「女だらけの戦艦大和」 ・ <乙女>に触れないで、、、。

「女だらけの戦艦大和」は、内地めざしてひた走る―――

 

参謀長の部屋。 

「そこに寝ろ」と麻生分隊士は、ベッドを示した。見張兵曹は、動こうとしない。何度か、ベッドを指したが兵曹はうつむいて動かない。

「寝ろ、って言ってるんだ!」というなり、麻生分隊士は兵曹を思い切りベッドに突き倒した。激情に駆られていた。

仰向けざまにベッドにひっくりかえる兵曹に、分隊士は荒っぽくのしかかり、事業服の上下を脱がせてしまった。肩のガーゼが真っ赤に染まっている。よく見れば上着にも既に浸みていた。

兵曹は、しくしくと泣き出した。胸はあらわにされ、下半身は下帯一枚にされてなんという格好になっているのだろう。

麻生分隊士は激情が過ぎ去ると、後悔した。だが、確認だけはしておきたいと切に思った。たとえ、参謀長に力ずくでされていたとしても、自分はこの子を愛してゆこうと思う心にウソはない。でも、されていたということをしらないままではいやだ。

「ごめんな、オトメチャン。でもこうしないと自分の気が済まない。申し訳ないが」そう言って、麻生分隊士は見張兵曹の下帯をそっと解いた。兵曹の体が硬直したようになる。

「本当にごめん!」と分隊士は小さく叫んで、兵曹の両足を開いた。「いやあ、、、」と兵曹が泣き声を立てた。

しかし、分隊士は開いた両足の間に入ると、兵曹の<乙女>の部分にそっと手を当てた。そして、その肝心どころの奥に入りこもうとした。 と、「痛いです、、、やめて」と兵曹が泣いて、身をよじった。分隊士はハッとして、手を離しその行為を中止した。彼女は、まごうかたなき<乙女>であった。

分隊士は、ちょっとでも疑ったことを恥じた。参謀長も、きっとこの<乙女>のしるしに驚いて行為を続けることができなかったのだろう。

分隊士は、「ごめん」と言って兵曹の足の間から離れ、そばにあった毛布でくるんでやった。そして抱きしめながら「疑って悪かった。ごめんね、オトメチャン。言い訳に聞こえるかもしれないが、、俺は大事なオトメチャンに傷つけられたくなかったんだ。だから、こんなことをしてしまったんだ、、、でもこれがオトメチャンの心を傷つけてしまったなら、、、どうしたらいいか、、、」と囁いた。

見張兵曹は泣きながらも「分かりました、分隊士の気持ち。、、、私、怖かったんです。あの時の事、思い出してしまって」と答えた。

<あの時の事>とは、例の見合いの晩のことだろう。よほど「怖い思いをしたんだな、、」と分隊士は優しく抱きしめながら言った。

「私は、、、あんなことは嫌です。したくありません」見張兵曹は抱きしめられながら言った。そうか、と分隊士はいいながら「でもなあ、、、一生しないで生きるってのも変なものじゃないか?」と諭すように言う。

兵曹は「納得できる形なら、きっと嫌じゃないと思います。でも納得できないうちに強引にされるのは嫌です」と分隊士を見つめて言った。

「それは当然だよな」と、分隊士は微笑んで言った。すると見張兵曹は分隊士の胸に顔をうずめて「しなきゃいけないなら、、、分隊士にしてほしい」と囁いた。

・・・・え!! 麻生分隊士はどきんとした。俺にしてほしい、だって!? でもしかし、それはちょっと、、、初めてがこの俺じゃちょっと変じゃないか?いちおう女だし。

困惑した分隊士に、兵曹は「どうしても最初は<男の人>と、ですか?」と聞いた。分隊士は「まあ、、それが自然だろうね」と困惑したまま答えた。

兵曹は、ため息をひとつ吐くと、「そうなんですか、、、ではもう少し、心の準備が出来たら。その時が来たら、分隊士、そばに付いていてくれますか?」と言って麻生分隊士の目を覗き込んだ。

分隊士はそのしぐさにそそられながらも、そんな時俺なんぞがいたら恥ずかしくねえかなあ、、、俺はどんな顔してりゃいいんだ?などと変な想像をしたが「ああ。いいよ、付いていてやろう。安心しろ」と言ってやった。

兵曹は心から安堵したように息を吐いた。

「それから」と、分隊士は付け加えた。「今後参謀長に誘われても付いていっちゃいけない。またこういう目にあう。――もっとも、オトメチャンがいいならいいんだけど?」

すると兵曹は「いいなんてことありません。私は分隊士―――」言いかけて恥ずかしくなったのか、顔を伏せた。

可愛くなって、分隊士はさらに抱きしめる―――

 

その頃、参謀長は夜間艦橋・第一艦橋・防空指揮所をいったりきたりしていた。当直員に「いかがなさったんですか」と怪訝な表情をされるたびに、「いやあ!眠れなくってねえ、ハハハ!」と笑ってごまかしている。内心、(あいつら早く済まして出て行かねえかなあ)と困っている。時々部屋の前に行ってみると、まだ鍵が閉められたまま。

なんとなく肌寒くって、トメキチを抱きながら艦橋で過ごす、かわいそうな参謀長。

 

麻生分隊士と、見張兵曹はやっと部屋から出た。分隊士は、兵曹を毛布にくるんだまま居住区に連れて行った。「傷、、大丈夫か?消毒してもらいに行くか?」と分隊士は心配したが、兵曹は笑って「大丈夫です。もう止まりました」と言った。

そこで二人は別れ、寝についた。

参謀長が、やっとトメキチとともに自室に戻ったのは深夜もいいところ、しかも、参謀長の私物である気に入りの毛布は兵曹に持っていかれてしまっていた。仕方ないのであちこち探したが、やっと見つけた毛布はなんだか汚れていて、シラミでも付いていそうだったので止めて、結局その晩はトメキチを抱っこして寝たのであった。当然のように翌日は喉が痛い。

まあ、人のものを横取りしようとすればこの程度の報いが来るんだ、という見本のようなものである。

いろんな思いを乗せた「女だらけの戦艦大和」、間もなく呉に到着のようである――――

 

            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

手に汗握る展開でした。

しかし、オトメチャンという子はなんでこうもセクハラを受けるんでしょう?隙があるんだろうか?いえ、そんなことはありません。

彼女の無邪気さや、意外と純真なところが百戦錬磨の女たちをそそるのです。はい。


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「女だらけの戦艦大和」 ・ <乙女>に触れないで、、、。

「女だらけの戦艦大和」は、内地めざしてひた走る―――

 

参謀長の部屋。 

「そこに寝ろ」と麻生分隊士は、ベッドを示した。見張兵曹は、動こうとしない。何度か、ベッドを指したが兵曹はうつむいて動かない。

「寝ろ、って言ってるんだ!」というなり、麻生分隊士は兵曹を思い切りベッドに突き倒した。激情に駆られていた。

仰向けざまにベッドにひっくりかえる兵曹に、分隊士は荒っぽくのしかかり、事業服の上下を脱がせてしまった。肩のガーゼが真っ赤に染まっている。よく見れば上着にも既に浸みていた。

兵曹は、しくしくと泣き出した。胸はあらわにされ、下半身は下帯一枚にされてなんという格好になっているのだろう。

麻生分隊士は激情が過ぎ去ると、後悔した。だが、確認だけはしておきたいと切に思った。たとえ、参謀長に力ずくでされていたとしても、自分はこの子を愛してゆこうと思う心にウソはない。でも、されていたということをしらないままではいやだ。

「ごめんな、オトメチャン。でもこうしないと自分の気が済まない。申し訳ないが」そう言って、麻生分隊士は見張兵曹の下帯をそっと解いた。兵曹の体が硬直したようになる。

「本当にごめん!」と分隊士は小さく叫んで、兵曹の両足を開いた。「いやあ、、、」と兵曹が泣き声を立てた。

しかし、分隊士は開いた両足の間に入ると、兵曹の<乙女>の部分にそっと手を当てた。そして、その肝心どころの奥に入りこもうとした。 と、「痛いです、、、やめて」と兵曹が泣いて、身をよじった。分隊士はハッとして、手を離しその行為を中止した。彼女は、まごうかたなき<乙女>であった。

分隊士は、ちょっとでも疑ったことを恥じた。参謀長も、きっとこの<乙女>のしるしに驚いて行為を続けることができなかったのだろう。

分隊士は、「ごめん」と言って兵曹の足の間から離れ、そばにあった毛布でくるんでやった。そして抱きしめながら「疑って悪かった。ごめんね、オトメチャン。言い訳に聞こえるかもしれないが、、俺は大事なオトメチャンに傷つけられたくなかったんだ。だから、こんなことをしてしまったんだ、、、でもこれがオトメチャンの心を傷つけてしまったなら、、、どうしたらいいか、、、」と囁いた。

見張兵曹は泣きながらも「分かりました、分隊士の気持ち。、、、私、怖かったんです。あの時の事、思い出してしまって」と答えた。

<あの時の事>とは、例の見合いの晩のことだろう。よほど「怖い思いをしたんだな、、」と分隊士は優しく抱きしめながら言った。

「私は、、、あんなことは嫌です。したくありません」見張兵曹は抱きしめられながら言った。そうか、と分隊士はいいながら「でもなあ、、、一生しないで生きるってのも変なものじゃないか?」と諭すように言う。

兵曹は「納得できる形なら、きっと嫌じゃないと思います。でも納得できないうちに強引にされるのは嫌です」と分隊士を見つめて言った。

「それは当然だよな」と、分隊士は微笑んで言った。すると見張兵曹は分隊士の胸に顔をうずめて「しなきゃいけないなら、、、分隊士にしてほしい」と囁いた。

・・・・え!! 麻生分隊士はどきんとした。俺にしてほしい、だって!? でもしかし、それはちょっと、、、初めてがこの俺じゃちょっと変じゃないか?いちおう女だし。

困惑した分隊士に、兵曹は「どうしても最初は<男の人>と、ですか?」と聞いた。分隊士は「まあ、、それが自然だろうね」と困惑したまま答えた。

兵曹は、ため息をひとつ吐くと、「そうなんですか、、、ではもう少し、心の準備が出来たら。その時が来たら、分隊士、そばに付いていてくれますか?」と言って麻生分隊士の目を覗き込んだ。

分隊士はそのしぐさにそそられながらも、そんな時俺なんぞがいたら恥ずかしくねえかなあ、、、俺はどんな顔してりゃいいんだ?などと変な想像をしたが「ああ。いいよ、付いていてやろう。安心しろ」と言ってやった。

兵曹は心から安堵したように息を吐いた。

「それから」と、分隊士は付け加えた。「今後参謀長に誘われても付いていっちゃいけない。またこういう目にあう。――もっとも、オトメチャンがいいならいいんだけど?」

すると兵曹は「いいなんてことありません。私は分隊士―――」言いかけて恥ずかしくなったのか、顔を伏せた。

可愛くなって、分隊士はさらに抱きしめる―――

 

その頃、参謀長は夜間艦橋・第一艦橋・防空指揮所をいったりきたりしていた。当直員に「いかがなさったんですか」と怪訝な表情をされるたびに、「いやあ!眠れなくってねえ、ハハハ!」と笑ってごまかしている。内心、(あいつら早く済まして出て行かねえかなあ)と困っている。時々部屋の前に行ってみると、まだ鍵が閉められたまま。

なんとなく肌寒くって、トメキチを抱きながら艦橋で過ごす、かわいそうな参謀長。

 

麻生分隊士と、見張兵曹はやっと部屋から出た。分隊士は、兵曹を毛布にくるんだまま居住区に連れて行った。「傷、、大丈夫か?消毒してもらいに行くか?」と分隊士は心配したが、兵曹は笑って「大丈夫です。もう止まりました」と言った。

そこで二人は別れ、寝についた。

参謀長が、やっとトメキチとともに自室に戻ったのは深夜もいいところ、しかも、参謀長の私物である気に入りの毛布は兵曹に持っていかれてしまっていた。仕方ないのであちこち探したが、やっと見つけた毛布はなんだか汚れていて、シラミでも付いていそうだったので止めて、結局その晩はトメキチを抱っこして寝たのであった。当然のように翌日は喉が痛い。

まあ、人のものを横取りしようとすればこの程度の報いが来るんだ、という見本のようなものである。

いろんな思いを乗せた「女だらけの戦艦大和」、間もなく呉に到着のようである――――

 

            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

手に汗握る展開でした。

しかし、オトメチャンという子はなんでこうもセクハラを受けるんでしょう?隙があるんだろうか?いえ、そんなことはありません。

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「女だらけの戦艦大和」 ・ 参謀長、<横取り>する。

「女だらけの戦艦大和」は、一路「呉」に向かってひた走っていた―――

 

見張兵曹の怪我も随分落ち着いて、もう配置に復帰している。ちょっと早い、という皆の意見や心配もあったが、何より本人が「戻る」と言ったのでその意向を大事にしたというわけ。

麻生分隊士は人一倍見張兵曹に関しては心配性で「大丈夫か」「そろそろ交代しようか」「立ってられるか」などと、ちょっと過保護。

でも兵曹は笑って「大丈夫ですよ、分隊士。私の事よりご自分を大事になさってください」と分隊士を気遣い、「オトメチャンたら、、、なんてかわいいんだあ!!」と抱きしめられた。

皆、(また始まったよ)と内心笑いつつも、やはりこれじゃなくっちゃ、しっくりこないよな~、と思うのであった。

 

さて、内地に向けて航行中のある晩。

森上参謀長は防空指揮所に上がって、星空を見ていた。少し、寒くなってき始めたのは日本が近いということなのだろう。

数人の当直見張り員の中に、オトメチャンがいる。何とはなしに、その姿を見つめる参謀長。その参謀長を見て、小泉兵曹は(なんだあ、、、参謀長もオトメチャンに気があるのかい?)と思ってもしかしたらこの先、また騒動があるんじゃないかと思ってわくわくした。

麻生分隊士は見張兵曹を<自分のもの>としっかり掌握しているし、だれにも渡さないと明言している。

もしも、もしもだ。

参謀長が横から割り込んでくるようなことがあったら一体どうなるんだろう?きっと、麻生分隊士はオトメチャンを監禁してでも自分のものとしてあらためて宣言するんじゃないかなあ?

まあ、、、確率的には限りなく零、だがちょっと想像すると面白いじゃない?と、小泉兵曹は一人で妄想していた。

で、肝心の参謀長。

見張兵曹の姿を見るうちに、自分の中で最近モヤ付いていたものの正体がなんだかわかってきたようだ。

(俺は、、、オトメチャンに恋をしてるんだな、、、、)

確信した。 でも、彼女は<麻生分隊士のもの>であり自分が横取りなんかできない。参謀長、という立場からも、それはしてはならないことである。

だけど。

(オトメチャンが、、、好きだ)と思った。これ以上彼女の姿を見ているとろくなことを考えそうもない、と思った参謀長はそっと指揮所を出た。

第一艦橋を除くと、艦長席で梨賀艦長が居眠りをしている。見張り員が双眼鏡で見張っている、いつもの風景。

気づかれないようそっとそこを離れる。そして、ゆっくりと自室に向かった。途中でなんと麻生分隊士に行きあった。

分隊士は敬礼して「もうお休みかと思いましたが、、上にいらしたんですか」と聞いた。参謀長は「ああ、、いい星空だよ。あと少しで内地だな。早く上陸したいだろう?」と笑った。

分隊士はなぜか顔を赤らめて「はい、、早く」と答えた。その様子を見て(麻生少尉は、オトメチャンと一緒に過ごしたいんだろうな)と感じた。

「少尉、オトメチャンと泊まるのか」と言ってみた。すると予想にたがわず麻生少尉は「・・・はい。また下宿に連れてゆきたいと思います」と白状した。

参謀長は苦笑した。「・・・そうか。うんとかわいがってやりなさい」

麻生少尉は真っ赤になって「はい」と言って敬礼して、去って行った。また見張兵曹の勤務の交代時にあのラッタルの下で待ち構えているつもりなんだろう。

オトメチャンもかわいそうに、と笑ってしまった。しかし当の本人、オトメチャンはどう考えているんだろうか。

知りたくなった。

参謀長はしばらくその辺をうろうろしていた。例の<待ち構えラッタル>の下に来ていた。麻生少尉は姿がない。というのも士官次室の少尉連中から<将棋>に誘われていたからだ。

「麻生少尉はオトメチャンにかまってばっかりで付き合い悪いぞ~」とからかわれ、今夜はちょっとだけ皆に付き合おう、と思ったのだ。

そこに。

軽やかに、しかしひそやかに足音を立てて見張兵曹がラッタルを降りてきた。下にいた参謀長にちょっと驚いた表情をして、かわいい。さっと敬礼して去ろうとしたが。

その時思い切り参謀長は見張兵曹の腕をつかんでいた。「あの、、、参謀長?」と怪訝な表情の兵曹を参謀長は自分の私室に引っ張った。

参謀長の部屋のドアが閉まった。鍵が閉まる。兵曹は「あの、参謀長。私は、、あの、、」ととても困って口ごもっている。

参謀長はいきなり兵曹を抱きしめ、唇を奪った。抵抗が起きた。参謀長は兵曹の抵抗を抑えようと固く抱きしめて、ベッドの上に倒れ込んだ。

「参謀長。いけません、、、離してください。参謀長」必死に訴える見張兵曹を無視して、参謀長は兵曹の服を脱がしにかかった。

「お願いです、、、参謀長、困ります」と泣きそうな兵曹に参謀長は「麻生少尉に叱られるか?嫌われるか?――そんなに麻生少尉がいいのか?」と囁いて、一気に脱がせてしまった。

肩に大きくガーゼを張ったままで痛々しい姿が参謀長をそそった。傷に響かないようにしかし、しっかり押さえこんで参謀長はオトメチャンの肌着を取り去った。

「参謀長、、!」と、見張兵曹の声が上ずった。参謀長はもう、止まらなかった。兵曹の胸の盛り上がりの先に唇を押し付け、吸った。いけません、やめて、と泣きそうな声を聞きながら、参謀長はなぜか麻生少尉に(どうだ、貴様のオトメチャンがこんな声だしてるぞ)と言ってやりたいような残酷な気持ちになっている。そのあとも参謀長はオトメチャンに欲望の限りを尽くした。

 

「本当に、オトメチャンは<きれい>なんだな、、、」

参謀長は、ベッドのはじに腰かけて言った。兵曹は、その後ろでぐったりと横になったままである。肩の傷から少し、出血してシーツを汚している。

何も言えない兵曹をちょっと振り返って、森上参謀長はついさっきまでの行為を思い返した。

いくらなんでももう、こいつは<ヴァ―>じゃないはずだ、麻生が一人で勝手に言ってるだけだろう、と思って参謀長は「確認」しようとしたのだ。

そうしたら、、、。(まさに、<ヴァ―>だ)さすがにそれ以上の事は出来なかった。

しかし、兵曹にはそこまでされたのがショックだった。麻生分隊士も、そこまではしなかったのに。(こんなこと、誰にも言えない)と苦しかった。

しばらくして、参謀長の部屋を逃げるようにでた見張兵曹は、麻生分隊士と出くわしてしまった。「おお、オトメチャン、、、」と分隊士は言いかけて、その様子が変なのに気がついた。髪が少しほつれ、妙に服がしわになっている。第一、自分を正視しない。

「何があった?オトメチャン」と聞いた麻生分隊士の顔を見られない兵曹。「答えろ。何があっても怒ったりしないから。隠し事は無しにしてほしい」と分隊士は優しく言った。

ようやっと、見張兵曹は顔をあげた。涙ぐんでいる。麻生分隊士にすがると、「、、、、に部屋に連れていかれて、、、」と聞き取れないくらいの声で言った。

「え?誰にだって?」と聞き返す分隊士に兵曹は「参謀長、、、」とだけ言って、泣いた。

「参謀長だって!!」とたんに、闘志が燃え上がる分隊士。そういえば最近、参謀長はオトメチャンになんかみょうな目線を送っていたっけ。――-うかつだった。ここはきっちりとしておかないといけない。万一、オトメチャンが参謀長になびいたりしたら、どうしたらいいんよ、俺。

意を決した分隊士は、オトメチャンの手を引いて参謀長の個室に向かった。

参謀長はまだ起きているようだ。ドアをそっとノックした。「麻生少尉であります」というと、一瞬向こうで息をのむような雰囲気が伝わってきたが「入れ」と答えがあった。

「入ります」とドアを開けた。麻生少尉は、憤怒の表情で部屋に入った。そのあとをうつむいたまま見張兵曹が従った。

「参謀長、、、何でですか、、私のオトメチャンをこんな風にするなんて。私は参謀長を信じて今まで来たのに、、、ひどいじゃないですか」と訴えた。

参謀長はさすがにばつの悪い顔つきになった。「すまん、、、、。実は、俺も彼女を、、、」と参謀長が言いかけた時。

ベッドのシーツの血の跡を見た麻生分隊士は「あああ!!! さ、参謀長!やってくれましたね!動かぬ証拠ですよっ」と叫んだ。参謀長はそれこそびっくりして「いや違う!してない、しようとしたんだけど、、、」ととんでもないことをいった。分隊士は「嘘をおっしゃってもダメです!あれは何なんですか、あれこそ、、、、オトメチャンの、、、、でしょうっ!」とそこをビシッと指さして言った。

分隊士の目から涙があふれた。

「私は、、、情けないでありますう、、、」しゃがみこんで泣きだした。参謀長はあわてて駆け寄ると少尉の肩に手を添えた、そして「違うったら。あれは傷が少し開いたんだろう。・・・確かにいろいろしたが、、、あれは違う!断言する」と言った。

「いろいろって、何をなさいました?」と聞く分隊士に、「まあ、、、貴様がしてるようなこと、、、か」と恥ずかしげに言いにくそうに参謀長は言って横を向いた。

「なんと!あんなことこんなことを!!うわああーーー」分隊士は激しく泣きだした。参謀長は度肝を抜かれた。

「一体少尉はオトメチャンに何してるんだよ?そんなに泣きたくなるようなことか?」

「そうであります。参謀長がしたようなことであります」・・・・。そこで分隊士はキッと顔を上げた。そして「本当に、・・・は、してないんですね」と確認した。

「しとらん。これは肩の傷の血だ。嘘だと思ったら今ここで貴様が確認したらいい。俺は外してやるから」参謀長は言った。

「では確認させていただきます。何もなければ、このことは水にします。もし、、、あったら、いくら参謀長といえど」分隊士は挑むような目つきで言った。 参謀長はちょっとひるんだが「ああ、気の済むようにしろ。じゃ、俺は出るから」とそそくさと部屋を出た。

ドアが閉まり、分隊士は鍵を掛けた。見張兵曹はうつむいたまま震えている。

「オトメチャン、、、こっちに来い」

分隊士は、血の跡の付いたままのシーツの敷かれたベッドに、兵曹をいざなった――――

 

           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

さあ大変!!三角関係勃発か。

参謀長いくらなんでもオトメチャンに手を出しちゃあまずいだろう、と思いますがまあ、こればっかりはねえ。

さて続きは?


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「女だらけの戦艦大和」 ・ 生と死、復活の時。

「女だらけの戦艦大和」乗組員の見張兵曹は、この世でもないあの世でもない世界をさまよっている―――

 

「大和」は元の泊地に向かって、「駆逐艦 無花果」とともに航行している。航海科の麻生少尉は、見張兵曹を思ってそろそろ夕暮近い海を防空指揮所から眺めている。(オトメチャン、、、)見張兵曹の配置の双眼鏡に触れた。とたんに悲しみがどっと沸いてきて、麻生少尉は双眼鏡をなでながら泣いた。

それを小泉兵曹が見ていて、これも涙にくれていた。

 

さて、見張兵曹は<段暮>(ダンボ)の背に乗って空高く舞い上がっていた。「おお、、お前すごいな!!これはぜひわが帝国海軍航空隊にスカウトしたいよ!」兵曹はご機嫌で象に話しかけた。

「だろう!俺はすごいんだぞ。そんじょそこらの象とはわけが違うんだぞ」段暮は威張った。

「ところで松本、、、じゃなかった、段暮よ。貴様は<大和>知ってるのか」と兵曹は聞いた。すると段暮は、「しらいでか!あの、デカイ島だろう?海に浮かんでるやつ。ハリネズミみたいなの」と言った。兵曹は嬉しくなって「そうそう!!でっかい戦艦だよ。ヤッパリ帝国海軍、ここまで鳴り響いてるんだねえ!」とひとりで笑った。そして「じゃあ、そこまで行ってくれ。行ってくれたらリンゴをやるぞ!」と象をペタペタと叩いた。

急に勢いづいた見張兵曹は、「ちょっと歌わせてね」というと、子供のころ習った唱歌だの、流行歌だの軍歌だの、、、歌い始めた。やがて大海原が見えてきた。

「海の女の艦隊勤務、月月火水木金金!!」思い切り、象の背中をひっぱたいたとたん!

        ぶふぉ!!

と、段暮から変な声がした。「ん???どうした」と問いかける兵曹に段暮は「は、、、鼻に、、、石が、、詰まった、、、」と苦しそうにいい、なんと空中で悶絶し始めた。

急旋回する段暮、危ないったらない。「こら、しっかり飛べ、貴様。それでも空の王者か?おいっ!!」兵曹は象の頭をひっぱたいた。その時、象の鼻が仰角45度くらいに立ちあがった、と見る間に、その<砲身>から小石の弾丸を乱射し始めた。その上、くるくると回るのだからたまったものではない。石が当たるし、だんだん目が回ってきた。

「おい!!段暮いい加減にしろったら!どこかに不時着したらどうだ、、、俺、、もう、、」兵曹の声が、途切れた。

と。

「おええええ!!!」 ついにやった。見張兵曹は、戻した。いつか<天山>でやった情景が再現されたようなものだ。

小石を発射しつくした段暮が、その惨状に気がついた。「あああ!てめえ、人の背中で何しやがんだいっ!」

怒りだした。兵曹は、ハアハアと息をつきながら「だって、貴様が急に旋回なんかしやがるから、、いいからその辺の浜に降りろっての」と言いかけて、またーーー。

ついに段暮も怒り心頭。「降りたきゃ降りろ、この野郎」とまるで松本兵曹長そっくりの罵声を発すると、兵曹を振り落として去って行ってしまった。海の上空で、自分の<塗装>を見たのか、「なんだあこの色はあ~~~~」という叫びがしていたが、落とされて痛みに耐える兵曹には風の音くらいにしか聞こえない。

「痛い、、、」と兵曹は砂の上に起き上がった。段暮はもう遠くに去って、姿が見えない。「やれやれ」と思ってふと水平線を見やると、そこには「大和」は浮かんでいた。

見張兵曹は、大興奮して立ち上がるとでかい声で「おおーーーーーい、。麻生分隊士~~。小泉~~、艦長~~~。私ここでーーーす!」と叫び始めた。落ちていた小枝をひらって、手旗信号を送った。しかし、、、当然のように反応なし。

がっかりして砂浜に座り込む兵曹。「だめかあ、、しかも小舟一艘もなしと来てるしなあ」今の今まで担いでいた双眼鏡を砂に下ろした。

ぼんやりと、遠くの「大和」を眺める。「麻生分隊士、、、会いたい。トメキチ、、、会いたい」と終いには泣きだした。

こうなって見ると、あのしつこいくらいの麻生分隊士の愛撫も懐かしい。というより今の自分には必要じゃないかという気さえしてくる。そしてトメキチのつぶらな瞳と二本足で歩く愛らしい姿、まるで人の言葉が分かるかのような賢さがいとおしい。

「帰りたい」と兵曹は、声を上げて泣いてしまった。その兵曹に声をかける人がいた。

「もし、、そこの兵隊さん」

ふと兵曹が顔を上げて声の方を見ると、最初に穴に落ちた時見かけたウサギがいた。ウサギは兵曹を見つめて、「あなたはあの<大和>に帰りたいんですか」と聞いた。兵曹は涙をぬぐって「はい。帰りたいです。あれは私の家も同然ですから」と座りなおした。

ウサギはちょっと悲しそうな顔になると「あの<大和>はあなたの知っている<大和>ではありませんよ、実はすでに敵の手に落ちてしまっているのですよ」と、衝撃的なことを言った。

「まさか、そんなことがあるはずないっ!」見張兵曹は驚いて食ってかかった。

「本当です、あなたには<大和>の後ろにいる敵の大きな艦が見えませんか? でも、、一つだけ。助ける方法があります」ウサギは言った。兵曹は「なんでもするよ、だから教えて」とすがった。

ウサギは、まず一つの箱を出して「この箱には、敵のすべてーーつまり、目の前の敵そのひとだけでなく、敵の家族や隣人や、もしかしたら国そのものすら消す威力のあるものが入っています。これを使えば、あなたたちは守られます」と言って、さらにもう一つの箱を出した。

「そしてこの箱には、目の前にある敵だけを消せるものが入っています。ですが、この箱の中のものを使うと、あなたが消えてしまいます。でも、あなたが大事に思うものは、守られるでしょう」ウサギは、二つの箱を差し出した。

「どれを使おうとそれはあなたの自由意思です。さあ、、、どちらを使って<大和>をすくいますか?」ウサギは静かに言って、兵曹の目を見た。

見張兵曹は言った。

「二つ目の箱を――――」

二つ目の箱の中には、爆弾をぶら下げた飛行機が入っていた。ウサギは言った、「この爆弾は<はずせません>。と言えば賢明なあなたにはどう使ったらいいのか、もうお分かりですね?」

見張兵曹は微笑んで言った、「敵に突っ込みます。それしか皆を救う手はないんですから」。

ウサギは深くうなずいて、二つ目の箱をポン、、と空に放った。するとそれは、地に落ちる時中に入っていたのと同じ飛行機になって兵曹の前に現れた。違うのは、大きさだけ。

既にプロペラが回っている。兵曹は、乗り込んだ。ウサギは「いいんですね」と確認した。「あなたはもう戻れませんよ。つまり、、、」と言いかけて兵曹に「死んでしまう、ということですね。いいんですよ。みんなを助けるなら、、、私は」と遮られた。

見張兵曹はちょっとの間、考えていた。子供のころの故郷の思い出や、父親の思い出、海兵団に入ってからこっちの事など、走馬灯のように思い出が走り抜けた。

ふっと涙腺が緩みかけたが、それをたち切った。

「行きます」

兵曹は操縦など知らないはずなのに、操縦桿を操って<大和>の上に飛んだ。その先に、敵がいた。

「こいつが、、、」涙があふれた。麻生分隊士や、艦長、森上参謀長、小泉兵曹やトメキチたち仲間の顔が浮かんだ。みんなを死なせてはならない。そのために、、、私は。

兵曹の飛行機は、敵の艦めがけて急降下する。対空砲火が始まる。

「分隊士!!」叫んだ時、肩に鋭い痛みが走って―――――

 

 

麻生分隊士は、防空指揮所に森上参謀長と一緒にいた。トメキチが分隊士のそばに立っている。ようやく周りは暮色に包まれてきた。対潜警戒中の見張り員が時々、「異常ナシ!」という声が響く。

「なあ、、、分隊士。オトメチャンはどこに行っちゃったんだろうなあ」と森上参謀長がタバコをくわえたまんまで言った。麻生分隊士は「分かりません、、、でもきっと帰ってきますよ。あいつが私を置いてどこかに行ってしまうなんてありえません」

「しょってるなあ」と参謀長が笑った。トメキチが参謀長を見上げたその時。

二人の背後の壁のあたりが鈍く光った。トメキチが「キャン!」と叫ぶように吠えた。参謀長と分隊士が振り向くと、なんとそこには血にまみれた見張兵曹が横たわっていた。

「オトメチャン!!」二人は叫んで、駆け寄って参謀長が兵曹を抱き起した。見張り員たちが駆け寄ってきた。トメキチが見張兵曹の顔を舐めた。

見張り員たちが、「見張兵曹、見張兵曹だあ!!」と信じられないという声で叫んだ。参謀長が「艦長に連絡だ、それから軍医長を」と、そばにいた伝令に命じた。

「息はありますか?」という麻生分隊士に参謀長は「大丈夫だ、、、息はある。おいしっかりしろ、オトメチャン」と見張兵曹に声をかけた。麻生分隊士はたまらなくなって参謀長から兵曹を抱き取った。そして耳元で「オトメチャン、聞こえるか?おれだよ、麻生だよ、しっかりしろ」と囁いた。兵曹の肩から血が流れている。

ふっと兵曹は目を開けた。「おお、気がついたか!」分隊士は喜んで叫んだ。参謀長が覗き込む。やがて、艦長・副長が来て軍医長も応急手当の用具を持って飛んできた。

兵曹は大勢に囲まれながら「・・・みんな無事だったんですね。よかった、、。なんだか大きなお菓子の家やら、コブタの家やら、、、空飛ぶ象に乗って、、、そのあと敵の艦に体当たりして来たんですが、、、ここは冥土でありますか」と小さな声で言った。

麻生分隊士は「何言ってんだよ、この世の<大和>だよ。いったい今までどこに行ってたんだ、、心配したぜ」と笑った。兵曹は「この世、でありますか。みんな無事なんですね。よかった」と言ってほっとしたように眼を閉じた。トメキチが心配そうに分隊士を見上げた。

軍医長が「このまま下で手術だ。誰かこの子背負って降りられるか」と聞いた。参謀長が「麻生少尉、いけるな」と言い、麻生分隊士は「はい」と力強く言って、見張兵曹を背負った。

 

艦内は、見張兵曹の生還に沸いていた。

さっそく<通夜>の用意は撤去された。艦長・副長は「本当によかった。しかしオトメチャンの容体はどうなんだろう」と喜びつつも心配であった。

軍医長によれば、機銃弾が跳ねた後兵曹の肩をかすったようで、出血の割には傷は大きくはないとのことで皆ほっとした。でも今までの出血の量が多かったのでしばらくは静養となりそうだった。手術を終えた兵曹は、麻酔も解けて病室で麻生分隊士と会っていた。分隊士は「腹減ってないか?喉乾いてないか?」とこまごまと世話を焼いて兵曹を恐縮させた。見張兵曹は、あの時の体験を全て語った。分隊士は「そうかあ、ずいぶんおもしろい体験したな。しかし、あの松本兵曹長が象とはね、、、ダンボ、だって?」と言っておかしそうに笑った。兵曹もちょっと笑った。そこへ件の松本兵曹長がやってきた。今度は殊勝な顔つきである、それが「見張兵曹、、大丈夫か?おれ、、、貴様が死んだと勝手に思って<通夜>をしようって、、、済まない」と言って頭を下げた。麻生分隊士はちょっと厳しい表情で、「ここに来てちゃんと謝れ」と言った。

松本兵曹長はおとなしくしたがって、「許してはくれないか?」と言った。見張兵曹はまだ青い顔色で「許します。誰だって、死んだと思うでしょうから」と言った。

「ありがとう」と、兵曹長はまた深々と頭を下げると、麻生少尉にも敬礼してそこを出た。

分隊士はその後ろ姿を見送りながら「――-ダンボ松本、だな」と言った。

二人はこっそり笑いあったのだった。

 

こうして無事?見張兵曹は<大和>に戻ってきた。肩の傷は、それほど大ごとにならずに済んだようで勤務にも支障なし。出血のための貧血のせいで、復帰はちょっと遅れているがその間、みんながカバーしてくれている。皆に感謝の見張兵曹である。

この後<大和>は外地から、久しぶりの「呉」に戻ることとなった――――

 

            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

見張兵曹の復活の時、でありました。

しかし、段暮のだらしねえったらないですね。弾丸詰まりを起こしちゃどうしようもありません。とても「零戦」と同列になんか、語れませんね。はい。

でもあの時、ウサギに示された最初の箱の中身はなんだったか。賢明な皆さんには、お分かりですね。

選択しなくてよかったです。

次回のお話でお会いしましょう。(次回は28日更新予定です)


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「女だらけの戦艦大和」 ・ 兵曹、戦闘機を調達する

「女だらけの戦艦大和」から見張兵曹が忽然と消えて、半日以上が立っている―――

 

見張兵曹は、3子ブタどもを捕まえて台所に引っ張って行って食器の洗い方から、だしの取り方、米のとぎ方まで教えた。魚の煮つけの仕方も、卵焼きの焼き方も。

そのあと居間に引っ張って行って掃除の仕方。床の拭き方から箒の使い方、雑巾の絞り方まで。ときどき「そんなこともできんのかあ!」と尻をしゃもじでひっぱたきながら。

そのあとさらに洗濯の仕方。洗濯物の干し方まで教えねばならず見張兵曹は怒り心頭である。「そんなにくちゃくちゃにほしたら、乾いた時どうなるか、貴様ら想像もつかんのか!」また、ケツバットならぬケツしゃもじ。

「ぶひ――ーッ!」と3子ブタは叫びながら耐えた。殺されて、食われるよりはマシだからだ。

ざっと一通り終わって、コブタ達はほっとした。これでもうこいつは帰ってくれる、そう思った。が、甘かった。

見張兵曹はしゃもじを持った手を振り回し、「じゃあ、貴様ら。昼飯を作れ、さっき言ったようにするんだ。今日はご飯とみそ汁、白菜の浅漬け、卵焼き、カレイの煮つけだ!――かかれ!」と命令した。

子ブタたちはもう泣きそうになりながら、必死で作った。ちょっとでもへまをしたら、今度は絶対食われる。

ようやっと、食事が出来た。見張兵曹の前にイシバが恐る恐る、運んできた。

「どうぞ、、、」と並べる。兵曹は「うん」と言って箸をつける。その口元をこわごわ見ていた3子ブタだが「・・・うん、うまくできている。よし!」と言われてほっとした。そのあとも子ブタはこき使われてくたくたになってしまった。

そんなことをしている時、あの福島大尉にそっくりな魔女が子ブタの家に向かっていた。福島大尉、ではない、魔女はお菓子の家を食われた仇を討つべく、見張兵曹の行方を「13号電探」などを駆使して探していたのだ。

そしてやっとこさ、コブタの家にいる兵曹を探し当てた。「お菓子の仇、、、これでとってやる」と、魔女が出した秘策は「毒りんご」

「これを食ったならどんな奴でも体がしびれて動けない。そこをバッター制裁だ!」と意気揚々としている。

魔女は、姿を一般女性に変えて子ブタの家に近づいた。子ブタの家では、縁側で見張兵曹は寝ころんで新聞を読んでいる。コブタたちは家の中でお仕事中らしい。「しめた!」

「あの~。ごめんください」と姿を変えた魔女は話しかけた。ふと新聞から顔を上げた見張兵曹は一瞬ポカンとしたが次の瞬間顔色を変えて、「何の用だ!縁は切ったって言っただろうがあ!!」と怒鳴った。いきなり怒鳴られて魔女はビビった。魔女はなんでか、見張兵曹の育ての母親に化けちゃっていたのだ。

「あ、、あの、人違いです。私はあなたを存じません」と魔女はあわてた。ここで失敗したら計画はとん挫する。「ああ!?」ときつい目つきで魔女を見据えた兵曹は「似てるがな。違うんならいいよ。で、何の用だ」と言った。

「このリンゴ、おいしいんですよ。ぜひ召し上がっていただきたくて」魔女はもう、必死。兵曹はちょっとその林檎を見たが、3コブタを呼んで「切ってくれ」と命じた。切り終わると「貴様ら、食え」と言った。魔女は「いえあの、、、あなたに、、」と困ったが「貴様らが食え!」と命じた。喜んで食べるコブタ、だがすぐに体がしびれて動けなくなった。

「はあ~~~ん、そうか。やっぱりな、あんた縁を切るだけじゃ足りなくって俺を殺そうとして来たな!そうはいくか!」と怒鳴るなり、残ったリンゴを掴んで魔女の口にねじ込んだ。

魔女、自分の罠にはまるーーー。「何のことだか、、、」しびれる口で、魔女はわけが分かんない、とつぶやいた。

「その手にのるか!」と言い捨てて、兵曹はまた双眼鏡を担いで先を急いだ。

一体どこまで行けば「大和」に乗れるんだろう。だんだん不安になってきた。「こうなると、歩くんじゃなくって空を飛ぶって言うのもいいかもねえ」とちょっと弱気になってきた。しかし、飛行機はいつだったかの<天山>以来、ちょっと怖い。

そんなことを思いながら歩いていると、前方に妙な生き物がいるのに気がついた。

「水色の、象だ!!」

水色の象さんは、デカイ尻をこっちに向けて水溜りの水を鼻で吸い上げて飲んでいるようだった。珍しい光景に、見張兵曹はもっとよく見てやろうと、象の前に回り込んで驚いた。

その象さんの顔は、松本兵曹長にそっくりだ!!ふと、兵曹の頭にいたずら心が浮かんだ。どうせこいつは松本兵曹長じゃないんだからこき使ってやろう、と思ったのだ。そこで兵曹はかぶっていた戦闘帽をあみだにして、「よう!」とちょっと不良っぽく声をかけた。水色の松本象は顔を上げた。そしてまるで松本兵曹長のような声と顔つきで「なんだよ、何の用だ!」とうなった。

しかし、見張兵曹は臆することなく「お前、象なのか?」と言いながらその尻をぴしゃぴしゃと叩いた。

「そうだよ、象だよ。だからなんだってんだよ、この野郎」見た目はちょっとかわいいのに口が悪い水色の象さん。ふと、見張兵曹がそいつの顔を改めてみると、なんだか耳が異常にデカイ。思わず手にとって広げてみると、まるで零戦の翼だ。

「おお、、お前すごいいい耳してるなあ!」と、感にたえたように兵曹は言った。すると象はちょっと威張った感じで「おめえ、よくわかるじゃねえか。この耳はそんじょそこらの耳とは違うんだぞ、―――あのな、空飛べるんだぞ」と言った。

「なに!空を、だと」 「ああ、飛べる」

見張兵曹はこいつをうまく利用してやろうと思った。「でも、、例えば人を乗せてちょっと遠くまで飛ぶなんてことは出来まい?」

象は、水色の顔を赤くして「そんなことはない!ちょっとどころかうん遠くでも行ける。人の3,4人どうってことはない」と反論した。

見張兵曹は内心、シメタ!と思った。そして「じゃあ、この俺を乗せて飛ぶくらいは朝飯前、って思っていいんだな?」と畳みかけた。象は「当たり前だ、おめえくらい、屁でもねえ」と威張った。

「じゃあ、俺を乗せて<大和>まで飛べ」見張兵曹の言葉に象は「いいけど、、、飛んでったら何くれる?」という。兵曹はちょっと考えて「じゃあ、リンゴをやろう。青森産のうまい津軽リンゴだぞ」と言った。象は「・・・り、、、りんご!」と喉を鳴らした。「行こう、行こう早く!!」という象に兵曹は「いやちょっと待て。そんな目立つなりではもし敵機が来たら撃ち落とされる(こんな奴と死ぬのはいやだし)。だからちょっと<塗装>させろ」

そして、、、水色の象さんは見張兵曹によって「緑色の零戦仕様」にされてしまった。しかも胴体には日の丸まで書いてある。耳にも日の丸。

なんだかおかしくって大笑いしたいのだが、必死にこらえる兵曹。象は不審げに「笑ってんのか?おい、、なんか変なことしたんじゃないだろうなあ」というが、兵曹はごくまじめな顔で「いや。そんなことはない。これで貴様は空の王者だ」と言ってやった。

「空の王者!!」象はすっかりその気である。「おい、早く乗れよ!」

「ああ、でもちょっと待て。一応、武器も装備しとかないとね」と兵曹は言って、そこらに落ちている小石をたくさん拾って、象の鼻の中にねじ込んだ。

「ぶふぉ、、、いてえなあ。何すんだよ!」という象に、兵曹は「お前の鼻、機関銃だぞ。かっこいいそ。まるで<零式艦上戦闘機>だな、帝国海軍航空隊の花形だぜ!」とおだてた。

「へへへ、、そうかあ!?――じゃあ行くぞ、乗れよ。いいか!」

水色の象・・・名前は<段暮>(ダンボ)というらしいが・・・は、見張兵曹をその背中に乗せると、意外に軽々と宙に舞い上がった―――――

 

             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3匹の子ブタと魔女を撃退した後は、段暮(ダンボ)ですって。

一体この先何が出てくりゃあいいのでしょうね。それより兵曹は生きて元の世界に戻れるんでしょうか?????


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Author:見張り員
ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)

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