Category家族 1/4

いとしごよ 呉編 1

益川中佐たちがトレーラーに到着するころ、内地広島・呉では新しい命が誕生しようとしていた――   その土曜日、呉の海軍病院産科棟内の病室では、繁木航海長が山中次子中佐の病室を訪ねていた。繁木航海長は悪阻も収まったようで退院の許可が下り、あさって退院することとなった旨を<副長>に報告に来たのだった。次子は航海長に手近の椅子を勧め、航海長が椅子に座ると 「退院だそうですね、よかった…悪阻が収まると...

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いなりずし 2 解決編

海軍嬢姉妹は、長姉の作った稲荷ずしの包みを抱え、母親の入院中の病院へ向かったーー   皆川やちよ中尉は傍らを歩くみちよ兵曹に 「こうしてお使いみたいに物を言付かって歩くってのは子供のころ以来だねえ」 と語りかけるとみちよも 「そうですねえ。あの頃どっちが荷物をもつかで喧嘩をしたものですが」 と言って下を向くとくすくす笑った。やちよ中尉も「そうだったね。いつも私が『姉ちゃんが持つんだ』と言って威...

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いなりずし 1

皆川やちよ海軍中尉は艦が横須賀に着くととある場所に連絡を入れたーー   連絡を入れたのは妹の皆川みちよ海軍上等兵曹が教員を務める海軍通信学校で、みちよは姉からの電話に 「姉さんお久しぶりです。…はい、ねえさん休暇はどのくらいいつから取れますか?…ああそうですかではそのころまた連絡ください。はい。…お母さんのお見舞い行きましょう。ええあと少しで退院できるとは聞いていますよ、だいぶいいようですから。...

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いとし子よ 横須賀編 2 解決編

継代が桃恵の兄夫婦の家に行って三日目――   その日の朝、智一大尉は「私は今日ちょっと帰りが遅くなります。もし何かあったらすぐに連絡をしてくださいね」と言った。例の<松岡式防御装置>の横須賀海軍工廠側の本格実験が間近であるので忙しいというのを桃恵もわかっていた。だから 「はい。解りました…もしかしたら泊まられるかもしれませんね。私は平気です、まだ何の気配もありませんもの。予定の日までまだ十日...

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いとし子よ 横須賀編 1

横須賀の三浦家では、桃恵が臨月を迎えていた――   先日もそんな桃恵を心配して医務科で上司だった秋川兵曹長が訪ねてきてくれた。秋川兵曹長は勧められてあがった座敷の隅に座ると 「春山…じゃなかった三浦さん、もう臨月だろう?兆候はまだかな?もし何かあったらすぐに連絡しなさい」 と言ってくれた。その秋川に座卓の前を勧めると桃恵は大きなおなかを撫でながら 「ありがとうございます秋川兵曹長。二人目ですから...

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女だらけの「帝国海軍」、大和や武蔵、飛龍や赤城そのほかの艦艇や飛行隊・潜水艦で生きる女の子たちの日常生活を描いています。どんな毎日があるのか、ちょっと覗いてみませんか?
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ごあいさつ・「女だらけの帝国海軍」へようこそ!ここでは戦艦・空母・巡洋艦駆逐艦などから航空隊・陸戦隊などの将兵はすべて女の子です。といっても萌え要素はほとんどありません。女の子ばかりの海軍ではありますがすることは男性並み。勇ましい女の子ばかりです。女の子ばかりの『軍艦大和』をお読みになって、かつての帝国海軍にも興味をもっていただければと思います。時折戦史関係の話も書きます。
尚、文章の無断転載は固くお断りいたします。
(平成二十七年四月「見張りんの大和の国は桜花爛漫」を改題しました。)