、必殺仕分け人たちは後にしてゆく――

 

その後ろ姿を見ながら、戦艦などの艦長や航空司令たちは絶望的な気分でいた。あのような仕分けをされたら戦意高揚どころか戦意が低下してしまうこと請け合いである。

「いったいどんな内容で見直しや廃止が来るんだろうか」

言い知れない不安が皆を支配し始めていた。

そんな頃、『大和』防空指揮所。

麻生分隊士と見張兵曹、小泉兵曹などが集まって天幕を見降ろしている。麻生分隊士はふ―っと息を吐き出して、

「なんだかなあ、あの『仕分け人』とかいう奴ら。ここに来てあれこれずいぶん見て回ってたじゃねえの?」

と辟易したように言った。見張兵曹も、「そうですね、私の双眼鏡を横取りしてなんだかんだ言ってましたが」という。小泉兵曹が「なんか・・・いや~な感じがしますね」とぽつりと言った。

妙な沈黙が皆を支配した。

 

それから数日して、『仕分け人』から仕分けの詳細が文書で来た。それを見て、送られた各艦長・艇長・司令や航空隊長、そしてそれを回覧した兵員たちの驚愕と落胆、そして怒りは尋常ではなかった。

それによれば。

「海軍に関しての仕分けは以下の通り。

全体共通事項トシテ無駄が多い。人員は今より一割ほど削減すべし。兵器にも無駄多し。機銃の三連装は要ナシ。戦艦の副砲は撤去。航空機のエンジン空吹かし禁止スベシ。弾薬(模擬弾薬を含む)の節約のため訓練時間の見直し。

空母は搭載航空機数を減数シ、燃料の節約すべし。各基地に待機中の駆逐艦・巡洋艦はその半数を廃棄すべし。

戦艦ノ双眼鏡は倍率の低いものに見直すべし。潜水艦は半数以下に減数。補給艦『間宮』『伊良湖』はそのいずれかを廃止。

主計関連・下帯の長さ、幅ともに現在の物は廃止。長さは五十五センチマデ。幅は十二センチまでにスベシ。「衛生用品」の夜用は廃止。酒保での酒の販売も銘柄を見直し。タバコ「桜」は禁止。羊羹・チョコレート他のし好品の大きさも見直し。食餌内容も大幅見直し、夜食は廃止。祝日祭日の酒肴配布禁止。

以上の決定は即日行使。追加措置あれば追って通知。一覧は別紙」

 

さあ、これを読んだ兵たちの怒りは火と燃えた。

「これじゃあ戦えないじゃないか、まさか我々に負けろっていうんじゃねえだろうなあ!」と、機銃や高角砲、主砲副砲の配置の兵は吠える。確かにこれを額面通り受け取ったとしたら大変チンケな軍艦、海軍になってしまう。

また松本兵曹長など、「ふんどしの長さや幅を小さくしてどうしようってんだ、はみ出すじゃねえか!」と烈火のごとく怒る。梨賀艦長は「桜」が廃止と読んでがっくり来ている。長妻兵曹は『待ち受け一番・夜用』が廃止と聞いて「困った、困ったどうしよう、漏れちゃうよお!」と走り回っている。見張兵曹とトメキチは祝日の酒肴が廃止と言うのでこれもがっくりしている。

そして何より海軍全体の落胆は補給艦『間宮』『伊良湖』のいずれかを無くしてしまうという最悪の仕分け・・・。ああ、もう『間宮』の羊羹は食えないのであろうか?

――海軍全体・・いや、先に仕分けされた陸軍全体も・・つまり皇軍全体が沈滞ムードになってき始めた。こんなことで戦争に勝ってアメリカ大陸に日章旗を立てられるのだろうか。現在統治している場所の安全は守れるのか、そして何より日本本土の安全は!?

 

しかしことここに至って、天佑神助、奇跡、神の御加護とでもいうべき救いの手が差し伸べられた。

畏れ多くも天皇陛下が、『皇軍兵士の活躍をたたえたい』と恩賜の煙草・菓子・酒などの食品や衣料品数品目を海軍と陸軍の全将兵にわたるように御下賜くださったのである。その上、『どんどん訓練をし、敵撃滅を一日も早く。必要とあらば新しい兵器も作るように』とありがたいお言葉まで下されたのだ!

大変な喜びようの皇軍将兵!!やる気がモリモリ湧いてきた。ここトレーラー島の海軍艦艇、航空基地からも大きな歓声が聞こえてくる。

さあ、これに泡を食ったのはだれあろう時の内閣と、その特命を受けて「皇軍仕分け」をした「必殺仕分け人」の蓮方 れん議員と枝野幸子幹事長である。

廃止・見直しにしたまさにその品目をなんと天皇陛下御みずから皇軍に賜った以上、それらをこれ以上『廃止・見直し』とするわけにもいかない。「敵撃滅を早く」と玉音を賜った以上艦艇や兵器・装備を廃棄しろとは言えなくなったのである。

 

『皇軍仕分け』は結果としてそれ自体が『廃止』と相成ったのである。ミイラ取りがミイラ、と言っていいのだろうか。

「もしかしたら」と後になって麻生分隊士は言った。「もしかしたら?」と聞く見張兵曹に分隊士は、「陛下はこの(・・)こと(・・)をお耳に入れて我らのためにいいように計らってくださったんじゃないかな?」と言った。確かに絶妙なタイミングであった。

そして「もしかしたら」と、見張兵曹も言った。「もしかしたら、いやもしかしなくても天皇陛下は神様であらせられますね」

「まさに」と大きくうなずく麻生分隊士と航海科の仲間たちであった。

 

その後、内地では政変があり例の仕分け人の『政党』は政権を奪還されてしまったと言う。

それを聞いて特に大笑いしたのはゲハルマ島・ロエ島などの航空司令と・・・『大和』の梨賀艦長であったと言う――

 

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

仕分けは結局不発でした。こういう『不発』なら歓迎ですね~。

しかし、『天皇陛下』のお言葉を書くのは畏れ多くって怖いことでした・・・でもこの『世界』のお話ですので、なにとぞお許しを!

でも陛下は皇軍兵士の悲憤をわが身の事として感じておられたのですね。やはり『現人神』であらせられますね。現実の陛下も慈愛あふれるお人柄で私は大好きです。

天皇陛下、万歳。


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