Category戦友 1/1

恋は乱麻のごとく

紅林は、小泉支社長の姉からの手紙を渡されたーー   支社長の前を辞した紅林は、封筒から便箋を引き出してそれを開いた。そこには小泉兵曹の几帳面でやや小さめの文字でこう書かれていた――   ――紅林様。いきなり手紙を差し上げる失礼をお許しくださひ。さて、あなた様の許嫁であり私たちの戦友である桜本トメ海軍一等兵曹は過日、特別任務を無事終えて帰還しました。そしてあなた様は桜本トメ兵曹がこの地を離れたそ...

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遠近の春

桜本兵曹がその許婚の紅林次郎からの連絡をひたすら待っている間に、別の兵曹の結婚の話はどんどん進んでいた――   その兵曹は高田佳子兵曹。婚約者の佐野基樹は(早く結婚式を挙げたい、夫婦になりたい)と切に思い、内地の高田の養母に手紙を書いたのだった。曰く、…佳子さんからもう私のことはお聞き及びだとは思うが私は早く佳子と結婚式を挙げたい。かといって内地にはすぐには帰れないとなると彼女の晴れ姿をおかあさ...

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掌に残る愛

高田兵曹の一言で、小泉兵曹の心は決まったーー   「じゃが、いったい誰に探らせたらええんかいのう」 と小泉兵曹はしばし考え込んだ。自分は<小泉商店>トレーラー支社長を務める進次郎の姉で、ほとんどの社員に面が割れている。かといって高田兵曹も許嫁を<南洋新興>社員に持っているからこれもちょっとまずい。では誰がいるのか。 考え込んだ小泉兵曹ははっと顔を上げた。そして「あん人がおったわい!」と...

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愛の風向きが変わるとき

紅林次郎は熱に浮かされたような顔で香椎英恵を宿舎の自室に連れて行った――   私室は6畳ほどの部屋で「風呂はまさに大浴場。飯は食堂で食べられるんだ。洗濯だけは自分でしないと」と紅林は言った。暗い部屋の中で、そうなのと返事をした英恵を紅林は抱きしめた。そして 「英恵さんが…欲しいんだ」 というなり彼女を床の敷物の上に倒すようにしてその上にまたがった。英恵のブラウスの前を彼は引きちぎる勢いで開ける、そ...

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小泉兵曹、焦れる。

小泉兵曹は眉間にしわを寄せて「どうしたんじゃいったい…」とつぶやいていた――   その日の午前中にオトメチャンこと桜本兵曹が<凱旋>帰艦すると聞いて、『女だらけの大和』の手すき乗員は今や遅しと甲板上に集まって手を額にかざし、四方八方に目を凝らしている。 遠くに『飛龍』ほかの空母が浮かび「ほいでもオトメチャンはもう『飛龍』からは降りとってじゃろ?ほしたら上陸桟橋のほうからきんさるんじゃろうねえ」...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)