「女だらけの戦艦大和」・ああ驚きの海軍生活・・・!?
誰にでも「驚いたこと」「驚いた体験」はあると思います。
そこで「女だらけの帝国海軍」の女将兵のみんなの<海軍に入ってとても驚いたこと>を聞いてみましたのでお聞きください!
猪田智美中尉 「こんにちは!私は『武蔵』艦長・猪田敏代の娘の智美(さとみ)であります!さて、海軍に入って驚いたことと言うことでありますが私はあまり物事に動じないというか驚いたということがないんですね・・・さあ困った・・・ちょっと考えてみましょう・・・
あ!ありました!私は二年ほど前にここフィリッピンの航空隊に赴任してきたんですがここの福田司令があまりに――あまりにオランウータンに似ていたのがたいへん驚きでした。
私もオランウータンは一度しか見たことがなく、しかしあの動物は印象的で忘れられませんでした。その印象的な動物が眼の前に!と思った時は本当に驚きましたよハハハ。
――ってこの話福田司令には絶対に内緒に願います!」
小泉兵曹 「『大和』勤務の小泉です。私が海軍に入って驚いたことを語ってほしいというので語ります。私が海軍に入って驚いた――というか『大和』に乗って驚いたことですが、艦長(梨賀幸子大佐)の水虫のひどさです。今でこそ完治状態の艦長の水虫ですが私などが乗艦した当時、とてもひどい状態でした。私は防空指揮所の配置ですが訓練時に艦長はそこに立つがです。するとですね、訓練が始まって一時間もたたんうちに艦長の額に汗がじっとり・・・にじみ出すんじゃわ。一体どうしたんじゃろ思うてちらちら見とると、艦長、胸に下がった双眼鏡をグイッと握りしめて『く、く、く・・・』いうんじゃわ!一体なんじゃろう思うてこっちは気が気じゃないんじゃが、そのうち当時の艦長伝令の兵曹がさっと艦長の足元にしゃがむんじゃわ。「?」と思うて見とると伝令の兵曹、服のポケットからなにやらこまい瓶を出すんよ。それがあなた!水虫の薬じゃ。それを艦長のサンダル脱がして足の指の間に塗り付けるんじゃ。
なんや・・・伝令の兵曹が気の毒でねえ。ほいで思うた。うちは絶対この仕事だけはしとうない!と。
うん、うちが海軍に入って一番驚いたんは艦長の水虫じゃね」
石場兵曹 「暗黒の一重まぶたの石場です。『大和』に乗っとります。
小泉は水虫に驚いたいうてますが甘いねえ。うちが一番驚いたんは艦長・参謀長のタバコの吸い方じゃ。あん人たちのタバコの吸い方は異常じゃで?艦長はタバコの先、一センチくらいでタバコを灰皿にねじ込んでしまうんじゃ。もったいないじゃろう?そう思うんじゃがなんでも『タバコの一番うまいんはここまでじゃ、そこから先はまずうていけん』いうてね。じゃけえ次々にタバコに火ぃつけては灰皿にねじ込む。これを訓練中にされてみい?火いつける役は大ごとじゃ。うちはほんまに驚いたよ。
それに森上参謀長じゃ。参謀長もタバコをよう吸うんじゃがこの人はまた艦長とは正反対、唇ぎりぎりまでタバコを吸っとる。うちは指や口を火傷せんか気が気でないわ。
ほいでも長年の勘、いうんかね?一度も火傷せんところを見るとありゃあもう達人の域かねえ?ようわからんが――うちが海軍は言って驚いたんはこの二人のことです」
麻生少尉 「『大和』航海科の麻生です。うちが海軍に入って一番驚いたんは――ほうじゃ。そこのあなたようわかっとるじゃないですか!ほうです、オトメチャンの美しさです。
うちがまだ兵曹長だったころオトメチャンや小泉たちが上等水兵で乗艦して来たんじゃ。オトメチャンと小泉は「日向」にいてそこから転勤になったと聞いている。うちは航海科に二人ほど新顔が来る言うて聞いて、はあまた使えん連中が来たんじゃろうか、どうしごいてやろうか思うて見に来たんじゃが――オトメチャンをひと眼見た時うちは天地が逆になったくらいの衝撃を受けたんじゃ。
美しい。
その言葉が頭の中をぐるぐる回り出して・・・。水兵服のオトメチャンは何ともかんとも美しかったで。小泉なんか足元にも及ばん位の美しさ。うちは一目でオトメチャンの虜になってもうた。が、上に立つ人間としてそれを悟られるんも恥ずかしいけえ、わざとオトメチャンを蹴ったりしていじめたっけ。あれは悪かった思うてる。気を引こう想うて心と正反対のことをしてしもうたんじゃわ、うちもあほじゃねえ。
てな訳でうちの驚きの一番はオトメチャンの美しさじゃ!文句あるか?」
見張兵曹 「見張トメです。麻生分隊士はあがいにおっしゃいますがうちはちいともきれいじゃありません。恥ずかしいですけえ、分隊士あまりそげえなこと言わんでつかあさい・・・。
あ、うちが海軍に入って一番驚いたんはまずは海兵団でみんなが親しく話をしてくれたこと。うちはそれまでほとんど誰とも話をしたことがなかったけえちいと人が怖い、言うところがありました。でもしんなうちに皆あれこれ話しかけてくれてうちはだんだん怖くなくなってきました。
それから三度のご飯をいただくことができること。これはとてもうれしかったです。たま~に誰かがへまこいて飯上げ(ご飯抜きのこと)食ろうた事もありましたがうちはご飯抜きは慣れとってじゃけえどうもなかったです。そして一番の驚きはうちが帝国海軍期待の一番艦『大和』に乗務したことでしょうか。うちみとうなどんくさい奴がこの弩級艦に乗れるなんて・・・夢のようでほんまに驚きです」
小泉兵曹 「うちが『大和の突撃隊員』の一人小泉じゃ。うーむ、うちが海軍に入って一番びっくりしたんは、やはりあのことじゃろうか。皆見目麗しいおなごじゃ言うんに男遊びをようする、言うことじゃろうか。海兵団を出て小さな艦に乗ってそのあと航海学校へオトメチャンと行ってそのあと大きな艦に乗った時先輩に繁華街に連れて行かれたんじゃが(その時がうちの初めてじゃった、ウフフ)皆男の人をとっかえひっかえして夜通しあそんどるんにうちはたまげた。
その時先輩に『貴様も男の一人や二人知っとかんと海軍軍人とは言えんで?さあ遊んで来いや!』言われてその気になって・・・今では立派な海軍軍人になれました!先輩感謝です」(ってうち、二度目の登場じゃわハハハ)
野村副長 「まったく何を言ってるんでしょう。恥ずかしいったらないじゃないの。
さて、私が海軍に入って一番驚いたことというとやっぱりあのことかしらねえ。そう、あれは私が砲術長として『大和』に来て間もなくのことでしたねえ。ある日私が最上甲板を歩いていると前甲板の方で人だかりがしています。一体何だろうと不審に思ってそっと寄って行くとそこにはまだ若い水兵嬢たちがたくさんいてその中心に森上参謀長がいました。しかも早くも驚くことに素っ裸。真昼間ですよ?私が茫然としてみていると、参謀長はたくさんの水兵嬢たちに『褌の正しい締め方』をレクチャーしているではないですか!自らモデルとなって、裸の自分を使って褌の締め方を教えているのです。
――私がそれ見て感激したかって?・・・するわけないでしょ!しかもそのあと私は参謀長に『おーい、新しく来た砲術長―。あんたにも褌の締め方教えてやろうかー』って追いかけられたし!二重の驚きですよ全く・・・教えてもらわなくたって知ってますよだ」
梨賀艦長 「『大和』艦長です。私が一番驚いた海軍でのこと。それは、あの二航戦・山口たも司令官の食欲です。あの人の食欲は尋常ではないですね。一度、彼女の乗る『飛龍』を訪問したことがあるんですがその時の晩餐の量ときたら、サラダは馬の飼い葉なみ。スープはどんぶりになみなみ。メインディッシュの肉ときたらまあ、でかいのでかくないの・・・その上デザートに山盛りのアイスクリーム。私はもう腹がパンパンで苦しかったんですが食事を残すのは良くないと思って頑張って食べました。正直冷や汗が背中を流れ、もしかしたら生きて帰れないかもと覚悟を決めたほどです。他の招待客――武蔵の猪田艦長とか「赤城」の青木艦長なども真っ青になりながらも懸命に食べていました。
が、山口司令官は全く顔色一つ、眼の色ひとつ変えることなくにこにこしながら出されたものをあっさり平らげあまつさえ『これお代わりないのかしら?』というのですから驚きました。
大食い、と言えば私の海兵同期の古村啓子も大したものですがそれでも山口司令官にはかないますまい。それが証拠にそのあと、山口司令官は古村を呼んで大食いしたそうですが古村は激しい胃の痛みに苦しんだそうです・・・。
ですから私の海軍生活での一番大きな驚きは山口司令官の大食いです。ほんと怖かった・・・」
繁木(旧姓・片山)航海長 「こんにちは、片山・・じゃなかった繁木航海長です。結婚したばかりでどうも名字に慣れなくって・・・て、こんなことじゃいけませんね!
え・・海軍に入って一番驚いたことを言えと?う~~~ん、そうですねえ。こんな事言うと変な奴と思われるかもしれませんが――妻になるのってとっても痛い思いをしなきゃなれないんだな、ってことでしょうか。それが私が海軍に入ってから最大の驚きです、はい」
ハッシー・デ・ラ・マツコ 「あたしがハッシー・デ・ラ・マツコよ!あたしが海軍に入ってから一番驚いたこと・・・。いろいろあり過ぎてどれがいちばんなんて言えないわよ。でも、いつだったか大きな訓練の時アタシ金色になっちゃってびっくりして飛ぶうちにマツオカと衝突して死にそうになったのは一番の驚きかしらねえ。
それ以外は毎日驚きの連続よアンタ・・・ここの女どもって碌なことしでかさないでしょう?アタシ心配なのよね、「帝国海軍」の行く末がさ。――ちょっと聞いてんの?水虫女の艦長ったら!逃げるんじゃないわよう」
トメキチ 「僕、犬です。僕が海軍に入って一番驚いたことを言うんですか?そうですねえ・・・やはり僕も毎日おいしいご飯が頂けることでしょうか。昔生まれて半年くらいの間飼われていたうちは子供がいっぱいいてお金があまりなかったから僕がご飯にされそうでしたもん。
でも今はご飯をたくさん食べられるしいろんな経験が出来て僕も毎日驚きの連続です。毎日トメさんやマツコサン、それにマツオカサンと熱くなっています。これからもっと驚くことがあるのかな?わくわくしちゃうな!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
いろんな驚きがありましたね。
しかしあまりまともな驚きがなかったような気がするのが・・・気がするだけでしょうか。まあいいかw。
さて次回、いよいよ岩井少尉のお話が始まります。少尉、元・夫としっかり決別できるでしょうか。
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コメントの投稿
すっとこさんへ
話の合間合間にこういう馬鹿話を書くのが私の生きがいであります!
そう、オトメチャンは『大和』に乗って来た時からみんなの注目だったわけですが、その秘密は年齢にあったわけだった・・・ガーン!
むくつけき女ども(って表現も相当おかしいですが)の中にあって独り可憐で幼いオトメチャンは皆の驚きだったでしょう。
オトメチャンのプロマイド、各艦艇の酒保において好評発売中であります!
この企画はおもろいですのう!
いちいち吹き出してしまいましたがのう。
オトメちゃんは年齢を3歳も偽ってたこともあって
可憐な美しさには皆が驚いたのでせう。
オトメちゃんブロマイドはありませんかのう。
いなばさんへ
なつかし~~~!!牧伸二さんですな^^、「大正テレビ寄席」の冒頭必ず歌われるんですよね牧さんがウクレレで!
――って年がバレバレじゃないですかああああwwww!
まろゆーろさんへ
長年生きていると(というと大変な年寄りに思えちゃいますね、失礼!)驚きも悲しみも喜びも・・・たくさんあったことに今更ながら、それこそ驚きますね。
昨今の日本や世界の情勢は「いやな驚き」に満ちています。それが「後味の良い驚き」に満ちた世界になればどんなにいいだろうと本当に痛感しますね。
人の心がまるくなって多少のことではいらいらかりかりしないようになればいいのに。「おおらかさ」を忘れた日本人が何か悲しいです・・・
『大和』のみんなには瑣末なことで争わないような人間でいてほしい、それがいつしか現実世界にも広がって本当に素晴らしい、美しい日本になれば・・・というのが私の切なる願いです^^。
オスカーさんへ
思っていても口に出せないこと…ありますよね~~そしてそれほど辛いことはないですよホントにw。
それこそ「王様の耳は~」みたいに吐き出せたらいいと思うんですよ、腹にたまったものを吐き出してこそ明日への鋭気が養えるってもんではないかい?と思う昨今でありますw。
単なる一方的な攻撃的批判で終わらずに「イコール改革・改良」につながる批判をしたいものですよね。
さあ…また「女だらけの~」にとっては嬉しい日本のイベントがメジロ押しの春がやってまいります^^。どんな話を書こうか、今から心は桜色のウキウキ状態です~~(^^ゞ
れい姉さまへ
ほう、れい姉さまも森上参謀長と同じですか^^!
この話は実は史実でございまして森上参謀長のモデルにさせてもらった「森下参謀長(大和艦長を務めたこともあります)」がその吸い方で近くにいた部下が、「やけどをするんではないか」とハラハラするくらいだったとか。梨賀艦長のモデルの「有賀艦長」は吸ってはすぐにポイ、だったとか。
当時のたばこにはフィルターはなかったと思いますね、一般には刻み煙草でそれを自分で紙に巻くようだったみたいです。
でも後味の良い驚きほど心地よいものはありませんね。世の中が丸くなってくれれば驚きの内容も変わるはずです。
オトメチャンの美しさと言える素直さ。大食に驚いたと言えるフランクさ。大和のみんなは人を傷付けることのない素敵な人たちばかりですね。それも大きな驚きなのかもしれません。
またこういう風に思われていたのか~と己を反省するいい機会になるかも。
これからは雛祭りやお花見などの行事もあるし、シリアスからギャグまでまたワクワクする話を楽しみにしていますね!!
こんにちは(=゜ω゜)ノ
先っちょの1cmしか吸わないなんて、そんな勿体ない事できませんヽ(;´Д`)ノww。
ところで、今のタバコには、口を付ける部分にフィルターがございますが、当時は無かったのでしょうか…・?;;